「犯人は自爆!?」名古屋立てこもり放火事件とは

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名古屋立てこもり放火事件(なごやたてこもりほうかじけん)は、2003年に愛知県名古屋市東区で起こった事件。


犯人:別府昇

大阪市内の中学を66年に卒業後、建具製作会社に就職。81年に退社後、4社の運送会社に勤めたという。この時の運送会社関係者の同僚は「同僚と酒を飲みに行くことはあまりなく、常に一人だった」と振り返った。

 別府について近所の人の印象は「まじめそう」「おとなしそう」「無口そう」というものばかり。つまり別府は近所での付き合いというものほとんどなかった。


 2003年1月、運輸会社4社を渡り歩いた別府は「自分で仕事を始める」と軽急便の新規運転手として契約する。


 3月、軽急便で仕事を始める。


 別府容疑者は9月初め、会社が紹介した荷物の配送を期日までに終えられず、黙って自宅に持ち帰った。客からの苦情で会社側が面談に出向き、理由を問いただしたが返事はなかったという。


 軽急便関係者は事件後、別府について、「割のいい荷物だけ運ぼうとしていた」「よく『道を知らない』など顧客からクレームがあった」「『日曜の仕事は眠い』などと仕事を受け付けないことがあった」と話している。一方で別の軽急便関係者は、別府について、「超まじめ。顧客や社とのトラブルも聞かなかった」と話す。


 9月11日、別府、会社に「辞める」と話す。

出典:名古屋・立てこもり爆破事件

	

概要

2003年9月16日、運送会社「軽急便」の賃金不払いに抗議した男性(当時52歳)が、愛知県名古屋市東区の大曽根駅前の第一生命大曽根駅前ビルにある本社・名古屋支店に侵入。男性は店内にガソリンを撒き、支店長(当時41歳)を人質として支店内に立てこもり、3ヶ月分の賃金21万円を要求した。

これに対して、愛知県警察は犯人の説得にあたった。一方、警察庁では事件発生の第一報が入った直後から、応援部隊を派遣する準備を始め、大阪府警察の刑事部捜査第一課特殊犯捜査係(MAAT)に出動を準備するよう指示し、愛知県警察特殊部隊(SAT)に待機命令を出した[1]。 だが、現場の室内には揮発したガソリンが充満していたため、犯人の制圧に銃器や閃光弾を使用することができなかった。


警察はさらに犯人の説得を続けたが、最終的に犯人はライターでガソリンに火をつけ自爆した。この結果、犯人と人質の支店長が死亡し、犯人を制圧・逮捕するため現場で待機していた愛知県警察の機動捜査隊隊員(当時31歳、巡査長)が殉職した。また警察官3名が重傷を負い、警察官・消防隊員・マスコミ・通行人ら38名が爆発時に飛散したガラス片等で軽傷を負った。

この事件をNHKや民放各局は報道特別番組として生中継した。特にTBS系列とフジテレビ系列は事件発生時、在名局発の番組(『キッズ・ウォー』、『貫太ですッ!』)放送中であったが、番組開始から数分で番組を中断、ニューススタジオに切り替え生中継を開始。このため爆発の瞬間が中継された。


事件の背景には、この会社を含む、宅配委託業界のよからぬ体質があると言われている。事業主を募り、軽トラックを売って運送業を委託するが、実態は個人事業主扱いで、トラックを買わされた後「顧客開拓は自助努力」と突き放されるため、「軽貨物商法」と言われ、悪徳商法ではないかとの評もあった。3ヶ月分の賃金21万円という要求額からもその事は推察できる。

この事件以降、ガソリンスタンドのポリ容器等でのガソリン販売の禁止が徹底され、法規制が強化された。


軽急便側も、本社・名古屋支社が全焼したために同年12月を以て本社、名古屋支店、名古屋営業所、事務センターを移転することとなった。

出典:名古屋立てこもり放火事件 - Wikipedia

	

事件があった名古屋大曽根第一生命ビル(2014年1月)

			

爆発は容疑者の不注意? 軽急便立てこもり犯が人質にたばこ勧めてビル爆発か?


3人が死亡した名古屋市東区の立てこもり爆発事件で、死亡した別府昇 容疑者(52)=同市中川区=が、ガソリンをまいた事務所内でたばこをくわえ、人質にも勧めていたことが分かった。一方で別府容疑者が、事件前日 に妻に離婚届を渡していたことも判明。愛知県警は、重大な決意を固めたう えでの計画的な犯行だったものの、気化ガソリンの威力を軽視した別府容 疑者の不注意が大きな被害を引き起こした可能性があるとみて調べてい る。

東署の捜査本部の調べでは、別府容疑者はビル4階の「軽急便」名古屋 営業所に持ち込んだポリ容器をけり倒し、中に入っていたガソリンをまき散 らしたとされる。ガソリンは揮発性が高く、室温でも自然に蒸発してガス化す るといい、営業所内にはガス化したガソリンが充満し、爆発が起きやすい状 態になっていたとみられる。


この室内で別府容疑者はたばこをくわえ、人質に勧めることもあったとい う。現場検証の結果、爆発の着火点は事務所内の出入り口付近に倒れて いた別府容疑者の周辺とみられている。このため捜査本部は、別府容疑者 には気化ガソリンが大爆発を誘発するとの認識が薄く、たばこに火をつける などして引火した可能性があるとみている。


一方、事件発生直後、別府容疑者の妻(48)が同ビル3階に設置された 捜査本部に駆け付け、犯行前日、離婚届を渡されたと打ち明けていたこと も分かった。妻が別府容疑者の性格について「普段はおとなしいがいったん決めると頑固で短気」と話していることや、別府容疑者が手製の火炎瓶 のようなものもペットボトルで作っていたことなどから、捜査本部は周到に計画を練ったうえでの犯行とみている。

出典:爆発は容疑者の不注意? 軽急便立てこもり犯が人質にたばこ勧...

	

ネット上には『悪徳商法被害実例報告』のページにて、このような文がメールで投稿されていた。


http://www6.shizuokanet.ne.jp/toyofumi/aku.html の

グーグルのキャッシュより

軽急便

 平成10年1月に、軽トラックによる運送請負業を営むため、株式会社Oとの間で、特約店加入契約を締結し、運送業に従事することになりました。

 株式会社Oの仕事に使用する軽トラックは、株式会社Oから購入しましたが、車両代金・自動車保険・貨物保険等の合計金額で196万円ほどになりました。

 しかし、株式会社Oの広告や契約前の説明によれば、最低月収が30万円で、50万円程度は得れるとのことでしたが、現実には月々の収入は20万円にも満たないことが殆どでした。

 更にこの収入金額から燃料費や高速料金の片道分は、私の負担となるため、生活は成り立たちませんでした。収入金額が少ない唯一つの原因は、株式会社Oから発注される仕事量が少ないためでした。

 平成10年7月、私は株式会社Oからの発注の増加も望めないため、運送業を廃業することを決意し、同時に生活費や負債の返済に充当するため、営業用軽トラックを担保に、有限会社Eから20万円を借り入れました。

 営業用軽トラックは、有限会社Eに担保として預けてありましたが、20万円の借金の返済ができなかったため、その後は不明ですが、自動車は換価され、株式会社Oへの負債に充当されたものと思われます。

出典:

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あくどい商売


名古屋市の男性(当時二十四歳)は二年半ほど前に「軽急便」の運転手の募集に応募しました。マンションの一室に連れて行かれ、同じ応募者数人と同席しました。「もうかるから」という言葉を信じて、会社側にいわれるままに契約書に署名・なつ印しました。

 初めに五万円の保証金を支払いました。百五十万円前後の車の購入の際に、「手付金」として十数万円を払いました。


 契約が終わって帰るとき、エレベーターで男性社員から「実は仕事がないんだ」という話を聞き、不安になり父親に相談しました。


 父親が細かく契約内容をみると、二年間は基本的には解約できないようになっていました。中途解約する場合、違約金の支払いが明記されるなど契約者にきわめて不利な内容でした。弁護士に相談。三日後会社が解約に同意し、お金は返還されました。


 父親は「いろいろ調べてみると、月三十万円から五十万円の収入があると宣伝しながら、実際はその保証はない。保証金をとり、トラックを売りつけたらあとは知らない、というあくどい商売だ」といいます。


 ことし四月改訂された同社の「開業説明会資料」によると、同社は四支店・十八営業所で営業しています。同社と契約(入会)した「会員」は独立した運送業者となります。契約の際は「入会登録料」「開業指導料」各七万円の計十四万円を支払います。入会後は理由のいかんを問わず返還されません。契約期間は二年。車の購入代金は車種により、八十万円から百六十万円といいます。


 名古屋市の男性の事例以外にも「たくさん『会員』を増やしても、『会員』に仕事はこない。事件の容疑者は悪いのは悪いが、会社もえげつない」という電話による訴えが赤旗編集局や日本共産党の事務所に寄せられています。


 名古屋消費者センターにも「軽急便」にかかわる相談が昨年二件、一昨年二件ありました。

出典:軽急便 月収30〜50万円と宣伝したのに/仕事が来ない/車買わ...

	

「軽急便」、労基署が業務実態などの調査始める


名古屋市東区のビル立てこもり爆発事件で、名古屋北労働基準監督署は、立て 

 こもりされた運送会社「軽急便」(本社・名古屋市中区)の委託契約や業務実態に

 ついて問題がなかったかどうか調査を始めた。


 死亡した別府昇容疑者(52)は今年1月に同社と契約、3月から仕事を始めた。

 愛知県警の調べによると、売り上げが伸びず「定期的な収入がほしい」などと、

 たびたび同社に訴えていたという。

 同労基署は、安い委託料など契約内容に問題がなかったか事情を聞くとともに、

 爆発死傷者の労災認定についても調べを進める。


一方、「軽急便」社内で、会員の契約運転手と社員とのコミュニケーション不足が

 問題として指摘されていたことが分かった。「十分な仕事がない」などと不満を

 漏らしていた別府容疑者に対しても、担当者は数回電話で話しただけで、県警特捜

 本部はこうした人間関係の希薄さが、事件の引き金になった可能性があると見て

 調べている。

 同社では、各地の営業所が会員から業務上の様々な相談を受けるシステムを

 取っている。しかし、別府容疑者が所属していた名古屋南営業所の担当者は

 実質所長1人にもかかわらず、約160人の会員を抱えるなど、多数の会員を少数の

 営業所員が担当していた。(一部略)

出典:

	

事件後


軽急便は会見で「世間に迷惑をかけて申し訳ない」と陳謝するとともに、「別府容疑者は客からのクレームが多く、今月で仕事を辞める予定だった」と説明した。

 軽急便は個人事業者を会員とするかたちで契約し、荷物輸送を委託。会員は登録料7万円、指導料7万円を支払う。また自家用車の持ちこみは禁止されており、100万円前後の専用車両を購入しなければならない。別府容疑者は1月に契約して3月から荷物の配達を開始。会員は月に40万~50万円の収入が可能とされるが、別府容疑者の売り上げは7月から9月までで約25万円にとどまっていた。さらに売り上げから16―20%を手数料として支払い、保険料や燃料代は自分で負担しなければならなかった。


 関係者の話によると、軽急便では軽貨物の運賃について「1個あたり約450円」と説明しているが、現在の軽貨物におけるドライバーの取り分は、「1個あたり100円強だが、中には90円や80円の時もある」というのが現状のようで、求人広告などに明記されている「30万円以上の収入可能」というのは、実際には「20人に1人いるか、いないか」という状況であるという。


 こうした苦しい条件のもと、別府は挫折し始める。しかし、業績が上がらなくて辞めようにも2年間は解約できず、退会するのにも違約金がとられた。


 同社は「収入は完全出来高制で、本人次第。紹介した客に働きぶりが気に入られれば、次から指名されるようになる。最低保障がないことは、契約時に説明している」と強調する。


 別府が所属した軽急便・名古屋南営業所は、所長1人で約160人の運転手を抱えている。募集広告で「万全サポート体制」とうたっており、和田憲治常務は、「重大な事件が起きたという結果から見れば、もっと密にコミュニケーションをとっていれば良かったとの反省はある」と漏らした。

出典:名古屋・立てこもり爆破事件

	

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