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5分で読める【孫子の兵法】を学びビジネスに活かす実践型方法とは?「超・入門」編    #ビジネススキル #アドバイザー   #講義

5分で読める【孫子の兵法】を学びビジネスに活かす実践型方法とは?「超・入門」編  #ビジネススキル #アドバイザー #講義

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Update date:2018年03月31日
5分で読める【孫子の兵法】を学びビジネスに活かす実践型方法とは?「超・入門」編    #ビジネススキル #アドバイザー   #講義
今から2千数百年前も昔に記された「孫子の兵法」は、衰えるどころか、時代の変化や使う人間に応じて自由自在に変化し、その威力を発揮し続けている。
現在も、多くの人々が「孫子の兵法」を学び、そして実践で活かしている。その威力と魅力はどこにあるのか。今回はすぐに実践に活かせる理論手法を「超・入門」編として解りやすく解説する。

なぜいま古典兵法なのか

 長引くデフレ不況の中、企業は大規模なリストラを済ませたものの、派手な価格競争や外国資本の参入で生き残りに必死である。そんな渦中で働くサラリーマンも、徹底した成果主義やワークシェアリングなどの導入によって、不安定な地位を強いられ続けている。

 少し前であれば、市場は「企業対企業」の戦いであったものの、いまや優良な職場を求めた「個人対個人」の戦いに変化している。サラリーマンは単なる従業員ではなくなり、「自分」や「自分の家族」を守る「一国一城の主」とならねばならなくなった。

 ここで重要になるのが、「活かすも殺すも自分次第」という意識であり、周りを取り囲む集団から、一歩でも抜きん出る必要があることである。つまり、少しでも他人と違う視点や行動が必要になるのだが、自分の力だけでは生半なことでは見出せない。

 ところが、そんな混迷する社会を上手く掻い潜る「知恵」が存在する。

 「孫子の兵法」は、紀元前の春秋戦国時代に記されたと言われているが、この時期は正に大動乱期の時代だった。小国が分立し、互いにせめぎ合い、常に無数の陰謀・戦略が渦巻いていた。
 そんな中、部将たちは命をかけて自分を各国に売り込み、より良い待遇をしてくれる君主の元を渡り歩いていた。現代風に言えば、転職やヘッドハンティングが横行しており、「孫子の兵法」は正にこの時代に記されている。

 僅か十三編しかない兵法書であるが、それは単なる「戦争マニュアル」などではなく、人間の行動心理の深い洞察に基づいて纏められている。

 従って、解釈の仕方や使い方は読み手の自由であり、どんな時代にも通用する。

 近現代の軍事・外交政策にすら大きな影響を与え続けている「孫子の兵法」は、社会が混迷の度合いを深めるほど、その真価を発揮しているのである。

兵法の誤解

 「孫子の兵法」をはじめとする各種兵法書は、現代でも次々と新たな解釈が重ねられて多くの書籍が刊行されている。

 昔は、ごく一部の者たちに「帝王学」として学ばれてきたものだったが、その有用性が世間に広がるにつれ、多くの人々が手にするようになった。

 ビジネスシーンでも、幹部職員などが「兵法」を学び、実践を積み重ねて成功に結び付けている。
 ところが、同じ「兵法」を学んだ者でも、明らかな明暗の差がついてしまう。

 例えば、「孫子の兵法」にはこんな有名な一節がある。

<三 謀攻篇> 『彼(相手)を知り己を知れば、百戦してあやうからず』

 確かに、字面で読めば「相手を十分に調査して、自分の実力を十分に把握し、これを比べて有利・不利を見極めれば、負けることはない」と読めるので、相手との交渉の前段階で、これを元に部下に調査の指示を出す人もいる。
 しかし、ここに大きな誤解がある。

まず、これが記されている箇所が問題であり、これは「戦うこと」についての「総まとめ」として述べられており、これ自体に内容は無いので、別に記された「基本」が必要となる。
 その「基本」を見誤り、「戦う」ことを前提にした調査を行って実際の交渉の場に赴いても、決していい結果は導けないのである。実際に、ある総務次長はこれを前提に調査・検討を進めたが、交渉は決裂し、勝つどころか相手部門から集中砲火を浴びるハメになった。
 
『信賞必罰』についても大きな誤解がある。

企業の建て直しの過程では、多くの企業が社員のやる気を煽るために宣言するが、偶に勘違いした人が、部下のミスを厳密に罰したりしている。
有用な『信賞必罰』の使い方だと、別に罰する必要などない。これを字面だけで罰してしまう人は、部下や部門のモチベーションを下げるだけで、自分の首を絞めているだけになる。

つまり、『兵法』には根底となる基礎概念があり、それを読み解いてから使わないと、生兵法となって痛い目を見てしまう。

間違った使い方をする人の多くは、『兵法』を使う前提として「争う構え」がある。
生きるか死ぬかの戦場ならいざ知らず、ビジネスや法律の世界では、まず「交渉」が前提となっている。お互いに有利な方向を模索するのが「交渉」であり、力任せに捻じ伏せるだけなら、『兵法』などの高等技術は不要である。

常にこの視点を忘れずに使えば、『兵法』は様々な場面で大いなる助けとなるだろう。

超・基本篇/『戦わずして勝つ』

<三 謀攻篇> 『……百戦百勝は、善の善なるものにあらず……』

 サラリーマンは、誰しも大勢の人々に囲まれ、それぞれが自分や会社の利益・損失を考えて行動している。従って、何かがあった際は、最後に頼れるのは自分だけであり、常に自分自身を中心にして考えるクセをつけて置きたい。

 先に出た『彼(相手)を知り己を知れば、百戦してあやうからず』という兵法の精髄も、常に自分を分析しておくことを前提としている。

 だが兵法の基本は、あくまで「争い」が目的なのではなく、それを回避するテクニックが重要とされている。

 この節の冒頭に挙げた文の書き出しにも、『凡(およ)そ用兵の法は、国を全うするを上となし、国を破るはこれに次ぐ』とあり、戦いが次善の策であり、その前に戦わずに済む方法を十分に考えて、自分の国をまとめあげることに集中すべき、としている。

 また、十三篇にも及ぶ「孫子の兵法」の書き出しも、次のような言葉で始まっているのをご存知だろうか。

<一 計篇> 『兵とは国の大事なり。死生の地、存亡の道、察せざるべからざるなり』
(戦争とは国家の生死・存亡に関わることであるから、十分過ぎるほど慎重に検討しなければならない)

 これは単に「戦争を検討するのは慎重に」などというものではなく、君主に向かって「戦争は行ってはならない」と述べているのである。

 それでも、どうしても回避出来そうもない場合は、「謀略」を駆使して相手の戦力を奪うことを考え、次に戦う場面では「勢いを重視せよ」と説いている。

 もし貴方が管理職や後輩を抱える中堅社員なら、はじめから相手と事を構えることを前提にしてはならない。向こうから火種を蒔いて来ても、争うことはさて置き、自分の足元が浮き足立たないように地盤を固めてから、相手の隙を突くことを考える。

 仮に上司が感情的になった場合でも、貴方が軍師・参謀として、部門の足並みが揃うまで、君主(上司)の独断専行を諌める必要がある。

 戦いを仕掛けてきた相手が、相当の実力者で策士であるほど、自部門の足並みが揃っていることを見せ付けることで、相手を踏みとどまらせることが出来る。
これが本来の意味での『戦わずにして勝つ』の真髄である。

 『百戦百勝』は誰もが望むところであるが、戦いが続けば、足元はボロボロになり、誰もが疲れ切ってしまう。そうなったら、立て直すのには相当な時間がかかり、その時に狙われたらひとたまりもないことを忘れてはならない。短い期間で多くの成績を上げたところで、部門や会社が潰れてしまいえば元も子もなくなってしまう。
 
 実践篇一/『兵は詭道(きどう)なり』


<一 計篇>
『兵は詭道(欺くこと)なり。故に……
・利あればこれを誘い、乱なればこれを取り、
(相手が貪欲ならエサで誘い込み、混乱しているならそれに乗じて攻め込み、)
・実なればこれに備え、強なればこれを避け、
(相手が虚勢でないのならこれに備え、段違いに強ければ直接対決は必ず避け、)
・怒なればこれを乱し、卑なればこれを驕らせ、
(相手が感情的になっていれば更に呷りたて、こちらを見下してるならいっそう驕らせ、)
・佚なればこれを労し、親なればこれを離し、
(相手が充実しているなら疲れさせ、一致団結しているなら混乱の種を蒔き、)
・その無備を攻め、その不意に出ず……
(こちらから相手に隙をつくらせてから攻め、相手が思ってもいない方向に打って出る)』

 この節の解釈方法として最も重要な箇所は、『その無備を攻め、その不意に出ず』であり、それが『兵は詭道(欺くこと)なり』に集約されているところにある。
 その「相手を欺く方法」として、『実なればこれに備え……』などが続き、場面ごとの対応例を挙げている。

 つまり、相手側が自然に出している状態のシグナルを見つけ、それを上手く利用することで「相手に自ら隙をつくらせる」、ということになる。

 解りやすくするために、ここで交渉の場を考えて戴きたい。

 例えば、あなたが腕利きの営業担当者であり、ある客から商品に対するクレームが入ったとする。その客とは初めての取引であり、内容もただ単にゴネているとしか思えないものだった。
 この場合、相手の勢いを真っ向から受けて、一緒になって議論する方は居ないと思う。
 当然、客の怒りを静めながら、クレームの内容を聞き出すことになるが、厄介な客だと、それすらおぼつかない場合がある。

 このような時は、自然と相手の話を注意深く聞くようにされると思う。つまり、交渉などの場では、相手を多く喋らせた方が有利になるケースが多い。相手が奇妙なほど興奮している場合、『怒なればこれを乱し、卑なればこれを驕らせ、』が妥当し、相手に多く喋らせることに集中し、勝手に馬脚を現すのを待ち、それを最後に突けば良い。

 このときに、はじめから争うつもりで聞いていると、やがて向こうもそれに気づいて警戒しながら話すようになってしまう。

 相手に、こちらの「姿勢」を気取られぬように振舞いながらも、重要なところで毅然とした態度に出るのが肝要である。
(法廷劇でも、有能な検察官や弁護士が、被告や証人のウソを見抜くために良く使う手である)
これが『詭道(欺くこと)』である。
 
因みに、この節の使い方には十分な注意が必要である。
これは具体論のようにも読めるが、実は総論の一部に過ぎない。

 確かに、競争相手と争う際に、これを念頭に置いて行動すれば有利に事が進められることが多い。
 しかし、これの一条一条にこだわって、現実の戦争で敗れた部将もあり、そのまま使うのは大変危険である。

あくまで臨機応変さが必要となるが、こちらの「姿勢」をひた隠し、「相手に自ら隙を作らせる」、という基本的立場さえ出来ていれば、痛い目に合わずに済むどころか、交渉を効果的に進めることが可能となる。

臨機応変編/『人を致して人に致されず』

<六 虚実篇>
『……善く戦う者は、人を致して人に致されず……』
(名将と言われる人は、敵を思い通りに引っ張り回すことが出来るが、敵の思うツボにはは決してはまらない)

 紛争解決や交渉事案の醍醐味は、この一文にも凝縮されている。
 つまり、戦いを有利に進められる人は、必ず相手の利益を考えに入れているから、それをエサにして引きずり回すことができ、相手を威嚇して攻撃を躊躇させられるのは、相手の損(害)を良く知っているから、足元を脅かすことが出来る。

 こんなことが出来るのは、普段から小さいことに捉われずに、自分が自由に動けるフィールドを築いているからに他ならない。目先の小さな利益に目を奪われ、あくせく動き回っていたのでは、大局や大取引のチャンスを見失ってしまう。

 つまり、有事の際に戦える状況を作り出すためには、普段から「国を全うすることを上」と意識することが最重要となる。
自分の足元を固めておけば、同僚や部下らも些細な問題に惑わされることなく、部将たる自分にも心に余裕が出来る。
そしていざ「交渉」という場合も、自分の利益ばかりを押し通して「争う」ことなど考えずに、相手の損得も勘定に入れた上で対峙する。
一番いいのは、どちらも得をする「新しい道の模索」であり、「自分が得をし、相手が損をする(もしくは自分より小さな得で終わる)」方策は次善の策として取って置く。

多くの兵法家らが育った時代は、明日の命すらおぼつかぬ混迷を極めた時代だった。
その中で育まれ、徹底されたのは、自分が生き残るために「争いを避ける」方法の模索であり、そのために「敵を作らぬ」ことであった。

ただ、常に利害が衝突する隣国同士の場合、些細なことで紛争の火種が持ち上がるので、お互いに遠く離れた国を「仮想敵国」として同盟の絆を強めるなどの知恵を絞った。
結局、戦いを好む「軍師・参謀」の知恵は時代の中で淘汰され、国や民を守る軍師らの思想が連綿と引き継がれている。

つまり、どんなに知識があって争い上手な人も、その時は目立っても、やがて忘れ去られてしまうのである。

本当の意味で人生を楽しめる人は、自分の身の回りをしっかりと固め、消耗ばかりする争いを避ける「知恵」がある人である。

ここでは兵法の一部分しかご紹介出来なかったが、ぜひ一度、お手元で書籍を紐解いてみて欲しい。「用兵の法」は、人それぞれの個性に応じて、多彩な使い方が可能なのである。


いかがでしたでしょうか。
あなたのビジネススキルアップに少しでもお役に立てたら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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著者プロフィール
Pride of the Japanese

現役キュレーターの中でトップのアクセス数を誇るSharetuber。世界を飛び回る国際ボディガード歴20年。護身術師範。悪質なクレーマーや反日左翼と戦う某公的コンサルティング団体顧問。喧嘩上等。「I'm proud of the fact I was born in Japan.」