海水からつくる塩は小さなプラスチックで汚染されている

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世界中の海で作られた塩(海水を干した塩)は小さなプラスチックで汚染されていることがわかった。

研究室の教授シェリ・メイソン(Sherri Mason)は、ガーディアンに次のように語っています。「私たちの社会ではプラ スチックが日常的にが使われるだけではなく、それは環境にも広がっています。プラスチックはどこにでも存在し、空気、水、私たちが食べる魚介類、私たちが飲むビール、私たちが使う塩の中など - プラスチックほど子にもあります。」 研究者たちは海塩のプラスチックはマイクロファイバーや水ボトルなどの使い捨てプラスチックから来ていると考えています。

科学者たちは、米国の食料品店で購入した12種類の塩を研究しました。そしてアメリカ人が海塩から毎年600粒以上のプラスチックを食べている可能性があることを発見しました(推奨される毎日のナトリウム消費量2500mgに従った場合)。ほとんどのアメリカ人はそれよりもはるかに多くの塩を食べているので、おそらくそれよりもはるかに多くのプラスチックを消費しているでしょう。


科学者や医師は人間の健康におけるプラスチックの摂取効果を知らない。プラスチックに関する問題の1つは、 この国のほとんの成人の尿中から発見された内分泌かく乱物質、ビスフェノールA(BPA)でプラスチックは作られていることです。


食中毒Bulletin(本誌)は、何年もビスフェノールAの健康への影響を説明しました。この化合物は、高血圧、前立腺癌のリスク、脳の問題、および他の生殖癌を引き起こす可能性がある。BPAは、多くの研究において、体重増加、心臓病、甲状腺の問題、肝臓の異常および糖尿病に一時的な関連がある。


2012年には、FDA(食品医薬品局)は、食品包装からBPAを排除することを拒否し、国家資源防衛評議会はそれに反対しました。Campbell"s Soup Companyキャンベルスープ社を含むいくつかの企業はその後、BPAの使用を中止しています。


世界中の他の国の科学者も同じ結論に達しています。スペインの研究者によってNature(科学誌ネイチャー)に発表された研究では、「海洋産物はマイクロプラスチックによって不可避的に汚染されている」ことが分かりました。


海塩は海水を脱水して作られているため、プラスチック汚染の影響を受けやすいようです。代わりに通常の食卓塩を食べるとプラスチック摂取量を減らすことができますが、プラスチックは飲料水やビールなどの製品にも見つかりました。メーソンは、 “私たちは、プラスチックの循環と私たちの社会におけるプラスチックの普及に焦点を当て、代わりに他の材料を見つけなければならない”と付け加えました。

出典:Studies Find Sea Salt is Contaminated with Plastic

	
原産国は、オーストラリア、フランス、イラン、日本、マレーシア、ニュージーランド、ポルトガル、南アフリカ、フランス(不検出)。

海洋のマイクロプラスチックで汚染された塩

あまり食べ過ぎない限り塩は健康に不可欠です。 加工食品にはたくさんの塩分が含まれてるので、医者はアメリカの家庭での塩分摂取をモニターするくらいです。そこで、自宅にどんなブランドの塩があるかチェックしたくなるでしょう。

プラスチックは水循環のどこにでもあるのでミネラル豊富で健康的な海の塩に含まれているのです。実際に、8つの異なる国の17ブランドの海塩を試験した研究では、15の海塩からマイクロプラスチック(MP)の痕跡が見つかりました。

1〜100マイクロメートルの小さなプラスチック粒子は、海洋に対する脅威であり、科学者はこの汚染を最大の「静かな」環境問題と考えています。


どの海塩が最もプラスチックを含んでいますか?

最も汚染された海塩は中国産のものです。中国の製品には1キログラムあたり平均681個のMP(マイクロプラスチック)が含まれていました。今回、調査した他の国のものの汚染度はもっと小さかったのです。さらに、海塩にはMPとは異なる以下のような粒子が72個含まれていました。

○プラスチックポリマーが41.6%。

○元プラスチックだった可能性のある顔料は23.6%。

○5.50%が非プラスチック粒子。

○29.1%を確認不可。

顔料の中には黄色のプラスチックで使用されるクロム酸鉛がありました。国立研究所によると、「クロム酸鉛は 消化管、肝臓、腎臓および免疫系に影響を与える可能性があります。この物質はヒト発がん物質で肺腺癌および肺洞腔の癌を発症する危険性が高い」


一方、以下を含む30種のプラスチックポリマーも含まれていた。

○ポリエチレンテレフタレート(プラスチックボトルおよび合成繊維)

○ポリイソプレン(ゴム及び樹脂)

○ポリアクリロニトリル(自転車、釣竿などに使用される繊維)

○ポリアミド-6(ナイロン)

これらの化学物質は身体と肝臓に大きな害を及ぼし、がんの発症に寄与します。


最良の海塩選択法

この調査では製品名は明記されていないが、原産国については明らかにされています。それはオーストラリア、フランス、イラン、日本、マレーシア、ニュージーランド、ポルトガル、南アフリカ、フランスです。中国に続いて、最も汚染された塩はポルトガル原産の製品です。一方、唯一フランス製の海塩は、あまりMPを含まない綺麗なサンプルでした。

研究に関わったた研究者らは、これらのプラスチックは重大な健康リスクを引き起こすことから、可能な限り避けるべきであると警告しています。 また、世界中の海洋におけるMPの量が毎年増えているという事実を強調しています。実際のところ、年間100億ポンドのプラスチックが海洋に侵入していると推定されています。 この傾向を止めるための措置をとらなければ、2050年までに海洋には魚よりもプラスチックが多くなるといいます。

もしあなたがMPを避けるためのより良い塩のオプションを探しているならば、海からではなくパキスタンの岩塩鉱山から来るヒマラヤ岩塩を求めてください。

出典:Microplastics in the Ocean Contaminate Fifteen Sea Salt B...

	

プラスチック大量消費国の日本、プラスチックゴミに埋もれる日本の海岸線

実は、日本の海もプラスチックごみによる汚染が深刻な事態となっています。ところが、対策は遅れています。私たちにできることを考えます。


長崎県対馬。豊かな自然をたたえたこの島で、私たちはある光景に言葉を失いました。訪れた海岸が一面、ごみに埋もれていたのです。そのほとんどは韓国や中国などから流れ着いたペットボトルなどのプラスチックごみ。定期的に清掃を行っても、時間が経つと再び流れ着くといいます。日本の海も直面している、プラスチックごみの脅威。現状は想像以上に深刻です。


直径5ミリ以下まで細かく砕け、生態系へ影響を及ぼす可能性も指摘されている「マイクロプラスチック」。環境省によると、日本近海ではその量が1平方キロ当たり172万粒、世界平均の27倍にも上るというのです。いったい、なぜ?


「日本が世界の中でもプラスチックをたくさん使い、プラスチックのごみの排出が多い国だということがひとつの背景です」(東京農工大学・高田秀重教授)


周辺諸国から流れ着くごみの影響に加え、高田教授が指摘したのは年間900万トン以上のプラスチックごみを排出する私たち、日本の現状です。


出典:大量消費の日本 対策立ち遅れ│現場から、海を殺すな プラスチ...

	
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