【東京ガス】電力自由化後の新規顧客獲得がペースダウン
関東でシェアを伸ばしてきた東京ガスが小休止?
2016年4月1日から始まった電力小売全面自由化により、低圧電力のスイッチングが進んでいる。電力広域的運営推進機関によると同年4月30日時点でのスイッチング支援システム状況は全国で81万9500件となっている。最も多いのが東京電力管内でスイッチチングが51万8100件、情報紹介では190万4600件となっている
出典:http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1605/13/news065.html
全国で既存電力会社から切り替えるスイッチングが進む中で、順調に契約数を伸ばしているのが東京ガスである。東京ガスは2016年5月9日時点の電力の申込件数が30万件を突破したと発表した。電力小売全面自由化がスタートした後ということもあり、伸びのペースとしては前回発表時に比べて緩んだものの、5万8600件増えた(図)。一方で、東京ガスの家庭向け電力プランである「ずっともプラン」の認知度は27.1%にとどまっており、十分に知られているとはいえない状況である。
認知度向上に向けて、東京ガスではより積極的なプロモーションを推進する他、提携先の拡大に取り組む。
出典:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160513-00000041-biz_it_sj-bus_all
電力自由化直前の電気契約事前切り替えで、東京ガスは関東エリアで急激にシェアを伸ばしました。2016年1月の時点で10000件ほどだった東京ガスの電力契約数は、2月末の時点で55000件をオーバーし、この勢いで契約数が伸び続けると関東エリアの3割近くは東京ガスが電力供給するのではという一部の予想もあったほどです。
しかし電力自由化がスタートした4月以降、東京ガスの新規顧客獲得数は増えてはいるもののペースがガクッと落ち、東京ガスの電力契約は失速状況にあると言えるでしょう。
東京ガスの一般家庭向け電気契約「ずっともプラン」の知名度が低いままというのも、新規契約獲得の失速に影響を与えているようです。
東京電力のシステムに不具合し敵に塩を送る事に
小売全面自由化による契約変更の流れ
「電力・ガス取引監視等委員会」(委員長:八田達夫氏)は異例の委員長談話を5月20日に発表した。東京電力の送配電事業会社である東京電力パワーグリッドの託送業務システムに不具合が発生していて、小売電気事業者に送信する電力使用量の確定通知に遅延が生じているという内容だ。「このようなことはあってはならないことで遺憾であります」と厳しく批判した。
東京電力パワーグリッドの託送業務システムが自由化から1カ月以上を経過しても正常に機能していない。
関東を死守したい東京電力は必死の巻き返しを図る
東ガスが東電から奪うのは100万世帯、奪われるのは2~300万世帯。単純比較すると、東ガスの分が悪い。東電から奪取する世帯の目標を上積みし、一方で東電に流れるガス需要家の数をいかに少なくするかにかかっている。攻めと守りの両面作戦を徹底しなければ勝ち目はない。決め手となるのは営業力だ。東ガスの営業部隊の主力は、関東に200以上あるグループのガス器具販売店である。東ガス陣営で最も顧客を獲得したのはガス器具販売店だったが、これは営業力の賜だ。
東電の営業部隊は、実はソフトバンクである。ソフトバンクは東京電力エナジーパートナーと組んで、東電管内だけでなく中部電力や関西電力の管内でも電力を販売してきた。スマートフォン(スマホ)や固定電話と電力をセットで契約すると、通信料を月に300円割り引いている。3~4人世帯で月の支出が5%ほど減るという。
なんとかして大消費地首都圏の電力供給事業でシェアを取りたい東京ガスは、一般消費者にとって魅力と感じるお得な料金プランを用意して、東京電力の顧客を争奪しようとしています。私たち一般消費者にとってはうれしい販売競争ですね。