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古典落語「藁人形(わらにんぎょう)」

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古典落語「藁人形(わらにんぎょう)」

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起承転結起承転結
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Update date:2018年09月08日
古典落語「藁人形(わらにんぎょう)」

登場人物

 西念坊主(質素な日々を送る老人)
 じん吉(西念の親戚)
 おくま(糠問屋出身、女郎部屋に在籍)

意気投合(起)

 近所でケチと噂される老人の西念坊主、普段はみすぼらしい身なりをしているものの少額ではあるがこっそりと銭を貯め込んでいる。ある日、糠問屋の娘おくま(駆け落ちの末に女郎部屋に身を落としている)から呼ばれてお経をあげて欲しいと頼まれる。「今日は父親の命日だから、西念さんは亡くなった父親によく似ているから」と言われ酒と食事でもてなされる。互いに昔話や身の上話をしている内に話がはずみ、もし堅気の生活ができるならば自分達はどれほど幸せだろうかと思いをめぐらせる。おくまは「近々身請けをされる予定がある、もしよかったらその時には西念さんを父親代わりとして引き取りたい」と申し出る。思いがけない提案をされた西念は驚き、にわかには信じられないものの、一方で感激し恐縮しつつ帰宅する。

金策(承)

 ご機嫌になって過ごしている西念のもとにおくまが金の相談を持ちかけてくる。身請けと同時に新しく商売を始めようと考えているが、初期投資にまとまった金が必要になる。身請けが済んでしまえば利息もつけて全額返せるが、手付を支払いたいので急いでいるとのこと。顔が広い西念さんなら誰か一時的に金を工面してくれそうな人を知らないか、知っていたらぜひ紹介をして欲しいと頼み込むおくま。このまま金の工面ができなければ、おくまにとっても西念にとっても堅気としてやり直す機会を逃す事になってしまう。父親代わりとまで言われた立場の西念は一念発起し「ここは私が貸しましょう」と言い、自宅に金をとりに戻り利息は必要ないと言って自分の財産を渡してしまう。

居直り(転)

 後日改めて西念がおくまを訪ねると、以前とは手のひらを返したように冷たくあしらわれてしまう。手元に金なんか一切無い、借金などした覚えはないととぼけるおくま。態度を豹変させるおくまを目の前にして状況が飲み込めず戸惑う西念。実は商売の話はまったくのデタラメで、坊主が騙されるかどうかの賭けをしただけなんだよと白状するおくま。「あんたが金を持っていると聞いたから近づいて奪ってやっただけさ!」と悪態をつかれた上につまみ出される西念。親しく思っていたはずの相手の裏の顔を見せつけられると同時に、自分の金がもはや戻ってはこないのだと悟った西念はショックを受け、心身ともにボロボロとなり自宅に引きこもってしまう。

鍋の中(結)

 親戚のじん吉が西念のもとに顔を出してみると、なにやら落ち込んだ様子の西念をみつける。おくまに金を騙し取られた一部始終をひとしきりじん吉に話してから席を立つ西念、「鍋の中だけは絶対にのぞくなよ」とじん吉に告げる。西念の落ち込んだ様子をみて心配していたじん吉だが、食欲があるならば大丈夫かとひと安心する。のぞくなと言われてしまうと気になって仕方がないじん吉が、こっそりと鍋のフタをはずしてみると…そこには藁人形がグツグツと煮立っている。戻って来た西念は、藁人形を目撃されてしまっては呪いが成就しないとがっかりする。じん吉は「なんで藁人形を煮ているんだ、藁人形は釘で打ち付けなくちゃ意味がないだろう」と問う。西念はこたえる、「おくまは糠屋の娘、糠に釘だ」と。

※参考

「糠に釘(ぬかにくぎ)」
糠に釘をうった時のように手応えが無く効果が期待できない事のたとえ、ことわざのひとつ。似た意味の語句に「暖簾に腕押し」がある。

「丑の刻参り(うしのこくまいり)」
他人を呪うための儀式。白装束を身にまとい、丑三つの刻(午前2時〜3時)に、寺社の木に藁人形を釘で打ち付ける。誰かに目撃されてしまうと効果は消えてしまうとされる。

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起承転結

古典落語の大まかなあらすじを覚え書きとしてまとめていきます。ネタバレ有り、オチ記載有りなので注意されたし。