<Floret>7月の花・朝顔アサガオ・ガーデニング・エジプト・クレオパトラ・ハトホル神殿
★セミ
<鳴いているのは雄。その声に雌が近づき交尾。卵は枯れ枝などに産み込まれ、1〜10ケ月で孵化し、木を降りて地中に潜ります。根から樹液を吸って成長し、脱皮を繰り返します。2〜17年後の夕方、また木に登り、朝方には成虫になります。>昆虫と植物との密接な関係の一例でもあるが、過酷な運命を辿るセミもいる。
土の中で何年も過ごした後のある日。
夕方を待ち、思い切ってやっと初めて空を見上げた。が・・・
木に登れなかったり、登れても羽化出来なかったり、成虫になっても鳴けなかったり、飛べなかったり、飛べても何かにぶつかったり・・・
それらは、土中で体力を使い切ってしまったセミたちが多いという。
空を見ずして土に還ったセミよりは長生きしたのだが・・・
特に冷夏の年は、セミの死骸を多く目にする。成虫であったり、羽化の途中のセミも。
そんな年は、雨の日や真夜中の声が一層悲しそうに聞こえる。
久しぶりに晴れた日、アブラゼミが私に体当たりして死んだ。
その瞬間、「天変地異を起こしているのは、お前たち人間だ!」そう聞こえた気がしてドキッとした。
<成虫になれたセミが生きられる寿命は約2週間>
★花暦「ラヴェンダー/ラベンダー」
「朝顔につるべとられてもらい水」は、井戸のつるべに絡まっている朝顔が愛おしくて取り除くことが出来ずに、隣の家に水をもらいに行った。
という加賀千代女の句などのように、古くから人々を魅了してきた夏を代表する花の一つです。
襖絵にもよく描かれ、江戸時代には朝顔園芸が盛んになり、品種改良によって変化に富んだ朝顔が数多く生まれました。
朝顔の原産地は不明ですが、ネパールなどに自生しているものと比べると、私たちが目にする朝顔は、花が随分大きくなっているようです。
先日、小学校のグラウンドの脇を通りかかったら、朝顔の鉢が沢山並んでいるのが見えた。
幼い頃の記憶が甦った。
母がリンゴ箱に種子を蒔き、父が支柱を立て紐を張る姿も思い出した。
川や野山で遊び疲れた夏休みの午後、井戸水で冷やしてくれたスイカが楽しみだった。
朝顔の長く伸びた影に皆集まって食べた。
梅雨明けになると太陽は10〜12万ルクスと強い光になり、人だけでなく、5万ルクス位でも十分育つ植物にとっても過酷です。
葉焼けを起こす前に鉢物は半日陰に移動したり、すだれ等での遮光が必要です。
1日に2〜4時間位しか日光が当たらない半日陰でもアゲラタムやナスタチウム、ヘメロカリス等が花をつけ、インパチェンスやムラサキツユクサ等は、日光が当たらなくても明るい所であれば育ちます。
春まき一年草は、十分に根を張らすために夏になる前に植付けます。
サルビア、ケイトウ、黄花コスモス等の秋に定植する花の種子蒔きは7月上旬までが適期です。
カシ類やヒバ類等の常緑樹の整枝・剪定も今月中です。
ハナショウブの株分け、アサガオ等のツル性植物の誘引も忘れずに。
そして、何といっても7月は水やりが重要な時期です。
日中は避けるのが基本で、乾燥が激しいものは朝と夕方に水をやります。
特に鉢物は注意しましょう。
★海を越えて
クレオパトラとヴィーナス「エジプト・デンデラ・ハトホル神殿」
1日目はピラミッド・2日目はスフィンクスを相手に2晩徹夜したカイロから夜行列車でルクソールへ。ナイル河の両側には緑地が続き、その外には砂漠が広がる。あとは青い空だけ。
ハトシェプト女王葬祭殿、ルクソール神殿、アメン大神殿、そして18歳でこの
世を去った少年王ツタンカーメンも眠る王家の谷など、時間を超越した空間を歩いた。
デンデラには、クレオパトラ7世が生きたプトレマイオス時代(B.C.304~31)に再建されたハトホル神殿がある。
ギリシャ人はヴィーナスと同一視したハトホル女神が刻まれた列柱、天体図などや南壁には、巨大なクレオパトラのレリーフ。
シーザーとの間に生まれたプトレマイオス16世カエサリオンと並んだ像は、今も太陽を浴びる唯一のクレオパトラだ。
ハトホル神殿の屋上に出てみた。周りの遺跡は砂と化しながらも、生命や時間を克服し永遠を求めたエジプト人の心が生きている。
しかも、肉体と精神が合体し再生しようとするパワーが、起伏を作っていくようでならなかった。
★海
地球の表面積の約71%が海。陸地の平均の高さが約900mに対して、海の深さの平均は約4000m。広大で深い海。
波は風で起こり、潮の満ち干は、月と太陽の引力で引き起こされることや海綿が動物であることは習った。
クジラが母乳で育つことや瞬時に体の色を変える魚のことも知っている。
しかし、海の調査の歴史は浅く、知らないことの方が多いという。
海と人類とのつきあいは、これから深まる。
水産資源、石油・塩・水素・真水・金属鉱物・・・、エネルギーとしての利用も増えていくだろう。
「遠い未来には、人間が海中で生活するようにもなるかもしれない。」
陸が海に飲み込まれるような地球の大変化が起こり、陸で生きられる可能性が少なくなってきた時、人類が絶滅しないとするならば、世代を重ねながらヒレを持ち、エラを持ち、人魚となり、海に戻るだろう。
(その前に違う星に移住しているかもしれないが。)
そんなことを想像しながら、伊豆の海で貝殻と共にゴミを拾い集めた。
♪海は広いな〜大きいな〜♪
<記憶>
人は記憶の中に、起こった出来事の背景として、その場の空気や人の言葉や音や、その時自分を取り巻いていたものを溶け込ませて、心に仕舞い込みます。そして、記憶の糸口となるようなものに出会った時、一つの感覚的要素がその瞬間を鮮明に心の中に呼び戻し、忘れていたはずのことを思い出すことがあります。