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【決算書】はミステリーの宝庫「数字」にはスリルとサスペンスがある #ビジネス #企業 #経済

【決算書】はミステリーの宝庫「数字」にはスリルとサスペンスがある #ビジネス #企業 #経済

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【決算書】はミステリーの宝庫「数字」にはスリルとサスペンスがある #ビジネス #企業 #経済
決算書の作成には、ありとらゆる利害関係者が関ります。社内では、社長以下の全社員、そして棚卸で雇われたアルバイトまで及びます。さらには、銀行株主取引先まで関係してきます。それぞれが勝手なことを言い、「これは大問題だ」と騒ぎ、頭を抱えて悩みます。

推理小説には、名脇役の登場が欠かせません。その彼(彼女)は、事件がヤマ場を迎えると、どういうわけか、必ずこう言います。

「これはまずいことになった。わたしたちではどうにもならない」

 読者のわたしたちは、これによってスリルを増しますが――企業の経営者も同じだったりします。腹心の取締役部長が、やっぱり同じことを言うからです。その時、手にしているのが決算書というだけなのです。

 では、いったいなにが「大問題だったのか」というと、実は決算書になった時点で、うやむやにされています。

 もちろんわたしたちは騙されません。数字のトリックなど、簡単にお見通ししてやりましょう。決算書というものは、いくら操作しても、必ず足跡が残ります。ちょっとした数字の変化やバラツキを目で追いかけるだけで、真実が透けて見えてきます。

 ド素人と一流の違いは、ただ数字を見るだけで終るのか、それとも決算書の向こう側にある人間模様を見ているかの違いです。この意識さえあれば、そこらの経営者より立派な分析ができるようになります。

決算書で重要な要素の一つ「貸借対照表」

決算書には、さまざまな種類があります。今回は簡潔に、次に絞って解説したいと思います。
貸借対照表です(別名バランス・シート〔略してB/L〕)。これは、ある時点での会社の財産を示したもので、期末の成績表のようなものです。

【悪名高き債務超過は貸借対照表のココでわかる!】

企業の「安全性」が見えてくる

一時期のニュースでは、「債務超過」がひっきりなしにお目見えしてました。この債務超過という言葉、有名な割には、誤解も多くあるようです。債務超過に陥ったからといって、すぐに倒産するわけではありません。ただ、あなたやわたしが、決してその企業に投資したり転職しないだけの話です。
 さて、どんな状態になると「債務超過だ!」と騒ぎ出すのでしょうか。
 現実的には、いきなり債務超過になることはまずありません。ひとまず、その前兆でもある「火の車状態」を知っておきましょう
まず流動資産を見てください。「現金および預金」などがあるとおり、比較的すぐに動かせるお金の集団です。今度は流動負債を見ます。「支払手形」や「短期借入金」などがあるように、これは「一年以内に支払うべきお金と借金の合計」です。
 通常ですと、「流動資産」から「流動負債」を引いた残りが当面の運転資金と見られます。さあ、もしここがマイナスになってたらどうでしょうか。
 これでは手持ちの自由資金から、支払いや返済が出来ない状態になります。残る手段は借金ですが、いくら寛容なあなただって、このような企業にはホイホイ貸せる状態ではありませんね。
 こうして「手持ちの自由資金」が「支払い額や返済額」を超えた状況は、「お尻に火が点いた」と見ていいでしょう。

 普通はこうなる前に決死の一手を打ちます。例えば大きな資産の売却、追加融資、最悪の場合は決算の粉飾などです。それが上手くゆかず、赤字が続くと、「資本の部」がマイナスに落ち込みます。赤字が積み重なり、資本までを食い潰し、総資産額を超過した状態を「債務超過」といいます。人間でいうと、心筋が小さく痙攣して、血流が送れない危機状態です。

 とはいえ、債務超過状態になっても、いきなりバッタリとは倒れません。なにしろ実際の支払いや返済まで、まだ幾らかの期日があるからです。
 開発能力が高く、すでに新商品を生み出している企業であれば、誰かが手を差し伸べて倒産を回避します。

●「黒字」だからと安心できない不思議

「数字はウソをつきませんよ」

 ビジネス界では、こんな言葉をよく耳にするものです。つまりウソをつくのは人間なんだという皮肉ですけど、実はもうひとつ、大切な意味があるのです。
 決算の数字は、紙面に大人しく座っているようにも見えますが、角度を変えると、たちまち動き出します。「事実」という隠れたサインを送っているのです。

 たとえば、決算が黒字の企業でも、その理由を追いかけてゆくと、「ちょっと待てよ」という事情が出てきます。「売上が激減しているのに黒字?」と思いきや、その代わりに手持ちの資産も下がっていることがあります。

 さらに売上が急上昇している場合、とても喜ばしいことなのですけど、売るための商品だって多く買い増すことになりますよね。しかも「チャンスは逃すな!」と急ぎ足です。

 これが小売業のように、一般のお客さんから現金でもらえればいいのですけど、企業相手に販売した場合は、売上げても、現金化できるのは数ヶ月も先です。それに相手が倒産したり、クレームをつけられて揉めている間に、自分の支払(商品代金)がやってきたら大変です。帳簿では多くの売上や売掛金はあるけど、現金は少しだけ。大きな黒字を出したまま、支払不能となってしまいます――。

 企業の健康度は、決算が黒字でも、中身を見ないとまったく分からないのです。
決算書は「下から読むべし!」

 「足元を見る」というと、とてもイヤなニュアンスですが、人の採用の場面と、決算書分析の場合は「それが基本」です。

 貸借対照表は、病院で使われるカルテと同じで、はじめて見ると、用語と数字の意味がまるで分かりません。しかしカルテだって、すべてを読む必要はなく、現在の診察結果が分かればひと安心です。最近では語学が苦手な医師も多いようで、カルテに日本語で記入するため、素人にも読めるものがあります(問題は字がヘタクソで読みづらいということだけ)。

 それは決算書も同じで、「下から読む」という基本を知れば、厄介そうに見えるものも素直に読めますし、企業イメージも三分で把握できます。
資本の部」の合計がマイナス表示になっている場合、債務超過であることを示しています。「資本の部」には、「剰余金(または繰越利益と表記)」という項目もあります。これは去年度からの利益の繰越分で、ここがマイナスであれば、去年も赤字であったことが分かります(マイナスの場合「欠損金(うち当期損失)」と表記されます)。

 つまり、蘇生の可能性は極めて低いか、むしろ蘇生させても、債権者や株主を汚染するだけかも知れません。

 さきほども紹介したように、貸借対照表は、左側に「資産」、右側に「負債と資本」が来ています。つまり、現存するすべての資産(左側)が「どのお金で構成されているか」が分かります。
 まず右側から見てゆきます。「負債の部」、「資本の部」のそれぞれの合計欄(項目の一番下)からチェックします。「負債の部」とは他人から借りたお金、「資本の部」は会社のお金(株主の出資金など)です。もし、いまある資産に対して、「負債合計」が過半数を超えていたら、あなたはどう思いますか。

「自分のお金でやりくりできない無能な会社」と評価するか。
 それとも「金融市場を上手く使った有能な会社」か――。

 各項目を調べるときも、明細よりも、まずは合計欄に注目しましょう。全体を見ないまま、細かい点ばかりを突っついても、思わぬ勘違いをするだけです(熟練者や専門家が最も陥りやすいミスです)。

 せっかくの優良企業を、小さな短所で見逃さないようにしたいものです。
●その他にも面白情報が盛りだくさん

 「資産の部」に剰余金というものがあります。これは利益のうち、ムダ遣いをやめて企業内部に溜め込んだものです。優良企業はこの「剰余金」が豊富に存在します。ところがコレもなかなかのクセ者で、企業によって積み増す目的が違ったりします。

 「負債の部」にある借入金や支払手形も、経営が傾くにつれ、奇妙な動き方をします。会社もできるだけ隠そうとしますが、下手に隠すと、帳尻あわせでほかの数字がガクンと変動します。動きが極端な場合はもちろんですが、もうひとつ、「動きがほとんどない」というのも相当なキナ臭さがあります(粉飾の香りがプンプンです)。

 右側の「固定資産」も、発展途上の企業と傾いた企業では、数値が大きく動きます。いわゆる「設備投資」ですが、発展途上の企業は、店舗用地を買ったり販売設備を揃えたりするので、数字がピョンと上がります。一方、傾いた企業も数字が跳ねますが、こちらは逆の動き。資産を売却して運転資金に当てるので、数字が減ってゆきます。ただ、ムダな資産を売却するのは適切であるので、いつ、どんな資産が動いたのかを調べると、たちまち健康度が分かってきます。

 いまの勤め先の会社が決算発表を行ったら、ぜひとも見てください。

 社内で見つけた不穏な動きや怪しいウワサ。それとつき合わせると、妙に合点がゆくところ、多いのではないでしょうか?

まとめ

貸借対照表は、必ずバランスしているからバランスシートです。どこかで歪みが出たら、かならずしわ寄せがあります。そこがまさに弱味。もしくはこれからの成長点になる部分。

 表に表示されているのは、合理的な数字という暗号です。それを元に導く限り、推理もやはり合理的になります。

 面白いのは、ここから先です。

 ご承知の通り、数字自体には意味がありません。事実につながる暗号なだけです。

 実務のプロたちが築いた暗号の迷宮を、あなたは知恵と工夫を駆使して、見事に看破してやってください。

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著者プロフィール
 Pride of the Japanese

現役キュレーターの中でトップのアクセス数を誇るSharetuber。世界を飛び回る国際ボディガード歴20年。護身術師範。悪質なクレーマーや反日左翼と戦う某公的コンサルティング団体顧問。喧嘩上等。「I'm proud of the fact I was born in Japan.」