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【動物虐待】シリーズ 「安売り」される小さな命たちの哀しい話。 #杉本彩 #動物保護 #ハムスター

【動物虐待】シリーズ 「安売り」される小さな命たちの哀しい話。 #杉本彩 #動物保護 #ハムスター

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Update date:2018年06月10日
【動物虐待】シリーズ 「安売り」される小さな命たちの哀しい話。 #杉本彩 #動物保護 #ハムスター
近年の住宅事情とも相まって、場所いらず、お散歩いらずの小動物ハムスターの人気が続いています。中でもジャンガリアンハムスター(和名ヒメキヌゲネズミ)は1993年にペットとして上陸して以来、その小さく愛らしい姿とかわいい仕草から、たちまち子ども達だけでなく大人たちの間でも人気者となりました。ハムスターをモチーフとしたアニメや漫画も軒並みに大ヒットし、流行に敏感な日本人たちはこぞってこの小さな小動物を飼いはじめました。
しかし、ほんとうの大ブレイクの真相は、どうやらお茶の間繁殖にあるようです。
そこで今回は「安売り」される小さいイノチについて紹介します。

「安売り」される小さな命たち

ハムスターは繁殖が容易なため、つがいで飼っているだけで一般の家庭でもどんどん増やすことができます。そしてご近所、お隣り、お友達同士で、ハムスターはおすそわけされ続け、今や3百万匹近いハムスターが日本の家庭で飼育されているともいわれています。まさにネズミ算式に増えてしまったわけです。知り合いのペット商からは、ハムスター自体はちっとも売れないけど、回し車や餌入れといった関連用品やおやつやフードの売れ行きは、あいかわらず伸びているとも聞きました。

しかし、ある獣医師はハムスターについて、安易に子どもに与えるべきペットではないと警告します。小さい生き物ゆえ、ちょっとした怪我や病気が命取りとなります。腫瘍になることも多く治療が及ばないこと、約2年ちょっとというコンパニオンアニマルとしては寿命が短すぎるというのがその理由だそうです。また、ペットとして飼い親しまれた飼育に関する歴史が意外にも浅く、医療技術や機材も犬や猫にくらべるとほとんど発達していないため、本格的な治療を最新鋭の設備の揃った動物病院でうけさせるとなると、医療費も高額になりがちです。

そうでなくてもタダ同然で手に入れたものだからという理由で飼いだしたいい加減な飼い主と獣医師との間で、医療方針や治療費をめぐって、トラブルになるケースが絶えないそうです。あの愛らしいハムスターも動物病院にとっては、少々、やっかいな患者さんのようです。もちろん中には私の友人のように、ハムスターにもできる限りのことはしてあげたいと、かかった医療費、総額約60万円を、ハムスター亡き後もローンで地道に返済するような人がいることも事実ですが、安い値段で手に入れたハムスターに対してそこまで献身的な看護をしてあげられる人はそう多くないはずです。

また、このハムスターブームの裏側では、増えて飼いきれなくなったハムスターをタダでいいから引きとって欲しいという飼い主がペットショップに殺到したといいます。

引き取ったところでヘビや猛禽類の生き餌にするしかないと説得されても、引き取りを動物園に強要する人も後を絶たないそうです。また、餌だけ与えていればいいと思っている飼育に無関心な飼い主たちのせいで、小さな容器の中で増え続けたハムスターたちが、ストレスのあまり自らの子や兄弟を食い殺し合いしていたという殺伐とした話も頻繁に耳にします。そこまではいかなくても、室内できちん飼育していれば、冬眠の不要なハムスターを、子どもたちが飽きてしまい世話をしなくなったことをきっかけに、ベランダや庭などに餌を入れたまま放置し、凍死させてしまう飼い主のどれだけ多いことでしょうか。

これでは子どもたちのためにと飼いはじめたところで、到底、情操教育になるとは思えません。小さな命の重さ、家族で真剣に考えてゆきたいものです。

また、近年の日本における異常な安売り競争で苦しんでいるのは、メーカーや流通業の人ばかりではありません。ハムスターをはじめとした動物たちもまた、尋常ではないデフレスパイラルの渦中にまきこまれ、大量に生産され、大量に消費されています。

マスプロダクションが生み出すゴミや環境破壊が問題になっていますが、命ある動物たちまでもがその対象となり、悲しい結果を迎えています。動物を特価で販売することが、もの言えぬ動物たちにどれだけひどい仕打ちを与えていることになっているのか、改めて振りかえってみましょう。

わたしたち消費者にとって、商品を安く手に入れられることは大変うれしいことです。

モノが安く手に入れば、余ったお金を別のことに回すことができます。価格競争は大賛成、商品を安く売り買いしてお互い何がいけないことがあろうかと思ってしまう人もいるのは当然のこととも言えます。しかし、百円ショップの商品があれほどまでに売れるのは、百円だからなわけです。必要だから買うという前に、安いから買う、高かったら別にいらない。そういった消費行動のパターンが以前にもまして、日本では色濃くなってきているように思います。

また、ほんとうに欲しいものには金にいとめをつけないのも日本人の特徴とも言われます。

何十万円もするブランドもののバッグを、若いひとたちから年配の方まで、早朝から並んで買う光景を一度はテレビで目にしたことがあるのではないでしょうか。このように、わが国では消費パターンの二極分化が進んでいます。百円だから欲しくなったその商品は、500円であったら買わない、これといってかわり映えのないスタンダードな商品がほとんどです。

ある大手の百円ショップチェーンでは、生産のための発注は毎回、100万個以上だといいます。作るなりいきなりミリオンセラーを狙うわけです。そうやってグロス生産することによって、商品の一個あたりにかかるコストや人件費を抑え、百円で売っても利益が出る商品をあらかじめ企画製造します。これらの商品は、あくまで薄利多売をしなければ商売として経営は成り立ちません。

たとえば街の文房具店で一日に一個も売れればいいという500円の商品が、百円ショップでは何倍もの数を1店舗で販売しなくては利益があがりません。一個単価が安く利益も薄い商品ですから、販売や流通段階における人件費やコストすら安く抑えなくてはいけません。問屋を介さず、莫大な量の製品を下請けメーカーに発注し、そこから直接買い入れて安く販売します。当然、店員も正社員ではなく、時給の安い、アルバイト店員がほとんどです。商品にちょっとした不具合があったとしても、人件費をかけて直すより、それは捨て、新品と交換するシステムになっています。

来客もまたそれを当然のことと理解し、商品知識や説明の多くを彼らに求めるようなことはしません。また、これらの店によっては、「当店は百円ショップですので、返品・交換は受け賜れません、品質においても百円の商品であることをあらかじめご了承頂いてから、ご購入ください」、と、うたっているところも最近ではあります。

購入した側もまた、百円だから買ってもいいか、すぐ壊れてもまた買えばいいか、というわりきった心理が働いた上でそれらを購入します。まだ欠けてもいないお茶碗を使っているけど、百円で手に入るならそろそろ取り替えよう、とか、まだ十分使えるタオルがあるけど、百円なら使い捨て感覚でいつもきれいなものを使ったほうがいいかな、という発想で、特売のタオルを買ってしまったような経験は誰しもがあることでしょう。

逆を言えば、百円だったからまあいいや、という理由でまだじゅうぶんに使える品物も、安易にゴミとして葬り去られていきます。このように大量生産と大量消費はつねに表裏一体の関係で結ばれています。そうでなければ狭い家の中はあっという間にいらないものであふれかえってしまうことでしょう。

そしてこのようなモノの流れがごくあたり前のことになりつつあり、動物たちの生命をも危ぶませることになっています。

一例を挙げると、ハムスターやミドリガメセキセイインコといった売価の安い生体はショップにおいても、どうしても扱いがぞんざいになりがちです。

これらは繁殖も容易ですから、たとえ店に置いていて病気になったり、死んでしまったとしても、発注さえすれば、欲しいときにいつでも新しい替わりの「商品」をショップは仕入れることができます。そして客側もまた、安く手に入る動物は気軽にかわいいから、と飼いはじめる人も多くいます。こういった衝動買いの場合、動物を飼育するたいへんさや、その動物がもたらす生活上のネガティブな部分はとりあえず後回しにされがちです。

ショップとしては生体自体の単価は安くても、生体を買う際に飼育ケースやエサなどの周辺用品をまとめて買ってもらえるため、これらの「商品」、小動物を商品ラインナップとして欠かすことはできません。ハムスターが980円だったとしても、飼育ケース、回し車、エサ入れ、水入れ、エサ、おやつ、敷きワラなどをまとめて購入してもらえば、一回の売上げは一万円ちかくに上り、決してばかにできるものではないからです。

それが狙いで、大手ペットショップチェーンでは、週末、タイムサービスとして、ハムスターを300円といった破格や、無料でプレゼントすることすらあります。子どもたちもまた、販売店のハムスターに対する、そんなぞんざいな扱いを日頃目にしているので、ハムスターは安いから死んでしまってもまた買ってもらえるものとしてとらえています。

こうやってしらずしらずのうちに子どもたちは小動物の命を軽んじてゆきます。

また、そこに目をつけた、ペットショップの入っていないはずのホームセンターやディスカウントショップまでもが客引き用に小動物を特価品として扱い、チラシに掲載することがあります。夏になればカブトムシザリガニも特価品としてチラシにお目見えしてきます。家族連れの客を店に呼び込みたいからです。

これらの量販店は、飼育のノウハウがあるわけでもなし、ましてや専門家をおいているわけではありませんから、ペットショップに対抗するためには価格面で負けるわけにはいきません。そこで業者から大量にそれらの小動物を入荷するかわりに、たいへん破格ともいえる安い値段でそれらを仕入れます。そして飼育ケースの中にハムスターをあらかじめエサと一緒に入れて、手間のかからない形で販売します。

当然、その仕入れ値にはハムスターの世話をする人件費などは含まれていません。その替わり、あらかじめロス率を設定し、損益分岐点を設けて売上にマイナスが出ないように計算されています。もっとわかりやすく説明すると、安く仕入れたハムスターが、店頭に並べているうちに病気にかかってしまったとします。

当然、数百円とといった特価で仕入れられるハムスターに、治療のためのコストや人件費はは含まれていません。かといって、仕入れる段階ですべてのハムスターを無事に売り切ることができるという皮算用もしていません。あらかじめ、仕入れたハムスターに病気や怪我といった問題がおきたときのために、何パーセントかのハムスターはケースごと破棄してしまっても、マイナスにならないよう、あらかじめ計算されているのです。

そのあらかじめ設定されたロス率の範囲で病気、死亡が発生する分には問題なしとします。また、エサもそう何十日分と入れておけるはずもなくハムスターに販売期限を設けている店もあります。そうやって、多くの動物たちの命が野菜や生鮮食品と同様に、賞味期限が切れるかのごとく、容赦なく切り捨てられてゆきます。よく考えてみればケース入りで980円で売られている何十匹ものハムスターが、病気になったところで3000円はかかる動物病院に、店から連れて行ってもらえるはずはないのです。

そしてまた、購入する側もケース込みで980円という破格で手に入れたハムスターに、それだけの価値の「物」としか思えなくなってしまうという刷りこみが行われています。

二年ほど前のことになりますが、大手おもちゃメーカーがハムスター用のドールハウスを発売しました。プラスティックでできた二階建てのハウスです。プラスティック製の机やベッド、トイレ、餌いれがあり、生きたハムスターをその中で「生活」させて、動くぬいぐるみのようにして見て楽しむことができるという商品です。それは通気性も悪く、掃除も面倒、一階と二階をつなぐ穴は小さすぎてハムスターがひっかかって出れなくなってしまうこともあるといった、まったくといっていいほどハムスターの生態を無視したひどい商品でした。この商品のパッケージには著名な動物博士のお墨付きがついていましたが、この博士は商品もよく見ず、売名やお金を目当てに自分の名を貸すようなひどい博士だったに違いありません。

また、6000円のその商品をたくさん売りたい販売店が、あることを思いつきました。こちらも大手のおもちゃ販売チェーンです。ハムスターをつがいで購入してきて、店内の片隅でそれらを繁殖させ、このハムスター用ドールハウスを購入した人にタダでプレゼントするという企画イベントです。子どもたちに対して、物を大切にする心、命の大切さを教えていかなくてはいけないおとなたちが、金に目がくらみ、命の軽視を助長するようなこういった行為を繰り返しています。しかし、わたしが見ている範囲では、おもちゃを買いにきた親子がペットショップではなくおもちゃ屋でハムスターを欲しがるわけもなく、その計画は失敗に終わったように見えました。

話しがとんでしまいましたが、ハムスターの購入金額の980円はあくまでハムスターを手に入れるための費用でしかありません。実際にはハムスターが天寿をまっとうするまで、餌、ペットシーツ、かじり木などのランニングコストも必要です。そしてときにはハムスターだって人間同様に怪我や病気もしますので獣医師による治療も必要になります。そうなるとハムスターを購入したときの金額の何十倍、何百倍もの費用が必要になることすらあります。しかし、それも考慮に入れた上で、買って連れてかえるのが飼い主の義務ではないでしょうか。現実には安売りで生き物を手に入れるような飼い主にはそれが理解できない人がたくさんいます。

生き物を手に入れる際の値段には、その動物のための人件費が含まれているということを念頭に置かなくてはなりません。同じゴールデンハムスターでも、3000円の店と980円の店があったとしたら、その価格差がどこからくるものなのかをわたしたち消費者はわたしたちなりに考えましょう。特価の理由が大きく育ってしまったから、というような類のものであれば、納得することもできます。大きいハムスターがいやでなければ、消費者にとってお買い得な商品となります。しかし、そういった裏の理由に目を向けようとせず、安いほうがお得だからとチラシだけを見比べて、広告を鵜呑みにしてモノを購入するクセを今こそやめるべきです。そうでないとハムスターをはじめ、無抵抗な動物たちまでもがいつまでも大量消費され、大量にゴミとして捨てられていくことになります。

お金がない家庭でも安易に手に入れることのできる命、ザリガニ、ミドリガメ、セキセイインコ、ウサギなども同様に大量に生産され、大量に消費されているのです。

動物が安く手に入るようになったということは、さきほどご説明した通り、モノが安く手に入るようになったことと同様に、動物にかかわる人件費、経費などのクオリティを削減していることにつながっています。

わたしたちが安い動物を好んで手に入れれば、モノ言えぬ動物たちが、その分、陰で虐待され、痛手を負わされているということを決して忘れてはいけないと思います。

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著者プロフィール
 Pride of the Japanese

国際ボディガード歴20年。世界を飛び回るSharetubeトップキュレーターの一人。護身術師範。悪質なクレーマーや反日左翼と戦う某公的コンサルティング団体顧問。喧嘩上等。「I'm proud of the fact I was born in Japan.」