<これって、ある種の市場独占じゃないの?・・・あなたは、どう思う?> 謎が解明? “お坊さん便”でわかった仏教界の「格差地獄 <独禁法は適応されないの?> 仏教会は猛反発 お布施定額「アマゾンお坊さん便」はアリ?
法要を営む際に、「アマゾン」で申し込むと僧侶を派遣してくれる「みんれび」のサービス「お坊さん便」(3万5000円~)。全日本仏教会が「アマゾン」に対しサービス停止を要求して騒ぎになっている
謎が解明? “お坊さん便”でわかった仏教界の「格差地獄」
こう説明するのは、「お坊さん便」に派遣僧侶として登録している近畿地方のある住職。しかし実際には、葬儀や法要布施の額を寺側が示して要求するケースも少なくない。戒名も、ランクに応じて布施の額が変わるとされる。
「お坊さん便に反発している僧侶の多くは、外車を乗り回しゴルフ三昧の、いわゆる“宗教貴族”。ごく一握りのエリートたちです。1回の法要で10万円、20万円という金額をふっかける彼らにしてみれば、お坊さん便の“3万5000円”のような安い金額を提示してくれるな、という感情もあるのです」(前出の住職)
出典:謎が解明? “お坊さん便”でわかった仏教界の「格差地獄」 地域差はあるが、田舎の寺院では、法要1回あたり1万~2万円程度が相場。都会から引っ越してきた新しい信徒にこれを伝えると、「そんなに安いんですか!」と驚かれるという。その一方で、高額のお布施で潤う特権階級がいるのだから驚きである。 地方ではお布施の相場が安い上に、人口減少で信徒も減って、どの寺も経営は苦しいという。 「後継者がいなくなった寺を引き受けて、5つの寺の住職を掛け持ちし、お堂の手入れや檀家回りに奔走している僧侶もいます。ところが、信徒の少ない寺ではいくら頑張っても収入にならない。過労死寸前なのに収入は生活保護世帯並みという僧侶もいます」(東北地方のある住職) そんな僧侶たちをさらに追い詰めているのが、宗派に納める上納金だ。 「檀家数や寺格などで金額が決まりますが、たとえばうちなら檀家が約40軒で上納金は年間50万円です。赤字の寺でも上納金は払わなければならず、宗派が貧乏な寺に金銭支援をすることは一切ありません。宗派に相談しても、宗教貴族がベンツで乗りつけて“う~ん、どうにもならないね”などと言って帰っていくだけです」(前出の近畿地方の住職) 格差というより、もはや搾取構造だ。 「お坊さん便は、貧乏なお寺の僧侶の収入になるだけではなく、お寺と縁がなかった方に、きちんと法要を営み、教えを伝える機会になります。私の場合、同じ方から法要の依頼が来るようにもなりました。これも仏法を伝える一つの形ではないでしょうか」(同) 地方の僧侶にとって「お坊さん便」は、まさに“地獄に仏”なのだ。 出典:謎が解明? “お坊さん便”でわかった仏教界の「格差地獄」 もともと、葬儀などを仲介するベンチャー企業「みんれび」が2013年から始めたもの。アマゾンに出品したことで爆発的ヒットになった。普段、寺と接点がない都市部で人気のほか、明朗会計の「お布施」がウケている。 これに対し、公益財団法人「全日本仏教会」が大きく反発。今月4日、「僧侶の宗教行為を定額の商品として販売することに大いなる疑問を感じる」との抗議文書をアマゾンに送りつけ、販売中止を求めている。要は、お布施の金額は決まっているものではなく、定額にすることは“宗教行為”でなくなるからやめてくれ、と言っているわけだ。 宗教行為をネットで販売するのは、やはりおかしいのか。これまでアマゾンサイドは沈黙を貫いているが、ネット上は賛否両論となっている。どちらの言い分が正しいのか。30代の現役僧侶はこう言う。 「今回の抗議は、仏教会の“世間知らず”を露呈したようなもの。『お布施は定額ではない』と訴えているようですが、都会には『うちでお葬式をしたら、お布施は20万円です』と堂々と金額を明示する僧侶も増えています。だったら、より安く誰にでも門戸が開かれていて、インターネットで調べることができ、申し込んだらすぐに来てくれるほうが現実的です。ただ、アマゾンのやり方にも問題がある。定額の3万5000円ですら、高いという人は多いですから。本当に困った貧困層の方に対しては、『いくらでもお受けします』というのが本来の“お布施の精神”なんです」 仏教会がまずすべきことは、多くの人に受け入れられるシステムをつくることだろう。 出典:仏教会は猛反発 お布施定額「アマゾンお坊さん便」はアリ? 日刊ゲンダイDIGITAL 仏教会は猛反発 お布施定額「アマゾンお坊さん便」はアリ?