平成28年熊本地震の余震、長期周期地震動で初の最大「階級4」を観測。

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気象庁は15日、同日午前0時3分に熊本県宇城市で震度6強を観測した余震(マグニチュード6.4)に伴い、長期周期地震動の揺れとしては最大の「階級4」を観測したと発表した。
気象庁が2013年3月から試行的に長期周期震動の観測情報の提供を開始して以来、階級4の観測は初めてとなる。

長期周期地震動とはなにか。

数秒以上の周期の大きな揺れが分単位で続く地震動のことを長期周期地震動を呼ぶ。
地震が起きると様々な周期を持つ揺れ(地震動)が発生します。 ここでいう「周期」とは、揺れが1往復するのにかかる時間のこと。

南海トラフ地震のような規模の大きい地震が発生すると、周期の長い ゆっくりとした大きな揺れ(地震動)が生じます。このような地震動のことを


長周期地震動という。
規模が大きな地震ほど大きく、震源が浅いほど伝わりやすい。
長期周期地震動にみまわれると、高層ビルでは、繰り返される揺れによって室内の家具や什器、キャスター付きの机などが転倒したり、エレベーターが故障することもある。特に、低い階層よりも高い階層で揺れが大きくなる傾向にある。

長期周期地震動の階級

階級1

ブラインドなどのつり下げたものが揺れる。室内にいるほとんどの人が揺れを感じる。

階級2

室内で大きな揺れを感じ、物に捕まりたいと感じる。棚にある食器や書籍が落ちることがある。

階級3

立っていることが困難になり、キャスター付きの家具が大きく動いたり、固定していない物も移動し、不安定な物は倒れることがある。

階級4

立っていることができず、はわないと動けない。揺れに翻弄される。キャスター付きの家具が大きく動き、転倒することがある。固定していないほとんどのものが移動し、倒れる物がある。

遠くまで被害が及びやすい

揺れの強さは、短い周期の波に比べると衰退しにくいことから、遠くまで被害が及ぶことがある。
長期周期地震動の揺れは、マグニチュードが大きな地震ほど大きく、震源が浅いほど伝わりやすいとされる。首都圏のある関東平野などの大規模な平野や盆地を覆う柔らかな堆積層は、長期周期地震動の波をよく伝え、また強める働きもあるという。
地震発生時には、たとえ震源から遠く、震度がさほど出ない場合も油断は禁物である。