免許の返納はいつするべき?車が無いと困る人はどうしたらいい?

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高齢ドライバーは運転しない方がいい?

●最近、高齢者のドライバーが大きな事故を起こすニュースがよく取り上げられていますね。


事故は一瞬で命が失われたり、助かってもその後の後遺症などで苦しみ続けたり…また、事故を起こした側も精神的に苦しいと思います。普段、悪い事などしない普通の人が一瞬で加害者、被害者になってしまう交通事故なんて無い方が良いですよね。


今回は、最近注目される高齢者ドライバーは本当に事故が多いのか、返納するべき?について考えてみました。

まず事故率から調べます

実際はどうなの?

75歳以上のドライバーの数と、死亡事故率を一緒にグラフにしています。確かに増えていますね。内閣府より。

事故率だけ見てみます

●10万人あたりの交通事故の件数が抽出されています。わかりやすいです。


実は10代、20代のおそらく免許を取ったばかりの方が事故率は高いんですね。運転の機会も多そうで慣れた30歳くらいから落ち着きはじめ、なんと69歳まではほぼ、横ばいになってます。


StoneWasher"s Journalから。

事故を起こしやすくなる、その理由とは?

•視力等が弱まることで周囲の状況に関する情報を得にくくなり,判断に適切さを欠くようになること

•反射神経が鈍くなること等によって,とっさの対応が遅れること

•体力の全体的な衰え等から,運転操作が不的確になったり,長時間にわたる運転継続が難しくなったりすること

•運転が自分本位になり,交通環境を客観的に把握することが難しくなること

出典:I 高齢者を取りまく現状|平成29年交通安全白書(概要) - ...

内閣府からです。
高齢者の運転による死亡事故の原因のうちもっとも多いものがブレーキやアクセルの踏み間違いやハンドルの誤操作によるものです。歩行者に気が付くのが遅れ、いざブレーキを踏もうと思っても即座に身体が動かず、誤操作を起こしやすくなります。特に、毎日運転している慣れた道ではかえって気を抜いてしまうことで、高齢者の事故は自宅から500m以内で起こることが多いです。

出典:実はメリットも多い!高齢者の運転免許自主返納の方法と特典...

中古車情報サイトの「グーネット」から。

●年齢を重ねて視力や反射神経が衰え、操作のミスをする傾向があるようです。体力も落ちて長時間の運転は疲れやすくもなっているので、さらに運転ミスに拍車をかけそうです。

内閣府の白書ではどんな事故を起こすかも触れていますが、単独での事故が「40%」と75歳未満の「23%」よりはるかに多くなってます。操作を間違えて自分1人でぶつかるような事故が目立つようですね。また、運転中に車線から飛び出てしまって衝突する事故も多いようです。

高齢者の免許の更新、今はどうなってるの?

認知機能検査と高齢者講習を受講しないと運転免許証の更新はできません。


運転免許証の更新期間満了日(誕生日の1か月後の日)の年齢が75歳以上の方で免許更新を希望する方は、更新手続前に認知機能検査の受検と高齢者講習等を受講してください。

出典:認知機能検査と高齢者講習(75歳以上の方の免許更新) 警視庁

警視庁のサイトより。

チャートがありました

免許の更新前に、認知機能の検査を受けます。その結果によって講習を受けたり、場合によっては(認知症と診断など)停止、取り消しです。ちょっと大変ですね。

問題は合格の厳しさですが、どれ位なんでしょう?


免許の更新にいくと、視力が合格ラインに達していないのに、割と強引に通されているかたをよく見かけます…。


引き続き警視庁のサイトより。

四つ葉マークでアピールは、不十分!?

マークでアピールはどうだろう?

●よく見かけるこのマーク!もみじマーク、四つ葉マーク、シルバーマークなど色んな呼び方がありますが、正式には「高齢運転者標識」というそうです。


しずくの形は最初に作られたものですが、貼るのはどちらでもOKです。でも「枯れ葉マーク」という呼び方が不評で、四つ葉になったみたいです。


70歳以上のドライバーが付ける事になりますが今の所は、任意です。


ただしこのマークを付けている運転者は、初心者などと同じく周囲が保護することになっています。これを貼るだけでも、回りのドライバーや歩行者も注意できるし、違ってこないかなあ…。

高齢運転者標識を表示すべき者が高齢運転者標識を付けて車を運転している場合、周囲の車の運転者はそれを保護する義務を負う。道路交通法第71条第5号の4は、表示車に対してやむを得ない場合を除き、幅寄せや割り込みをしてはならないと定めている。

出典:高齢運転者標識 - Wikipedia

	

しずくのマーク

これが「落ち葉マーク」と言われていた記憶。

高齢者の免許を巡り意見は紛糾

返納すべき
年を取るにつれて運転適応能力が低下してきています。それはやむを得ないことと思います。高齢者に強制的に免許を返納させる制度は、被害者のみならず、高齢ドライバーを加害者にしないことや、高齢者自身を守るために必要な仕組みだと思います

出典:高齢者の運転免許、強制返納の仕組みが必要か? 弁護士の意...

「弁護士ドットコム」より。
ある程度以上の年齢になったら、免許を毎年更新することにして、その際に運転に必要な能力の検査をすることとし、運転に必要な能力を持たないと判断されたものに対しては、運転免許の返納を命ずるという強制返納の仕組みもあっていいかと思います。世の中のためでもあるし、何よりも高齢者ご自身のためでもあると思います。

出典:高齢者の運転免許、強制返納の仕組みが必要か? 弁護士の意...

興味深いので、「弁護士ドットコム」よりもう1つ。

●「弁護士ドットコム」で、数名の弁護士さんの意見を集めていますが、ここでも意見は分かれていますね。


返納すべきの意見のかたは弁護士さんだけではなく「被害者の人命」さらには「高齢者を加害者にさせないこと」など、事故を避けることを重視している意見がほとんどです。


それはそうですよね、交通事故の代償は大きいです。

車が無いと困る人たちも…

返信先: @hiroyoshimuraさん




返納しても生活できる環境を作って頂きたいです。実家の近所のご高齢のご夫婦は、おじいちゃんが病院で亡くなられて夜中の12時に病院から連絡があり、おばあちゃんがタクシー会社に連絡しても営業してませんでした。現実です。uberのような配車アプリを導入してほしいです。

●車がないと、本当に生活に支障の出る地域もあります。タクシーも営業しておらず、悲しい出来事です…。

都会の高齢ドライバーは何故免許返納しない?車無くても交通機関あるじゃん、田舎は車が無いと不便なの分かる1時間に1本のバスしか無かったりするし、それに歩道に人が歩いて無いから単独もしくは車どうしの事故しか無いしまきこんだりしないし、制限速度とシートベルトさえしめてれば生存確率高い

●確かに!田舎や郊外だと、人があまり歩いてないんですよね。1時間にバスが1~2本の地域は、生活するのが大変なんです。

交通機関が充実している都会ならまだしも、車がないと生活が成立しないような田舎で免許返納は厳しいんじゃなかろうか。
特に農家で食ってる人とか車が無いとまず仕事にならない。
しかし、うちの県の農家人口の半分以上は高齢者だったはずだが。

●そうなんです。農業などで生計を立てている人に車は必須。それ以外でも中小の経営者など事業主さんは、なかなか返納も難しいです。

●ところが返納が難しい問題がこんなに山積みです。私も両親の免許をいつ返上させるか…。そうなると外出はどうなるのか、常に誰かが運転手を務めないといけません!


頭が痛いです。

どうしたらよいのかな…様々な意見を集めてみました

MT車が多かった頃は、今見たいな事故や逆走もほとんどなかった。やっぱり、運転が楽すぎてスマホをいじれたり、出来てしまうAT車よりもMT車は操作が大変だけど、もし、止まっても押すことが出来るといったいろいろな利点をもう一度、車メーカーも考えて欲しい。

出典:高齢者だけを悪者にするな 最も多い事故原因は“ぼーっと運転...

「FNNPRIME」より。
免許を返納した人にバス運賃の割引サービスなどをしている自治体もあるが、もともと公共交通機関が整備されていない地域では、車を手放すことで暮らしの質が大幅に下がることがある。引きこもり、買い物難民、認知症の進行などにつながりかねない。


吉岡七郎さんもそんなリスクを抱えていた。2年前、新しいクルマを手に入れるまでは。

出典:免許返納しても運転できる 高齢者の暮らしを変える、新しい...

「BuzzFeed News」より!
地方での高齢者向け配車サービスや巡回タクシーなどを行政が中心で行わないとダメだろう。

高齢者マイカー族を徐々に減らし、順次こうしたサービス利用へ転換する仕組み作りを市町村が積極的に前に進めさせる必要はあると思う。

出典:舛添要一氏、相次ぐ高齢者の事故に「免許証返納ありきではな...

YAHOOニュースのコメントから。

地域や家族構成、返納は一律には出来ず…皆さんどうしますか?

●調べたところ、高齢になると視力や反射神経が衰えて、操作や判断ミスからの事故が多くなるみたいですね。これで人を巻き込むのはもちろん、自分だけでの事故になるのも絶対に避けたいですよね。


さらに公共交通機関が便利な地域はともかく、車がないと生活に支障のある地方や、農業などに携わる高齢のかたにとって免許の返納は死活問題です。筆者の住んでいる所も、車がないと仕事を見つけるのも買い物も難しい1人1台の地域。返納の難しさはよくわかります。


体の衰えや地域の状況、生活スタイルに上手く合わせるしかなさそうですね。


返納か乗り続けるかの選択、MT車や自動ブレーキ搭載車など自分に合った車に変更する、公共交通機関の整備を訴えるなど色々で、いっせーの!で返納するのは難しいですね。


それぞれで判断して、自分に合った方法を検討するしかなさそうです。

こんな動きが出てきました!

●車そのものを買い替えるのは大変ですが、踏み違え防止の装置を取り付けるのは良いですね!


ナルセ機材という会社では、アクセルとブレーキを一体化した「ワンペダル」、ナンキ工業ではアクセルを強く踏むとブレーキが働く「STOPペダル」を開発、メーカーや販売店などと一緒に販売しています。


注文から時間がかかるとのことですが、待っても取り付ける価値はありそうですね。さらに東京都では、そのような装置の取り付けに補助をする方針とのこと。


車を運転する理由は人それぞれ。「返納!」だけではなく、サポートで悲しい事故が無くなることを願います。


著者プロフィール
Sharetube