土用の丑の日、「解凍され売れ残ったウナギは捨てられる」

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大量消費が招く資源の枯渇、絶滅危惧種の「ニホンウナギ」の保護に乗り出した大手スーパー

ニホンウナギは生産履歴の管理ができるものに限って販売する。ウナギの持続可能な調達へと一歩を踏み出す。

 日本人が長年食べ続けてきたニホンウナギは、養殖に使われる稚魚のシラスウナギが乱獲などの影響で激減しており、国際自然保護連合(IUCN)が2014年に絶滅危惧種に指定した。かば焼きの値上がりも続く。


 イオンはこのまま大量消費を続ければ、資源の枯渇を招きかねないとみて、大手商社と組んでインドネシアの河川でニホンウナギに代替できるビカーラ種の養殖に乗り出した。ビカーラ種はニホンウナギと同じウナギ科ウナギ属に分類され、「かばやきにすると、国産のウナギに比べ、肉厚で食べ応えがある」という。

 ただ、ビカーラ種もIUCNから準絶滅危惧種に指定されており、資源保護に配慮しながら安定的に調達する体制づくりが課題だった。イオンによると、ビカーラ種のシラスウナギについて、持続可能な漁ができる仕組み作りにめどがついたという。

出典:ニホンウナギの販売、徐々に縮小へ イオン、別種を養殖:朝...

	

「土用の丑」とは

日本で食べられるウナギは密猟や不正取引のリスクが高く、売れ残って捨てられるウナギはわかっただけでも2.7トン、13650匹(2017年)、その訳は「解凍しちゃたから」

スーパーマーケットなどで売られているウナギの蒲焼き。ウナギは密漁や不正取引との関与リスクが高いこと、知っていますか?6月4日、大手スーパーマーケットなど小売18社を対象におこなった、ウナギの調達についての調査レポートを発表しました。


スーパーもどの種のウナギなのか分からない

日本で食べられている蒲焼きに使われるウナギは4種います(ニホンウナギ、ヨーロッパウナギ、アメリカウナギ、ビカーラウナギ)。ウナギの蒲焼きのパッケージに貼ってあるラベルを見ても、どの種のウナギなのか書いてあることはほとんどありません。蒲焼きは加工品なので、「ウナギ」と書いてルール上は問題ないですが、2013年に水産庁からニホンウナギは「ニホンウナギ」と書くようにとお達しが出ています。企業は「聞く耳持たず」ということですね。

そこで、そもそも企業はどの種のウナギなのか分かっているのかを探るため、18社のお店ウナギの蒲焼きを買って、外部のDNA検査機関にお願いして、どの種のウナギなのかを調べてもらいました。

その結果、ニホンウナギの蒲焼きを仕入れたはずが、実はアメリカウナギだったという商品が見つかりました。スーパーもびっくりです!これは、ウナギの稚魚(シラスウナギ)が捕られてから、お店で販売されるまでのサプライチェーン(流通経路)が闇に包まれていることの証です。

アンケート調査に協力してくれた16社のほとんどは、シラスウナギを捕ってから養殖池に入れるまでのサプライチェーンの追跡は不可能と回答しています。シラスウナギはとても高く取引きされるため、日本でも海外でも密漁や不正取引が後を絶ちません。サプライチェーンの全容を把握できないということは、不正なウナギとクリーンなウナギを区別することさえできないということです。


捨てられる大量のニホンウナギ

ブラックなウナギ流通も問題ですが、ニホンウナギ、ヨーロッパウナギ 、アメリカウナギは絶滅危惧種に指定されていて、個体数の回復が急がれています。スーパーなどでは、夏の土用の丑の日が近づくと、蒲焼きのコーナーができて、それそれはたくさん並んでいるのを目にします。はたして全部が消費者に購入されているのでしょうか? 売っているニホンウナギの蒲焼きのうち、2017年に廃棄した量を聞いたところ、正直に捨てた量を教えてくれたスーパーは16社のうち5社だけでした。その5社だけでも、2017年に2.7トンのニホンウナギの蒲焼きが廃棄処分されていたことが分かっています。

個体数を増やすためのあらゆる努力をするべき時に、相変わらず大量に売り続けているだけでなく、人の口に入ることすらなく、たくさんのウナギが無駄に殺されているということです。

廃棄食品(フードロス)は、世界が抱える大きな課題でもあります。正直に教えてくれたスーパーがある一方で、「廃棄する場合あり、非開示、ほぼなし」などと、言葉を濁したスーパーが多くありました。業界全体でもっとオープンに議論をして、削減のための取り組みをすべきです。

それでも、土用の丑の日にウナギ食べますか?

	

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Sharetube