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分かりやすい【商法】シリーズ第二章「株主総会」における株主の権利とは!?  #企業 #経済

分かりやすい【商法】シリーズ第二章「株主総会」における株主の権利とは!? #企業 #経済

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分かりやすい【商法】シリーズ第二章「株主総会」における株主の権利とは!?  #企業 #経済
好評を頂いている、分かりやすい「商法」シリーズの第二弾です。メインテーマは「株主総会」。株主がメンバーとなって開く会議のことです。株主は会社のいわば「オーナー」さんですから、これは「オーナー会議」ということになり、「株主総会が会社の最高権力者」になります。
会社の存続などに関わる重要な事項は株主総会で決定し、会社の役員といえども、株主総会で決定されたことに逆らうことはできないのです。
今回は「株主総会」の権利について基礎知識をご紹介します。

Lesson1「1人で多くの選挙権」

 株主総会では、『取締役の選任』など会社の重要事項について話し合い、決議によって最終決定を下します。この際、株主は各種議題について役員に質問したり自分の意見を述べることができます。そのうえで自分の議決権(選挙権のようなもの)を行使することになります。

 この株主の議決権は、原則として「1株につき1票」与えられるもので、1人1票ではないことに注意してください。例えばある人が100株持っていれば「議決権は100票」あることになります。株式会社では「何人の人が賛成したか」ということよりも「賛成するのは何株か」が重視されます。このように「1株1票」という特殊な形を取ると、様々な問題も生じます。

 例えば100株を持っている株主が、50票を賛成、50票を反対に投票することが考えられます。これを『不統一行使』と言いますが、1人の株主が賛成と反対に分けて投票するいう矛盾した態度を取ることを、商法は原則的に認めません(商法239の2―Ⅱ)。

 ただし、株主Aさんが自分の株式(50株)の他に、父親の所有する株式(50株)もAさん名義にしていたとします。決議の際、Aさんは議題について賛成なのですが、父親はAさんに反対するよう指示した場合、Aさんは自分の50株を賛成に、父親の50株は反対票に投じる必要があります。このように正当な理由がある場合には『不統一行使』が認められます(商法239の2―Ⅰ)。
 また、商法は『累積投票制度』という耳慣れない制度も用意してありますが、実際はあまり使われていないようです。

 例えばA・B・Cの3人から役員を選ぶ場合、1個の株式に3票の議決権を与えるというものです。これだと少数派の株主が自分たちの代表であるCを役員にしたいと思えば、3票の議決権を全部Cに投票します。一方、多数派の株主はA・Bに分けて投票するため、Cが選出される可能性が高くなります。

 このように『累積投票制度』によると少数派の意見が経営に反映されやすくなりますが、多数派と少数派が真っ向から対立するようになり、かえって経営が混乱するおそれも高まります。ですから多くの会社は定款で「累積投票制度は排除する」と明記しているのが現状です。
 

Lesson2「無視されたオーナーがいる」

 会社のオーナーである株主には、1個の株式に1票の議決権が確保されていることは勉強しました。ところが、中にはこの『議決権』を持たない株主が存在します。

 株主は会社に出資してオーナーになったのに、経営内容を決定する株主総会で決議に参加できないとなれば、自分の利益を守ることができません。また役員らが違法な行為を行っているため、会社が損害を受けている場合でも、解任する決議に参加できないことにもなります。

 株主の『議決権』は、会社や株主の利益を守るために認められた重要な機能ですが、商法はあえて「議決権のない株式」を設けています。『完全無議決権株式』と『議決権制限株式』というものです(商法242条など)。

 『完全無議決権株式』とは議決権が全くない株式で、『議決権制限株式』とは議決権が制限された株式ですが、このような株式が認められたのは、次のようなメリットがあるからです。

 例えば会社の株式を安く買いたいと思う人がいるとします。会社がその人たちのために時価より安く株式を売ると、すでに株主となっている人の利益が害されます。つまり、株式の時価が10万円のとき、会社が新たに5万円で株式を発行して時価が7万円に下がれば、すでに株主になっていた人は3万円分損をすることになります。

 しかし会社はできるだけ多くの人にお金を出してもらいたいですから、一般の人も購入しやすい金額で発行したい場合もあります。そこで会社は株式を1株5万円という時価より安い値段で発行しますが、それは『議決権のない株式』という条件をつけて、時価が10万円の株式とは違う内容にするのです。そうすることで、会社は多くの資金を集められ、いまの株主の利益も害さないことになります(議決権のある株式はあくまで10万円出さないと買えませんから)。

 このように、議決権がなくとも配当金だけ期待して安く株を購入したい人には便利な制度であり、会社の資金集めも楽になります。

Lesson3『ソーカイヤ』は恐い?

 「ソーカイヤ」という言葉を聞いた事はありませんか?カタカナで表記すると意味がわからなくとも、「総会屋」と漢字に直せば少し恐さが増すでしょう。

 「総会屋」とは恐喝屋ともいえるアウトローな人たちです。簡単に言えば、彼らは会社の株式を購入して、会社に対して様々な言いがかりをつけます。

「オレは株主だ。用心棒になるから金を払え! さもないと株主総会で役員たちの秘密や不正を暴露する!」などと脅かし、会社から不正にお金を貰おうとするグループです。

 総会屋が会社にお金を支払わせる手段はいろいろとあります。総会屋は誰も読まないような「新聞」「機関紙」を作り、それを購読料の名目で会社に高額な請求をします。また誰も利用しない「海の家利用券」などを売りつける場合もあります。

 それがわかっていながら、会社はどうしてお金を払ってしまうのでしょう?

 それは会社(特に株主総会で議長になる社長)が、「株主総会を無事に簡単に終わらせたい」と強く望んでいるからです。

 総会屋は、わずかな株式を購入して株主総会に乗り込み、嫌がらせのような質問を連発して会議をメチャクチャにします。この場合、会社が毅然とした態度で臨めば良いのですが、実際のところ、それは大変困難です。

 なにせ総会屋はプロですから、何をしたら相手が困るのかを良く研究しており、総会屋の痛烈な質問や反論で、総会が十数時間に及ぶ事もあります。特に会社や役員に弱みがあれば、株主総会という公の席で長々と責任を追及され、一般の株主も巻き込んで収拾がつかなくなってしまいます。

 そこで会社はできるだけ穏便に株主総会を終了させようと、つい総会屋に利益を与えてしまうのです。しかし商法はこれを許さず、総会屋の不正な行為を処罰することはもちろん、会社が総会屋に利益を与える行為にも刑罰を課すことにしています。

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著者プロフィール
 Pride of the Japanese

現役キュレーターの中でトップのアクセス数を誇るSharetuber。世界を飛び回る国際ボディガード歴20年。護身術師範。悪質なクレーマーや反日左翼と戦う某公的コンサルティング団体顧問。喧嘩上等。「I'm proud of the fact I was born in Japan.」