by ベテランズ (表示スキップ) 評価履歴[良い:1(100%) 普通:0(0%) 悪い:0(0%)] / プロバイダ: 5727 ホスト:5654 ブラウザ: 10605【良い点】
進化した人類(ディクロニウス)と現生人類の対決・対立を上手くまとめたところ。シンプルに言ってしまえば「愛は全ての憎しみを超える」。
ディクロニウスの女王蜂であり、現生人類から苛烈な差別を受け続けたルーシーが、現生人類の中で最も優しく思いやりのある少年コウタに出会い、恋したことが全ての始まりであり、終わりの全てです。
凄惨な虐殺劇の後、最終話でルーシーの言った言葉が物語を総括していました。
特に最終話はアニメ史上最高のメッセージ性と感動がありました。
以下、見終わった人としての感想
(ややネタバレ)
ただ、普通の人間と同じように人並みの幸せの中でコウタと生きて行きたかったルーシー。
コウタが訪問者を出迎えにいくと、ルーシーが好きだったliliumのオルゴールが止まり、にゅう(とてもピュアで心優しいルーシーのもう一つの人格)が必死で直していた古時計が動き出す。
最終話が素晴らしいのはもちろんのこと、訪問者が誰だったのか、誰もがわかるようにしておきながらハッキリさせないあのラストシーンが素晴らしい。
【悪い点】
残虐描写。あそこまでやらなくても、と思うシーンがいくつか。特に最終話でルーシーが科学者を殺す必要はなかったのでは(人間らしさを改心しつつあったので)
【総合評価】
色んな意味で残酷でしたが、最終話のルーシーとコウタの会話に救われました。私の地元なだけあって、とても思い出に残った作品です。
コウタとルーシー(にゅう)にはずっと幸せでいて欲しい。そんな姿を見せるのほほん系スピンオフを見たいです。
by TORTE (表示スキップ) 評価履歴[良い:5(71%) 普通:1(14%) 悪い:1(14%)] / プロバイダ: 14104 ホスト:13950 ブラウザ: 14178
【良い点】
・兎にも角にもOPの「Lilium」が美しい。まさかアニメのOPにクリムトを持ってくるとは。
クリムトの作品は「死の香りがする」と評価されていますが、この作品にぴったりです。
個人的にはアニメ史上最も美しいOPだと思います。評価の5割はこのOPです。
・差別・いじめ・救いをテーマにしたストーリー。
人間の持つ攻撃性・醜さ・愚かさ・保身などの表現、登場人物の心理描写が上手い。
・原作が完結しておらず伏線回収不足など消化不良な部分はあれど、及第点に1クールにまとまってい るところ。
・ディクロニウスの良心であるナナの存在。連載時の読者の方々が送られた存命希望の手紙に感謝で す。最後の素麺のシーンは泣けました。
【悪い点】
・血飛沫なんて当たり前。首や手足、胴が飛んだりなど、なんでもありなグロテクスなシーン。
・萌え絵
が受け付けない人には視聴は苦痛過ぎて、無理だと思います。
・孤児院で少年が子犬を殴殺するシーンは流石にやり過ぎかと。
【総合評価】
角が生えているから…と幼いころから社会に拒絶され、世界から排他的扱いを受けてきたルーシーにどれだけ感情移入できるかどうかで評価が変わる作品です。
よくレビューで単なるルーシーの殺人ショーなど言われてますが、新人類であるルーシーはDNAの声に従って行動しているのであってホモサピエンスのヒト科の淘汰と同じです。
「いままで人を殺したことは一度もない」とのセリフから明らかですし。
そのスイッチが入るのは時間の問題でもありますが、ルーシー(幼少)の心を完全に歪めてしまったのは他でもない人間ですし、現代社会へ訴えるものがあります。
悪い点を差し引いても、OPの美しさ、ナナの健気さ、示唆に富んだストーリーから最高とします。
by サミアド (表示スキップ) 評価履歴[良い:50(61%) 普通:0(0%) 悪い:32(39%)] / プロバイダ: 46917 ホスト:46984 ブラウザ: 5234
ヤングジャンプで連載されていた「エルフェンリート」のアニメ作品。
「グロ」という劇薬的な要素があるため、インパクト・メッセージ性が非常に強い作品。
グロという要素に慣れていないため、途中で視聴に耐えれなくなった方もいると思う。
実際私も視聴当初、絵柄から想像もつかないほどのグロで固められていたため気分が重くなった記憶がある。
しかし、この作品は掘り下げていけばいくほど表面のグロという要素だけでなく、内側に秘められた要素が輝いてくるのがわかる。
誰の心理にでもあるであろう「差別」という概念が大きなキーワードの一つとして挙げられており、
視聴した後には何か考えさせらるものがある。
<注>以下ネタバレ含みますのでご注意を…。
今まで出会った事の無いタイプの作品だったため、全く先読み・展開の予想ができず作品に魅入ってしまった。
日常は心和むほどほのぼのと描かれており、桜の花びらの散り方や鳥のさえずりなどが非常に穏やかな印象を持たせてくれる。
純真無垢なにゅう、幼い頃のルーシーの動物園ではしゃぐシーン、マユとナナのやり取りは微笑ましい限りだ。
また、第一話では箸はおろか、おにぎりさえきれいに食べられなかったにゅうが、
箸の使い方に苦労している描写や、いつのまにか上手に使っている描写があり、
時間の流れとにゅうが楓荘に馴染んでいるという事が間接的に伝わってくる表現も非常に上手いと思う。
グロに関しては老若男女問わずに容赦なく発揮されており、
正直ナナの指・四肢切断や、カナエが殺されるシーンは精神的にかなりキツイものがある。
上記の二つの要素は言わば両極端にあり、このギャップがそれぞれをより印象深いものにしているのだと思う。
また感動できる場面も多く、マユを楓荘に迎えるシーン(個人的にマユは好きなキャラというのもある)や、
最終回のマリコと蔵間の会話などは涙をこらえる事ができなかった。
また、アニメではルーシーの覚醒する(起きる)タイミングが改善されており、ルーシーにも感情移入をする事ができた。
原作ではマリコと蔵間との間に親子愛が芽生えたところでルーシーが目覚めるという、ある意味非常に酷なタイミングだった。
マリコはルーシーと対決の結果死んでしまい、蔵間は廃人になってしまう。
これによりルーシーの辛い過去を知っていて感情移入していたにも関わらず、
せっかく芽生えたマリコと蔵間の親子愛をもろくも崩してしまった事で、
ルーシーに対して〝ダークヒロイン〟という印象を持つ結果となってしまった。
しかし、アニメの方ではマリコとの対決が先に展開され、ルーシーはその戦いに敗れる構成になっている。
この戦いの後にマリコと蔵間の出会いがあるため、この二人の親子愛には原作同様に感動させられる。
そしてその後にルーシーとコウタの会話という展開を持ってきたことで、ルーシー個人にもしっかりと感情移入できる構成になっている。
ルーシーをダークヒロインと思わせない終盤の展開は、原作を非常に上手くアレンジできていると思る。
よって、上記も「変更」ではなく「改善」という言葉を使わせてもらった。
そしてOPの「LILIUM」を筆頭とする優れた音楽が一つ一つの場面をより一層引き立ててくれている。
LILIUMには男性/女性/オルゴール/バイオリンなど複数のバージョンがあり、その使い分け方も場面ごとに合っていてよかった。
個人的にバイオリンバージョンが一番気に入っている。
使われるタイミングは悲壮感にまみれている場面なので相乗効果で余計に悲しみが伝わってくる(マユの家出のシーンなど)。
そういえば最近知った事だが、OPを歌っているのは日本人の方だとか…。
また、5.1chサラウンド音声も収録されており製作側の力の入れ様が伝わってくる。
5.1chで視聴すると第一話開始時のピストルの音から迫力が全く違うので一度聞き比べてみるといいかもしれない。
また、キャラクターの立ち位置によって聞こえる音量が違うのも臨場感を高めてくれている。
ルーシーの「今まで人を殺したことは一度もない」というセリフについて。
これは人それぞれで解釈が異なると思う。
例えば、ルーシーが小さい頃、養護施設で暮らした最後の日の事件。
あの時のルーシーのセリフから、〝人を人として見なくなった〟ということか。
あの子供の所為を見て、「こんなことをするのは人間じゃない」という考えに至ったという考え。
また、角沢教授に対して言った「貴様も愚かな猿だ」というセリフなどから、
〝世間一般の人間≠ルーシーにとっての人間〟〝ルーシーにとって、世間一般の人間=猿〟
ディクロニウスの本能から、〝人間=ディクロニウス〟ということかもしれない。
いくら考えや図式を並べてみてもこの解釈は人それぞれなのかもしれない…。
評価は「最高!」
現時点における、私にとっての「最高の中の最高」の作品である。
偶然第一話を地上波で視聴し、第一話が終わる頃には原作概刊分を一気に購入。
翌日レンタルショップへ走りDVDレンタルをさせるほどの衝撃を私に与えてくれた作品です。