• follow us in feedly
scroll_icon
shuffle_button
古典落語「釜泥(かまどろ)」

サムネイル出典:

古典落語「釜泥(かまどろ)」

Author:
起承転結起承転結
Posted date:
Update date:2018年08月30日
古典落語「釜泥(かまどろ)」

登場人物

 爺さん(豆腐屋の主人)
 婆さん(豆腐屋の奥さん)
 盗賊団(石川五右衛門の仲間)

釜を撲滅(起)

 天下の大泥棒石川五右衛門が捕らえられ、これまでの悪行の数々を裁かれ死刑が宣告される。因果応報の身となった五右衛門、「石川や 浜の真砂は尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじ」と辞世の句を残し釜茹での刑にされる。五右衛門の死刑執行の噂はたちまち町中へと広がり、泥棒稼業の連中の耳にも届く。もともと五右衛門とつるんでいた者達にとっては、死刑の道具となった大釜が憎くて仕方がない。憎い以上に、もし自分達が捕まったら煮えたぎった釜の中に放り込まれてしまう、そう考えたら気が気ではない。「そもそも釜なんて物があるからいけないんだ、町からひとつ残らず回収してしまえばいい」と泥棒のひとりが提案をする。なるほどそれはいい名案だと、釜を盗み出す相談をし始める。「大きな釜を使ってる場所っていうと…近所の豆腐屋なんかだと、やたらでかい釜で大豆を煮てたっけかなぁ」

釜の番人(承)

 豆腐屋の夫妻、商売道具の大釜を頻繁に盗まれるようになって頭を悩ませる。「なんだって銭に見向きもせず、毎度毎度釜なんか盗んでいくんだろう?」とわけがわからない。不可解に思いながらもこれ以上商売の邪魔をされてはかなわないとご主人、「婆さん、今晩は釜の中に入って見張りをする事にしたから」と宣言する。来るなら来いと意気込んで、釜の中でひと晩過ごす事となったご主人。狭い釜の中でじっと待つばかりなのも退屈だなと、「婆さん!お酌でもしてくれ」と奥さんを呼んで酒を持ってこさせる。「釜の外から酌なんかできませんよ」と口にして、奥さんは寝室へと向かう。一人でしぶしぶ呑み始めるも、話し相手もいないせいか少しずつ少しずつ眠くなってくる。いい具合に酒がまわってきて、昼間の仕事の疲れも出たところで、見張りそっちのけで釜の中で寝入ってしまう。

中身入り(転)

 ご主人が居眠りを始め、あたりが静かになったところで泥棒二人組が戸を開けて侵入してくる。真新しい釜をみつけて手際よく縄でしばり上げると、「釜さえなくなれば安心だな!」と棒を通して両側から担ぎ上げる。すると「なんだか今日の釜は妙に重たいな」と、いつもとは様子が違う事に気づく泥棒達。「大豆がたっぷり入ってるんじゃねえかな、これは」「重ければ盗まれないと思ってるんだろうな、めでたい話だまったく」と気にせずせっせと釜を運び出す。月夜の道を大釜を担いだ二人が歩いていくうちに、どこからともなく何やら声が聞こえてくる。ささやき声で「…婆さん、何かつまみは無いかな」と釜の中にいるご主人の寝言。互いに顔を見合わせて、夜道には誰もいない事を確認する泥棒達。誰にも見られていないのがわかり、安堵する。

夜空(結)

 誰もいやしないんだ、きっとさっきのは空耳に違いないんだと、自分に言い聞かせながら歩き続ける二人。やがて釜の中でいびき声が聞こえ始め、泥棒達がびっくりして立ち止まる。「何か聞こえなかったか今…」急に立ち止まったせいで、グラグラと揺れる大釜。揺れる釜の中でびっくりして目を覚ますご主人、「なんだなんだ!地震か?婆さん!婆さん!」と叫び始める。まちがいなく釜の中から聞こえて来るその声に驚いた泥棒達は、釜をその場に放り出して逃げ出す。揺れがおさまったのを確認してから、フタをあけておそるおそる釜から出てくるご主人。あたりをぐるっと見回してからこうつぶやく「…きれいな夜空が見えるね、今日は家が盗まれちまった!」

※参考

石川五右衛門(いしかわごえもん)
盗賊団の主犯として知名度の高い、文芸作品等のフィクションにおいても数多く名前をみかける人物。1594年に罪人として捕らえられ京都三条河原にて死刑執行(釜茹での刑)された、と伝えられている。

釜茹での刑(かまゆでのけい)
煮立った湯(または油)の中に、罪人を生きたまま入れて死に至らしめる刑罰。

この記事が気に入ったら

いいね!しよう

Sharetubeの最新記事をお届けします

著者プロフィール
起承転結

古典落語の大まかなあらすじを覚え書きとしてまとめていきます。ネタバレ有り、オチ記載有りなので注意されたし。