サイコな人間の怖い話

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人間のサイコ的な怖い話を、厳選30話ご紹介します。

全て短めの話となっていますので、隙間時間に気軽に読めると思います。

ただし。怖くなってしまい、一人でお風呂に入れなくなっても責任は持ちません。

サイコなセールスマン

			
ある日チャイムがなって、その後すぐに「コンッココン、コンコン」とリズミカルにノックをしてくるので

あ、これは友人だな、と思って確認せずにドアを開けてしまった。

そしたら布団のクリーニングの勧誘とかで、延々と話をされた。

断っても断っても帰ろうとせず、おまけにドアを閉めれないように敷居をまたぐ感じで立たれました。

そのうち、影からもう1人男が出てきて「布団の無料診断させてもらえます?」と来た。

もうマジウザかったんで、必要ないから帰ってくれ!とそのセールスマンを軽く押してドアを思いっきり閉めました。

その後、すぐに覗き穴から確認したら、それまで笑顔だったセールスマンがものすごい形相でドアを睨み付けていて、もしかしたら怖い関係の人なのかな、と不安になりました。

それからすぐ、ベランダで「ドカン!!」とすごい音がしたので

ビックリして見てみると、漬物石くらいの大きさの石が、ベランダに投げ込まれていました。

うちのアパートは1階で、駐車場に面してベランダがあります。

でも、ベランダから顔を出して確認する勇気はありませんでした。

それからも、週に1~2度は勧誘と思われるチャイムやノックがあるんですが、先日、あの布団屋の時のように、リズミカルにノックをする音が聞こえました。

仕返しに来たと思い、怖くて絶対に出ませんでしたが、ノックの音は全然鳴り止みませんでした。

そのうち、ちょっと気になりだしたので静かにドアに近づいて覗き穴を見たところ、ドアにベッタリ張り付いて、覗き穴からこちらを見ようとしている、あのセールスマンがいました。

これには本当にビックリして、思わず声を上げてしまいました。

そうしたら

「いるんだろ?ドアの向こうにいるんだろ?」

と言われ、

もう怖くて怖くて部屋に逃げ込みました。

しかし、そこにはあのベランダがあります。

カーテンをしているのですが、開ける勇気がありませんでした。

開けたら、そこにセールスマンが入ってきているような気がしたからです。

それから数日間は、友人宅を泊まり歩いたり、友人数人を部屋に呼んだりして

なんとか持ちこたえていますが、部屋に1人でいるのが怖くなりました。

怖くなくてすいません。

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トイレを借りたがる男

			
友達から聞いた話。

駅前でやたら髪の長い男に「トイレ貸してください。」って声かけられたんです。怖かったから無視して早歩きして家に向かいました。振り返るとその男はいませんでした。

部屋に戻ると二人暮しの妹はまだ帰ってきてませんでした。駅前の男の事がまだ気味悪かったので、妹に【駅前に気味の悪い長髪の男がいたから気をつけてね】ってメールしたんです。

わたしはすぐにお風呂に入りました。ユニットバスなのでシャワーカーテンを閉めて湯舟に浸かりました。

間もなく妹が帰宅したようでした。

わたしは湯舟から「大丈夫だった?変な男いたでしょう。」と呼び掛けましたが返事はなく、ユニットに入ってきました。

わたし達は片方がお風呂、片方が便座に座って、シャワーカーテン越しにその日の出来事をよく話すので、わたしは駅前の気味の悪い男の出来事を話し始めました。

するとシャワーカーテンの向こうから

ジョボジョボジョボジョボ…

「トイレありがとう」

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危険なストーカー

			
35歳です。高校生のとき財布落として。帰ったらマンションの管理人さんが「財布が落ちてたよ」と保管しててくれてた。 

中身もそのままだし、良かった~と思ってたら、次の日から自宅にイタ電の嵐。


でも変態系とかじゃなくて、ちょう上から目線の「今何してるんだ」「電話を切ったら許さない」「どこの高校行ってるか知ってるぞ」「俺はお前のことをすべて知ってるぞ、今も見てるぞ」みたいな、目的も言わずよくわからない脅しの電話だった。無言で切ってもすぐかけ直してくるから、

家電出ないでいたら、いつのまにか止まって安心してた。


夏休みにファミレスでバイトしてて、ある男性客の注文受けた時に、すごく聞き覚えのある声だと思って。

で、すぐイタ電の声だ!!って気づいて、怖くなって裏口からあがらせてもらった。その時まだそいつは店内にいて会計もまだだったのに、帰ったらそいつがすでにマンションの入り口前にいた…。

ちなみにバイト先から自宅まで5駅。

私が唖然として動けないでいたら、私と目を合わせず真正面を見ながら自転車で私を通りすぎて行った。

それから私がバイトの日は絶対客で来て、バイトない日はマンションの外にいた。窓から見えてた。。。

特になにかをしてくるでもなく、私に姿を見せつけるだけの毎日で、当時はストーカーなんて言葉も使われてなかったから警察も何もしてくれなかった。

バイト先の男友達が帰り送ってくれるようになったら消えたけど、あのときは本当怖かったな。

今は携帯あるけど、当時はポケベルだったから助けもすぐ呼べないしもしかしたら今生きてなかったかもしれない。

出典:ガールズちゃんねる - Girls Channel -

	

知らない女

			
三時間ほど前の出来事ね 

バイトから俺氏帰宅

ポストにガスの支払いが入ってた

やべ先月分払ってなかったわと焦ったがやけにガス代が高い

俺氏の家のコンロはIHでガス使うとしたら風呂の時のみ

その風呂も湯船にお湯を沸かさずシャワーのみ

そしてプロパンではなく都市ガス

もちろん女なんているわけなく一人で使ってる

の割になぜこんなに料金が

と2ヶ月前から思ってた


まあガスの切り忘れとかかなとあまり気にも留めていなかった

いつものように風呂に入り冷凍してあったメシを温めて食ってた

で何でだろうな急に旧友から貰った寄せ書きを見たくなった

それは物置にしてるロフトにあるんだ

そしてロフトに上がったのよ

ん?なんか段ボールの配置ズレてる?

なんて思った瞬間

いたんだよ

そこに知らない人が

ビックリして階段から落ちた

頭がパニックになってたがとりあえず警察に連絡しなくちゃと

アワアワしてた

そしたら上からごめんなさいごめんなさいって言ってんの

誰ですか?って聞いてもごめんなさいごめんなさいって


話を聞いてくださいって言ってんの

警察呼びますって言ったら大泣き

とりあえず話を聞くことにしたの

でその人は以前この部屋に住んでた人の恋人らしく

合鍵作ったまま返してなかったと

そしてその恋人と別れ思い出の部屋が恋しくたまに出入りしてたと

特に盗まれたものもなかったし合鍵貰って帰した

凄く怖かったよぉ

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マンションの隣に住む人

			
俺が大学生の時一人暮らししていたマンションの話です。

自分には霊感とかまったくないんですが、夜部屋にいると

「シャッ・・・シャッ」

という変な音が聞こえてきて、へたれな俺は、なんの音だこれ・・・?と怯えてましたw

そしてその音が聞こえだして、たしか1週間後の夜9時過ぎ頃

ベランダから音がしたんでいつもの音と違うな?と思ってそっちを見るとカーテン越しに人影が!

変な音がしていたこともあって幽霊がでた!?と直感しました。

あまりの恐怖にベッドから動けずにいると「ドン!ドン!ドン!」と窓ガラスを激しく叩く音が・・・

しかもカーテンに映る影には刃物らしきシルエットが見えたのです。

殺される!?と思った俺はベッドから飛び起きて裸足で逃亡。

必死の思いで玄関を飛び出して管理人室に逃げ込みました。

大家さんにパニくりながら部屋で起きたことを説明すると

当時もう必死だったのでなんて言ったか覚えてないんですが、大家さんはすぐ警官を呼んでくれました。(よく信用してくれたな・・・)

そして10分くらいで警官が2人やってきたので大家さんと4人で俺の部屋にいくことになりました。

そして扉をそっと警官があけようとしたんですが、なぜか鍵がかかっていました。

もちろん部屋の鍵なんて持ち出してないし、そもそも必死で逃げてたので 鍵をかけるわけがない

警官に

「あなた本当に見たんですか?鍵がかかってるようですが」

俺はもちろん、見ました!と必死に訴えましたが警官はあまり信用してないご様子OTL

とりあえず大家さんの鍵で部屋に入ることに

そして扉を開けたら・・・・・

いたんですよ!包丁を持った女が!しかもよく見ると隣に住んでる人!それに加えて

「入ってこないで!私を殺す気でしょう!あqwせdrftgyふじこlp;」

もう何を言ってるか最初しか聞き取れないほど電波ゆんゆん・・・

その女を警官がなだめようとしたその時!女がベランダにダッシュ

となりの部屋にいこうと柵を乗り越えました。逃げたと思ったその瞬間

女が消えた・・・・・そう落ちたんです・・・・(部屋は2F)

ドサァッと鈍い音がしたので、急いでベランダに行き下を見ると太ももに包丁がつきささって血まみれになった女がばたばた暴れていました。

俺が唯一体験した洒落にならない怖い話です。

あそこで逃げてなかったらと思うとガクブル

後日大家さんから詳しい話を聞いたんですが、俺が聞いてたシャッ!という音は壁を包丁で切りつけていた音だったんじゃないか?とのこと

部屋の壁がぼろぼろになってたそうです。

俺の記憶では3ヶ月前くらい前からそういえばほとんど会わなくなったなぁと

でも3ヶ月前は普通の人だったんですけどね・・・・

皆様も隣人には気をつけてください。あなたの隣人は正常ですか?

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背の高い女

			
「道を教えて下さい」

夕方の路地でそう話し掛けてきたのは背の高い女だった。

足が異様に細くバランスが取れないのかぷるぷると震えている。

同じように手も木の枝のように細く、真っ赤なハンドバッグをぶら下げている。


はあはぁと何度もため息なのか呼吸なのか分からない息を吐き、僕に聞いているはずなのに視線はまったく違う方向を向いている。

「あ・・あの。どちらへ・・・?」

やばい人っぽい。


僕は早く答えて立ち去ろうと思った。

「春日谷町1-19-4-201」

「・・・・・・」

そこは僕のアパートの住所だった。


部屋番号までぴったりと合っていた。

「し、知りません」

僕は関わり合いたくないと本気で思い、そう答えた。

すると女はゴキッと腰が折れ曲がるほどにおじぎをして、またふらふらと路地の奥へと消えていった。

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嫁の呪い

			
3年前のことだ。 


当時嫁と結婚して5年目だった。

子供も幼稚園へ入り、なんとなく落ち着いた生活になった。

そのころ元カノのM子(既婚)から、頻繁に連絡が来るようになる。

俺は振られた方で、すごく好きだったからメールのやり取りがとても楽しく感じた。

会いたいと言われ、有頂天で、待ち合わせて俺の車でドライブすることになった。


もうセクロスの事しか頭になかった、M子も同じだった。

お互いに、今日は独身で・・・

ということで、結婚指輪をはずすM子。

俺もはずそうと思って、左の薬指の指輪をはずそうとした。

がはずれない。

力ずくではずそうとしたら、指輪が指を締め付けてきた。


焦る俺、食い込む指輪。

指が紫になって痣になってしまい、 怖くなった俺はM子に適当な理由をつけて帰宅することにした。


家へ帰ると、いつもは寝ている嫁が起きて待っていた、時刻24時。

平静を装って、嫁と話をしながら水を飲むと、嫁が指の痣に気がつく。

すると満面の笑みで「今度は指じゃすまないよ」って言ったんだ。

本当にこの時は、心臓が止まるかと思うほどビビった。


それから少し懲りて、M子とはメールのみやり取りしていた。

3ヶ月たったころ、またチャンスが到来した。

今度はゆっくり話したいと。

嬉しくなって、前回の指の痣の事などすっかり忘れ、M子とホテルへ。

シャワー浴びて、ベッドでいちゃいちゃ。


その時、違和感が。

恐る恐る俺の局部を見ると、痣になってる、しかも手形で。

泣き出すM子をなだめて、服を着て、ホテルを飛び出した。

家に帰って、局部の痛みがひどくなり、脂汗が出てきた。

嫁には言えなかったが、お腹が痛いと言って夜間救急へ駆け込んだ。

とりあえず、痛み止めをもらい帰宅した。


翌朝はあの痛みが嘘のようで、痣も消えていた。

嫁は笑顔で 「痛みが引いてよかったね。でも次はないと思ってね」って言ったんだ。

心が凍った。


生まれて初めて女が怖いと思った。

それ以来、悪さはしていない。

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彼氏と同棲

			
この前、同棲している彼氏が飲み会で遅くなるかもと言うので寝ないで待っていました。

しかし深夜2時を過ぎても帰らないし、携帯はどうやら充電切れの様子。

終電までには帰るって言ったくせに…!むかついたので先に寝ることにしました。

布団で目を瞑り「あー、もう少しで寝れそう」って時に玄関の鍵が開く音がしました。

「今頃帰って来やがって!」私はそのまま寝たふりを決め込むことにしました。

電気をつけないまま、ゴソゴソと衣擦れの音がしました。

荒い呼吸からアルコールとタバコの匂いが伝わり、私はますますイライラしました。

彼は酔って帰るといつも求めてくるのですが、今日は絶対断ろうと思っていました。

ギシ、という音とベッドの足元の辺りが沈み、彼が入ってこようとしてるのがわかりました。

そして彼が私の上によつんばいの形になった時、気付きました。

(この人、誰?)

私の彼氏はアンガールズ並にガリガリです。

その時私に触れていた肌はひんやりとやわらかい贅肉の感触がありました。

恐る恐る目を開けると、見たこともない40前後の太った男が口にはさみ(テーブルの上に置いてたもの)をくわえて私を睨んでいました。

全裸で。

(あ゙ーーーーー!!)

悲鳴を上げようとしたのですが声になりません。

私は必死にもがいてどうにかベッドから転がり落ち、12月の寒い中、部屋着のまま裸足で外に飛びだしました。

アパートの玄関辺りで帰ってきた彼氏(今度は本物)とはちあいました。

パニックで上手く声がでませんでしたがなんとか状況を説明しました。

二人で部屋に戻ると、そこにはもう誰もいませんでした。

フローリングの床が水(?)浸しで、台所の食器に赤っぽいものがついていました。

その後はしばらくホテル暮しして、少し離れたアパートに引っ越しました。

それにしても、男がどこから鍵を手に入れたのか今だにわかりません。

(スムーズに開いていたのでピッキングとかではないと思います)

置き鍵とかも一切してないし、彼と私の分しか合い鍵はありません。

新築だったので、私たちの前には誰も住んでいないはずですし…

それからはアパートの大家さんに断って4ヵ月に一回ぐらいで鍵を付け替えています。

まあ、それから彼の早く帰るようになったのでよかったっちゃよかったです。

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サイコな女のストーカー

			
日本でも、ストーカー事件は急増している。

過去3年間で報告されている殺人及び未遂事件は17件、傷害・暴行・脅迫などを含めると1000件に及ぶストーカー事件が起きているのだ。

そんな中でも、衝撃の結末を迎えたストーカー事件を紹介しよう。

この事件を担当した(株)ジャパン・プライベート・サービスの樋渡氏に話を聞いた。

1998年1月、都内に住む山本さん(仮名)が会社から帰宅すると、彼のアパートの部屋の前に一人の女性が立っていた。

彼女は山本さんが以前に少しだけつきあったことのある慶子(仮名)という女性で、半年前に山本さんから別れをきりだし、もう会うことはないはずだった。

ところが女性の方は山本さんを忘れることができず、毎日のようにアパートを訪れるようになっていた。

あまりにしつこく毎日のように姿を見せる女性を気味悪く思った山本さんは、樋渡さんの会社に相談に訪れた。

最初は樋渡さんも、悪質なものではないだろうということで、様子を見るようにと山本さんにアドバイスをしたという。

ところが1ヶ月後、山本さんが家に戻ると部屋の前には彼女の姿がなかった。

安心してドアを開けて部屋に入った山本さんだったが、彼はそこで息をのむ。

彼女は部屋の中で待っていたのだった。

管理人にドアを開けてもらったという彼女に山本さんは、自分にはもう彼女ができたので、いい加減彼女面をするなと思わず怒鳴ってしまった。

すると彼女は突然立ち上がり、片手に持っていた剃刀をゆっくりと持ち上げ、何故か微笑みながら自分の手首におろした。

驚いた山本さんは彼女を病院に運び、一命を取り留めた慶子はそのまま入院することになった。

彼女のこの異常な行為が恐ろしくなった山本さんは、彼女が入院している間に東京での仕事を辞めて実家のある長野県に引っ越した。

ところが引っ越してから3ヶ月後、彼は想像を絶する恐怖に襲われることになる。

仕事から戻って家族のくつろぐ居間に行くと、なんとそこにはストーカーの彼女が楽しげに家族と話していたのだ。

驚きのあまり声の出ない山本さんに、母親は

「あなたのお姉さんになるのよ」

と言った。

慶子は立ち上がり、

「はじめまして。慶子です。よろしくね、弘さん」

と言った。

彼女は、山本さんの兄と結婚することになっていたのだ。

ストーカーが自分の兄と結婚するという、信じられないような結末。

彼女はその後、本当に結婚して子供までもうけたという。

これで2人は一生付き合い続けなけらばならないのだ。

これが、彼女の望んだ形だったのだろうか。

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急患

			
おれが当直だった夜に、急患でおれは叩き起こされた。

急変とかで、まあよくあることだ。

処置室に行くとちょうど患者が救急車で病院に着くときだった。

救急車からストレッチャーで下ろされたのは、真っ黒に焦げた死体(にみえた)だった。

救急車のスタッフにきくと、交通事故をおこしたドライバーで引火した車のなかで取り残されたらしい。50代位の男性だった。

一応、生きてはいるが、そりゃもう表面なんかコゲコゲで肉の焼けるにおいがあたりに立ちこめ、俺はもう吐き出しそうになった。全然動く気配もない。もう時間の問題だ。

「すごいですよ。一応心停止してません。まあ、もうだめでしょうけど」

と救急隊員は言った。医師も

「あー、こりゃすごいね」

と言って治療をする気もなさそうだ。

「ひどい・・・・」

看護婦も目が怯えていた。

俺は一応検査をするための準備にかかった。

機器を用意している部屋に入って準備をしていたら、その黒こげの患者が運ばれてきた。

おれは腕に検査の為に針を刺すのでその患者の血管をさがしたが表面が黒こげでどこに血管があるか分からなかった。

「あー、これ、メチャクチャでどこだか分かんないよ」

と俺は言った。

皮膚のまともなとこを探そうと腕をつかんだとき、その黒こげ患者が言った。

「・・・そんなに私、ひどいんですか・・・・」

「あ、あ」

俺は声にならなかった。ずっと意識はあったんだ。

今までの俺達の会話を聞いていたんだ。

その部屋の中にいた、医師、看護婦、俺、救急隊員、全員が凍りついた。

まあ、2時間もしないうちに患者は亡くなったんだが、なんども「私はしぬんですか?」って聞かれて、おれたちは不謹慎だが逃げ出したい衝動になんどもかられたよ。

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同じアパートの住人

			
だいぶ前に別板で書いた妹の体験談。

とあるアパートの2階で一人暮らしを始めてしばらくした頃、1人の男が部屋にやってきた。

話を聞くとその男は下の住人で、ウチの騒音に迷惑して抗議に来たとか。

出るところにでも出る覚悟だが、話し合いをしたいので部屋に上げてくれと。

「え?」と瞬間的に抵抗を感じたが、どうも迷惑を掛けているみたいだし、なにより部屋に彼氏が来ていたのでまぁ安心かなと、部屋にあげるつもりでドアを開けた。

すると、部屋の中に人の気配を感じた男は、やっぱり日を改めると帰っていった。

その日の晩、妹はとりあえず不動産屋にこんなトラブルがあったのだけどと電話で相談をした。

すると不動産屋の返事はこうだった。

「今お調べしたのですが○○さんの下の部屋は現在空室ですよ。」

それから程なく妹は引越をした。それまでの期間はずっと彼氏に家で寝泊まりしてもらっていたとか。

ネタじゃなくマジ話です

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包丁を持った男

			
私が住むマンションは、1Kという事もあって単身者(特にお年寄り・障害者)の方が多く住んでいます。

ある日の深夜2時頃、ベッドに寝そべって本を読んでいました。

すると

「ドン!ドン!ドン!ガンガン!!」

と、もの凄い音と衝撃が玄関から聞こえました。

明らかにドアを蹴られてるような音。

一瞬苦情かと思ったけど、本を読み始めて2時間。TVも音楽もつけてません。

恐る恐るドアの覗き窓から見ると、50代位の小柄な男が部屋のドアを鬼の形相で蹴っていました。

見覚えは全くない。それに住人とのトラブルも今までありません。

話を聞こうと、チェーン(ステック状の)を掛けたままドアを開けると、その隙間から包丁が乱舞!

ドアノブの引っ張り合いになったけど、私より力は弱くドアは何とか閉まり、慌ててロックしました。

その間、包丁は突っ込んできたけど、こちらの顔は相手は見てません。

私は

「一体何なんですか!?」

と問いかけると、蹴るのを止め考え込むような時間の後、エレベーターで立ち去りました。

何かしらの喧嘩・苦情を言う部屋を間違えたのかと納得し(包丁沙汰は驚いたが)、その日は寝ました。

そして、その二日後の深夜三時半にまたあの包丁男がやって来ました。

寝ていた私は恐怖よりも怒りが強く、ダッシュで玄関まで行くと

「お前何時や思とんねん!人違いですまされんぞ、コラ!!」

と怒鳴り返しました。

すると意味不明な言葉を発し、向こうもいきり立っていきました。

怒り限界の私は、棚を作るのに置いていた角材を片手に殴ってやろうか、我慢して警察に通報するかしばし悩みました。

そして、やはり通報を選んだ私は人相を良くもう一度見ておこうと、覗き窓から相手の顔を見ました。

いつも蹴っている状態なので、ドアから少し離れて俯き加減だったので、この時がちゃんと正面から見た最初でした。

男は、覗き窓に顔をピッタリくっつけてました。

そして、その目は白目だったのです(白内障か?興奮しすぎて白目だったのかは謎)。

イカレテル…携帯を片手に警察に通報し、5~6人位の警察に来て貰いました。

もちろん、男はもういません。

ただ、その時期まだ寒く上着も着ないで包丁もそのまま持って来ていたので、このマンションの住人には間違いありません。

ただ、8階建ての大きなマンションなので出入りも激しく犯人を特定は出来ませんでした。

しかし、犯人も警察が来た物々しい雰囲気を感じたのか、もう二度と来る事はなくなりました。

しかし、一週間前にまたあの音が…

ドアを開けて確認しなかったけど、どうやら階下の住人の部屋に現れたようです。

私は、いつかこの男が本当の殺人をして終わるのではないかと不安に思っています。

心霊の話じゃないけど、人間の話も過去に出ていたので書かせて貰いました。

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ついてくる男

			
私が中学3年生だった時のことです。

隣町の大型スーパーに家族で出かけました。

はじめ私はひとりで文具売り場に行き、陳列棚の間で商品を見ていました。

すると、左手の方から人がやって来るのが視界に入ったので、後ろを通りやすいように商品側に寄りました。

しばらくして、背中になにかぶつかりました。

振り返ると、さっきの人が通り過ぎただけでしたが、私にぶつからないで通れる充分な幅があったのに、おかしいなあと思いました。

次に私は、CD売り場に行きました。

CDを手にとって、曲目をチェックしては戻す、ということを何度かしているうちに、私の向かい側に人が立っていることに気づきました。

陳列棚は両側にCDを並べてあるので、向こう側のCDを見ているんだな、と思いました。

しかし、しばらくたってもその人はその場から動かないので、なんとなく私は顔を上げてその人を見ました。

すると、その人は私を見ていたのです。

私と目が合っても、一向にそらそうとしません。

それどころか瞬きもしていません。

たまらず私のほうが目をそらしました。

心臓がドキドキいっています。

この人は一体なんなんだろう???…

びっくりして私は移動しました。

さりげなく別のCDを探しているふりをしました。

やはりしばらくして、その男は私の向かい側にやって来ました。

しかし今度はさっきとは違います。

陳列棚の向こう側は、CD売り場の外で、ただの通路です。

ポスターこそ貼ってあれ、CDは置いてません。

私が顔を上げると、やっぱり彼は私をじっと見ています。

この瞬間、私は思いました。

文具売り場で背中にぶつかったのは、こいつだったのか!!

あの時は後姿しか見なかったが、服の色がなんとなくこんな感じだった。

…ということは、あの時から私の後をつけてる?!

キモイ!!!というより、怖い!!!

私は家族のところへ行こうと思いました。

しかし、ダッシュで逃げたら相手もダッシュで追いかけてきそうな気がして怖かったので、なるべく平静を装ってCD売り場を出ました。

しばらく歩いて、後ろを降り返ると、ヤツはいませんでした。

へっ??…拍子抜けしたと同時にほっとしました。

私の勘違いだったのかな?

とにかく家族を探そうと、エスカレーターで階を移動していると、ちょうど上りと下りが交差する辺りで、奴と目が合ってしまったのです。

ヤバっと思った瞬間、なんと奴はエスカレーターを逆走し始めました!!

やっぱり勘違いじゃない!!!

再び恐怖が湧きあがってきます。

私も走りました。

一刻も早く家族に会いたい!!、その願いが通じたのか、エスカレーターを降りたところで、家族と合流しました。

なぜか私は男に追われていることを話せずに、

「はやく帰ろう」

そう言うのがやっとでした。

買い物は終わっていたらしく、

「じゃあ帰ろうか」

と言われ、駐車場に向かいました。

私はまだドキドキしていました。

エスカレーターを逆走した奴は、同じ階、いや、もうこの近くにいるはずです。

後ろから声がしました。

「ひとりじゃないのか」

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ナイフを振り回す男

			
結構昔だけど19歳くらいで専門学校の学生だった頃の事。 


学校にはバイク→電車→徒歩で通学していた。

駐輪場がいっぱいの時はそこらの自転車とか寄せて停めるしかないんだけど、田舎のちょっと大きめの駅だと駐輪場とか溢れかえるくらい多い。

そんな時はもう駐輪ゾーン横にでも適当な場所に停めてロックしておくしかない。まあそこすら溢れてるんだけど。


ある日、帰りが遅くなりバイクを停めていた駅に着いたのが21時くらいになった。

駐輪場へ入っていくと結構遅いから駐輪スペースはガラガラ。(放置自転車があるからそれなりにはあるけど)

混雑してる時に停めたので、スペース無くてかなり遠くに置いてあったんだけど、そこへ近付くにつれて違和感を感じた。

ガラーンとした駐輪場に残ってる自転車もなんか変な気がした。

倒れている物も多い。見られている気配というのか、周りが妙に気になった。


サッサと帰ろうとバイクに荷物入れてロック外して駐輪場から出そうとしていると、ん?

なんかすげー重い。

確認すると後輪がパンクしていた。

嘘だろ。スポークホイールだぞ、チューブだから修理できないし帰れないじゃないか。

タイヤを見てみると、パンク傷が思いっきりナイフなどで切られた痕だった。。


「……か…よ…邪魔……とこに……てんじゃ…ねー…よ」と突然声が聞こえた。

ビクッとして立ち上がると、駐輪場の中に人が立っていた。

照明は一つ一つ離れていて少し暗いが、照明の下はよく見える。

そいつは照明から少し離れたところに居てたが、背が高く細い奴のようだった。

誰も居ない駐輪場ににょきっと突然人が出てきてゾクッとしたが、こっち見てなんか喋ってるのが解ると普通の人間だと解り少しほっとした。

ホッとするんじゃなかった。


そいつは突然こっちに走ってきた。

照明の下を通った所で見えたが、手に小さなナイフ持って振り回してやがる。漫画みたいにブンブンあほみたいに。空を切るそれはなんの意味があるんだ。

その時はそんな余裕もなく、うわー!と慌てた。

「お前らの自転車邪魔なんだよぉぉぉ!!ここに置くんじゃねぇぇよぉぉ!」


完全にこっち狙ってるのが解ったが、ナイフ持ってる相手に背中向けて逃げるのは無防備で余計に怖い。

バイクにかけてあったオフロードフルフェイスヘルメットを取り、こっちに真っ直ぐ走ってくるナイフマンに思いっきり投げつけた。

相手のダメージ考えずに物を思い切り投げたの初めてだ。

メットはこっちに向かってくる奴の顔面にボゴォっと当たり、そいつは「うごぉぉっ!!」って吹っ飛んだ。

私のメットはゴロンゴロンと悲しい音を立てて転がっていった。


相手は地面に転がったがまだナイフを持ってる。

私は急いでバイクに縛り付けたバッグを開け、中から取り出した。

包丁を2本。

当時調理師専門学校生で、丁度偶然包丁を持ち帰る日で包丁セットの入ったバッグを持っていたのだ。

相手は立ち上がろうとしていたが、脳震盪でも起こしたのか顔にダメージを負ったのかよろよろしていた。

そいつに包丁を持って近づいたら、奴はこっちを見て尻餅をついた。


「うぁぅぁぁぁ……やめて」

何を言ってやがる。

ナイフを武器にする奴はその怖さもよく理解しているのか、自分より多い武器に怯えたのか、包丁が出刃包丁と柳刃包丁で見た目にも鋭利すぎたのが怖かったのか、完全に逃げ腰で両手で体を支えるような感じ。

これ他の人から見たら完全に私が加害者だよな。


そいつを見張りながら携帯で警察に連絡し、警察が来るまで「ちょっとでも動いたら、ヤルヨ」と脅してた。

私も怖かったけど、相手が戦意喪失状態で助かった。

警察が到着すると、奴は縮こまってナイフも手放してた。

警察は真っ先に私に近づき完全に拘束しようとしてる……。凄く…恐いです。

私は包丁を地面に置き、警察に説明。通報したのも自分だと説明して、携帯見せて納得して貰った。


当時は包丁などもバッグに入れていれば問題なく持ち運びできた。

この数年後にナイフによる事件があり、学校や店から持ち帰るなどの理由ですら厳しく取り締まられるようになったようだ。


奴は警察に拘束され、その後奴のナイフを確認し駐輪場の自転車を警察が見て回ると、残っている殆どの自転車やバイクなどのタイヤがそのナイフによって引き裂かれていた。

私もバイクをやられたのを調書に書いておいた。

後に相手から弁償をして貰った。奴の家族がしたのか、届け出た被害者全員にきちんと支払われたようだ。勿論大事なメット代金も貰った。


警察から聞いたが、そいつも自転車できてるらしく、駐輪場に停める場所が無くて場所を空けるためにやったとかなんとか。

まあタイヤ切り裂かれる所になんかだれも停めたくはないし、それ狙いだったのかな。


洒落にならないのは、夜遅かったとはいえ駐輪場周辺には民家もあるのにあの奇声を聞いて出てくる人も居なければ、通りかかる人も居なかった。

こんな場所で女性がナイフ持った男に襲われたら逃げるの無理だろうなと思った。

その点は駅の方へ連絡しておいたら、卒業前だから1年も経たずに照明が増えて明るくなり、駐輪場も整理されて放置自転車も逐一処理されるようになった。

卒業までしかその恩恵には預かれなかったけど。


包丁二刀流は洒落にならないほど安心感があった。

出典:

	

ブツブツ呟く男

			
この前エレベーター乗ろうとしたらさ、男がいたのよ。後ろ向きで。

エレベーターに人がいても驚かないけど、後ろ向きで乗ってる人ははじめて見たからちょっと驚いた。

一瞬戸惑って乗ろうか迷ったんだけど、掲示物見てるとかだったら失礼だし、みたいなつまらない気をつかって乗ったの。

なんかブツブツ言ってるから背中向けたくねえと思って壁を背にして横にポジションキープ。

となりちらっと見たら、直立姿勢のまま壁まで10cmくらいまで顔近づけてて憤怒の形相。

鬼のような顔ってのはあのことだね。

南無三!と唱えて早く一階に着くことを祈った。

八階だから下まで結構時間かかる。

「だーかーらー、貴様が言うか!ボケェ!」

「お、お、お俺のせいか!?あ!?」

ブツブツっていうかもう怒鳴ってるよね。

まだ6階かよー…と一階一階嫌な汗かきながら数えてた。

ようやく一階についてそそくさと逃げたんだが、離れてからエレベーター見ると男はおりていない様子だった。

翌月くらいかな、またそいつに会った。今度は地下通路で壁と話してた。

それから頻繁にそいつを見るようになって、とうとう自分家の近所にまで現れた。

やばい、キチに狙われてる?と膝ガクガク。

たまたま友人と歩いてたときにそいつがいたから、「またいるよ、あいつ」と言ったところ友人が「誰?」と

そこで壁と話してるやつだよ、と言っても誰もいないじゃないか、と。

そこで初めてこの世のモノじゃねえ!と気づいた。

そういえば会社のエレベーターで見たときも残業で一時すぎてたしな、となんだか納得。

幽霊なら刺されることもないだろうと逆に安心した。そしたら、とうとう家のドアの前に現れた。

ドアと話してるからドア開けられないし、一旦逃げようとコンビニへ。戻ったらいなかった。次の日は家の中に現れた。冷蔵庫と話してた。

家には出ないと思ってたから、流石に怖くて、キッチンの塩ふってみたけど効果無し。

諦めて寝ようとしても怒鳴り声が煩くて眠れない。すっかり寝不足。

ムカついたから「うるせえんだよてめえ!消えろ!」と怒鳴りつけた。

次の日寝てたら顔のまん前に現れてブツブツブツブツ。

精神的にかなり参ってたと思う。

「なんなんだよてめえ!俺がなにかしたのか?ふざけんなよ!」

とそいつが現れる度に怒鳴り合ってた。んでね、ある日それを友人に見られまして

「お前壁と話してたよ…」

と。ああ、なんか合点がいった。そういうことか、と。直ぐ様病院へ行きました。精神病だと思ったんだよ。結果は脳の血管がふさがってなんちゃらかんちゃらで、バイパスが出来て助かったけど危なかったと言われました。

あれが幽霊なのか幻覚なのかは分からず仕舞いです。

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親戚のおばさん

			
20年近く前、まだ私が中学だった頃の事です。

当時、親戚のおばさんでTさんという方がいました。

小さい頃は気さくでよく喋る方だったのですが、旦那さんが病気で亡くなってからは性格が変わってしまい、塞ぎ込みがちになっているそうです。

ある日の夜、部活のバスケの練習が終わりに差し掛かった頃、(確か夜の八時半頃だと思います)

学校の体育館の玄関口に、Tさんがやって来ました。

とりあえず、私は「あれは親戚の人です」と顧問の先生に言うと、 顧問の先生は会釈しながら玄関まで向かい、Tさんと何やら喋っていました。

顧問の先生が戻ってきて、深刻そうな顔で

「○○(私の名前)のお父さんが、交通事故に遭ったらしい…。」

「え?そんな…」

「あの親戚の方、車で迎えに来たそうだから、一緒に帰りなさい」

私はもう何年もTさんと会ってすらいませんでしたが、記憶には充分残っていましたので、本人には間違いありません。

気が動転しつつ、Tさんの車に乗り込みました。

車が出発した後、夜道を走りながら、私のほうからTさんへ色々聞きました。

「お父さん今どこにいるんですか?」

「病院」

「どこの病院なんですか?」

「ここから少し行ったところ」

「どんな状態なんですか?」

「よくわからない」

なんだか素っ気ない返事ばかりです。

車はちゃんと運転してましたが、感情失せて心ここにあらずという表情でした。

しばらく走っていると、段々不審に思えてきました。

どんどん郊外のほうに走っているのです。

主立った病院は全部市内にあるし、私の住んでいる市は山間に全部集中しているような所で、

山に一旦入ると、隣の市街地までは相当距離があります。

こちらから話し掛けても、素っ気なく短い答えが来るだけだし、昔の話を切り出そうとしても、「そう…」とつまらなそうに反応するだけ。

この隣で運転しているおばさんは本当にTさんなの?とすら思えてきました。

その内、市道が寂しくなるあたりまで差し掛かりました。

これを過ぎると、もう店らしい店すら無くなり、民家が山間にポツポツとある程度です。

まだ開いて照明の灯っていたホームセンターの前辺りで、

「部活の用事思い出したので、先生に電話してきます」

私は強引に車から降りて、ホームセンターの中まで入りました。

窓からばれないようにこっそり外を見ると、Tさんが駐車場へ車を止めて、ゆっくり店へ歩いてくるのが見えました。

何か嫌な予感がし、私は大急ぎで反対側出口から出て猛ダッシュ。

運良く道路に通りがかったタクシーを捕まえて、自宅を告げて家に帰りました。

家に着いてから母親にタクシー代を払って貰い、玄関から入ると、父親が普通に茶の間で座り、ビール飲んでTVを見てました。

「なんだ息を切らして?」

私のほうを見て呑気そうに言ってきました。

事情を説明すると、父親の顔がだんだん厳しい表情になってきました。

Tさんとは、旦那さんが亡くなった後は神経系の病院に通っているらしく、少々言動もおかしくなってきたたため、もう何年も交流がないそうです。

子供もおらず一人だけ残されたTさんは、精神的に疲れたのだろうと父親は言っていました。

まず、Tさんの自宅アパートまで電話。誰も出ません。(当時、携帯電話はあまりポピュラーではありませんでした)

Tさんの実家に電話し、Tさんの母親(私から見たら、祖母の妹さん)に出来事を話しました。

すると…2日前からパート先を無断欠勤していて、連絡が来ていたとのこと。

そろそろ向こうからも連絡しようと思っていた所だったそうです。

(Tさんがあんな状態で交流なくなったを知っているため、遠慮して連絡が遅くなったらしい)

翌日、警察に捜索を届けて調べて貰いましたが、Tさんの部屋からは財布以外、これといった貴重品も持ち出しておらず、

車と本人の行方が全く判らない状態ということが判りました。

ただ、部屋には女性の割にはお酒の空瓶が多く、神経系の処方薬が何種類かあったそうです。

20年経過しましたが、おばさんのTさんは未だに行方が判っていません。

恐らく、私がホームセンターの窓越しに目撃したのが最後だと思います。

長い間行方不明のため、法律上も失踪扱いになりました。

もしあの日、私が車に乗せられるがまま付いていってたら、どうなっていたか…。

そして、私はどこに連れて行かれようとしていたのか…。

謎が多い出来事でした。

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隣の部屋の殺人事件

			
大学生の男は古いアパートで一人暮らしをしていた。

男の部屋の壁には、小さな穴が開いており、そこから隣の部屋の様子がのぞき見ることができた。

隣の入居者は若い女性。

女性はのぞき穴の存在に気付いていないらしく、男はこれ幸いとばかりにのぞき行為を続けていた。

そして、ある日の事。

夜中の3時をまわった頃、男はドスドスという物音で目を覚ました。

何事かと思えば、隣の部屋から聞こえてくる物音だった。

もしかして男でも連れ込んだか?と思い、喜び勇んでのぞき穴を覗く。

隣の部屋も電気を消しており、詳しい様子をうかがい知る事はできなかったが、人影が二体あることは確認できた。

これは間違いない、と男は興奮したが、すぐに様子がおかしいことに気付いた。

男と思われる大きな人影が動くばかりで、女性のほうは全く身動きしていないのだ。

暗がりに目が慣れてくると、男が女性を殴りつけているということが分かった。

女性は猿ぐつわを噛まされているらしく、微かに

「うっ」

という声を漏らすだけで悲鳴をあげられなかった。

終には呻き声も聞こえなくなった。

すると男の人影は隣の部屋から出て行った。

強盗だ!

男は警察に通報しようと思い、電話の受話器に手を掛けたところで動きを止めた。

もし通報すれば自分がのぞきをしていたことがばれてしまう。

自分の保身のために、男は通報を思いとどまった。

一週間としないうちにアパートに警察が押しかけてきた。

やはり隣の女性は殺されていたらしい。

当然、警察はのぞき穴の存在を発見し、何か見なかったかと男に聞いた。

男は

「壁の穴なんて気付かなかった。その日もなにがあったか気付かなかった」

と言った。

他にもいくつか質問されたが、警察は男のことを疑っている様子は無かった。

殺人の瞬間を目撃したことは忘れられなかったが、通報しなかった事への罪悪感はすぐに薄れていった。

事件から二週間たっても、犯人は依然として捕まらなかった。

そして、ある日の事。

夜中の3時をまわった頃、男は再びドスドスという物音で目を覚ました。

しかし、隣の部屋は事件以降、新たな入居者は入っていないはずだった。

それでも、その物音は間違いなく隣の部屋から聞こえてくる。

恐る恐るのぞき穴をのぞいて見たが、動くものの気配は無い。

気のせいか、と思い穴から離れようとした瞬間、

狭い穴の視界を埋め尽くすように、かっと見開かれた血走った目が現れた。

男はがっちりと目を合わせたまま、驚きのあまり身動きが取れなかった。

そして、かすれた女の声で一言、

「見てたでしょ」

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爪で引っ掻く音

			
去年まで大学のある大阪にいたんだけど、住んでたのは西成にあるワンルームマンション。

西成って書けば分かる人もいると思うけど、変な人がすごく多い。

ホームレスは盛り沢山だし、やくざ事務所もいっぱいあるし(黒いつなぎの黒○会は見た目からしてかなり怖い)売春宿もジャンキー(シャブ売ってるとこ知らん?って聞かれた事もあった)も頭おかしい人もまぜこぜの町。

まぁ、それはいいんだけど、その西成のマンションの一階に住んでたのね。

オートロックじゃないから、不審者も結構マンション内に入ってきたりして、ポストに電波文入れられたり、勝手にドア開けられそうになったり、マンション内にあるコインランドリーのお金入れる部分だけもぎ取ってく奴いたり…

ある日の深夜、家でテレビ見てたら、ドアの向こうから猫の鳴き声が聞こえてきたの。

かん高い声で、寂しそうに何回も何回も鳴いてた。

しばらくしたら郵便受けの所を、カリカリカリって。

多分、爪で引っ掻いてるんだろうな、そんなに中に入りたいのかな?

とか思って、鳴くのも止めないし、中に入れてやろうかなって思って玄関まで行って、ドアスコープ覗いたのね(場所柄ドア開けるとき覗く癖ついてたw)。

そしたら、ドアの向こうで女がこっちじいーっと見てた。

びっくりしてすぐに目を離したんだけど、今度は郵便受けがガッチャンガッチャン鳴って、さっきのカリカリってのも女がやったんだなって分かった。

怖くて動けなくて、しばらくしたら足音が聞こえてどっか行ったのが分かったから、すごくほっとした。

あの女、完全にイってたと思うけど、あれはほんと怖かった。

寂しそうな猫の鳴き声ですらあの女の声だったと思うと、ほんとガクブルもんでした。

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凶器と狂気

			
Aさんが大学生の時、お中元の配達のバイトをしました。

自分の車を持ち込んで家などを回る仕事です。

たくさん回ると時給以外に報奨金も出るため、その日も暗くなる時間まで配達に回っていて、やっと最後の1件になりました。

大きめの家の前で玄関から見える位置に車を停め、呼び鈴をならすと中から感じのいい中年の奥さんが出てきました。

荷物を渡すと、奥さんは玄関の横の部屋に印鑑を取りに行きました。

奥さんは、はんこを持って出てきましたが、なんか様子が変でした。

急にAさんに向かって

「荷物の中身がおかしい。一度開けて詰め直したでしょ?あなたがやったの?」

とまくしたて始めたのです。

身に覚えのないAさんが唖然としていると、その奥さんは

「分かっているから正直に言いなさい!今営業所に電話するから上がって!」

とAさんを無理矢理な形で家の中に連れ込んでドアをぴしゃりと閉め、カギまでかけました。

「そんなことしてません!」

と言ったものの、奥さんは何も耳に入らない様子で、泣きそうなAさんを前に電話をかけ始めました。

電話がつながって奥さんが話し始めると、Aさんはさらにびっくりしました。

「もしもし、警察ですか?今うちに配達の人が来てるんですけど、ハンコを取りに隣の部屋に行ってふと窓から外を見たら、その人の車に刃物を持った男が乗り込んで後部座席に隠れたのが見えたんです」

電話が終わると奥さんはAさんに向かって

「ごめんね、怪しまれると逃げられると思って」

と演技だったことを打ち明けました。

5分もしないうちに警察が来て車を取り囲み、男は逮捕されました。

近くの精神病院から抜け出してきて、家に帰るために車を奪おうとしていたらしいです。

頭のおかしい人だったので、新聞には載りませんでした。

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深夜のお母さん

			
受験勉強のために部屋で猛勉強してたら、夜中の二時ごろに部屋のドアをコンコンとノックされて

「○○、夜食持ってきたからドア開けなさい」

って母親が言ってきたんだと。(ドアにはカギがかかってる)

でも○○クンはちょうど勉強に区切りの良いとこで休憩したかったので

「そこに置いといてお母さん」

って言ったんだと。

そしたらお母さんがそのまま階段をトントン降りていく音が聞こえたんだと。

それから三時ごろになってまたお母さんがドアをノックして

「○○、おやつ持ってきたからドア開けなさい」

って言ってきたんだと。

でも○○クンは「オヤツなんて別にいいよ」って答えたんだと。そしたら

「うるさい!いいからここ開けなさい!!開けろっ!開けろぉ!!!!」

って急にキチガイのように怒鳴りだしたんだと。

○○クンはびびって、開けようとしたんだけど、なんだか嫌な予感がして、開けなかったんだと。

そしたら今度は涙声で

「お願い……○○……ドア開けてぇ……」

って懇願してきたんだと。でも開けなかったんだと。

んでそのまま10分ぐらい経った後

「チッ」

って母親が舌打ちして、階段をトントン降りていったんだと。

でもそれからすぐに○○クンは思い出したんだと。

今、両親は法事で田舎に帰っているということに。

あのときドアを開けていたらどうなっていたかと思うと、○○クンは震えたそうな。

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友情の怖い話

			
私が高校の頃の、怖くて悲しい話です。 


当時、私には好きな男の子がいて、一番仲良しだったCちゃんによく相談に乗ってもらっていました。

Cちゃんの協力もあって、付き合えるようになった時はとても嬉しかったです。

ですが、その頃からおかしな事が起きるようになりました。


その男の子と電話で話した日には、直後に知らないアドレスから会話がそのままメールで送られてくるのです。

それも、私がしゃべったセリフのみが全てカタカナでずらっと書かれていてすごく不気味でした。

メールは次第にエスカレートしていき、シネとかのキツい言葉が混じるようになりました。

とうとう我慢できなくなり、Cちゃんに相談したところ、もしかして部屋に盗聴器があるんじゃないかと言われて、 怖かったので一緒に探してもらいました。


結局それらしいものは見つかりませんでしたが。

Cちゃんが帰ったあと、部屋で見慣れない携帯を見つけました。

普段Cちゃんが使っているのとは違ったので不思議に思いましたが、2つ携帯を持ってたのかなあと、あまり気にしませんでした。

その日の夜、Cちゃんに相談してだいぶ気持ちが楽になっていた私は、思い切ってあの知らないアドレスに返信してみることにしました。

誰なんですか、とかそういう内容だったと思います。

すると、送信完了と同時にCちゃんの物と思われる携帯のバイブが鳴りました。

まさかと思い、もう一通送るとまたバイブが。

私はCちゃんに申し訳なく思いながらその携帯を開けて見てしまいました。

あの不気味なメールを送っていたのはCちゃんでした。

次の日、携帯をCちゃんに返し、その日の夜、また男の子と電話をしました。

すると嫌がらせメールが。

涙が出てきて、本当にCちゃんなの? と送った瞬間、部屋の窓のすぐ外から着メロが鳴り、そのあと走り去る足音が。

カーテンを開けて見たところ、窓には2つの手形がくっきりと。

Cちゃん、窓にくっついて話聞いてたの?私の部屋3階だったのに。

数分後、メールが来ました。


「バレたかぁ↓↓ごめんねッ(^_^;)」

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近所の差し入れ

			
1年くらい前、近所の人たちが

「これ多く作りすぎちゃったから」とか

「田舎からたくさん送ってきたから食べて!」

と、料理や食料品を頻繁にうちに持ってくるようになった。

うちも、器を返す時に中にお菓子などをお返しに入れたりして持って行ったけど

「そんな・・・無理しなくていいのよ」

と言われた。

しまいには

「今日うちの子、風邪で学校休んで友達が給食のパンを届けにきてくれたから、給食の物で悪いけど食べて?」

と持ってきた家の人がいて、これは絶対おかしいと思い、母と2人で最近、近所の人が食料品を持ってくることを言うと

「お宅、大変なんでしょう?」

と心配そうな顔で言われた。

聞くと、うちの近所の家約20軒(わかってるだけ)に


【○○(うちの苗字)です。突然で大変恐縮ですが、一家の大黒柱でありながら先日失業いたしました。

我が家の経済事情により明日食べる物も困っている状況です。

どうか、娘と息子の食べる分だけでも何か分けていただければ幸いです。

恥をしのんでお手紙させていただきました。

息子と娘には失業云々を知られたくないので事情を察していただければと思います。(以下省略)】


という内容の手紙が、和紙に筆で達筆な字で書かれて各家の郵便ポストに入れられていたと知らされました。

それも、各家一通一通内容が微妙に違って「破産宣告を受けた」だの「生活に困って車も売却する予定」だのありもしないことが書いてありました。

もちろんうちの父が失業したとか、経済難という事実は一切ありません。

近所の人づてに怪文書を集めて20枚ほどになり、警察に被害届けも出しましたが犯人も捕まっていないし、何が目的なのか、犯人の心当たりもありません。

全国の県の市役所のトイレにお金と一緒に筆文字の手紙が置かれた事件をテレビで見た時は、このこととダブって、すごい恐怖感を覚えました。

近所の人の話では、朝刊を取ろうとしたら朝ポストに入っていたそうです。

気持ち悪いし、すごく怖い。

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管理人室

			
先生が大学生時代、とあるアパートに下宿していたときのこと。 


ある日、


「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛~~~」


っていう気味の悪いうめき声が外から大音量で聞こえてきたそうだ。

先生は何事かと思い、窓から顔をだして外を見たら、 他の部屋の住人もみんな同じように窓から頭をだして声のする方向を見ていた。

声は、アパートの管理人が連絡事項を住人に伝えるための 無線のスピーカーから発せられている。

つまり声の発信源は管理人室である。

他の住人達と集まって、どうするか話し合っていると、 ある一人の男が「俺が行く!」って名乗りをあげた。

その男は少林寺拳法の使い手で、勇敢にも一人だけで管理人室の様子を見に行った。


・・・しかし、いくら待っても少林寺が帰ってこない・・・


しょうがないので、集まっていた他の住人みんなで管理人室に行くことになった。


管理人室前の廊下に出たとき、まず目に飛び込んできたのが血でできた水溜り、 そしてそこに気を失って倒れている少林寺がいた。

血は管理人室から流れ出ていた。


管理人室の中は見るも無惨な光景だった。

床は全面血だらけ、壁はもちろんのこと天井にまで血が飛び散っていた。

飛び散った血の中には肉片つきの髪の毛が混ざっていた。

うめき声の発信者は老女だった。

足は正座の状態で、上体は放送器具の上にうずくまった格好でそこにいた。

老女の頭頂部のど真ん中には大きな鉈が突き刺さっていた。

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母親と二人暮らし

			
私は父親が生まれた時からいなくて、ずっと母親と二人暮しでした。(現在は結婚して、家は出ていますが) 私がまだ母と暮らしていた、17歳の頃の事です。

夜中の3時ぐらいに、ピーーと玄関のチャイムが鳴りました。

丁度その日は母と夜中までおしゃべりをしていて、二人とも起きていました。

「こんな遅くに誰だろね」なんて話しつつ、私が「はい」とインターフォンをとりました。

そうすると女性の声で、「あの…あの…突然すみません…。今晩、あの…泊めて頂けませんか」と。

声の感じでは40代ぐらい。

その妙におどおどしていた感じが気になって、

「え?泊めてくださいって母の知り合いの方ですか?」と聞き返しました。

すると相手は、

「いえ…全然違うんです…あの…私近所のマンションに住んでまして、あの…私会社をクビになって…あの…もう住む所がなくて…だから泊めて頂きたいと…」

話がよく理解できなかった私は、

「母の知り合いではないんですね?でも泊めるのは…」と、おろおろしてしまいました。

そこで見かねた母が「私が変わるから」といって、インターフォンで話はじめました。

私は一体なんなんなんだろ?と思って、玄関の窓越しに相手を見に行きました。

私が玄関の窓越しにみたその女性は、明らかに変な人でした。

まず、顔はもうどうみても50代なのに金髪の長髪。

白い帽子をかぶっていて、明るい緑のブラウスに、赤地に白の水玉のふわっとしたスカート。

右手には、たくさんの物が入った紙袋を持っていました。

その様子をみて、「これは変な人だ!!」と察知した私は、まだインターフォンで話している母に、

「ちょっとママ!玄関に来てる人、絶対変!怖いからもうやめよう!

相手にしないで『駄目です』っていって断ろう!」と、まくし立てました。

そしたら母は、「ははははは」と笑って、

「なんかこの雨の中、傘もなく歩いてきたんだって。怖いなら、傘だけでも貸して帰ってもらおう」

と言うじゃありませんか。

その日は、確かに雨がざんざん振りでした。

私はもう、その人の外見をみてるので泣きたくなって、こういう事にだけは度胸がある母をうらみました。

私は怖くなったので、玄関から離れた奥のリビングで、玄関の様子を伺っていました。

母が玄関を開けて話している声が聞こえてきて、しばらくすると、

「家には入れられません!帰ってください!」と、母の怒鳴り声が聞こえました。

私は普段、母の怒鳴り声なんか聞いたこともなかったので、

それだけでかなりビビッてしまい、その時点で涙目になっていました。

玄関ではガチャガチャガチャガチャ!!と、

チェーンの付いた扉を無理やり開けようとする女性と、閉めようとする母が出す音が大きく響き渡り、

17歳の私を泣かせるだけの迫力がありました。

でも、その押し問答の最中も聞こえてくるのは母の声だけ。相手の声はしません。

やっとバタン!と玄関が閉まる音がして、母がふぅふぅ言いながら部屋に帰ってきました。

「あの人、やっぱり○○(私の事)の言うとおりだね。頭おかしいみたい。怖かったでしょう、ごめんね」

と母が言うので、

「なんかされたの?大丈夫??」と聞き返しました。

すると母はまた笑って、

「いやいや、全然大丈夫。今日はもう寝なさい」と。

しかし、この話をしている最中に、また玄関のチャイムがピーーピーーピーーピーーと物凄い勢いで鳴り始め、

今度は玄関のドアが、ドンドンドンドン!!と叩かれました。

私のビビり具合はMAXに達して、

「警察に電話しようよ!」と泣き始めました。

母は「あとしばらく続くようなら警察を呼ぼう。あなたはもう寝なさいって。大丈夫だから」

と言い、寝る準備を始めました。

私は怖くてなかなか寝付けず、しばらく玄関の音に耳をすませていました。

玄関の音は30分ぐらいで止みましたが、それ以来しばらくは、夜中のお客さんは怖くて怖くて仕方ありませんでした。

その夜の出来事から5年後、私は一人暮らしを始める事になりました。

明日から新しい部屋で暮らす事になった晩に、母と話をしていて、

「そういえば、あんな事があったね~。私怖くて怖くて、めっちゃ泣いた記憶がある(笑」と言いました。

すると母が、「う~ん、あれだけで怖がってるようじゃ大丈夫かしらね、一人暮らし」と言うので、

「あれだけで?」と聞いたら、母はこう言いました。

「私ね、あの時あなたが、物凄く怖がってたから言わなかったけど…

まずあの人ね、雨が降ってる中歩いてきたって言ったのに、全然雨に濡れてなかったのよ。

で、左手にバットを持ってたの。

しかも、あの人、男の人だったよ」

私が腰を抜かしたのは言うまでもありません。

警察呼んでよママ…。

「なんで警察呼ばないの~!!!」と言ったら、

「なんだか逆恨みされそうじゃない、家はもう知られてるし」と。

その次の日から一人暮らしをする事になった私ですが、怖くてしばらくは実家に帰っていました。

以上です。長々とすみませんでした。

みなさんも、夜中の来客にはお気をつけください。

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掘り出し物件 安さの理由

			
おととしまで住んでたアパートの話。

引越しをしようと決め、物件探しをしてるとき

「ちょっとした縁で安くできるから」

と、そのアパートを不動産会社から紹介された。

部屋は1K、ロフトつき、日当たりも良し。

大き目の収納もあり、交通の便もよく、ほとんど文句ない物件だったのでちょっと奮発してそこに速攻で決めた。

当時ネコを一匹飼ってた(前に住んでた部屋はペットOKのボロアパート)んだが、そのことの許可をもらうのを忘れてしまい、

「ま、あとでうまくごまかせばいいか~」

てなぐらいの気持ちでネコもつれてきた。

(トイレ、鳴き癖は完全にしつけてある、という安心感もあったし)

アパートの住人たちへのあいさつも済ませ、近所のスーパーとかを見てまわり、引越し当日は終了。

荷物も整理してない部屋で寝ようとしたとき、ネコの異変に気がついた。

玄関のドアのほうを見て、微動だにせず、ずーーーっと低い声でうなっていた。普段はそんなことしないのに。

そのときは

「ノラネコでもいるのかな?」

としか思わなかったので、そのうち慣れるだろ、と思い早々に寝てしまった。

が、次の日もその次の日も、毎日毎日、夕方ごろになるとその行動をするようになり、これはおかしいぞ、と思い、うなり続けているネコの近くに行った。

すると、なんか玄関の外で、人の気配がする。

お化けとかそういう雰囲気ではなく、明らかに人間の気配。

思い切ってドアを開けたかったが、怖くてできない。つか、そんな根性、もとからないし;;

結局、物音を当てないようにネコをかかえて部屋に戻り、ふすまを閉め寝ることしかできなかった。

それでもネコはふすま越しに玄関のほうを見てうなっていたけど。

結局、そんな毎日が続いたため、満足に寝ることができず3ヶ月で部屋を引き払うことにした。

体重も10キロおち、医者にも

「相当ストレスたまってるね」

と言われたので元のアパートに出戻りする形になった。

またアパートの住人に挨拶してくことにしたんだがこっちが

「短い間でしたがお世話になりました」

と挨拶すると、決まって全員、ネコの話をするんだ。

「このアパート、ネコとか禁止でしょ?なんで飼ってるの?」

「大家さんの許可もらわないとダメだよ」

「大家さん、ネコのことで怒ってるわよ」

とか。

一度も部屋から出してないのに。

去勢したから、大声で鳴いたことも一度もなかったのに。

最後の一人にさりげなく聞いてみた。

「なんでネコ飼ってたの知ってるんですか?」

って。

そしたら

「『アパートのみんな』で交代で見張ってたから」

と言われた…

どうやら、毎日毎日交代で(なんと、大家の指示らしかった…)オレが帰るとすぐにその日の『当番』が、ドアの前でずーーーーっと、見張りをしてたそうだ。

ドアポストからの『監視』もしてたらしく、それでネコを見つけられたみたいだった。

ネコのことで許可をもらわずに飼ってたオレも確かに悪かったが、それならそうと一言言ってくれればいいのにと反論したら、

「大家さんの指示だから…」

と言う。

その後の話を聞いてみたらどうも、郵便物も「大家さんの指示」でチェックされてたらしい…

さすがに封筒破って、まではしなかったらしいが誰から来た郵便で、てのは逐一チェックしてたそうだ。

それを聞いて、もう一日とここにいたくない、と思い一週間後だった引越し予定日を無理矢理繰り上げ、翌日引越しをした。

今ではもう、笑い話でしかないが、当時はホントにシャレにならんくらい怖かった話。

なんで「大家さん」がチェックしてたのか、不動産屋がどういう縁で安くできたのかはわからずじまいです。

つか、怖くて調べたくもなかった…

今では何事もなく、ストーキングされることもなく平穏無事な毎日。

やっぱ、値段とかに見合わない『お得な』アパートって危険ですよ…

出典:

	

危ない人

			
GW中に、家族みんなで実家に帰ってたんです。 

帰省してすぐ、庭で洗車してると、むかしから近所に住んでる人(A)を見かけました。

当時からあぶない雰囲気の人で気味が悪かったのですが、 年を重ねた分(40位)よりいっそうあぶない感じで明らかに普通じゃなくなってました。

子供の頃、苛められた記憶もあり、かかわらない様にとその時は車の陰に隠れてやりすごしました。

後で母親に聞くと、Aは中学出てずっと仕事もせずに家にいるらしい。


近所なのでたまに見かけるが、そこの家庭とは廻りの皆も交流がなく詳しくは知らない、との事でした。

それからしばらくして近所の自販機で煙草を買ってるとタイミング悪くAと鉢合わせしてしまいました。


先に譲ろうと思い、「どうぞ」といったのですが「うーぅー!」と唸り声をあげながら睨みつけてくるだけで煙草を買おうとはしません。

こりゃー付き合いきれんな、と先に買ったのですが、その間中Aは唸りながら睨みつけてきてました。

この時、頭に来て「なんやこら!」と反応してしまったのが失敗でした。


その時はそれ以上は、何もなく帰宅したのですが、しばらくして子供を庭で遊ばせようと思い、 外に出てみると、なんとAが自宅の庭に立っているのです!

子供や親もおり、これ以上奴を興奮させてはまずいと思った私は

「すいません。私が悪かったですから。さっきはすいませんでした。」

と謝ってみたのですが、その場所から微動だにせず、じっと私を睨んでいます。


2才の子供も異様な雰囲気を察知し、泣き始めました。

私はAと目を合わせない様にしながら、子供を抱きかかえあやそうとするといきなり!

私と子供の顔の前に顔を押し当て「ヴェーー」と大声で奇声を発しながら睨みつけてきました!この世の者では無い形相でした。

「ギャー!」

Aは私の慌てふためいた姿を確認すると、悠々と勝ち誇ったかの様に、口の端を歪に捻じ曲げた笑顔を見せながら去っていきました。

それからは帰省中の間、幸い何事も無く、また家族の皆にも不安や恐怖を与えてはいけないと思い、だれにも言わずに実家から帰ってきたのですが、 先日母親から電話があり「Aが庭や前の道路から家の中を覗いてる」と怯えて電話してきました。


今は雨戸を閉めて寝る様にさせているのですが、このままではいつ両親が何らかの被害にあうのではないかと心配で夜も寝られません。

出典:

	

インターネットで自分の名前を検索する

			
すると十数件、同姓同名の人たちが検索に引っかかった。

研究者や会社の経営者、同じ名前でありながら全然別の生活をしている人たち。

その中に「○○○○○(自分の名前)のページ」というHPがあった。

それはプロフィール、BBSだけの初心者が作った感じのよくある個人のHPだった。

プロフィールを見ると、自分と同じ歳であり、趣味なども良く似ている。

BBSなどを見ると、常連っぽい人が5~6人いるらしく、この手のHPとしては

まあまあ流行ってる感じだった。

何となくお気に入りにして、時々見るようにした。

しばらくすると、コンテンツに日記が増えた。

日記は、まあ、そのへんのサイトによくある内容の薄い日記だ。

今日は暑かったとか、日本がサッカー勝ったとか、そんな感じの。

ある時、日記の内容が自分の生活とよく似ていることに気づいた。

始めに気づいたのは野球観戦に行ったときだ。

その日、そのサイトの管理人も同じ球場に行ったらしい。

その時はもちろん偶然だなとしか思わなかった。球場には何万人もの人間が行くのだから。

次の日の、日記は会社でミスをしたことについて書いてあった。

私もその日、会社でミスをして少々落ち込んでいた。

次の日も、その次の日も、よく見ると日記の内容はまるで自分の生活を書かれているようだった。

大半は「カレーを食べた」とか「CDを買った」など対した偶然ではない。

しかし、それが何ヶ月も続くと気味が悪くなってきた。

ある日、掲示板を見ると、常連たちが管理人の誕生日を祝っていた。

その日は私も誕生日だ。

それでいよいよ怖くなってきて初めて掲示板に書き込みすることにした。

しかし、書き込みしようとしても、名前や内容を書くところに文字が打てない。

色々やってみるが書き込めないどころか文字すら打てない。

「おかしいな?」と思っていると、あることに気づいた。

それは掲示板ではなく、ただのページだった。

つまり、一人の人間が掲示板っぽく見せかけて作った一つのページだったのだ。

「いったい何のためにこんなこと…」とすごく怖くなり、管理人にメールを打った。

「初めまして。私は貴方と同姓同名の人間で、よくこの~」のような当たり障りのないメールだ。

そして次の日、そのページを見ると、全て消されていた。

メールボックスには一通

「見つかった」

という返信があった。

出典:

	

怖いタクシー運転手

			
これはまだ僕が京都で大学生だった時の話です。

当時バンドを組んでいた僕は、週末の夜になるとバンドメンバーとスタジオに入り練習をしていました。

その日練習が終わったのは夜の一時。季節は夏で、京都特有のけだるい、のしかかるような蒸し暑い夜でした。

そのスタジオは家から遠く、いつもはバスで帰るのですが、時間的にもうバスも走っていなかったので仕方なくタクシーを拾いました。

背中に背負ったギターケースをおろし、あー、無駄な出費だなぁ、次のライブのノルマもきついのになあ、なんて思いながらタクシーに乗り込みました。

50代くらいのどこにでもいそうなおじさんが運転手でした。ガンガンに冷房の効いた車内が汗をかいた体にありがたかったのを覚えています。

「○○通りまで」と、行き先を告げると運転手さんが話しかけてきました。

「○○通り(行き先)に住んでるってことは○大の学生さん?」

「はい、そうです」

「あの近く、ボーリング場があるでしょう?私ボーリングがすきでねぇ、社のボーリング大会でも結構いいとこまで行ったんですよ」

「へえ、そうなんですか」

正直そのときは練習のあとで疲れていたので話したくはなかったのですが、気さくに笑った目元がミラー越しに見えたので、話し好きのいい運転手さんなんだなと思い、しばらく相槌を打っていました。

そうして話し込んでいると、妙な違和感を感じはじめました。

こちらの返答とまったく関係のない話が急に出てきたり、なんとなく話の前後が合っていないのです。

まぁ、そういう話し方をする人はたまにいるよなぁ、と気にも留めていませんでした。

が、しばらくすると、

「・・・ところで○○通りに住んでるってことはもしかして○大の学生さん?」

「あ、はい」

「あの近く、ボーリング場ありますよね?私好きなんですよ。こう見えてうまいんですよ」

「・・・」

「○大の学生さんっておっしゃいましたよねぇ?」

「あ、はい」

「ボーリング場の近くですよね?いいなぁ。実は私ボーリングが趣味でして」

「あの・・・」

「○○通りの近くはいいですよねえ、あ!○大の学生さんでしょう?」

「あの近く、ボーリング場があるでしょう?私ボーリングがすきでねぇ、社のボーリング大会でも結構いいとこまで行ったんですよ」

「○大の学生さんっておっしゃいましたよねぇえ?」

こんな感じで、会話がずっと同じ内容でループし始めたのです。

ものわすれがひどい年齢には見えませんし、そういった類のものとは違う、なにか得体のしれない不気味さを感じました。

僕のうつろな返答にかまわず、運転手は延々同じ話題を繰り返しています。

密閉された真夜中の車内は、暗く重く、いやな汗が背中から吹き出し、効かせすぎた冷房に冷やされて寒気さえ感じていました。

ミラー越しにはさきほどと同じ笑った目元が張り付いたままでした。

突然、会話がふっと途切れました。この奇妙な会話から解放されたのか?と思った瞬間、

ドンッ!!という衝撃音が車内に響きました。

ビクッ!と身体を硬直させながら見ると、運転手が左足を、まるで何かを踏み殺すかの勢いで床に打ち付けているのでした。

それも一回ではなく何度も何度も。ドン!ドン!ドン!と。

「ああああああああああああああああ。あああああああ!!!」

さらにはこんな唸り声まで上げ始めました。

運転手は足を、今度は貧乏ゆすりのようにゆらしているのですが、力いっぱい足を上下しているので車がグラグラ揺れるほどでした。

なぜ?前の車が遅かったのが気に障ったんだろうか?それとも僕が何か怒らせることを言ったんだろうか!?ていうかこの人ちょっとおかしいんじゃないか!?

僕は完全に混乱してうろたえていると、

「お客さぁん、○○通りに住んでるってことはもしかして○大の生徒さん?」

・・・と、また同じことを僕に聞いてきたのです。

グラグラと貧乏ゆすりをしながら。目元にはあの笑顔を張り付けたまま。

この時僕は、もはや違和感や不気味さなどではなく、はっきりとした恐怖心を抱いていました。

自分の命を、明らかに異常な男の操縦に預けている。

これを意識した時の恐怖は今でもはっきりと思い出せます。

しかも運転は明らかに荒くなっており、曲がるたびに右へ左へ体がふられ、前を走る車にはクラクションを鳴らして強引に前に割り込んでいくのです。

京都のタクシーが運転が荒いのは知っていましたが、乗客に死の恐怖を感じさせるほどではありません。

このときは、本当に死ぬかもしれないと思いました。

おろしてくれ!と叫びたかったですが、情けないことに、人間本当に怖いと声が出てこなくなるようです。

なにより、運転手に下手な刺激を与えたくなかったので、僕はただただじっと石像のように固まっていたのでした。

・・・そして、恐ろしいことに車は○○通りへはあきらかに行けない方向へ進路を変えだしたのです。

もう限界でした。ぼくはやっとのことで

「・・・あ、お、おろしてください!ここで、ここで大丈夫ですから!」

となんとか声を出しました。

・・・すると、意外にも運転手は「あれ、そうかい?ここじゃ遠くないかい?」とごくごく普通なトーンでしゃべりながら車を脇に寄せました。

話相手にしちゃってごめんね~などと言いながら、さきほどと比べると不自然なほど自然な対応で運転手は僕に金額を告げました。

僕は、さっきまでの恐怖心は、自分の思い過ごしだったのか?僕が神経質に感じ取りすぎていたのか?と、いったい何が現実だったのかわからなくなるような、白昼夢を見ていたような気分でした。

解放されたということで少し放心状態でもありました。

・・・とにかく、外に出よう!そう思い急いで金額を渡し、運転手の「ありがとうございました!」という声を愛想笑いで受けながら、

ギターケースをひっつかんで外へ足を踏み出そうとすると、運転手が、あの張り付いたような笑顔で、こう言いました。

「・・・お客さぁん、もしかして○大の学生さん?」

以上が僕の体験した怖い話です。そのあと近くの友達の家に駆けこんでこの体験を話したんですが、うまく伝わりませんでした。

体験した僕以外は怖くないのかもしれません。

ですが、あの異常な運転手は今でも京都の夜を走っているかもしれないと考えると、得体のしれない恐怖がよみがえってきます。

京都の方はくれぐれもお気を付けください。ちなみにそのときは四条大宮で乗りました。

途中で規制でとぎれてすいません。長文駄文失礼いたしました。

出典:

	

ヒマワリ学級

			
小学生の頃、ひまわり学級という障がいを抱えた子供が通うクラスがあった。

そこに、ずんぐりした軽度の知的障害を抱えた男子が通っていた。

そいつを仮にAと呼ぶことにする。というか名前知らないし。

ひまわり学級は普通、一般学級とは異なるタイムスケジュールで進んでいるため、その学級の生徒を見る事は稀なことだった。

それ故に一般生徒は、ひまわり学級についてほとんど知らないのが普通だったのだが、このAの知名度はかなりすば抜けており、一種の学校の名物君になっていた。

その理由としては、Aは気になる物は全て左右対称じゃないと気が済まないと言う、極めて重度の強迫性障害を持っていたからだ。

Aは異常なほどシンメトリーに拘り、左右非対称の物に関しては、自らが納得するまで弄って、何とかシンメトリーにしようとしていた。

これは現場を最初から見た訳ではないから何とも言えないが、一度、授業中にAの金切り声を聞いたことがある。

その後、窓際にいた友人に話を聞いてみると、どうやらAが中庭の細木の枝を只管折っていて、それを先生に止められたらしい。

しかし先生に腕を引っ張られながらも、金切り声をあげながら、何とか残りの枝もへし折ろうと執着してた……とのことだった。

数日後、中庭の細木が見事一本の棒のようになっていたんだから、どれだけAの執念が凄まじいかよく分かると思う。

とは言っても、全ての物に対して執着する訳ではなく、あくまで己の琴線に触れた物のシンメトリーだけに執着するらしい。

事実、他の細木には通常どおりだったし、人体模型や建築物などのシンメトリーもガン無視だったらしい。

ここで場面は変わるが、同じクラスの女子にHっていう子がいたんだが、その子が交通事故に合った。

幸い、命に別条はなかったものの、右足の脛から下あたりまでを失ってしまった。

一応、数ヵ月後には学校に顔を出す様になったが、リハビリかなんかで、ちょくちょく遅れて登校したり、早退したりも多くなった。

そんな感じの生活が続いていたある日、事件は起こった。

Hがリハビリの為に早退することになり、別の女子に連れ添われながら教室を出て行った。

それからほんの少し間が空いて突然、廊下の方から女子の悲鳴が聞こえた。

その時は、自分も当事者だったので良く覚えている。

俺は廊下側の席に座っていたので、何事だろうと、そっと廊下を覗いてみたところ、AがHを押し倒し、左足を掴んでグイグイと引きずっていたのだ。

慌ててクラスの男子と一緒に飛び出して、Aを無理やりHから引き剥がした。

先生も飛び出してきて、何とか事態は収拾したのだが、Hの方は、引きずられながら左足を引っ掻かれたらしく、所々に血が滲んでいた。

連れ添った女子の方も、顔を殴られたらしく泣いていた。相当怖かったんだろうと思う。

一方Aの方は、取り押さえられながらも、奇声をあげて、無茶苦茶に暴れまくっていた。

その時、初めて執着しているAを間近で見たが、目を剥き出しにし、涎を垂らしながら唸る姿は、本当に鬼気迫る様な感じがした。

それから3人とも先生に連れていかれて、授業は一時中断。

その後、戻ってきた先生に自習を言い渡され、その日は昼間で授業が開かれることはなかった。

Aはその後もHに執着し続けたらしく、自分の学年の廊下をウロウロ巡回したり、教室を覗いてくるのをたびたび目撃した。

これは後から聞いた話なのだが、その時にはすでにAは、学校側から自宅謹慎するように言われていたらしい。

それでも親の目を盗んでは学校に無断で侵入し、廊下や教室を監視していたらしいのだ。

そう言う事もあってか、Hが再び学校に来たのは、Aが転校か何かで来なくなってから暫くしてのことだった。

それからは何事も無く過ごし、Hは別の普通学校に進学していった。

それから月日は流れて成人式。

小学校の同窓会に出席し、久しぶりに会う友人達との再会を喜んだ。

それからは集まった友人たちと乾杯し、様々な思い出や、近況について語り合った。

そんな感じの話をしていて、ふと。上記のAについてのエピソードを思い出した。

今思えば、笑い話にするには不謹慎すぎる話題だったが、酒が入っていたせいか、再会に浮かれていたせいか、何気なく話題にだしてしまった。

するとヘラヘラ笑ってた友人達のうち数人がピタリと押し黙り、お前聞いてないのか? と神妙そうな顔で訊ねてきた。

一瞬ふざけてるのかと思ったが、あまりに真面目な感じだったので、一体何のことなのか、詳細を聞いてみた。

友人曰く、Hは中学二年くらいの時期に、通り魔に襲われて亡くなったらしいのだ。

当時、地元の新聞にデカデカと出てたらしく、どうやらHは、左足を切り取られ、出血多量で亡くなったらしい。

左足は路傍に捨てられており、何故か右足の義足の方も、取り外されて捨てられていたらしい。

人通りの少ない道での犯行で、目撃情報は無く、犯人も未だに捕まっていない。

ただ、事件発生数か月前、現場付近で奇声をあげながらうろつく、謎の人物が目撃されているとのことだった。

Aの行方は、未だ知らない。

出典:

	

アパートに備え付けのソファー

			
高校生の時、親元を離れ家賃2万の風呂無しアパートを借りて住んでいた。 

その部屋には何故か黒いソファーが備え付けてあった。

6畳の部屋には似合わない本皮のどっしりとした大きなソファーで、大家のおじいさんが言うには前の前の前くらいの住人が「いらないので」と置いていったとのこと。

住人が引っ越す度に「持って行けよ」と言うのだが「いや、いらないです」と断られるらしい。

それを聞いた自分は「うわあ!オカルト話でよくあるやつ!」なんて思ったが、貧乏でテーブルしか持っていなかったので、ありがたくベッド代わりに使わせてもらうことにした。

ソファーは左側の壁にピタリと寄せて置いてあり、動かそうにも一人ではビクともしなかった。

住み始めて数日経った夜、ソファーで寝ていると突然背中に痛みを感じた。

チクチクと爪楊枝で刺されてるような嫌な痛み。

何か虫?と思いながら体を起こし電気をつけてソファーやTシャツを確認してみたが何も見当たらず、そのうち痛みもなくなった。

その日から不思議なことが起こるようになった。

背中のチクチクに加え、金縛り、うめき声、モヤモヤとした黒い影が部屋に入ってくる、誰かが背中に顔をベタリと付けてくる、包丁で刺される夢を見る・・・。

全てソファーで寝ている時に起こる。

「やっぱりこのソファー・・・」と思い、引越しを考えたがそんな金があるわけもなく、仕方なくソファーにシーツをかけ、なるべくソファーに近づかないように生活をしていた。


ある朝、便所に行こうと廊下へ出ると大家さんと大家さんの孫と出くわした。

「あ、おはようございます。あれ?どうしたんですか?」

「いやあ、隣のAさんから急に電話着て、もうアパートに戻らないから片付けてくれだってよ」

自分はそれを聞いて思わずガッツポーズをしそうになった。

何故ならこの隣のAさん、かなりアレな人だったからだ。

40歳~50歳くらいの太った眼鏡のおばさんで、もう10年以上住んでいるらしいんだけど、挨拶も無し、少し物音をたてただけで壁をドン!、ドアに「うるさい!」「掃除!」と書かれた張り紙をしてくるなど酷かった。

一番鮮明に覚えているのが、廊下でAさんが突然ひっくり返った。偶然近くにいた自分が「大丈夫ですか?!」と駆け寄り、手を差し伸べるとバチーンとすごい勢いで弾かれた。

「なんだコイツ」と思いながらも見守っていると、近くにコンビニの袋が落ちているのに気付いた。何の気なしに拾ってみるとエロ漫画とコンドームが入っていた。

それをまた凄い勢いでAさんは奪い取るとドシドシと部屋に戻っていった。

そんな人だったので「引っ越してくれてありがとう!」と心から感謝していた。

鼻歌交りに部屋に戻りダラダラしていると、隣が何やら騒がしい。何かあったのかな?


なんて思っていると、「B君(俺)!ちょっと来て!」と大家さんの孫が呼ぶ声が聞こえた。

「どうしたんですか?」と隣の部屋に行くと、大家さんの孫が血相を変えてどこかを指差している。

パッと指差した方を見てめちゃくちゃビックリした。

壁に釘が何十本もぶっ刺してあった。

呆然と見ていると大家さんが「よく見てみろ。色々書いてある」と言うので近寄って見てみると、釘のぶっ刺してあるところを中心に壁にバーっと細かい字と汚い絵が沢山書いてあった。絵は小学生が描いたような女と男の裸の絵で、上から爪か何かで引っ掻いた跡があった。

細かい字の方はもう「死」とか「呪」とか「殺」とか・・・いかにもな字が並んでいた。

「○○死ね」というが沢山あって、もちろん俺の名前もあったのだが大家さんが言うには「B君の前の住人たちの名前があるな」と言っていた。

それを見て何となく気付いた。この壁の向こうって丁度ソファーがあるあたりだ。

あの現象ってソファーが原因だったんじゃなくて、これが原因だったんじゃないかって。

恐らく前の住人たちはこの事実を知らずに、ソファーに原因があると思って置いていったんだろうなあと思うと何とも言えない気持ちになった。

Aさんが何でアパート出て行ってから、しばらくぶりにソファーで寝てみたが何も起こらなかった。

やっぱりあれが原因だったのかと確信した。

ちなみに大学を出るまで住んで、出るときに大家さんに「ソファー持ってくか?」と聞かれたけど「いや、いらないです」って断った。でかいんだもん。

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引きこもりの息子

			
俺の職業は精神科医なんだが、この前ゾッとするようなケースに遭遇した。 


俺の家の隣に、60代の夫婦と30歳ぐらいのその息子の三人家族が引越して来た。

息子はいわゆる引きこもりらしく、その姿を見かけることはあまりなかった。

まー、その家族の口からは聞けないが、そういう世間体とか気にして越して来たんだろう。

その息子は日が経つにつれ、外に出る回数も減り、いつしか全く部屋から出て来ない完全な引きこもりになってしまった。

毎晩のように、息子の部屋から母親の怒鳴り声が聞こえる。

玄関先で母親に顔合わせたりすると、笑顔で挨拶してくれるが、明らかにやつれて来ていた。


隣の息子を見なくなってから、半年くらい経ったある日、隣の父親の方が「明日家の方に来て欲しい」とお願いしてきた。

個人宅に訪問して診察したことはなかったが、近所付き合いもあったし、了承した。

そして次の日、その家を訪れると夫婦揃って出迎えてくれた。

「こちらです」と母親に案内され、息子の部屋の前まで来た。

母親が「開けるわよ!」とドアを開けるなり、「いつまで寝てるのよ!」と大声をあげながらベッドの布団を剥いだ。


その姿を見たとき、俺は驚愕した。

ベッドには、顔のない裸のマネキンが1体横たわっているだけだった。

そして、父親にこう言われた。

「診て欲しいのは、現実を受け止められない私の妻です」

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著者プロフィール
Sharetube