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古典落語「真田小僧(さなだこぞう)」

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古典落語「真田小僧(さなだこぞう)」

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起承転結起承転結
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古典落語「真田小僧(さなだこぞう)」

登場人物

 息子(悪知恵で小遣いを集める)
 おとっつぁん
 おっかさん

外へ行っておいでよ(起)

 七五三を無事に終え、その後もすくすくと育った息子はやんちゃの盛り。誰に似たのか日に日に口が達者になってゆく。ある日、「おとっつぁん肩を叩こうか?」「火をおこしたから茶を入れようか?煙草に火をつけようか?」と妙に甲斐甲斐しい態度をみせる。不審に思った親父が尋ねてみると、「何も首をよこせとは言わないよ、小遣いが欲しいんだよ」と言う息子。嫌な予感が当たった親父は「ダメだダメだ、外へ遊びに行って来い」と軽くあしらう。押してダメなら引いてみろと「じゃあ、おっかさんから貰う事にするよ」と告げ、「おっかさんは昼間よそのおじさんを呼んで…おっと、銭を貰ったからこれ以上は言えねえや」と立ち去ろうとする。「まてまて、そこへ座れ。昼間何があったっていうんだ?銭をやるからしゃべってみろ」と親父。「おっかさんは外へ行っておいでと小遣いをくれて、よそのおじさんを家に招き入れて戸をしめたんだよ。」

小銭をせびる(承)

 「子供の口からこんな事言うのは辛いものがあるなあ」ともったいぶりつつ「そっと戸の隙間から中をのぞいたらね、おっかさんにそのおじさんが近づいていてね」と続けながら、息子は手のひらを差し出す。「ほぅ…それでそれで?」と一銭また一銭と小遣いを渡す親父。「…そしたらマッサージしてたんだよ、按摩さんでした!」と息子は話を切り上げて銭を持ったまま外へ逃げ出していく。「でまかせばかり並べやがって、やられた…」と親父が嘆いているところへ、女房が帰ってくる。「銭を盗られた…泥棒ですか?用心しないと」「息子に盗られたんだよ、悪知恵のはたらくガキだまったく…親を騙すだなんて」と先程までの一部始終を語る。「知恵は無いよりはあった方がいいですけどね」と言われ「どうせ知恵を使うんなら、もっとまともな使い方をしてもらいたいもんだ」と肩を落とす。

親孝行(転)

 「あいつと同じくらいの歳の頃、真田幸村公は親の為に知恵を使ったんだよ」と熱弁する親父。「天目山の戦いで父昌幸が窮地に陥った時、相手方の永楽通宝の旗を掲げて攻め入り、敵の仲間割れを誘って形勢逆転をさせたんだ。」と続け、「それに比べてうちのせがれときたら…小銭の為に夫婦仲を裂いてどうするってんだ。」と愚痴をこぼす。「敵を騙すにはまず味方から、将来は真田幸村になれるといいですね。」と息子の将来を案ずる夫婦。「今のままじゃ真田幸村どころかただの盗人、石川五右衛門にしかなれねえな…」と言っているところへ、話題の中心人物である息子が帰ってくる。「ただいま!おとっつぁん、永楽通宝ってなんだい?」と口にする息子に「銭を盗っていくだけじゃあ足りなくて、盗み聞きまでしてしてんのかお前は…しょうがない奴だね。」

永楽通宝(結)

 「さっさと銭を返すんだよ」という親父に向かって「もう使っちまったよ」と返事をする。「もう使っちまったってのか、銭の価値をまるでわかってねえなお前は…どうせ講釈でも聞いてきたんだろう」と呆れ顔をしていると「銭の価値って言ったってなあ…そんな事言うなら永楽通宝って一体なんなのか教えておくれよ?」と息子。「そんな事もわからねえのか…見てみろ、これが永楽通宝だ。こうやって2列になって銭が六文並んでるんだよ、旗にな」と、旗印の模様を再現してみせる親父。「へぇ〜本当だね、一文二文三文…六文あるね」と数えながら手に握りしめる息子、「やったぁ、もらった!」と言って外へ飛び出していく。「またか!その銭どうする気だ?」と叫ぶ親父、「焼き芋を買うんだ」という声を聞いて「…うちの真田も薩摩へ落ちたか。」

※参考

真田幸村(さなだゆきむら)
織田信長と豊臣家に仕えた大名、徳川家康を苦戦させた武将として知られる。真田幸村として広まっているがあくまで通称にすぎず本人が名乗った事はないとされ、史実では真田信繁(さなだのぶしげ)の名で伝えられている。史実では大阪夏の陣で戦死したとされているが、九州まで逃げ延びたという異説もある。

永楽通宝(えいらくつうほう)
かつて使われていた貨幣。中国で1411年に鋳造され始め、その後日本へ輸入されたと伝えられている。円形で中心に正方形の穴があけられている。

薩摩(さつま)
かつて日本に存在した地方行政区分のひとつ、現在の鹿児島県にあたる地域。サツマイモの主な産地(国内のおよそ4割を占める)である。

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著者プロフィール
起承転結

古典落語の大まかなあらすじを覚え書きとしてまとめていきます。ネタバレ有り、オチ記載有りなので注意されたし。