意味が分かると最高に怖い話
1.お見舞
大の仲良しだった友人Aが、病気で入院していたから見舞いに行った。「おい、大丈夫か?具合はどうだ?」
「…ん…ぐ…ぐ…」
Aは体中にチューブを繋がれていて、とても喋れる状況ではなさそうだった。
「可哀想に…。もし家族に伝えたいことがあればこの紙に書いてくれ。
俺がちゃんと持っていくから。」
「んぐううううう…!」
「どうしたんだA!どうしたんだよ!」
Aは何かを走り書きした後、急にぐったりして還らぬ人になってしまった。
俺は、Aの書いた家族宛てのメモを持って家族に渡した。内容は気になるけど見ないことにする。
それから通夜の日に、Aの家族に会った。
「どうやらこのメモはあんた宛だ。」
Aの息子が、恐ろしい形相で俺にメモを渡してきた。
「え…?」
『酸素チューブから足をどけろ』
解説
酸素チューブを踏んでいたために、Aが死んだ。
2.無表情な人
小学校の教師をしている俺は、授業で図工の宿題を出した。家族みんなの絵を描くというものだ。
生徒たちが持ってきたのは、
家族3人の顔が大きく描かれた絵や、家族4人で遊んでいる絵など
ほほえましいものばかり。
ただ、その中に1つ気になる絵があった。
食卓?だろうか。
テーブルを囲む4人の絵。
笑った顔の大人の男女二人と子供。
口を真っ直ぐに結び無表情で立つ1人の大人。
この子はたしか3人家族だったはず…。
そしてその次の日授業参観があった。
廊下に貼りだされた子供たちの絵を、保護者が見ている。
みんな照れ臭いやら嬉しいやらで、ワイワイしていた。
その中を切り裂くような悲鳴が突然聞こえた。
一人の女性が口元を押さえて青ざめている。
一枚の絵を指差していた。
1人の子供と3人の大人の絵。
解説
これを読んだ人は自然と3人目の大人の顔をみんな想像しているはず。
「無表情の男性」を。
男性なんてどこにも書いていないのに。
3.ハムスター
ある職人が客の家で仕事をしていた。カーペットを敷き終わり、一段落したので一服しようとしたところ、
ポケットに入れておいたはずのタバコが見つからない。
あたりを見渡すと、カーペットの一部が膨らんでいた。
「なんだよー…」
もう今更敷き直すのも、夜中だしさすがに面倒だったのでタバコを救出するのは諦めて
木槌でタバコの箱をカーペットの上から潰して平にしておいた。
これでばれないだろう。
作業の終わりを確認しに客が帰ってくると
「まぁ!なんて素敵な仕上がり!」と客は大喜びした。
すると、客は思い出したかのように
「ああ、そういえばこれキッチンに落ちてましたよ。」
とエプロンのポケットからタバコを出した。
「ところで、うちのハムスター見かけませんでした?」
解説
ということは、カーペットの膨らみは…。
4.夫婦喧嘩
日曜日の夜。とある夫婦が、激しい夫婦喧嘩をしていた。
夫が妻に叫ぶ。
「2~3日、俺の視界から消えてくれ!」
「ええ、あなたの言う通りにさせて頂くわ。」
月曜日、彼が妻を見ることはなかった。
火曜日、水曜日も彼が妻を見ることはなかった。
そして木曜日、彼は久しぶりに片目で少しだけ妻の姿を見た。
解説
妻は出て行ったのではなく、旦那を思い切り殴った。
旦那は目が腫れて妻の姿がしばらく見えなくなった。
5.結婚前夜
結婚式を明日に控えた晩、親父が久しぶりに一緒に風呂に入らないかと声をかけてきた。
一緒に入るなんて中学生ぶりかなぁ。
別に断る理由もないし、何年かぶりの裸の付き合いをした。
親父がこっちをまじまじと見ながら「すっかり大人になっちまったなぁ」なんて
しみじみした顔をする。風呂の湯気に包まれた親父の顔は高揚していた。
「明日の結婚式、母さんは来れるかな?」
母親は、高校入学位の時に病気になってしまい、そっからずっと入院している。
「ちょっと無理かもしれないなぁ」と親父。
「そっか…」
翌朝、式場に母から贈り物が届いた。
母がずっとしていたパールのピアスだった。
耳につけると、純白のドレスとよく似合っていて涙があふれた。
解説
語り手は女。
6.神からのメッセージ
「地球の皆様。私は神の下で働く者です。今皆様の頭の中に話しかけています。今回は神の提案で、皆様の願い事を1つだけ叶えたいと思います。
ただしすべてではありません。多数決で一番多かった願いを叶えます。
一週間以内に神に向かって願いを念じてください。」
世の中は大パニックになった。
ニュースなどでは、さまざまな予想がされ、大混乱となっていた。
1週間後、人間が地球から消えた。
解説
人間以外の生き物が願ったことだった。