2006年2月17日朝、滋賀県長浜市内で「子ども2人が刺されて倒れている」と119番通報があった。ともに5歳の幼稚園児で、2人とも死亡した。滋賀県警は、2人と同じ幼稚園に通う長女を持つ女(当時34)を間もなく殺人容疑で緊急逮捕した。女は、長女と2人の計3人を軽乗用車に乗せて、幼稚園に送る途中だった。中国東北地方出身の女は1998年、結婚仲介業者を通じて上海で滋賀県出身の夫と見合いをし、99年に結婚して日本に来た。04年3月に自宅を購入したが、この頃から精神面で不安定になったとされる。06年3月10日、大津地検は女を殺人罪と銃刀法違反の罪で起訴した。起訴状によると、長浜市内の農道に止めた軽乗用車内で、2人の園児を刃渡り約21cmの刺身包丁で刺して殺したとされる。同乗していた長女には「見ないように」と指示した。この幼稚園では、年中組から複数の園児を保護者が交代で送迎するグループ通園を行っていた。被害者の2人は長女と同じグループで、事件当日は女が送迎する当番だった。女は05年4月からグループ通園に参加したが、調べに「目が届かなくなり、心配でたまらなかった」と話し、「長女がほかの子と遊んでおらず、仲間はずれにされていると思った。このままでは長女がだめになると思い、身近な子を狙って殺した」と供述しているという。

出典:滋賀・園児殺害(しがえんじさつがい)とは - コトバンク

9時5分、長浜市内で幼稚園児らしき子どもが二人倒れていると119番通報。
9時30分頃、滋賀県警が県内全域に緊急配備。
10時頃、女児の死亡を確認。
11時頃、大津警察署員が不審な乗用車を検問で止め、車内を捜索したところ、血の付いた包丁と大量の血痕を発見したため、運転していた女から事情を聞いたところ、二人の殺害を認めたため、緊急逮捕。
正午頃、男児の死亡を確認。
14時、滋賀県警が長浜警察署で記者会見。

出典:滋賀県長浜市園児殺害事件 - Wikipedia

中国から来て六年半。娘思いで周囲に溶け込もうと努力していた。
鄭容疑者は会社員の日本人の夫（47）と中国で知り合い、一九九九年八月に来日。
翌年七月に結婚し、すぐ長女が生まれた。（平成十一年に来日し、十二年に結婚。）
日常生活に支障はないほどに日本語も上達していたという。

鄭容疑者は来日後精神的に不安定になり、03年9月ごろから昨年10月まで、長浜市内の病院の精神科などにに通院。
04年春から夏にかけて約4カ月入院していた。 （←”通院”ではなく　”入院”）

長女は二〇〇四年四月に入園。
当初は鄭容疑者の夫や義父が自転車などで送っていたが、昨年四月に年中組になると、
幼稚園の方針もあり、若奈ちゃんら近所の三人とグループ登園になった。

神照幼稚園（中川明園長）は、発見現場から約1.5キロ離れており、園児は約200人。
長浜市教委によると、同市立幼稚園では、年中、年長組は2～3人の園児に保護者1人が当番でつく「グループ登園」をしていた。

近所の女性によると、谷口容疑者は中国出身で、日本語での会話に少し不自由があった。おっとりした性格だったという。
一昨年春ごろに引っ越してきて、1年ほど前、「幼稚園のお母さんたちとなじめない」と漏らしていたという。

出典:滋賀県長浜市で園児二人殺害事件：俺の推理

2006年3月 起訴。公判前審理開始
2007年2月2日10時から17時の終日、滋賀県大津地裁101号大法廷で初公判が開かれ（長井秀典裁判長）、起訴状朗読や罪状認否が行われた。その中で被告は「砂人形を刺しただけ」「人間ではない。血も出ていなかった」などと発言をした。さらに、つばを吐くなどしたため、裁判長から度々警告された。

2007年2月8日 第二回公判

2007年2月15日 第三回公判

2007年3月1日 弟七回公判 前回に続き不規則な発言を繰り返し、途中退廷させられた。足を机の上に投げ出すこともあった。

2007年9月18日 検察側が死刑を求刑。

2007年10月16日 死刑求刑に対し、統合失調症の影響による心神耗弱を認め無期懲役に減刑した判決が出る。弁護側は量刑不当として即日控訴。

2009年2月20日 大阪高裁で二審の判決。一審の無期懲役判決を支持し、検察・被告双方の控訴を棄却。

2009年3月9日 検察・被告とも上告せず、被告の無期懲役の判決が確定。

出典:滋賀県長浜市園児殺害事件 - 滋賀県長浜市園児殺害事件の概要...

滋賀県長浜市で2006年2月、市立幼稚園児2人が鄭永善（てい・えいぜん）受刑者（39）＝殺人罪などで無期懲役判決＝に刺殺された事件で、遺族が「鄭受刑者の異常な言動を認識していたのに適切な対応を怠った」などとして、同市と鄭受刑者の元夫（51）に計約2億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が6日、大津地裁であった。石原稚也（ちがや）裁判長は「言動などから鄭受刑者が園児を殺傷すると察知するのは困難だった」と判断し、遺族側の請求を退けた。 

出典:朝日新聞デジタル：朝日新聞社のニュースサイト

前年11月から12月にかけて相次いだ広島小1女児殺害事件・栃木小1女児殺害事件・宇治学習塾小6女児殺害事件に続いて「子供の安全」が改めて問われる事件となった。しかも、児童を危険から守る為に始められた保護者による当番制の集団送迎によって発生してしまった事件で、これまでの防犯は「知らない人間を排除すれば安全」という、同級生の保護者なら安心とする考え方を一蹴させて、「誰を信じて良いのかわからない」と関係者をパニックに陥れた。その上で、「知っている人でも危ない」「男の子でも狙われる」という、それまでの議論から全く欠落していた点も改めて問題視されるに至った。
事件発生当日中に、死亡した園児らと同じ幼稚園に通う別の園児の母親が逮捕されたが、児童の安全確保を目的に始められた保護者による集団送迎で発生したことで世間に大きな衝撃を与えた。

出典:滋賀県長浜市園児殺害事件 - Wikipedia