危険!ミツバチを食い尽くす「ツマアカスズメバチ」という特定外来生物が日本に上陸していた・・・

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 環境省は11日、どう猛で繁殖力が強い特定外来生物「ツマアカスズメバチ」の巣が北九州市門司区で見つかったと発表した。

 3年前に国内で初確認された長崎県の離島・対馬以外で確認されたのは初めて。同省は周辺に他の巣がないか調査し、見つかれば駆除する方針だ。


 環境省や北九州市によると、巣は8月28日、同市門司区松原3の下水処理場「市新町浄化センター」の敷地内にあるイチョウの木で見つかった。駆除した業者が「特定外来生物のハチに似ている」と市に報告して判明した。巣は直径約50センチで、地上から約7メートルの高さに作られていた。


 ハチを確認した九州大の上野高敏准教授(昆虫学)によると、腹部のオレンジ色の斑紋がやや多く、「対馬よりも韓国に生息するハチの特徴に近い」と指摘。韓国・釜山港と貨客船の往来がある山口県・下関港を経由して入ってきた可能性があるという。

出典:どう猛外来スズメバチ、本土で確認…韓国からか : 環境 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

	

ツマアカスズメバチとは?

ツマアカスズメバチ

成虫の体長は、女王バチが30mm、働きバチが20mm。体色は全体的に黒色で、腹部の先端は赤褐色。

ハエやミツバチ、トンボなどを捕食する。最初は茂みや低木の中、地中に営巣し、コロニーが大きくなると樹木の上部に巣を移す。大きい巣だと1mを超えるものもある。マンションなどの壁に営巣することもある。

分布

中国、台湾、ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナム、マレーシア、インドネシア、インド、ブータン、パキスタン、アフガニスタンに分布する。

韓国、日本(対馬北九州)、フランス、スペインに外来種として移入分布する。2012年にはポルトガル、ベルギー、ドイツに生息圏が達しており、イギリスに到達するのも時間の問題だと考えられている。韓国では2003年に釜山で侵入が初確認されて以降、個体数が爆発的に増えている。日本では2013年に対馬で初めて記録されたが、2012年から定着していたと考えられている。2015年1月9日、環境省は外来生物法にもとづく特定外来生物に指定した。


人間との関わり

台湾、マレーシア、インドネシアでは刺傷によって死者が発生している。

近年、世界的にミツバチの大量失踪が問題となっており、その原因はネオニコチノイド系農薬が原因と考えられるケースが多い。一方、対馬におけるミツバチの大量失踪には、農薬ではなくミツバチを好んで襲う本種が関わっている可能性があると指摘されている。2014年には、ツマアカスズメバチを対象にした罠を仕掛けたところ、ミツバチは無事だった。

出典:ツマアカスズメバチ - Wikipedia

	
	

ミツバチを主食とする外来種「ツマアカスズメバチ」

ツマアカスズメバチは1836年に存在が確認された、インドネシア・ジャワ島原産のスズメバチです。

全体的に黒い体をしていて、和名の「ツマアカ」という呼称は、お腹の先端が赤みを帯びた色をしていることから名づけられました。


その分布範囲は日本以外のアジア全域にわたっており、非常に広大です。

女王蜂は最大30mmほどの大きさになり、これは日本に生息するスズメバチの平均サイズと比べても遜色ありません(国内最大はオオスズメバチの約40mm)。


田舎だけでなく都市部にも生息することが可能で、分布範囲の広さと相まって、本来生息していなかった地域へ拡大する原因となっています。


食性はほかのスズメバチ同様肉食で、幼虫のエサにするためにさまざまな昆虫への狩りを行います。

ハエ・ミツバチ・トンボを捕獲することが多く、特にミツバチを好みます。


非常に高い攻撃性を持ち、一度獲物・敵と定めた相手に対しては執拗に攻撃をくり返す習性があります。

出典:【注意報】ツマアカスズメバチの生態と危険性、その被害拡大の予想

	

日本での被害リスク1:

ミツバチ減少で農作物に奇形が増加。九州には既に侵入の可能性

ツマアカスズメバチは、研究者の間では既に、すぐそばの九州へと侵入している可能性も高いと考えられています。


迅速な対応策をとらなければこれらの危険は、遅かれ早かれ対馬ばかりでなく、日本列島全体に拡大する可能性が高いと言えます。


日本の養蜂業の中心はニホンミツバチ以上に外敵に弱いセイヨウミツバチですから、もしもツマアカスズメバチが侵入・増加し続けた場合、多数がその餌食となってしまいます。


そして各地でミツバチが壊滅的な被害を受ければ、それを利用した受粉を行う農業作物が、多大な損害を受けることになります。


蜂を受粉に利用している作物は、以下のようなものがあります。


<蜂による受粉を行う野菜・フルーツ>

野菜 かぼちゃ、ナス、きゅうり、トマト、ピーマン、ズッキーニ ほか

フルーツ いちご、すいか、メロン、なし、ブルーベリー ほか


受粉をミツバチに頼るこれらの野菜・フルーツは、ミツバチの数が大きく減少した場合、人の手による受粉作業が必要になります。


ミツバチによるものに比べるとはるかに効率が落ちる上、花ごとの受粉に偏りが生まれて、果実に奇形が生まれる確率が非常に高くなります。そうなれば、農業に対する経済被害もとても大きなものとなってしまいます。

出典:【注意報】ツマアカスズメバチの生態と危険性、その被害拡大の予想

	

日本での被害リスク2:

非常に凶暴、都市部に住みつく。高層ビルにも巣をつくる

さらに怖いのが、蜂に刺されることによる人的被害です。


ツマアカスズメバチは大変攻撃性の高い性質をしており、一度攻撃をはじめると執拗に繰り返し、相手を襲います。人間に対してもそれは変わりません。


また、都市部での活動も容易に行います。

本来、10メートルを超える樹木の高い枝に巣をつくる習性があるため、韓国での増加の際には高層マンションへ巣をつくった結果、住人が刺されてしまうケースが多く見られました。


高層マンション・アパートの多い日本でも、韓国同様の被害が多数起きることが予想されます。台湾・東南アジアでは刺されたことによる死者も出ています。

出典:【注意報】ツマアカスズメバチの生態と危険性、その被害拡大の予想

	

そんな「ツマアカスズメバチ」にも天敵がいた

ツマアカスズメバチを捕食している「ハチクマ」

危険なハチをあえて獲物に選んだ、命知らずな鳥がいます。タカの仲間、ハチクマです。「ダーウィンが来た!」では5年前、ハチクマが地中に巣を作るクロスズメバチを襲う様子をスクープ。謎に包まれていた生態の一部を明らかにしました。ところが今回、ハチクマたちがそれを上回る驚きの狩りをしているという情報を入手しました。場所は台湾。クロスズメバチの2倍の大きさで、凶暴性もケタ違いのツマアカスズメバチを集団で襲うというのです。
取材班は狩りが目撃された台湾中部の山間地に急行。地元の人たちの協力と1か月を超す観察の末、ついにハチクマが集団でツマアカスズメバチの巣を襲う衝撃の映像を撮影することに成功しました。ハチクマが狙うのは、木の上のツマアカスズメバチの巣。1メートルを超す巨大なものです。巣の中には数千匹のハチたちが待機。まるで「要塞」です。巣の周りには続々とハチクマが集まり、15羽以上に達しました。どうやって攻略するのでしょうか?複数のカメラを用意し、固唾を飲んで見守る取材班。ハチクマはすぐには攻撃をしかけず、ハチの動きを観察しながら機会を伺います。そして突然、1羽が攻撃を始めました。ところが、巣に飛び乗ったハチクマは怒り狂ったスズメバチの猛反撃にあいます。危うしハチクマ!息詰まる攻防が続くさなか、ハチクマはハチを操る魔法のような“秘策”を繰り出しました!ハチクマ軍団VSスズメバチ軍団、必見の衝撃スクープです!

出典:360回「衝撃!ハチクマ軍団VSスズメバチ軍団」│ダーウィンが来た!生きもの新伝説

	

参考記事

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Sharetube