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【5分で読める】安定経営のヒント、それは「顧客主義」の徹底である。具体的にどうしたら良いか?  そのヒントをお伝えします。 #超・入門

【5分で読める】安定経営のヒント、それは「顧客主義」の徹底である。具体的にどうしたら良いか? そのヒントをお伝えします。 #超・入門

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【5分で読める】安定経営のヒント、それは「顧客主義」の徹底である。具体的にどうしたら良いか?  そのヒントをお伝えします。 #超・入門
80年代後半から90年代前半のバブル崩壊後、不況が叫ばれて久しい。21世紀に突入してからも、相次ぐ大手企業の倒産、金融機関の破綻など、世はまさに「不況一色」である。

例えば、北海道では、世を騒然とさせた「雪印食品」食中毒事件の例がある。全国に名の知れた「一流の企業」でありながら、なぜ「転落」したのであろうか? それは「目先の利益優先主義」のために企業活動の原点とも言える、「モラル」を置き忘れ、奢った企業経営をしてきたからである。

しかし、一方で「着実に安定経営を歩みつづける」企業が少なからず存在するのも、また事実である。そしてこのことは、必ずしも成長産業や好況分野に限った事ではないようだ。「安定経営」を続けているのは、業種・業態・規模を問わず、「顧客を何よりも大切にしている企業」、なのである。

どの企業も収益を上げるために様々な知恵を絞り、その活動を実践する。にも関らず、その結果に「大きな違い」が生じるのはなぜであろうか? 

もちろん経営者の手腕、企業の体力、流行の問題など様々な要因があるに違いない。しかし着実な発展を遂げる企業を観察すると、「真剣に顧客と向き合う」姿勢が必ず存在することに気付く。このような企業を見ていくと、浮かび上がる共通したキーワードがある。それは前述したように「顧客を何よりも大切にしている企業」=「人(顧客)最優先」である。

「顧客を何よりも大切にする経営姿勢・・顧客主義」・・これははるか昔から、商人が一番重要視した「経営の原点」であった。この「原点」を最優先している企業や店舗は、この不況下においても着実な安定経営を果たしているのだ。

そこにこそ、経済不況の中、低迷を続ける「利益優先」型企業の置き忘れた「安定経営のヒント」が隠されているはずである。私たち働くものにとっても、この「顧客主義」の徹底は、競争社会で生き残る、とても需要なキ-ワ-ドとなるはずである。

事例紹介

「茶房 あさの」

「もてなしの心」にこだわり、顧客が急増

・ お店の歴史

 札幌市中央区の東本願寺の近くに、大正2年に建てられた「浅野邸」という古風で立派なお屋敷がある。ここは、かつて土木請負師であった浅野次郎右衛門の私邸として、ご近所の方々にも親しまれる建物である。約300坪の土地に、木造家屋と軟石造りの石倉と落ち着きのある日本庭園があり、都心の中の心休まるオアシスとなっている。
 この浅野邸は、札幌市の「さっぽろ・ふるさと文化百選」にも選ばれ、市民にも良く知られており、市内でも貴重な文化遺産として大切にされている。現在は、3代目の浅野済子さんが守っている。
 その「浅野邸」が、昭和60年に和風喫茶店「茶房あさの」として開店することになった。

・	開店のきっかけ

「それまでは、子育てに忙しく、家のことなど考えることはあまりなかったけれど、子ども達が次
々と結婚し家を離れていき、自分ひとりで家にいると、大きな家にいることがもったいなく感じるようになりました」と浅野さんは語る。更に、建物の維持が大変なことや、冬の時期にすきま風に悩まされることを考えて、マンションビルに立て替えようと思い、業者に設計図を描いてもらうところまでいった。その時は取り壊す覚悟だった。
 しかし、そのことを知ったご近所の方々が「それは、だめです。これほどの建物は、市内に少ないのだから、絶対に壊してはいけません!」と取り壊しを惜しむ声が浅野さんに数多く届けられたという。
 まわりの方々の熱意や励ましに応える決心をし、悩んだ結果、取り壊さずに保存することを決め、どのようにしていくか考えた。ただ保存するだけでなく何かに使うことで建物を活かすことができると思い、喫茶店として開店したと話す。「でも、初めはご近所の皆さんが集い、お茶を飲んだりサークル活動の場として使っていく程度にしか予想していなかったんですよ。趣味の範囲でした。」と浅野さんは当時を思い出し懐かしそうに笑う。 
 ところが、開店を知ったマスコミの取材記事が各社の新聞に掲載されると同時に、新聞を片手に持って多くのお客様がお店に来店して下さった。新聞掲載から次はTVの取材に発展し各局が取材に来て下さり、その結果一日に最高330名のお客様がご来店して下さるまでになった。急激なお客様の増加は、趣味の域での経営から本格的な経営への転機を与えてくれた。ご近所の友人のお手伝いのウェートレスから、本格的にプロの人を採用するようになった。

・	顧客重視の経営方針

 初めは、コーヒーなどの飲み物程度のメニューだったものが、その後、軽食を望むお客様の声に応えて、家庭料理に近いメニューを主に料理できるスタッフを採用した。女性スタッフだけでサービスする経営方針は、お客様に温かさや細やかなこころ配りを感じさせてくれる。
 最近は本格的な日本料理を希望する声も増えてきた。その声に応えるには、家庭料理では間に合わなく、プロの板前の方を採用することに決めた。これらの決断は全て「お客様の二-ズに応えたい」という「顧客主義」に裏打ちされている。
 趣のある明治時代の漆器や陶器をさりげなく使い、おもてなしを受けるお食事は、潤いが薄れた今の時代の中では、最高の贅沢かもしれない。長い年月を経ても息づく食器達は、時代の流れを伝える、無言の伝達者として、お客様のこころに感動を運んでくれる。食事をいただく和室には古い食器棚があり、その中には高価な食器が静かに出番を待っている。
 「お店に足を運んで下さるお客様がお店に入った瞬間の「懐かしい!」という言葉が最高の励ましなのですよ。」と優しい笑顔で浅野さんは話して下さった。
 ひとりひとりのお客様の声を大切にしながら、お客様と共に歩んでいる「茶房あさの」は、現代の利益先行の経営姿勢が蔓延る中、忘れてしまった大切な「お客様第一」ということを、思い出させてくれる。
 丁度、取材に伺ったとき、隣のテーブルに外国人女性のお客様がいらした。その方が、壁に掛かっているカレンダーを食い入るように見つめ、そして席を立ち一枚一枚ページを繰りながら真剣に見ていた。その後、ウェートレスの人に何か頼んでいる様子だった。直ぐに、ウェートレスは浅野さんの元に来て「外国人のお客様が、和菓子の写真が掲載されたカレンダーが気に入ったので、もし昨年のものでもあれば分けて欲しいとのことですが。」と話した。すると、直ぐに浅野さんは中座しお店の奥に入っていった。少しして笑顔でカレンダーを抱えてきて、その外国人に渡した。満面の笑顔でお礼を言う彼女は、何度も「ありがとう!」を繰り返しお店を後にした。
 本当に心が通う交流・・小さな出会いを大切にするこのエピソ-ドは正に「顧客主義」の見本、と感じた。

・	ひとのつながりの重要性

 「お店の恩人が、今でも時々訪ねてくれるのですよ。」と語る浅野さんは、こんなことを話して下さった。
 「古い家を取り壊して、マンションビルに立て替えようと決心していた自分の気持ちを変えるきっかけになったのは、取り壊しを知って集まったご近所の皆さんの中でも、一番本気で抗議をしてきた方だったのです。でもあの時に本気で反対の声をぶつけて下さったからこそ、自分の気持ちが変わり取り壊しを中止して浅野邸存続の決断をし、今でも浅野邸が90年近い年月を経て息づいていることが出来るのです。正しく家の命の恩人なのです。感謝の気持ちで一杯です」。
 経営以前の「まちを思い、人を想う」温かいこころのつながりは、これからの時代もっともっと必要になってくるはずである。そしてそれが「ひとのつながり=顧客主義」を生んだ。これからもきっと「茶房 あさの」は、変らぬ「顧客第一の堅実な経営」を地道に育てていくのだろう。

日本福祉放送株式会社

「タ-ゲットを絞り込んだ単一マ-ケット志向で安定経営」

●人にやさしい「共生」の文化社会をめざして

日本福祉放送株式会社(JBS)は大阪市に本部を置く放送会社である。「人にやさしい共生の文化社会をめざして」をモットーに、「視覚障害者を対象」とした衛星放送による有料ラジオコンテンツ配信を主要業務とする。しかしその事業展開は、純粋な放送事業のワクに留まらない。ブロードバンド時代を見据えたネット事業、視覚障害者の生活・自立を目的としたコンサルティング事業など、「視覚障害者のニ-ズ」にポイントを絞った経営の中で、様々な「支援事業」に対する意欲的な取り組みが注目される「単一顧客対象」の実践企業である。

●福祉事業における顧客主義の実践

同社は番組コンテンツ制作において、何よりも「聴取者から寄せられる多くの声に重き」を置いている。放送される番組内容はニュース・時事問題をはじめ、ワープロ学習・国家試験必勝講座、そして映画・ショッピング・ファッションといった娯楽・文化ジャンルまで実に幅広い。番組数にいたってはゆうに30コンテンツを越える。これらは「すべて聴取者からの声を反映した」結果である。正に「顧客ニ-ズ最優先」の経営と言える。
「福祉活動は事業(商業活動)として成立すべきではないのでしょうか。タダでは成長はないのです」・・そう語るのは、常務理事・川越利信氏である。川越氏によると聴取者の声に応え、高品質を維持するには、事業(商業活動)としての発展が不可欠と言う。聴取者から料金をお支払い頂けることが、番組(商品)の質の高さの証であるということだ。まさに経営的正論である。料金を支払う聴取者だからこそ番組に期待をし、その声により企業は更なる「顧客サ-ビス」の充実を図るのである。

●「視覚障害者の社会参加支援」を最大の使命に

いくつかの新たな事業計画を抱える同社であるが、ラジオ番組制作には今後も「最大の力」を入れるという。「視覚障害者の社会参加支援が我々の最大テーマです。事業運営と共に、このテーマを決して見失ってはいけないと思っています」。インタビューの最後を川越氏はそう結んだ。
考えてみると近年のIT化も、音声情報に多くを頼らざるを得ない視覚障害者にとっては、必ずしもメリットをもたらすとは限らない。いずれにしろ、ラジオ番組の存続と充実は、視覚障害者にとって必要不可欠なものなのである。であるならば、このラジオ放送事業をより発展させる事が、一番大切にしている「障害を持つ方を支援=聴取者のニ-ズ」に応えることになるのだ。ここに周到な事業戦略のウラ側に脈々と流れる、この事業にかける「顧客主義」の熱い思いを感じることができる。
東京事業所でのインタビュー中、聴取者からの問い合わせと思わしき一本の電話が入った。応対した社員は、ビジネスマンとして簡潔かつ明快な返答にて見事に対応した。失礼ながらインタビュー前に思い描いていた「企業経営とはかけ離れた福祉事業経営のイメージ」は微塵も感じられない。お客様の声に真摯に耳を傾ける「顧客第一」の企業の姿がそこにあった。

まとめ

考えてみると、だいぶ使い古された感のある「顧客主義」という言葉である。

お題目のように唱えられるものの、果たしてどれだけの企業や社員がこれを「真に理解」しているであろうか? 先に紹介した3社は、カタチこそ違えども、いずれも「顧客主義」を全うする好例である。ここには目を見張る急成長や、矢継ぎ早に繰り出される新商品といったものに惑わされず、強い信念を持ちながら、顧客に向き合う企業の真摯な営みがある。

{顧客タ-ゲットを絞り込んだ経営展開で成功する}・・これは昔から受け継がれているはずの「商売の原点」であったはずだ。突き詰めれば商売とは、「地域に根ざし、顧客の要望に最大限応え、愛される事」、であろう。そんな「経営の原点」に立ち返って私たちも考えてみることが必要ではないだろうか。

これは何も企業経営に限ったことではないのだ。なぜなら「企業」とはそれを構成する「人」の集まりにしか過ぎないからである。実際に顧客と直に接するのは、その企業の社員たちである。つまり、企業に勤める私たち人間一人一人の言動やモラルが、引いては企業の「顔」となり、象徴となるのである。企業経営活動とはまさに「人そのもの」なのであろう。それを私たちは肝に命ずるべき、だと思う。

今回の取材中、印象的だった言葉がある。「顧客主義とはいかにお客様に真剣に向き合い、サービスを提供するか、それだけの事です。そしてサービスにホームランはない。ちょっとずつイイ事を積上げていくことでしか、満足して頂けないのです。利益優先になった瞬間に、顧客の満足は失うと同然です」。

「利益優先主義」がまかり通っていた時代は既に終焉した。今後日本の企業群が、また「安定経営的再生」をするためには、この特集で取り上げた企業・店舗が、昔から地道に実践している「顧客最優先」という「顧客主義」に方針をシフトするしかないだろう。

それにはまず、私たち一人一人の社員が「顧客主義」という「原点」を徹底的に意識して、実際の現場でそれを実行していくという姿勢こそが、何よりも大切な事である。それこそが自分たちが所属する企業を「救う」手段なのだから。





いかがでしたでしょうか。
あなたのビジネススキルアップに少しでもお役に立てたら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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著者プロフィール
◆Pride of the Japanese◆

現役キュレーターの中でトップのアクセス数を誇るSharetuber。世界を飛び回る国際ボディガード歴20年。護身術師範。悪質なクレーマーや反日左翼と戦う某公的コンサルティング団体顧問。喧嘩上等。「I'm proud of the fact I was born in Japan.」