指定暴力団に認定されると何が変わるのか
単に暴力団といえば、暴力や暴力的脅迫により資金稼ぎなど自己の目的を達成しようとする団体と位置付けることができますが、その中でも「暴力団対策法」により指定を受けた暴力団を「指定暴力団」といいます。
暴力団対策法では、みかじめ料や用心棒代の請求などを行った指定暴力団員等に対して、行政的な措置により規制ができることになっていますが、その規制がかかる暴力団が「指定暴力団」に該当する
指定暴力団には3つの種類がある
指定暴力団
暴力団対策法に定める要件に該当する暴力団であり、集団的にまたは常習的に暴力的不法行為を行うことを助長するおそれが大きい暴力団が該当します。暴力団対策法では、指定暴力団に所属する構成員(指定暴力団員)に対して、一定の行為を行うことを禁止しています。
特定抗争指定暴力団
危険な対立抗争事件を繰り返す暴力団が該当します。公安委員会が定めた警戒区域内で事務所を新設したり、組員や関係者が事務所に立ち入った場合には即座に逮捕されることになります。また、組員が抗争相手の事務所や住居近くをうろついたり、5人以上で集まるといった行動をした場合も即座に逮捕されることになります。
特定危険指定暴力団
危険な不当要求行為を繰り返す指定暴力団が該当します。これも公安委員会が定めた警戒区域内で、企業や市民に不当な要求(例:みかじめ料など)を行った場合には、警察は即座に逮捕することができるようになっています。また、不当要求を目的に面会を求めることも禁止されています。
特に「特定抗争指定暴力団」と「特定危険指定暴力団」の指定には厳しい懲罰を課し、市民の安全を守る仕組みが構築されています。
神戸山口組を指定暴力団に 取り締まりを強化へ
国内最大の指定暴力団「山口組」から分裂した「神戸山口組」が、今月15日に、暴力団対策法の規制対象の指定暴力団になることが決まりました。
国内最大の指定暴力団「山口組」から去年分裂した「神戸山口組」は、これまで、暴力団対策法の規制の対象から外れていたため、組員がみかじめ料などを要求しても、中止命令などを出すことができませんでした。国家公安委員会は、「神戸山口組」が、組の威力を使って、資金獲得の活動をしていることや、犯罪歴がある人物が、一定以上の割合を占めていることなどを確認し、これを受けて、兵庫県公安委員会は7日、「神戸山口組」を指定暴力団にすることを決めました。