子供の転落事故にみる高所「平気」症
たびたび起こる子供の転落事故
大阪・女児死亡:43階高層マンションから 誤って転落か - 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160411/k00/00e/040/074000c
10日午後2時50分ごろ、大阪市阿倍野区松崎町2のマンション(43階建て)の敷地内で、植え込みに倒れている女児を住人が発見し、119番した。女児は搬送先の病院で死亡が確認された。大阪府警阿倍野署は自室から誤って転落した可能性があるとみて調べている。
親を探そうとして…東京消防庁によると、同庁管内で発生した乳幼児の高所からの転落事故は、平成23~25年の間に65件発生。そのうち、52人が重症以上と診断されている。今年7月にも、東京都渋谷区のマンション1階にあるコンビニへ母親が出かけている途中、そのマンションの12階で留守番をしていた女児(4)=当時=がベランダから転落死する事故が発生。他にも、26年5月には、葛飾区のマンション10階のベランダから、4歳の男児が転落して死亡。このケースでも、母親は兄弟に忘れ物を届けるために1階に外出しており、部屋には男児と妹だけが残っていた。
このように、ベランダからの転落事故の多くは「子供だけが室内に残っているとき」に発生していると考えられ、専門家も「子供は、親がいなくなった不安に耐えられず、何とかして親を探そうとする。外に親がいると分かれば、ベランダからのぞきたくなってしまう」と警告する。
出典:【暮らしの注意報】高所“平気”症の子供たちが急増中? 高層マンション暮らしで怖さ薄れ…転落事故も続々と(1/4ページ) - 産経ニュース
高所平気症?高所恐怖性は聞いたことあるけど・・・
読んで字の如く、高い所での恐怖感が少ない症状。格別高所恐怖症でなくとも、転落する危険のある場所や自分の身長より遥かに高い場所では不安や緊張を感じるのが通常の心理であるが、そのような感覚が欠けている状態を高所平気症とよぶ。幼少時代に高層マンションで育った子供は、高所に対する恐怖感が欠如してしまうことがある。
【暮らしの注意報】高所“平気”症の子供たちが急増中? 高層マンション暮らしで怖さ薄れ…転落事故も続々と(2/4ページ) - 産経ニュース
http://www.sankei.com/affairs/news/151019/afr1510190001-n2.html
織田教授によると、昭和60年代ごろから、高層マンションで子育てをする家族が増加。子供が高い場所が危険かどうかを判断する感覚は、4歳ごろまでに大人の約8割ほどのレ…
ベランダにできるだけ物を置かない!
八藤後教授らが都内の幼稚園児約90人を対象に行った調査によると、4~6歳の子供でも、高さ70センチほどの台には簡単に足をかけて上ることができたという。現在、建築基準法ではベランダの手すりの高さを110センチ以上にすることが定められているが、もし高さ約70センチの物の上に子供が登った場合、体の大半が柵より上に出てしまうことになる。また、ベランダにプランターなど20~30センチの“踏み台”になり得る物があれば、子供はそれを足がかりとし、ベランダの柵の上に身を乗り出すこともできる。八藤後教授は「頭が大きい子供は、その重みで少し乗り出しただけでも転落する」と警告する。他にも、エアコンの室外機などは柵から離れたところに設置しておけば安全だと考えられがちだが、両者の距離が60センチ未満であれば、子供は室外機に登ったあと、簡単に柵まで飛び移ることができる。「子供は、まるで忍者のような動きができることを頭に入れておいてほしい」。子供が部屋からベランダに1人で出られないよう、施錠を2重にするといった対策を徹底することが大切だ。
出典:【暮らしの注意報】高所“平気”症の子供たちが急増中? 高層マンション暮らしで怖さ薄れ…転落事故も続々と(3/4ページ) - 産経ニュース
子供を外で遊ばせることが重要だと指摘。例えば、ブランコやすべり台で遊ぶことで、高さに対する意識などが養えるという。危険だからと言って子供を家に押し込めるのではなく、子供に「外」を経験させることが大切だ。また設計上の問題でも、柵を高くするだけではなく、下が覗けるようなすき間をなくすことも効果的だという。また、転落事故防止には子供の行動に周囲が配慮することが必要だという。
高層マンションが増加する中、高いところに住むという意識を持ち、その中で子供の健全な成長を促していくことで悲劇は避けられるのかもしれない。