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シリーズ【動物虐待】知ってる? 「アシスタントドッグ」について考えてみよう。 #動物愛護 #盲導犬

シリーズ【動物虐待】知ってる? 「アシスタントドッグ」について考えてみよう。 #動物愛護 #盲導犬

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Update date:2018年06月08日
シリーズ【動物虐待】知ってる? 「アシスタントドッグ」について考えてみよう。 #動物愛護 #盲導犬
お陰様で好評の企画シリーズ【動物虐待】。今回は、使役犬(アシスタントドッグ)についてここでは考えてみます。
人のために働く犬といえば日本では白または黄色のハーネス(胴輪)をつけた盲導犬の姿が浮かぶのではないでしょうか。
目の見えない人のもう一つの目となり社会生活を支える盲導犬。盲導犬の役目は視覚障害者であるユーザーの指示を仰ぎながら、目的地まで安全に誘導することです。
日本では1967年に日本盲導犬協会が財団法人の認可を受け、本格的な盲導犬の育成がはじまりました。その後各地に地方自治体の認可を受けた盲導犬育成施設ができ、それらの施設で育成された盲導犬が現在、約850頭あまり日本各地で活躍しています。盲導犬ユーザーには協会から盲導犬が無償で貸与されています。もし、ユーザーにとって盲導犬が不用になった場合、または犬との間でトラブルなどの問題が起こったときには、盲導犬は協会に速やかに返還される仕組みになっています。
今回はそんな盲導犬を中心とした「アシスタンドドッグ」についての現状を解説します。

「アシスタンドドッグ」について詳しく教えます

仔犬が盲導犬になるまでを簡単にご説明します。
候補になる仔犬(日本ではラブラドールレトリバーが殆ど)を各協会で繁殖します。
そこで生まれた仔犬たちは、生後約二ヶ月でパピーウォーカー(仔犬育成ボランティア)の手に預けられます。仔犬たちはパピーウォーカーの各家庭で10ヶ月間育てられ、人との生活を送るための基本的なしつけを教えられます。

そして仔犬は1才を迎えると訓練センターに戻り、次は十ヶ月ほど、盲導犬訓練士の元で、盲導犬としての適正判断も含め、訓練を受けることになります。
そこでは待て、座れ、といった基本訓練にはじまり、交差点の発見や段差での停止、障害物の回避等の誘導訓練が行われています。

最後に盲導犬歩行指導員の元でユーザーになる視覚障害者と4週間の合宿で共同訓練を積み、晴れて盲導犬として社会デビューを果たすことになります。
そうして犬は盲導犬として視聴覚障害者である主人のもうひとつの目となって働き続け、8年間使命を果たしたところで引退することになります。

盲導犬について厚生労働省が視覚障害者を対象に行ったアンケートによると、「今すぐ希望」、と答えた盲導犬希望者は4,700名でした。
「将来的に希望」と答えた潜在的な盲導犬希望者をこれに合わせると、約7,800人もの視覚障害者の方たちが盲導犬を希望しているという結果になります。

それらの需要に対し、現在すでに活躍している盲導犬は約870頭、毎年新たに訓練され、提供されている盲導犬は平均して約130頭あまりです。
この数からは視覚障害者の盲導犬需要に対して、まったくといっていいほど盲導犬の供給が追いついていないことがわかります。

さて、供給面が追いついていない理由ですが盲導犬育成事業は様々な問題を抱えています。まず第一に費用の問題があります。盲導犬を育成するには餌代、医療費をはじめ、訓練に関わる人件費、施設代他、膨大な費用を必要とします。

しかし日本では、それらの費用のほとんどが善意による寄付や募金によって賄われています。長引く不況が盲導犬育成事業にも暗い影を落としはじめ、安定した資金の確保が難しくなっている現実があります。

盲導犬育成には長期に渡る訓練が必要です。盲導犬としてデビューを果たすまでに、約20ヶ月という長い訓練期間を要します。
しかもすべての犬が盲導犬としての性質を備え、20ヶ月訓練すれば必ず盲導犬になれるとは決して限りません。

盲導犬として活躍できる犬は、育てられた犬のおよそ4~5匹に1頭の割合だといいます。
盲導犬になれなかった場合は協会のPR犬として活躍したり、介助犬候補としてそれらの育成団体に譲渡されたり、ボランティアによって引き取られるといいます。

盲導犬育成団体の中でも代表的な団体、日本盲導犬協会は、育成頭数の伸び悩みが問題になり、2002年度より大幅に目標育成頭数を増やす方針を固めました。
日本盲導犬協会は犬のための訓練施設など周辺環境が充実しており、他団体と比べても質の良い盲導犬を提供していると評判の高い団体です。

しかし協会の打ち出したその方針に、それでは1頭1頭の犬たちに満足な訓練を与えることは出来ないとしたトレーナーらが猛反発。そしてトレーナーたちが次々に辞めてしまうという事件にまで発展し、現在、波紋を呼んでいます。

国内の他団体と単純に比べ、訓練施設やトレーナーの数、そして盲導犬候補である仔犬の育成数も充実している同協会は、それらから考慮すると育成頭数が比較的に少ないということも事実のようです。業界内では、同協会の犬のトレーニング方法そのものを疑問視する声も囁かれているといいます。

しかし、育成頭数が協会の善し悪しの判断基準に直結してしまうこの風潮は改めるべきではないでしょうか。何匹の盲導犬を輩出したかという点ばかりに気を取られ、動物愛護の観点、動物の福祉がおざなりになるようなことがあっては決していけないと思います。

優秀なトレーナーが少数精鋭で一匹一匹の犬に丹念に愛情を込め、しっかりと訓練した盲導犬を育成することが犬、トレーナーともに双方にとって理想的な形であることは間違いありません。無理や無駄のない望ましい繁殖の中で生まれた素質のある仔犬を、人間そしてその社会生活の中でより良い信頼関係を深められる犬として育てあげる。
それが盲導犬として訓練期間を含め10年間も人に仕える犬側への最低限の礼儀というものではないでしょうか。

さて現実のほうはどうでしょうか。それらの理想に反し、たくさんの数の仔犬をとにかく繁殖し、その中から素質のある犬をピックアップする方向に、どの協会も目が向いているのが現状のようです。そうなると、盲導犬として理想的な血を引いた親の自然な交配から生まれてくる仔犬だけでは到底、数が足らなくなります。

ある協会では、母犬の母体に鞭打って、過酷な交配があたり前のように行われているといいます。無計画とも言える頻繁な交配が行われ、新しい親を使用するときには「保険」に「お験し交配」といって他の犬ともかけ合わせ、余分に繁殖しているとさえいいます。

シーズンになると産室は日毎に生まてくれる生後間も内ない仔犬たちでいっぱいとなり、そのあまりの数に職員、ボランティアの手入れも行き届かなくなり、不衛生な状況の中で、仔犬たちは生まれたままの姿で放置されることもしょっちゅうだそうです。

それでも「才能ある仔犬」が足りないと、素人ブリーダーまでも巻き込んで、犬の繁殖にやっきになっているといいます。

4年間、そこでの犬舎ボランティアにあたっていた女性は犬たちの悲惨なこの現状に胸を痛め、幾度も改善要求をその所長や協会に求めました。しかし、話しは全く聞き入れられませんでした。そしてそのたびに「多くのユーザーが待っているから仕方がない。辛いかも知れないがすべては待っているユーザーたちのため、慣れて欲しい」、といった具合に、なだめられるだけだったと彼女は言います。

そして彼女は少しずつでも現状を改善しようという気持ちが協会側にないことに失望し、無念のうちにそこでのボランティアを辞めてしまいました。

ユーザーの要望ばかりに気を取られ、無償の愛で人間に尽す、一番に敬われるべき盲導犬への配慮はいつも後回し。協会に寄付してくれる善意の人々への体裁を整える程度の、形ばかりのフォローしか犬には行われてはいないそうです。
彼女は、そのあまりの「人間本位」なシステムに、同じ人間としてすっかり嫌気が差してしまったと言います。

盲導犬を希望し、待っている人の要望に応えていくためには、より多くの数をこなし、盲導犬を一匹でも多く育てていく必要は確かにあります。

しかしこれがビジネスの世界であり、商品が「モノ」あれば、繁忙期の職場環境にはしかたがないと多少の目をつぶることもあるかも知れません。生産性を高め、需要に応えることで社会貢献し、利益を追求することが製造業の使命です。製造業で働いていたとすれば商品が売れ、需要が増えれば会社の利益に繋がり、給料にも反映されてくるわけですから、多少のオーバーワークをしてでも生産性を上げることは当然とも言えます。

しかし、ここで生産されていくのは盲導犬であり、モノでなければ売れ筋の商品でもありません。私たちと同じ、尊い命を持った動物です。

彼ら自身は盲導犬になったところで多くの報酬を貰えるわけでもないですし、またそれを望んでもいません。ただ、信頼する主人に愛されたいがために、一生懸命に仕事を覚え、人間に尽くしているのです。

需要があるからといって、数打ちゃ当たる方式でやみくもに繁殖し、ロスを承知で大量に育てることは本来の理に反していることではないでしょうか。

受け入れ先の整備が整わないまま、乞われるがまま、むやみやたらに繁殖している現状はもっと問題視されるべきでしょう。
そしてこの問題は、不用犬を世にもたらす行為にも直結していると言えます。

盲導犬用として繁殖された仔犬たちですが適正や資質の問題で、ほとんどの犬が盲導犬としてデビューを果たせません。犬を一度も飼ったこともないような、何も知らない素人までもパピーウォーカー(幼犬期の里親制度)のボランティアとして巻き込んで、せっせと育て、訓練士の手に渡ります。しかし、結局、そこでの訓練に耐えられなかったり、盲導犬としての素質がないということで、盲導犬になれない犬が大勢存在します。

小さいうちから厳しい訓練に耐え、盲導犬になるためだけに生きてきた犬たちです。訓練の結果、ドロップした場合、成犬である彼らは今までいた場所を追われます。そのうち他の介助犬になれるのもわずかでしょうし、PR犬といってもそんなに何十匹、何百匹とは必要ないでしょう。

惜しくも訓練の途中で盲導犬には不適格と判断され、盲導犬になれなかった犬は、しかるべき家で、その労を労われながら家族の一員として一生大切に飼われるべきです。
そういった仔犬のかわいいさかりをとっくに過ぎてしまった、ラブラドールレトリバーの受け入れ先の確保も緊急課題です。

そして盲導犬を大量生産するということは、任務を終えて協会に戻ってくる高齢のリタイア犬を作っていることともいえます。盲導犬としてユーザーのもとで任期を無事に全うし、年老いてから協会に戻ってきた彼らを受け入れるホストファミリーはまだ少数です。

そのリタイア犬の多くは暖かい家族や主人に見守られることなく、訓練所の片隅でひっそりと命を落としてゆくといいます。盲導犬とはいえ、犬にとって主人のない最期はとても不幸なものであるに違いありません。どんなことになっても人間の手によって最後まで愛情を持って、生をまっとうさせてあげたいものです。

盲導犬として長年勤め上げ、高齢で引退したリタイア犬にも、同様に労を労ってくれる暖かい家庭が必要です。
使役犬として人間の都合で生み出された犬たちです。犬はおいしい餌より犬仲間と遊ぶことより、なによりも飼い主のそばにいるということがいちばんの幸せと感じる動物です。そして盲導犬もそんな犬たちと同じ仲間です。

これらの協会のパンフレットによると、盲導犬はユーザーがまめに動物病院で診療を受けさせることと、ユーザーである飼い主のそばにいつもいられることを喜びと思うので、飼い主不在によるストレスが少なく、一般の犬よりも時には長生きすると書かれています。
長生きは確かにするかも知れません。しかし犬の主人が一生のうちで何度も代るというそれだけで犬にとっては大変な負担を強いていることを私達人間は忘れてはいけません。
私たち人間で例えるなら、両親が何度も替わるようなものでしょう。

私たち人間の都合のために繁殖された犬たちです。一生、彼らが安心して幸せに暮らせる環境を構築が急がれます。
そうでなければ、惨憺たる状況がじきに知れ渡り、盲導犬制度は動物の権利や福祉を無視した人間のエゴに他ならない残酷な制度として内外からの反感を買い、日本の盲導犬そのものが衰退してしまう危惧があります。
ある愛護団体は、この盲導犬育成制度を一種の虐待であるといいます。

「人を助けるための介助役がなぜ人間ではいけないのか。どうして犬でなければならないのか。たとえば、学生やリタイアした時間にゆとりのある人たちなどがボランティアとしてハンディキャップのある人の手助けをするのが普通ではないか。わざわざ動物を繁殖して、手足にしようという発想そのものに疑問を感じる」、と。

とはいえ多くの人々が待ち望んでいる盲導犬です。犬が可哀想だからといって、そう簡単に辞めるわけにはいきません。だからこそ今後のことも見据え、人間ばかりでなく犬の福祉にも前向き取り組み、両者にとっていちばん良い方向を模索していく必要があるのです。

盲導犬になるべくして繁殖された犬たちです。そんな彼らが少しでも幸せに暮らせるように、盲導犬の福祉について、今こそ社会全体でもっと真剣に考えていくべきではないでしょうか。

<聴導犬>の厳しい現実

聴導犬の育成も叫ばれつつあります。耳の聞こえない聴覚障害者のもうひとつの耳となり、
音をユーザーである主人に伝えます。ドアチャイム、赤ちゃんの鳴声、やかんの沸く音、その他もろもろです。

こちらはある意味においては盲導犬よりもっとシビアな仕事を犬に課すことになります。盲導犬はユーザーが家の中でハーネスを外している間は普通の犬と同様に扱われます。

オンとオフの差がはっきりしているのです。しかし聴導犬はそうではありません。

盲導犬と違って、休む暇なく、一日中、音の異変に注意を払っていないといけません。24時間体制の勤務です。

聴導犬は、保健所に収容された不要犬の中から、それに適した犬を選び育成します。殺処分の犬を減らす目的には合っていると思いますが、これらの過酷な試練を考えると、犬も気持ちよく過ごせる環境とは言いきれない部分もあるようです。

聴導犬もまた、主人を喜ばせたい、誉めて欲しいという気持ちからこれらの仕事を無邪気にひたむきにこなしてゆきます。聴導犬にもユーザーが日常の生活の中で仕事を忘れ、うんと甘えさせてあげる部分をできることならぜひ残してあげて欲しいものです。

聴導犬もこれから増えてくることでしょうから、これらの仕事をまっとうしたリタイア犬や試験に落ちてしまったリジェクト犬が出てくることでしょう。こんな犬たちの存在にもみなさんに気づいて欲しいと思います。

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著者プロフィール
 Pride of the Japanese

現役キュレーターの中でトップのアクセス数を誇るSharetuber。世界を飛び回る国際ボディガード歴20年。護身術師範。悪質なクレーマーや反日左翼と戦う某公的コンサルティング団体顧問。喧嘩上等。「I'm proud of the fact I was born in Japan.」