「こんな会社を辞めてやる！」と辞表を叩きつけようとしている人は、ちょっと待ってほしい。会社を辞めれば、失業保険の受講を受けながら職探しをすることになるが、退職理由次第で給付金がもらえる期間が、全く違ってくるのだ。
　退職の理由が会社への不満、いわゆる「自己都合退職」では、給付金は最大でも150日までで、しかも支給されるのは失業認定を受けてから3ヶ月後。これに対しリストラや倒産などによる、やむを得ない理由での退職では、給付期間は最大で330日と自己都合退職の倍以上で、3ヵ月も待たずに速やか給付金が支給される。自分で勝手に辞めたのと、やむを得ず退職したのではこれだけ扱いの差がつくのだ。
　だが、自己都合退職であっても「セクハラやパワハラを受けていた」「体力不足や心身障害で仕事ができなくなった」「退職前6ヵ月のうち3ヵ月連続で45時間を超える残業を行っていた」などの理由があれば、やむを得ず退職した、という扱いになり、手厚い給付がなされる。辞表を突き付ける前に退職の理由が会社にないか、一度冷静になって考えてみよう。