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世界『動物保護』最新事情【現地取材ルポ】オランダ編(VOL.1) #ディ―レン・ブスケルミング #動物虐待

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世界『動物保護』最新事情【現地取材ルポ】オランダ編(VOL.1) #ディ―レン・ブスケルミング #動物虐待

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Update date:2018年03月26日
世界『動物保護』最新事情【現地取材ルポ】オランダ編(VOL.1) #ディ―レン・ブスケルミング #動物虐待
今回のシリーズは「動物保護」。海外では動物保護運動が盛んです。特に「オランダ」はその分野では先頭を行っています。日本においても、オランダのように徹底した「動物保護意識」が定着するようになると、今までのように「経済大国=働きバチ」的な先進国ではなく、「人間」的な先進国と呼ばれるようになるのかもしれないですね。
しかし、現状を見る限り、オランダのような「動物保護先進国」の仲間入りは果てしなく遠い、日本は動物保護後進国」と言えます。
それに改めて気づかせてくれる取材となりました。

●オランダ動物保護最新事情●

オランダ最大の動物愛護団体Dieren beschermingディ―レン・ブスケルミング)。1864年に設立され、個人会員18万5千人、全国に128の支局、109の保護センターがあります。ベアトリクス女王もメンバーとして名を連ねているといいます。

同団体の専従職員、マヨレイン・デ・ローイさんにオランダの動物虐待の実態・保護についてお話しをうかがいました。

同団体のはじまりは、日本でも有名な「フランダースの犬」(小説の舞台はベルギー)にも登場する、「ミルク運搬作業に従事していた犬たち」の酷使保護にあったそうです。

当時のヨーロッパ社会では、「農作業その他への酷使だけでなく、動物の虐待が日常的に行われており、遊園地などでは、ネコを殴打するショーが催されていた」といいます。そのような状況を危惧した人たちが集まり、動物保護運動が活発化、同団体が設立されました。

そしてその運動は、虐待を禁止する法律の制定にまで発展しました。しかし、初めて作られた法律は「公共の場で動物を虐待してはいけない」という、「公衆衛生」的な側面の強いもので、動物保護の観点からはほど遠いものでした。

でもそれがきっかけとなって、動物愛護の精神がオランダ国民に徐々に浸透していくきっかけとなったのです。しかし、同協会設立から138年たった今でも「虐待が完全になくなったわけではない」と、デ・ローイさんはいいます。

「残念なことに、私たちのまわりでも、未だに動物の虐待は行われています。最近、特に多いのは子ども向けの小動物園での事件。生きたウサギをボールにみたててサッカーをしたり、ニワトリに火をつけたり。信じられないようなことがおきています」…。

どんな小さな街にも必ずある小動物園(Kinder boerderji/子ども農園)は、オランダ独特のもので、そこではヤギ、ヒツジ、アヒル、カモなど様々な動物と接することができます。動物と気軽にふれあう貴会が身近にあるわけですが、「その気軽さが虐待を生むきっかけになっている」とデ・ローイさんたちは考えています。

「小動物園の問題は、動物たちが夜間でも外にいること。いつでも忍び込んで動物たちを虐待することができるのです。火災報知器を設ける、外部との間に柵を設ける、夜間は動物たちを屋内にいれるなど、虐待できる機会を少なくすることも大切だと私たちは考えています」。

同団体では、すでに発生した事件への対処はもちろんのこと、様々な段階での活動を行っています。そのなかでも興味深かったのが、一般住民からの通報システムです。

同協会の通報センターには、常時30人の職人が対応しており、年間3000件近くの通報があります。このシステムの効果により、虐待事件は激減したそうです。いわば「衆人環視」という強制的な虐待防止策です。「地域の強力なしに動物の虐待を防ぐことはできない」というのが、百年以上に渡って動物虐待と対峙してきたオランダの答えなのでしょう。

日本における動物虐待事件においても、法規制の強化はもちろんのこと、オランダにおける「一般住民からの通報システム」のような、国民ひとりひとりが「命の大切さ」を認識し、動物保護活動に自主的に参加する「意識改革」が必要な時期にきているのではないでしょうか。

★動物虐待の実態

「ストレスや怒りを抱えていたり、精神的に問題があったり…。虐待の問題は動物にではなく、実は人間の側にあるのだと私たちは考えています。虐待行為の裏側に何らかの理由があるはずです。私たちの仕事は動物を守ること。しかし原因(人間)への対処も大切なので、他の組織とも積極的に情報交換を行っています。」とマヨレイン・デ・ローイさんは言います。

人間が「癒される」ことで、動物への虐待は少なくなるということでしょうか。個々のケースによって、原因も内容も異なるので一概にはいえませんが、「ストレスのはけ口」として引き起こされる動物虐待の多くは、様々なストレスがあふれ、精神的に余裕がなくなっている「先進国」特有のものとも言えるかも知れません。

同協会によると、最近、オランダで問題になっている小動物園(Kinder boerderji/子ども農園)での虐待事件を引き起こすのは、「ほとんどが15、6歳の複数の少年たち」だと言います。「なんとなく面白いから、タフであることを見せたいから、集団の勢いでつい・・」と、犯人の少年達は悪びれずに答えているのだそう。道徳的に、また社会通念として悪いと知っていながら、「ヒツジに酸をかける、ウサギをボールにみたてて蹴る」といった、「異常行動」に移ってしまう状況は驚くほど日本の若者の虐待事件と酷似しています。同協会は、このような状況にどのように対処しているのでしょうか。

「日常のなかで、動物を物とみなす行為をなくすことが大切です。」と、マヨレイン・デ・ローイさんは言います。

「夏になると様々なイベントが開催されます。オランダの東部では、子ブタを囲いにいれてどろんこになりながらタッチという遊びがあります。動物を遊びの対象、物として見なしているわけです」。

一見、微笑ましい光景のようにも思えますが、大音響のなかで追いかけまわされる子ブタにとっては死活問題であるし、大変なストレスでもあります。「動物と触れ合うよい機会」と思っていたことが、「動物を物とみなす意識を植えつけている」としたら皮肉なものです。

現在、闘犬・闘牛などは全面的に禁止されていますが、同協会では、このような「イベントでの遊び」に関しても禁止できるように法改正を働きかけています。

さらに「今年の6月の委員会でベアトリクス女王にメンバーを辞任してもらうよう勧告することが決定されました。その理由は王室所有地でゲームハンティングが行われていること、女王自身が毛皮を身につけていること。オランダ人にとって王室は大切な存在です。しかし、法改正を含めたロビー活動をしていく上で、これらの動物虐待行為を容認する女王がメンバーでは差し支えがあると判断したのです」とマヨレイン・デ・ローイさん。

同国では、近々ゲームハンティングが禁止される方向にあるが、「王室を除外する」という条項を政府が盛り込もうとしていることに同協会は反発しているのだそう。

「動物保護に例外は存在しない」…。そのポリシーを女王への「辞任勧告」という形で「徹底」しているところが、オランダは「動物愛護先進国」と言われる所以なのかも知れません。



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著者プロフィール
◆Pride of the Japanese◆

現役キュレーターの中でトップのアクセス数を誇るSharetuber。世界を飛び回る国際ボディガード歴20年。護身術師範。悪質なクレーマーや反日左翼と戦う某公的コンサルティング団体顧問。喧嘩上等。「I'm proud of the fact I was born in Japan.」