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「日本の人はおとなしい。子どもと自分の命を大事にし、そのために闘わなければならない」・・・「子孫のためになることを」独の反原発作家 日本の政策に憤りも

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「日本の人はおとなしい。子どもと自分の命を大事にし、そのために闘わなければならない」・・・「子孫のためになることを」独の反原発作家 日本の政策に憤りも

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Update date:2016年03月20日
「日本の人はおとなしい。子どもと自分の命を大事にし、そのために闘わなければならない」・・・「子孫のためになることを」独の反原発作家 日本の政策に憤りも

福島での事故を受け、脱原発を決めたドイツ。一人の女性小説家が、それを後押ししたと言われる。今の日本をどう見るか、聞いた

 作家であるとともに、孫が6人いるおばあちゃんでもあるグードルン・パウゼヴァングさん(88)。

「福島では避難者の帰還を進めているが、本当に大丈夫なのか。日本の人はおとなしい。子どもと自分の命を大事にし、そのために闘わなければならない」

 パウゼヴァングさんが特に子どもを心配するのは、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故のことがあるからだ。30年経った現在も、体調不良に悩まされている現場周辺の子どもたち。ドイツではあちこちで子どもたちを保養に受け入れており、原発事故は遠い別世界のできごとではないのだ。

 パウゼヴァングさんを有名にしたのは、87年に出版された『みえない雲』だ。チェルノブイリ事故をきっかけに、「ドイツで実際に原発事故が起こったらどうなるか」を想像しながら、実在するドイツの原発を想定して書いた。88年にドイツ最高峰の児童文学賞を受賞。ドイツやベルギーなどでいまだ学校教材として使われ、2006年には映画化された。核戦争のその後を描いた『最後の子どもたち』(83年)とともに、日本語訳も出版されている。

『みえない雲』では、原発事故後、さまざまな情報が飛び交う中、主人公の14歳の少女はどうすべきか迷う。駅は逃げようとした人でパニックになり、少女は弟を失い、自身も被曝(ひばく)して差別される。その一方で、直接被害を受けなかった祖父は「ちょっと事故が起こったぐらいで大騒ぎしすぎる、ヒステリーだ」と話す。異なる状況や意見の人が出てきて、まさに社会の縮図を表している。

「現実の世の中はハッピーエンドばかりではない。子どもだからといって当たり障りのない話ばかりするのは、子どもを真剣にとらえていない証拠」

 パウゼヴァングさんは、『みえない雲』が「2022年までに脱原発するというドイツの決定に寄与したと思う」と自負する。

「長い間『原発事故は起こらない』と言われ、私たちはだまされてきた。過酷事故は1万年に一度しか起こらないと言われていたのに、もっと頻繁に起きている。これからも起こるだろう」と警告し、一方で「たとえ事故が起こらなくても、いずれ金や別の要因により原発は廃れる」と予測。日本が進める原発再稼働や原発の輸出についても「現状から学び、子孫のためになることをしようと言いたい」と憤りを隠さない。(ジャーナリスト・田口理穂)

※AERA  2016年3月21日号より抜粋

出典:「子孫のためになることを」独の反原発作家 日本の政策に憤りも 〈AERA〉|dot.ドット 朝日新聞出版

	
「子孫のためになることを」独の反原発作家 日本の政策に憤りも
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