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大学除籍、ネカフェ生活…現代の社会問題・裏社会があらわになる映画「東京難民」見どころ【ネタバレなし】

大学除籍、ネカフェ生活…現代の社会問題・裏社会があらわになる映画「東京難民」見どころ【ネタバレなし】

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tolawotolawo
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大学除籍、ネカフェ生活…現代の社会問題・裏社会があらわになる映画「東京難民」見どころ【ネタバレなし】
	
2014年、福澤徹三の小説を原作として映画化された【東京難民】。「半落ち」や「ツレがウツになりまして。」などで知られる佐々部清が監督を務めた人間ドラマです。

主演の中村蒼をはじめ、劇団EXILEメンバー青柳翔山本美月中尾明慶金子ノブアキなどが主要人物として出演しています。

さらに"ちょい役"の警官には福士誠治津田寛治という豪華な顔ぶれ。役を演じた大塚千弘が大胆なシーンを披露したことでも話題になりました。

底辺よりも怖い、底なし。落ちたら最後―
あまりにも残酷なキャッチコピーですが、ストーリーからは少しだけ希望を感じることができるでしょう。

映画「東京難民」のあらすじ

主人公の(中村蒼)は、何の変哲もない毎日を送っていた。
同級生と遊んで、パチンコで勝って、酒で盛り上がって…。

大学進学直後に亡くなった母に代わる父親からの仕送りに頼りながら、
平凡ながら楽しい大学生活を満喫して卒業する…と思っていた。

しかし突然告げられた大学からの"除籍"。
父親が納めているはずだった学費は滞納し続けており、ついには強制的に大学を追放されることになってしまう。

不幸はそれだけにとどまらず、家賃が払えない修は住む場所すら失ったのだ。

東京の街なかで途方に暮れる修。
そんな彼に、瑠衣(山本美月)と名乗る女が声をかける。
瑠衣の誘い文句に負けた修がたどり着いたのは、ホストクラブだった。

ホストらや瑠衣の口車に乗せられるまま酒を流し込む修。
そして数時間後、今の彼には到底払えない金額を請求され…。

物語のキー:社会の沼に引きずり込まれる修

つい数分前まで大学生だったのに、今はまったくの部外者。
昨日まではベッドの上で寝ていたのに、今日はネットカフェの椅子の上。

私たち"凡人"にとって想像もできない世界が、同じく"凡人"だった修の前に突然現れます。
そして生きる道を失った彼に突き付けられるのは、"裏の社会"の数々ネットカフェ難民ホストヤクザ、そして浮世離れした労働条件・・・。
一度落ちると這いあがれない。そんな世界に足を踏み入れてしまった修。

それでも修はいろいろな人と出会い、底なし沼のなかを足掻いてわずかな希望を見出していくのです。

見どころ①ホストの厳しい世界

瑠衣と出会って借金を作ったことで、ホストとして働くことになった修。
ホストと言えば「指名を受けるべく小さな競争社会が…」といったイメージが強そうですが、作中ではもっと危険な、知られざる""を知ることになります。

もちろんすべてのホストクラブに該当するわけではありませんが、少なくとも"タブーな世界の一部"として垣間見ることができるでしょう。

見どころ②修が出会う人々

とてつもなく壮絶な人生を経験する修ですが、彼を待っているのは悪い出会いばかりではありません。

ホストで出会った順矢(青柳翔)は密かに立派な夢を持ち、
住み込みで働く労働者は修に優しい言葉を投げかけてくれました。

普段見ることのない社会の苦しさに耐えながらも、生きている限り出会いはあるのだと気付かせてくれるでしょう。

見どころ③変えるべき社会の仕組み

日本のタブーを取り上げた作品だからこそ注目すべきは、主人公を陥れた社会の仕組みにほかなりません。

"一度落ちると這いあがれない社会"そのものが、この物語を生む要因になってしまっているのですね。

もし、沼にハマってしまった修に手を差し出せるような仕組みがあれば、
あるいは社会のどこにも底なし沼がなければ、一度は落ちかけた修も救われたのかもしれない…と考えざるを得ません。

おすすめ度【★★★☆☆】

★…じゅうぶんすぎるくらいの裏社会の描写
★…たまに現れる"いい人"で息抜きできる
★…はじめから終わりまでリアルな社会問題
☆…ひたすら暗いのが嫌いな人は×(星0.5)
☆…あまりにも希望が少ないラスト

総評は星3.5。

真偽のほどは別として、次々と描かれる裏社会にはもうお腹いっぱいです。

そんな裏社会にいい人が登場してくれると少し安心できますが、本当にほんの少しだけです。
冒頭からラストまで、スポットを当てるのはネガティブな問題ばかり。

若者に冷たすぎる大人を描けば、次は社会の裏側があらわに。ひと段落すると、次は低所得者層のわずかな収入をも搾取する労働の制度などなど。

そしてもっとも評価しづらいのがラストシーン。
今まで必死にがんばってきた若者に贈る結末にしては、あまりにも希望が薄いと感じてしまいます。

バッドエンドでもハッピーエンドでもないので、暗い物語が苦手な人は後味が悪いと感じてしまうかもしれません。

それでも、修の約半年を体感することで現代の若者に課されつつある社会問題について深く考えさせられるでしょう。

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著者プロフィール
tolawo

フリーランスライター活動中…。 まとめを含む記事の執筆、書き起こしなど。立派な実績はありませんので書きまくって腕磨きます。お仕事はTwitterから。