
世の中では、「グルメブーム」と言われて久しいですが、もはや、ブームと呼ぶような一過性の流行ではないようです。 おそらく、私たちの生活水準や食へのこだわりが日に日に向上し、もはや、安くてまずいものをたくさん食べるよりは、少々、高くでも美味しいものを少し食べたいという嗜好に、国民全体が変わってきたように思えます。 それと併せて、一昔前では考えられなかったことが、飲食界隈では起きはじめているのです。 今回はそんな飲食関連の信じられない詐欺的内情を、ごく一部ですが潜入取材リポートとしてお伝えしましょう。
これはほんの一例です...
回転寿司
たとえば、江戸前と名乗る回転寿司。 ここで出てくる食材は、そのほとんどが「なんちゃって」モノだそうです。 その一例を挙げてみますと、私たちがエンガワとして、親しんでいる食材があります。これは「ヒラメの鰭を動かす筋肉」なのですが、一匹のヒラメから取れるエンガワは非常に限られていて、ヒラメの白身よりも貴重で価格も高いのが常識です。 しかし、実際はアブラカレイとか、カラスガレイといった代用食品ですし、タイに至っては、アマゾンに生息する淡水魚の身だったりするそうです。 ちなみに、焼き鳥や焼き魚なども、今ではほとんど、タイあたりの大規模な食品工場で加工されたものが、真空パックされ、日本に送られてきているそうです。これも、一種のアウトソーシングかもしれませんが… こうして考えると、本来であれば、一番低コストで、素朴であったはずの「手作り」や「出来立てホヤホヤ」という料理が、一番、贅沢になってしまっているのかもしれませんね。 また、最近では某国に対する経済制裁などに関連して、輸入禁止品のあさりなどを第三国を経由して輸入したり、一旦、日本の海岸に撒いて畜養することで、産地を偽るなどの手口が横行していると聞きます。
ベーカリー
これとよく似た話がもう一つ。潜入アルバイトをした時の事。 舞台は関西の神戸。この地には、多くのパン屋さんがあります。 もともと、幕末の開港以来、海外文化が直接流れ込み、多くの外国人も定住した歴史があるからでしょうか、パン食が当たり前のように生活の中に根付いております。 そのため、各パン屋では、大勢のごひいきの顧客を抱え、毎朝早くからその日、焼きたてのパン作りに励んでおります。 一方、パンばかりではなく、牛乳にいたっても、近くの牧場と個別に契約して、毎朝しぼりたての牛乳が届けられることを看板にしている店もあります。 そんな店に来る常連の客は、毎朝、買い求めるパンと牛乳が、すべて手作りであったり、絞りたてであるということに満足しながら、優雅なモーニングを楽しんでいることでしょう。 しかし、そうしたパン屋でバイトをすると、意外な事実に驚かされることがあります。 すべての店がそうとは限りませんが、およそ、お客からの信頼も厚い某有名店では、焼きたてのはずのパンは、実はすべて、前日に袋詰めされた状態でどこからか、配送されてくるもので、その店では、そのパンをオーブンで軽く焼くだけで、自社ブランドとして、堂々と店頭に並べておりました。 牛乳に至っては、新鮮な高原牧場の絞りたての筈が、実は、そのあたりのスーパーやコンビニで売っている商品とまったく同じものを業務用に仕入れて、ビンに移し変えているのです。 パンに関しては表面を軽くあぶるような加工を加えるだけでも、「当店オリジナルの焼きたてパン」となり、牛乳についても、ビンに移し変えた時点で「ビン詰めしたばかりの新鮮牛乳」という表示をつけていました。 そして、それらの作業は、すべてアルバイトにやらせるのが、その店の経営方針だそうで、歴代のアルバイトの間で引き継がれ、経営者はあずかり知らないことになっています。 そこで働くアルバイトも、最初は良心の呵責を覚えながらも、「ここのパンや牛乳は、特別においしい。」と喜んで買って帰るお客の顔を見ているうちに、「結局、違いなんて分からなんだな。それなら何でもいいんだな」と、割り切った考えになってきていました。 私は、そんな詐欺のようなシステムに憤りを感じました。 この潜入アルバイトで「悪い方面」での世のカラクリ、のようなものを学んだような気がします。

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