【死刑判決】あきる野市資産家姉弟強盗殺人事件の「沖倉和雄」とは

著者:
投稿日:
更新日:

あきる野市資産家姉弟強盗殺人事件


4月9日頃から東京あきる野市の資産家の姉(54歳)弟(51歳)が失踪する事件が起きている。

時系列に情報を記述すると

4/10

10日午前8時ごろ、市役所の代表電話を経由して人事課に「姉は体調が悪いので休む」などと電話があった。翌11日以降は無断欠勤が続き、連絡がつかない状況が続いている。一方、捜査1課が女性らの口座を調べたところ、10日以降、都内の複数のATM(現金自動預払機)で現金の引き出しがあった。捜査1課は防犯カメラの映像を解析するなどして引き出した者の特定を急いでいる。

女性の上司は「(女性は)体調が悪くても出勤するような人。また弟が電話してくるようなことは、これまでなかった」などと話している。


4/14 事件発覚

警視庁捜査1課と五日市署は、2人が事件に巻き込まれた可能性もあるとみて捜査。自宅を検証した。調べでは、女性と弟はともに独身で、2人で暮らしていた。女性が9日以降、事務所に姿を見せず、連絡を受けた親類が署に届け出た。自宅にはカギがかかっており、2人の携帯電話は応答がない状態が続いているという。


4/16

現金数万円入りの封筒が、室内の机の上に手つかずのまま残されていたことが16日分かった。


10日以降、2人の口座から5カ所以上の金融機関で計250万円以上が引き出されていた。防犯カメラの映像から、すべて同じ男が、あきる野市から23区内に移動する過程で引き出したらしい。女性は今月28~30日、四国に旅行する予定で、すでに代金を支払っていた。関係者は「旅行を楽しみにしていて、自ら姿を消す理由は思い当たらない」と話している。


4/17

2人の口座から現金数百万円を引き出した男は、防犯カメラに映らないようマスクをするなどしていたことが17日、分かった。警視庁捜査1課と五日市署は、映像を解析するなどして、男の特定を急いでいる。


調べでは、現金は都内5カ所以上で引き出されており、同一人物の可能性が高い。また、女性宅には土足で上がり込んだ跡があったほか、微量の血痕も検出されたうえ、血をふき取ったような跡もあったという。


4/21 容疑者逮捕

警視庁捜査1課は21日、2人のキャッシュカードを使って現金を引き出したとして、あきる野市秋留、無職、60歳男性、福生市本町、土木業、64歳男性の2容疑者を窃盗容疑で逮捕した。

警視庁は五日市署に捜査本部を設置し、姉弟が失踪(しっそう)した経緯についても2人が知っているとみて追及する。60歳容疑者は「覚えがない」と否認、64歳容疑者は「キャッシュカードで現金を引き出したことは間違いない」と供述している。


調べでは、60歳容疑者は今月11日午前9時半ごろ、あきる野市二宮のスーパー内にある現金自動受払機(ATM)で、姉名義のキャッシュカードを使い120万円を引き出した疑い。64歳容疑者は12日午後8時50分ごろ、埼玉県狭山市根岸のコンビニエンスストアのATMで弟名義のカードを使って50万円を引き出した疑い。


4/22

9日夜に最初に弟の口座から現金が引き出され、先に弟が何らかの被害に遭った疑いのあることが22日、警視庁五日市署捜査本部の調べで分かった。


姉弟のキャッシュカードで現金を引き出したとして窃盗容疑で逮捕された元同市職員、60歳容疑者は、市保険年金課に在籍当時、市民の資産状況について知りうる立場だったことが分かった。姉弟は所有地を市に売却して億単位の収入を得ており、警視庁五日市署捜査本部は60歳容疑者が姉弟の資産情報を得て、2人を狙った可能性もあるとみて調べている。


2人の口座から金を引き出したとして窃盗容疑で逮捕された元同市職員で無職の60歳容疑者が「借金が500万円以上ある」と話していたのに、最近は次々と返済していたことが22日、分かった。

警視庁に窃盗容疑で逮捕された元同市職員60歳容疑者が、姉弟が行方不明になった今月10日以降、知人に借金の返済を始めていたことがわかった。


知人の証言によると。


60歳容疑者は「ATM(現金自動預け払い機)で下ろすので、1日50万円が限度」と話しており、同庁では、盗んだ現金を充てていたとみている。


福生市内のマージャン店経営者によると、常連客だった60歳容疑者は賭けマージャンなどで650万円以上の借金があり、数年間返済していなかったが、10日になって経営者に50万円を、14日に別の常連客に40万円を返した。この時、60歳容疑者は「姉から金を借りた」と話していたという。


同様に窃盗容疑で逮捕された土木業64歳容疑者も11日、滞納していた家賃の一部約11万円を払ったという。姉弟の口座からは9日~14日、五百数十万円が引き出されていた。


4/23

2人の口座から金を引き出したとして窃盗容疑で逮捕された64歳容疑者が旅行先から知人に「金が入るから、マージャンをやろう」と電話していたことが23日、分かった。


姉弟は今月10日から行方不明となり、60歳容疑者は同14日まで借金の一部を知人らに返済していたが、翌日には「返済を待ってほしい」と話すようになった。警視庁が捜査を始めたことが明らかとなり、現金を下ろせなくなったためとみられる。


また、60歳容疑者は同19日に知人らと近県に旅行に出かけたが、宿泊代を全額払えず、このころには引き出した現金が底をついたとみられるという。


元同市職員の60歳容疑者が姉弟の失踪の翌日、知人女性を身代わりに使い、姉名義の3つの口座から残金全額を引き出そうとしていたことが23日、分かった。

女性が銀行窓口で姉の生年月日を間違えたため、行員に別人と見破られ、失敗に終わったという。

その後、ATM(現金自動預払機)での引き出しに切り替えたとみられる。

60歳容疑者は姉名義分のの通帳や印鑑しか持っていなかったことも判明。


姉弟が失踪したとみられる翌日の10日、300万円の借金があった知人に「姉の通帳で金を引き出して返すから、女の人を連れてきてほしい」と依頼したという。

知人は女性を伴って、すぐに沖倉容疑者と立川市内の銀行に向かった。60歳容疑者は姉名義の3冊の預金通帳と印鑑を女性に手渡し、姉の名前や生年月日を教えて窓口で全額引き出すよう依頼した。

だが、女性が生年月日を間違えたため行員に見破られ、「委任状がないと下ろせない」と引き出しを断られたという。この際、知人は「お姉さんの所に(委任状をもらいに)行こう」と説得したが、60歳容疑者ははぐらかしてこの要請を拒否していた。

4/24

64歳容疑者が昨年、月7万2000円の家賃を8カ月間続けて滞納し、2回に分けて年額の20%程度しか支払っていないことが24日、分かった。元同市職員の無職60歳容疑者は「収入がない」と言っては金を借りていたという。

警視庁五日市署捜査本部は両容疑者が金に困り、数カ月前から資産家の姉弟の金を狙った疑いがあるとみて捜査するとともに、2人の行方を捜している。


64歳容疑者が、60歳容疑者から現金を下ろすように頼まれたと、警視庁に供述していることがわかった。


同庁では、一緒に逮捕した元同市職員の60歳容疑者が犯行を主導したとみて調べている。


同庁幹部によると、64歳容疑者は、現金自動預け払い機(ATM)で預金を引き出すよう、60歳容疑者からキャッシュカードを渡されたと供述。行方不明になっている姉弟については、「面識がなかった」と話しているという。


60歳容疑者は依然、容疑を否認しているという。


元市職員の60歳容疑者が姉弟失踪直後、左手に包帯を巻いていたことが24日、分かった。キャッシュカードを脅し取った際、姉弟に抵抗されて負傷したとみられる。また逮捕直前、逃走計画を練っていた可能性があることも浮上した。


警視庁五日市署捜査本部の調べなどによると、60歳容疑者が姉弟失踪後の10日、左手に包帯を巻いていた姿を知人が目撃。60歳容疑者は「車をいじっていたら突然ボンネットが閉まって挟まれた」と説明したという。


また逮捕直前、60歳容疑者は「昔の彼女がいる熊本に旅行に行こう」と知人を勧誘。この際「飛行機じゃなく車を使いたい」と人目を気にしており、逃走を計画していたとみられる。


4/25

64歳容疑者が警視庁五日市署捜査本部の調べに対し、「キャッシュカードの暗証番号も60歳容疑者から聞いた」と供述していることが25日、分かった。

60歳容疑者は容疑を否認。「被害者の名前も、カードも知らない」と話しており、捜査本部はカードや暗証番号の入手方法を追及する。

出典:東京あきる野市資産家不明事件: ASKAの事件簿

	

裁判焦点

公判前整理手続により、「犯行のいきさつ」と「犯行の主従関係」が争点になった。

 2009年3月9日の初公判で、沖倉和雄被告、伊丸岡頼明被告はともに罪状認否で「間違いありません」と述べ、起訴事実を認めた。

 検察側は冒頭陳述で、沖倉被告が市役所の元同僚から男性は資産家との情報を得て、元同僚らに犯行を持ち掛けたが断られたと明らかにした上で「金に困っていることを知っていた伊丸岡被告を誘った」と指摘した。

 弁護側も冒頭陳述を行い、沖倉被告側は、沖倉被告が計画後1ヶ月以上も実行できなかったが、伊丸岡被告を誘ったことで強力な推進力を得たと指摘。「伊丸岡被告が男性の頭に袋をかぶせたので、自分もやらねばしょうがないと思った」と主張した。伊丸岡被告側は、強盗した際に被害者を殺害する話は聞いていたが、「見張りや被害者を縛るだけと認識していた」と主張し、「犯行は沖倉被告の主導で行われた」とした。

 3月16日の論告求刑で検察側は「計画段階から沖倉被告が主導した。2人は遺体を遺棄するなど完全犯罪をもくろんだ。両被告の間には、明白な主従関係があり、求刑において考慮せざるをえない」と指摘した。沖倉被告について凶器や道具の多くを準備したことや、伊丸岡被告が加わったことで計画内容が変更されていない点などを重視。「借金苦を免れたいとの動機に酌量の余地はなく、死刑以外の選択の余地がない」と指摘した。一方、伊丸岡被告については「供述によって姉弟の遺体が発見され、全容が明らかになった」などと述べ、死刑選択を回避した。

 同日の最終弁論で沖倉被告側の弁護人は「犯行計画は中身の薄い稚拙なもの。実行する気はなかった。計画を作ったのは沖倉被告だが、徐々に伊丸岡被告が主犯になった。沖倉被告が、殺人を実行する決意がないうちに、伊丸岡被告が弟を殺害し、これに影響されて犯行に至った。検察官、伊丸岡被告がタッグを組み、沖倉被告と対立している」と主張。伊丸岡被告側は「沖倉被告が一貫して主犯格で、被告は従属的立場だった。沖倉被告の供述は信用できない。逮捕後は反省し、捜査に協力してきた」などと主張した。

 結審前、山嵜和信裁判長が「最後に何か言いたいことは」と尋ねると、沖倉被告本人は「私は人を殺しました。迷惑をかけました」と声を振り絞った。また伊丸岡被告は、「私が自供したのは有利・不利を考えたのではない」と改めて述べた。

 判決で、山嵜和信裁判長は「両被告とも借金の返済に窮した犯行動機で、あまりに身勝手で酌量の余地はまったくない。(両被告に)死刑を選択することも考慮する必要がある」とした上で、それぞれが果たした役割や逮捕後の態度を検討。沖倉被告が殺害方法や死体遺棄の場所などを事前に決めていたことに触れ、「終始指導的な立場で、中心的な役割を果たした」と主導性を認定した。伊丸岡被告については「自供して事件の解明に協力、心底からの反省と悔悟も認められる」と死刑回避の理由を述べる一方「本来の責任は重く、一定の年齢にあることを考えると、仮釈放を許すことは適当ではなく、生涯、刑務所で罪の償いをさせるべきだ」と、異例の付言をした。

 そして「被害者の恐怖や苦しみを想像すると戦慄を覚える。すべてを計画した上で凶器を用意し、何ら落ち度のない2人の命を奪った。あまりに身勝手で酌量の余地はない。遺族の処罰感情は峻烈。社会に与えた衝撃や不安も大きい。自己の責任を軽くしようとあいまいな供述をしており、真剣に反省しているか疑問だ。死刑の選択を避けるべき特別な事情はない」と厳しく批判した。


被告側は即日控訴した。

 2010年8月9日の控訴審初公判で、弁護側は一審に引き続き伊丸岡頼明受刑囚が主導したと主張。「一審判決は重大な事実誤認や量刑不当がある」として死刑適用の回避を求めた。検察側は控訴棄却を求めた。

 9月6日の第2回公判で、沖倉被告が「被害者の人生をめちゃくちゃにし、手を合わせる毎日です」と謝罪し、結審した。

 判決で金谷暁裁判長は「賭けマージャンによる多額の負債を返済しようとする利欲的な動機に基づく計画的犯行だ。冷酷、残虐で、何の落ち度もない2人の命を奪った結果は重大」と指摘。伊丸岡頼明受刑囚と比べ、沖倉被告は計画段階では主導的立場にあり、犯行時もほぼ同等の役割を果たしたとして、「共犯者に比べて負うべき刑事責任は極めて重く、死刑の選択はやむを得ない」と結論づけた。


 2013年11月26日の上告審弁論で沖倉被告の弁護側は、「ほぼ同等の役割を果たした伊丸岡頼明受刑囚と沖倉被告に、死刑と無期懲役を分けるほどの差は認められない」として死刑判決の破棄を主張。これに対し検察側は、「計画の立案など犯行を主導したのは沖倉被告で、2人の刑事責任には格段の差がある」と反論し、上告棄却を求めた。

 木内裁判長は判決で、「借金返済という動機に酌量の余地はなく、計画性は高い。殺害方法は極めて残忍だ。被告が2人を殺害して金を奪う計画を立案し、共犯者を誘い入れた首謀者。犯行によって共犯者の3倍以上の現金を得ており責任は格段に重い。何の落ち度もない被害者の生命を奪った結果は重大で、死刑はやむを得ない」と指摘した。

出典:???Y?m????i2013?N?j

	

沖倉和雄

あきる野市資産家姉弟強盗殺人事件【沖倉和雄】

沖倉和雄死刑囚が病死


2008年に東京・あきる野市で資産家の姉と弟が殺害された事件で、強盗殺人などの罪で死刑が確定していた沖倉和雄死刑囚(66)が2日、収容先の東京拘置所で病死した。

法務省は、沖倉死刑囚が2日午前1時前、収容先の東京拘置所で脳腫瘍のため死亡したと発表した。去年から肺がんの治療を受けていて、今年5月に脳腫瘍が見つかっていたという。

出典:Yahoo!ニュース

	

沖倉和雄死刑囚が病死

			

オススメ書籍

死刑囚200人 最後の言葉