
410 キャンプ 1 2009/05/04(月) 13:58:15 ID:nQiIKIZt0 去年体験した話なんだが文章があまりうまくないので、見たい人だけ見てくれ。 夏休みちょっと前くらいの事、俺と友人のA、Bが、夏休み中にN県の山奥へキャンプへ行こうと計画を話していると、 それを聞いていた留学生2人が、「一緒に連れて行って欲しい」と声をかけてきた。 その2人は俺達とゼミが一緒だったのだが、特に親しく会話した事も無く、仲が良くも悪くもなかったため、 なぜ?と皆疑問に思ったが、まあ断る理由も無いためOKする事にした。 当日、今までその留学生2人(C、D)と殆ど話をした事が無かったため、この機会にと話してみると、 2人とも少しナルシストっぽいところと、自己中なところはあったが、まあ普通なやつだった。 (少なくとも、その時の俺はそう感じた) 他愛も無い話を続けてながら電車にゆられ、途中からバスに乗り換えキャンプ場に着いたのだが、 時期が時期であったため、家族連れやら俺達と同じような学生やらで、キャンプ場がごった返している。 A「ここでキャンプするのか?なんか“ゆったり”とか“のんびり”とか、全くできなさそうだぞ?」 俺「そうだな。なんかトイレや流し場なんか、順番待ちの行列になりそうだな…」 すると、会話に加わらず地図とにらめっこしていたBが、こんな事を言い出した。 B「この先2km奥に、砂防ダムがあるっぽいんだが、そこが結構開けていて、キャンプできそうだぞ。 そっち行かね?」 留学生2人も、ここまで来てこんな混雑は嫌らしく、俺とAも同意見なので、迷わずBの意見に賛成した。 幸いキャンプ道具やBBQ用の道具は持参しているので、何も無い場所でも問題なくキャンプは出来る。 むしろ、人工的に作られたキャンプ場より、そっちのほうが良いんじゃないかとも思えてくる。 俺達は荷物をもって山道を進んでいったのだが、山道と言うものを少し甘く見ていた。 当初の目的地のキャンプ場に着いたのは昼頃だったのだが、砂防ダムに着く頃には午後3時を過ぎていて、 疲れていたが、早々にテントの設置と、晩飯の準備を始めないといけなかった。 俺とAは、テントの設置と晩飯用のかまどなどの準備。 BとC、Dは、薪拾いにと、2手に分かれて作業をする事に。 俺とAは、黙々と作業をし始めた。 BとC、Dは、何往復か薪をもってやってきて、次で最後かな?と考えていたが、いくら待っても3人が戻ってこない。 時間は手際が悪かったのと遊びながらだったため、予想以上にかかってしまい、もう6時を過ぎている。 そろそろ暗くなるし、早く戻ってきてくれないかな… などと考えていると、林の中から口論のような声が聞こえてくる。 暫らく俺とAがそれに耳を傾けていると、BとC、Dが口げんかをしながら帰ってきた。 何かCと留学生2人の間に、険悪な雰囲気が漂っている。 俺とAは、こんなところまで来て喧嘩をしたくないため、まあまあと3人を宥め、ひとまず平和に晩飯を済ませ、 いまだぶちぶち文句を言っているC、Dをテントに押し込めると、 俺とAはBに別のテントの中で事情を聞いてみた。 ~以下はBの語った話~ 3回目の薪拾いをしていると、留学生の片割れのDが、川の上流の岩場の先に洞窟をみつけたらしい。 3人がその洞窟の中に入っていくと、(洞窟というより、人口的な洞穴っぽかったらしいが) 10mほど奥に、ボロい小さな祠があったらしい。 Bは何かその祠から嫌な感じがしたため、早急に立ち去りたかったらしいが、 留学生2人は大興奮していて、Bの制止を一切聞かずに祠の扉を開けてしまった。 B「おい、やめろよ、こういう場所は意味があるんだ、余計な事するなよ」 C「別にいいだろ、誰も見て無いし」 D「ビビってるのか?」 CとDは、完全にBをバカにしていたらしい。 そして、扉を開けたCが何かを見つけた。 それは半透明の茶褐色で、一見すると琥珀っぽい石のようなものだった。 Bはその石を見たときに、何か言い知れない不安感を感じたらしく、 とにかくその石を置いて、洞穴から出て行かないといけないと感じたらしい。 そして口論となった。 B「それはこの祠の物だろ?さっさと元に戻してもどろう」 D「俺達が見つけたんだから俺達のものだろ」 C「こんなところに無用心にあるんだから、捨ててあるのと同じだろ。俺達が貰っても問題ないはずだ」 B「誰のものとかそうじゃなくて、それはそこに安置してあるものなんだから、勝手に持ち出しちゃだめだろ!」 C、D「誰がそんな事決めたんだよ!」 B「祠があるってことは、誰かがここを管理してるって事だろ!人のものじゃないか。さっさと戻せよ!」 C、D「大事な物なら鍵くらいするだろ。無いなら捨ててあるのと同じだ!だから俺達の物だ!!!!!」 Bが何を言ってもC、Dは言う事を聞かず、最後には顔を真っ赤にして激怒し始め、 そのまま口論をしながらもどって来て、今に至るらしい。 俺とAがC、Dの非常識さに呆れていると、Bはこう言い出した。 「実はさ、あの祠の扉。何かお札みたいなのが貼ってあったんだ… Cはそのお札を破いて扉を開けていた。あれは絶対何かヤバイものだって…」 Bが真顔でそう話すのを聞いてしまったためか、 俺は何か不気味な視線がこちらを覗いているような気がしてきて、急に寒気がしてきた。 Aも同じように感じたらしく、押し黙っている。 すると、外でCとDが騒ぐ声がする。 どうやら2人は、俺達はほっといて外で酒盛りを始めたらしい。 俺達3人はそこに加わる気にもなれず、 留学生2人に「もう寝るから少しはなれたところでやってくれ」と伝えると、テントに入って寝る事にした。 その時、CとDどちらか知らないが、 ボソっとそいつらの国の言葉で、俺達をバカにするよな言葉を吐いたのを良く覚えている。 発音のニュアンスと表情でそれがわかった。 真夜中、俺は何かの物音で目を覚ました。 テント近くの広場を、誰かが歩く音がする。 始めは、誰かションベンでも行ってるのか?と思ったが、何か様子がおかしい。 足音は2つのテントを中心に、広場をぐるぐる回っているようで、 止まる気配が無いうえに、それどころかどうも、段々と足音の人数が増えている。 CとDが何かしているのかとも思ったが、足音から察するに、人数は少なくとも5~6人はいる。 それと何か良く解らないが、妙な違和感も感じた。 俺はただ事では無いと思い、横で寝ているAとBを起こす事にした。 AとBははじめ寝ぼけていたが、外の様子がおかしい事に気付くと目がさえたらしく、聞き耳を立て始めた。 暫らく聞き耳を立てていると、 B「何かおかしくないか?」 俺「どう考えても今の状況はおかしいだろ」 B「いや、そうじゃなくて…」 A「じゃあなんだよ…」 そこで俺は、違和感の正体に気が付いた。 俺達がテントを張っている場所は、開けているとはいえそこまで広くはない。広さは畳15畳ほどだろうか。 その周囲を大回りに歩けば、 普通は草のすれる音や、すぐ横にある川に入って、水しぶきをあげる音がしないといけない。 でもそんな音は全くしない。ただ地面を歩く音しか聞こえない。 Aもそれに気付いたらしく、暫らく3人とも沈黙していた。 俺「…やっぱ原因は、Bの言ってた石のせいだよな?」 A「…だよな」 俺達は外に出て何が起きているのかを確認する勇気もなく、そのまま寝る事も出来ずじっとしていた。 するとどれくらいの時間が経ったか解らないが、足音がしなくなった。 暫らくの沈黙後、俺が外に出て確認しようかと2人に話している時に、 「くぁwせfrtgひゅじこlp;@:」 と、隣のテントから、留学生2人の物凄い悲鳴が聞こえてきた。 何と表現したら良いのか、言葉で表現できない悲鳴だった。 俺達が声に驚いてビクッとなっていると、悲鳴に続いて隣のテントで何かが揉みあうような音と、 2人が何か懇願するような声を挙げている。 俺達は流石にまずいと思い、3人で目配せすると、勇気を振り絞って懐中電灯を片手にテントの外に出た。 外の様子をみたとき、そこで絶句して固まってしまった。 隣のテントから2人は引きずり出されおり、2人は地面に頭を抱えてうずくまり、彼らの国言葉でなにか叫んでいる。 異様なのはその周囲で、2人の周囲には、ボロボロの服を着た青白い顔の人々が十数人群がり、 無言で留学生2人の体に、何か黒っぽいものをを塗りたくっている。 そのボロボロの服を着た人たちは、暫くその行為をし続けていたが、 不意にそれを止めると、一斉にこちらを振り向いた。 その後の記憶は俺達にはない。 気が付いたら朝になっていて、俺とAとBは、自分達のテントに寄りかかるような形で気を失っていた。 気を失う前、CとDに群がる人たちの顔を見たはずなのだが、 俺達3人には、どんな顔をしていたのか全く思い出せなかった。 留学生2人は生きていたが、その姿は異様だった。 体全体に黒い液体を塗りたくられたらしく真っ黒で、塗りたくられていた黒い物は既に乾いていたが、 生臭い臭いがしており、とても近付けないほど臭い。 とにかく2人には川で体を洗うように言うと、がたがた震えて泣きながら体と服を洗っていた。 俺達はテントをその間に片付け、2人に「石はどうなったか?」と聞いた。 するとCが自分のリュックを指差したため、中を見てみると、タオルに包まれた石が入っていた。 とにかくこれを返しに行き、謝罪しようとBが言った。 しかし、彼らの反応は酷かった。 D「行くならお前達で行けよ」 C「お前達がここに連れてこなければ、こんな事にはならなかった。お前達のせいだ!」 A「ふざけんな!お前らがBの言う事聞かずに、石をもってきたからこんな事になったんだろ!」 俺「そうだ。お前らが原因なんだから、石を返して謝罪するのは当たり前だろ」 CとDはなおも食い下がり、頑なに石を返しに行くのを拒否し、 顔を真っ赤にして激怒しながら、俺達に殴りかからんばかりに「お前達のせいだ」と叫び続けた。 すると、それを黙ってみていたBが、 「もういいよ。ならCとDは勝手にしろよ。俺達で返しに行くから」 呆れたように言うと、一人で石をもって川の上流へ向かったため、 俺とAは仕方なく口論をやめて、Bについていく事にした。 CとDはその間に、自分達の荷物をまとめて帰ったらしい。 Bについてくと洞穴があった。 確かにBの言っていたように、何か雰囲気がおかしい。 ここだけ空気が違うというか、言葉ではうまく言い表せないが、とにかく妙な気配のする洞穴だった。 俺達は昨晩のこともあったため怖かったが、このままにしておけないため、洞穴の奥に進み石を祠に戻した。 祠の近くに破れたお札が落ちていたので、 それで効果があるのかは分からなかったが、やらないよりはマシだろうと、 もってきていたガムテープで、お札を可能な限り原型にもどるように張り合わせて、元あった祠の扉に貼り付け、 3人で手を合わせて謝罪して、帰路についた。 後日談。 俺達には、直接的には何も無い。 夏休みが終わり、9月になって大学へ行くと、留学生2人がBに「お前のせいだ!」と殴りかかってきた事と、 その他諸々間接的に色々と事件が起きたが、それはまたの機会に書きます。 結論を書くと、留学生2人は最終的に学校を自主退学し帰国した。 その後、2人がどうなったのかは知らない。 一つだけ言えることは、「あれだけでは済まなかった」という事。 そして結局、祠とその中の石が何だったのかは分からなかった。 ちなみに、『直接的には何も無かった』『間接的に色々あった』というのは、 実害がなかっただけで、俺とA、Bにも、その後怪奇現象?というか何と言うか、恐ろしい体験はしました。 留学生2人に関しては、又聞きで色々聞いているのだけど、それも長いのでまた後日にします。 キャンプからもどってから数週間、その間は特に何も無く、 課題をこなしたりレポートをしたり、バイトをしたり遊びまわったりと、平和な日々が続いていた。 事件から1ヶ月くらいたった夏休みの終わり頃、 (ややこしくなるので最初に説明しておくと、俺は学生専用のアパートに住んでいて、AとBも同じアパートの住人) 昼過ぎにBとAが俺の部屋を訪れ、ゲームをしたり漫画を読んだりとゴロゴロしていると、 下の階の住人(以下“住”)が俺の部屋へやってきた。 ドアを開けると、 住「何やってるのか知らないけど、五月蝿いんだけど」 俺「そんなに大音量でやってるつもりなかったけど、ゲームの音五月蝿かった?それとも声が五月蝿かった?」 住「いや、そうじゃなくて。さっきからお前ら、部屋の中を大人数でバタバタ歩き回って、何してるんだよ」 俺「別にバタバタ歩き回ったりしてないんだが…ずっとゲームやってたし… まあ気になったならすまん。静かにする」 それで下の階の住人は帰ったんだが、何か変だな?とは思いながら、 AとBには、「下から苦情が来たのでちょっと静かにしよう」と言っておいた。 30分くらいすると、また部屋のチャイムが鳴った。 出るとまた下の階の住人で、今度はかなり怒っている。 住「お前らいい加減にしろよ。バタバタ歩き回ったり、ブツブツなんか聞こえてきてウザイんだけど。 こっちはレポート纏めてる最中なのに、集中できないんだけど」 窓締め切ってかなり静かにしていたのに、こういわれて何か釈然としないが、まあもめるのも嫌なのでこう返した。 俺「そりゃ悪かった。注意してたつもりなんだけど、まあいいや。 俺達これから出かける事にするわ。それなら問題ないだろ?」 そもそもこのアパートは結構新しく、そんなに音が響くわけ無いし、 最初に注意されたとき以来、かなり静かにしていたのに、理不尽だなと思いながら、 AとBに事情を話して、でかけようと切り出した。 今から考えると、今まで結構騒いでもどこからも苦情がなかったので、 この時に変だと気付くべきだったかもしれない。 時間は午後2時頃。 とりあえずゲーセンとかに行って、暇つぶしでもしようということになり、俺達はアパートを出た。 それからゲーセン行ったり買い物したりと時間をつぶし、ファミレスで晩飯を食っていると、 今度はアパートの管理会社から、携帯に電話があった。 不「○○を管理している○○不動産の者ですが、○○○号室の○○(俺)さんでしょうか?」 俺「そうですけど、何ですか?」 不「実はそちらの部屋が五月蝿いと苦情がありまして、お伺いしたのですが、ご不在のようなのでお電話しました」 俺「ああ苦情来たので、昼過ぎから出かけていました。以後注意します」 またかよ…と思い、俺がうんざりしながら答えると、不動産屋が変な事を言い出した。 不「昼過ぎというと、何時頃からですか?」 俺「確か2時か2時半頃だったと思うんですが」 不「それは間違いないですか?注意して欲しいと苦情の電話があったのは、6時過ぎ頃なのですが…」 今の時間は午後8時過ぎ。あれから一度も帰っていないので、どうもおかしい。 AとBに事情を話し、不動産屋には今から帰るので、部屋の前で待ち合わせする事になった。 アパートに着くと不動産屋(30歳くらいの女の人)が待っていて、 苦情の電話をしてきたのがやはり下の階の住人だったので、まずそこへ行く事となった。 出てきた下の階の住人はやはりかなり不機嫌で、話によると、 あれから暫らくは静かだったが、5時過ぎ頃からまた五月蝿くなり、 注意しても誰も出てこないので、管理会社に電話をしたらしい。 俺があの時に出かけたまま帰っていないことを話すと、最初は疑っていたが、 買い物をしたときと、ファミレスで飯を食ったときのレシートの時刻を見せると、流石に納得した。 不「あの…もしかして空き巣では?」 住「さっきまで五月蝿かったから、まだいるかも」 A「マジかよ…○○(俺)、お前鍵ちゃんとかけたか?」 俺「ちゃんと掛けたけど、お前も見てただろ。つーか、俺の部屋入って何盗むんだよw」 B「とりあえず部屋に行ってみて、確認すればはっきりするんじゃね?」 ということで、俺とAとB、それと不動産屋と下の階の住人で、俺の部屋へ行ってみる事となった。 俺の部屋に着くと、予想通り鍵は掛かっていた。 空き巣が鍵をした可能性もなくはないので、俺が鍵を開けて中の様子を見たが、 玄関から見た範囲におかしなところはない。 全員で俺の部屋に入り、部屋の中やユニットバスの中なども調べたが、矢張りなにもない。 出て行く前に飲んだジュースのペットボトルとかもそのままで、人が入ったような痕跡はまるで無い。 下の階の住人は何か釈然としない顔をしていたが、人がいた痕跡は全く無いのが現実で、 どこか他の部屋の音を、俺の部屋の音と勘違いしたのでは?などと話していると、 玄関横のユニットバスの部屋から、 …ズズズズズ… …ガコッ…ガコッ… と、変な音が微かに聞こえてきた。 俺「何?風呂場からだよな?」 B「さっき見たときは何も無かったけど…」 不「何か臭くないですか?」 とりあえず中を確認しようと、扉を空けた瞬間、異様に生臭いというか、腐臭に近い臭いがしてきた。 鼻を押さえて中を覗き込むと、バスタブの排水溝から、黒い液体がゴポゴポと湧き上がっている。 臭いの元はそれらしく、排水溝の奥からガコッ…ガコッ…と、変な音は相変わらず聞こえてくる。 あまりの臭さに、顔をしかめながら窓を全開にして換気扇を回していると、俺はある事に気が付いた。 この臭いって、キャンプのときにCとDに塗られた、黒い液体と同じじゃないか? 俺「A、Bちょっと…この臭いって…」 A「ああ、お前もそう思ったか」 B「…偶然だよな…」 そんな話を俺達がこそこそと話ていると、ハンカチで鼻と口を押さえながら不動産屋が、 「騒音の原因はこれかもしれませんね。 明日業者に来てもらうので、○○(俺)さんはこちらでホテルを用意します。そちらで一泊してもらえませんか。 これではここにいるのは無理でしょうし」 本来ならこの提案は受けるべきなんだが、 俺は臭さと同時にあの時の恐怖が蘇っていたため、とてもこれから一晩一人で過ごす勇気は無い。 不動産屋には、「今日はAかBの部屋に泊まるのでそれは良い」と言い、 そそくさと全員を部屋から出し鍵を閉めた。 とてもじゃないが、あの部屋にこのままい続けるのは、臭いもあるがそれ以上に、 『やつら』がきそうで恐ろしかったから。 下の階の住人は、配水管が詰まったか何かして、変な音がしていたのだろうと納得し、 俺に「誤解をしてすまない」と軽く謝罪をすると帰って行き、 不動産屋も、明日の予定を軽く説明すると帰って行った。 残された俺達は、恐らく真っ青な顔をしていたと思う。 俺「ただの配水管の詰まりかなにかだよな?あれは関係ないよな?」 A「俺達関係ないだろ…石持ち帰ろうとしたのはCとDだし」 B「…偶然だろ。ありえねーよ」 とにかく3人とも「偶然だ」ということで済ませたかったが、 臭いが正にそのままなうえに、変な音というのも気になる。 皆一人で夜を明かすのは恐ろしかったのか、今晩はBの部屋に3人で泊まる事にした。 それからBの部屋で、朝まで起きているつもりだったのだが、 何か妙に3人とも眠気があったため、1時過ぎ頃寝る事にした。 深夜3時頃、俺はBに起された。Aも起されたらしい。 何で起したのか聞いてみると、Bが言うには、 窓の外から大勢の話し声が聞こえてきていて、それが徐々に近付いてきているらしい。 聞き耳を立ててみると、確かに何か聞こえる。 A「神経質になりすぎじゃないか?誰か外で話してるだけだろ」 B「いや…でも」 俺「何だよ」 B「ここ3階だぞ。何で下じゃなくて、横から声が聞こえるんだよ」 たしかに言われて見ればそうだ。 気のせいなのかもしれないが、何か気味が悪い。 ひとまずもう寝ていられないので、 電気をつけてゲームの続きでもしようと、Aが電気をつけるため天井のほうを見た。 Aがそのまま絶句して硬直している。 何事かと俺とBが、Aの見ているほうを見てみると… 何十人という青白い顔が、俺達のほうを無表情に凝視していた。 体は無い。顔だけが天井に何十と張り付いている。 「うああああああああああ」 俺達はもう恐怖心で恐慌状態になり、着の身着のままBの部屋を逃げ出した。 俺とA、Bは、もう部屋に戻る気になれなかった。 明るくなったらすぐ、神社かお寺で御払いをしてもらう事にして、 そのまま恐怖心を紛らわすため、 カラオケボックスで日が高くなるまで、無理にハイテンションになって歌い続けた。 午前10時頃、俺達は携帯で、2駅先に神社がある事を調べ、そこで御払いをしてもらうため電車に乗った。 俺は電車の中である事に気が付いた。 俺達を見ていた顔、普通の人の顔ではなかった。 青白いとか死人っぽいとか、そういうのではない。 おかしかったのは、そいつらの目。 普通の人の目は大雑把に書くと、 <◎> <◎> だよな。 俺達が見た顔の目は、 <◎>が縦になっていた。 上手く伝わるだろうか? 目が横に水平では無く、縦に平行になっていた。 /ヽ /ヽ ◎ ◎ 、ノ 、ノ こんな感じ。 要するに人じゃない。 後から聞いてみると、AとBもそれに気付いていた。 神社に着き、神主の人に事情を話すと、かなり胡散臭そうな顔をしていたが、 俺達があまりにも必死な顔で話すので、一応最後まで真剣に聞いてくれて、お払いもちゃんとやってくれた。 神主の人が言うには、その祠に二度と近付かないなら、多分大丈夫だろうとのこと。 お払い後は、俺達に妙な事は起きていない。 もう一つ、キャンプのとき一斉に振り向いた顔。 それも同じ目をしていた事を、なぜかお払い中に不意に思い出した。 以上が俺達の体験。 留学生のCとDに関しては又聞きが大部分だが、色々あったようで、それは最初に書いたように後日。 書き忘れていました。 翌日不動産屋から電話があったのだが、業者に見てもらったところ、配管には何の問題もなかったらしい。 一応何かが逆流してきたのは事実なので、他の部屋や地下の配管も調べたが結局何もなく、 暫らく様子を見るという事になったとか。 その後、配水菅の逆流とかは起きていない。 お払いが効果あったのだと思いたい。 ちなみに、掃除業者が入って、俺の部屋のユニットバスを綺麗に掃除してくれたのだが。 暫らく臭いが取れず、臭いが消えるまで俺は、不動産屋の用意してくれたホテルで10日ほど暮らす事になった。 何か少し得した気分だった。 キャンプから帰った後、CとDに何が起きたのか、2人と交流のあった人たちの話を繋ぎ合わせて書きます。 ほぼ全部が伝聞なため、どこまで正確かは分からない。 あと伝聞ばかりなため、オカルトあまり関係ないかも。 ※話の展開上、伝聞が多いため、口語調の部分は殆どありません。少し違和感あるかも。 夏休みが終わり大学へ行くと、C、Dとそこそこ交流のあった友人が俺達に話しかけてきて、変なことを言ってきた。 CとDがキャンプについて友人に話したらしいが、長いので要約すると… 俺とA、Bと一緒にキャンプへ行った。(そこまでは合っている) 問題はそこからで、キャンプ地で洞窟を見つけたのだが、 CとDは、面白そうなので見てみたいと、行ってみようとしたという。 一緒にいたBは暗がりが怖いのか怯えていたが、独りになるのも嫌なようで付いて来た。 洞窟の奥には小さな建物があり(祠の事だろう)、それだけだったので引き返そうとすると、 Bが建物の扉を開けて、中の石を持ち出そうとしていた。 CとDがそれに気付き、注意したが聞き入れられず、そこで喧嘩になった。 そこまで聞いて、俺は事実と違うと話したが、 友人は何か思わせぶりに、「まあ分かってるから最後まで聞いてくれ」と先を続けた。 その夜、石のせいで俺とAとBが幽霊に襲われ、ガタガタ震えながら泣いて謝っているのをみかけたので、 CとDは勇気を振り絞って飛び出し、「石は返すから」と幽霊を説得し、追い払ってあげたらしい。 翌朝にCとDが、昨夜の事は石のせいなのだから、返しに行こうと俺とAとBを誘ったが、 恐ろしくて行けないということで、変わりにCとDが返しに行って、そのまま帰った。 俺はあまりのバカバカしさに、怒りすら湧いてこなかった。 何であの晩の事が、CとDの武勇伝みたいになってるのかと… 俺は友人に、話しの内容が大きく改変されている事、 大筋で俺とA、Bの位置が、C、Dと入れ替わっており、しかも所々に妙な脚色まである事や、 俺達が2人の巻き添えで、夏休み中酷い目にあった事を伝えると、 友人は「だろうなw」と、全て分かっていたかのように笑いかけてきた。 ちなみにその友人は、自分も妙な現象を見るまで、幽霊の話はネタだろうと思っていたとか。 友人が言うには、キャンプからもどって数日後。 CとDの姿を見かけると、後ろに黒いモヤのようなものが見えたり、 C、Dといっしょにいると、ブツブツと囁き声のようなものを聞いたりと、怪現象が続いたので、 恐らく原因を作ったのはCとDだろうと、直感的に感じていたらしい。 更にこの直感に追い討ちをかけたのが、 話を聞いてから2週間後くらいから、CとDはCの部屋に篭るようになり、 (親が金持ちらしく、そこそこ立派なマンションに住んでいた) 金を降ろすのと飯を買いに一階のコンビニへ出かける時以外、殆ど外に出歩かなくなってしまった。 そのため友人は、「やはり原因を作ったのはこの2人だったか」と、妙に納得したとか。 友人はこれ以上は詳しく知らないらしく、その後2人と会っていない。 というか、電話をしても外に出ようとせず、友人に会おうともしないうえに、 篭っている事情も一切話さないため、今どうしているのかは知らないという。 この話を聞いたあと、夕方近くにBから携帯に電話があった。 Bが言うには、CとDがキャンプでの話を改変して、あちこちに言いまわっていたため、 Bや俺達は霊現象を別にしても、ヘタレのレッテルを貼られてしまっていて、誤解を解かないとまずいようだ。 Aにも連絡を取り、なんとか誤解を解く方法は無いかと話し合ったが、結局良い案は浮かばず、 1人1人誤解を解くしか無いという結論になった。 この後、実はある出来事を切欠に、誤解はある程度解けたのだが、それは省きます。 大雑把に書くと、CとDがゼミの教授に泣き付いて来たのだが、 その時話した内容が、それまでの『武勇伝(笑)』と違っていたため、それを切欠に2人の嘘はばれた。 この一件があるまで俺とA、Bは、CとDも俺達がお払いした神社へ連れて行くつもりだった。 しかし、酷いようだが、あれだけ怖い思いをした挙句に、こんなデマを流されたので最早その気は無く、 俺はA、B2人と話し合って、留学生2人を放置する事にした。 大学が始まってから2週間後、ようやくCとDが大学に現れた。 俺達はもう2人に関わる気が無かったので、2人を無視していたんだが、 AとBが学食で飯を食っていると、CとDが現れて因縁をつけてきたらしい。 俺はその時、別の友達と大学の外で飯を食っていたので難を逃れた。 以下2人の話。 AとBが他の友達数人と飯を食っていると、 CとDが同じ留学生仲間何人かと、2人と仲の良い日本人何人かを連れて、2人のところにやって来た。 そして、「お前らのせいで酷い目にあっている」と、大声で喚き散らしてきたらしい。 留学生2人の話を要約すると。 あれから毎晩のように無言電話がかかってきたり、水道の蛇口から例の臭い液体が流れ出したり、 夜中に窓を外からバンバンと激しく叩く音が聞こえてきたり、 駅のホームで電車を待っていると、後ろから突き飛ばされてホームに落ちそうになったり、 青白い顔の例の連中に後を付回されたりと、 かなり色々起きているらしい。 しかも、最近はその頻度が多くなってきていて、あまり外に出る気も起きないとか。 ひとしきり話すと、CがBの胸倉を掴み、「お前のせいだ、お前が原因だ!」と殴りかかってきた。 それを見ていたAや友人達が、Cを取り押さえた。 すると、暫らく喚いていたCと、A達を引き剥がそうとしていたDは、窓の外を凝視して動かなくなり、 暫らくすると、「あああああああああああああああ!」と絶叫しながら逃げていった。 CとDは何かを見たらしいのだが、AやBとその友人たち、それとCとDの仲間には何も見えなかったらしく、 暫らくCとDが逃げていった先を呆然と見ていた。 CとDの仲間は、2人が逃げていってしまったためどうすることもできず、そのまま帰って行った。 俺はAとBからその話を聞いて、夏休み中のこともあって怖かったが、まあ自業自得だろうとしか思わなかった。 ちなみに、Cを引き剥がそうとしていたAによると、 微かにではあるがCから、例の生臭いというか腐臭というか、『あの臭い』がしていたらしく、 多分またどこかで塗りたくられたのではないか、とも言っていた。 CとDはゼミが同じなので、その後も何度か顔はあわせたが、 お互い会話する事もなく、学食での一件のように因縁をつけられる事もなかったが、 2人は会うたびに俺達を睨みつけていた。 そんな事が暫らく続いたある日、事件が起きた。 どうも2人が失踪してしまい、5日ほど全く連絡が付かないらしい。 それから更に3日後、2人は民家の庭で泥だらけで震えているところを、警察に保護されたとか。 (泥だらけと聞いたが、俺達は恐らくまたあの液体を塗られたのだろうと思った) ちなみに、失踪前にある出来事があったため、俺達は何か大きな事件が起きる事が想像できていた。 それは何かというと、2人が失踪する前日、俺達が大学の帰り道でCとDを見かけたのだが、 2人の後ろを、十人ほどの集団が付いて行っているように見えた。 何となくその後姿を見ていると、その集団のうち1人がこちらを振り向いた。 その時俺とA、Bは硬直した。 格好は普通のサラリーマン風だったのだが、そいつの顔についている目は、 俺達が夏休み中に見た『あの目』だった。 一瞬だったが間違いない。外が明るかったのではっきりと見てしまい、非常に気持ち悪かった。 CとDが何故数日間失踪したのか、その間何をしていたのか、その辺りは分からない。 その事件のあと2人は暫らく入院していたが、親が2人を連れて帰国し、そのまま大学を自首退学したらしい。 彼ら2人の身に何が起きているのか、今後何が起きるのか、それは考えたくも無い。 どちらにしろ、ろくな事になはらないだろう。 最後に私見だが、一連の事件では必ず、生臭いというか腐臭のする黒い液体が関わっている。 もしかするとあの液体が、『気持ち悪い目の集団』が標的を追跡する目標になっているのではないか?と思った。 かなり長い話になってしまいましたが、これで俺の体験は全て終わりです。 お払い以降、俺達には何も起きていないため、もう大丈夫だと思います。 長々とお付き合い有難うございました。

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