地球と太陽が生み出す天空の神秘「オーロラ」煌めく夜空の謎に迫る
夜空を彩るオーロラを海外に赴き見に行く人も多いのではないでしょうか?日本では中々見られない「オーロラ」ですが、その仕組みを知る人は少なく、筆者自身もこの記事を書くまでは何故カーテンのようなものが夜空に浮かび上がるのかがわかりませんでした。
今回はいにしえから人々を魅了している「オーロラ」の現象の仕組みに迫っていきます。
オーロラとは?
wikiではこう記されていました。
オーロラ(英: aurora)は、天体の極域近辺に見られる大気の発光現象である。極光(きょっこう)ともいう。
オーロラという名称はローマ神話の暁の女神アウロラ(Aurora)に由来するが、科学術語になった過程については定説がない。
この名称は17世紀頃から使用され始めたと考えられており、名付け親はフランスのピエール・ガッサンディという説があり、エドモンド・ハレーが自らの論文の中でこの説を述べている[7]。その一方でイタリアのガリレオ・ガリレイが名付けたという説もある。当時彼は宗教裁判による命令で天体に関することを書けなかったため、弟子の名を使ってこのことを著している。
オーロラという名称が浸透する以前からも現象そのものは紀元前から様々な地で確認・記録されており、アリストテレスやセネカはオーロラを天が裂けたところであると考えていた。特にアリストテレスは『気象論』で「天の割れ目(CHASMATIS)」と表現した。また、日本では古くは「赤気」「紅気」などと表現されていた。現代日本語では北極近辺のオーロラを北極光、南極近辺のオーロラを南極光と呼ぶこともある。
北アメリカやスカンジナビアではオーロラのことをnorthern lights(北の光)ともauroraとも呼ぶが、徐々にauroraも使うようになって来ている。また北極光をnorthern lights、あるいはAurora Borealis、南極光をsouthern lights、 あるいはAurora Australisと呼ぶ。オーストラリアではオーロラのことをnorthern lightsと呼ぶ。ときにはAurora polarisと呼ばれることもある。
オーロラの原理・仕組みを紐解く
オーロラ出現の仕組み
オーロラは太陽からの贈り物です。太陽からは不定期に太陽風といわれる、イオンと電子でできたガスを放出しています。その太陽風の粒子が地球に到達し、地磁気から力を受けてユーコン周辺に運ばれ、大気中の原子・分子(酸素や窒素)の電子と衝突し、興奮状態(励起/れいき状態)になります。この興奮状態が収まり元に戻る(基底状態)際に、電磁波(光)を放出します。これがオーロラの発光の源となります。
オーロラは何故北極圏や南極大陸のような極地でしか見ることができないのか?
地球には絶えず、太陽からの太陽風が吹きこんでいます。ではなぜ、地球に住む我々はその太陽風の影響をあまり受けないのでしょうか?これは、地球の磁場が関係しています。地球は一つの巨大な磁石のように、磁力に包まれており、磁力の力が及ぶ空間である「磁場」が形成されています。磁石にS極とN極があるように、地球にもS極(北極側)とN極(南極側)があり、このS、N極を起・終点にして磁力線が結ばれています。
吹き込んできた太陽風は、この地球の磁場によって地球に届くことができず、磁力線に沿って極地へと運ばれていきます。極地まで運ばれた太陽風は、磁極に吸い込まれてく磁力線に沿いながら、円を描くように地表に近付いていき、大気中にある原子に衝突し、オーロラが発生するのです。
この地球にある磁場が、我々を宇宙に飛び交う高エネルギー粒子から守ると同時に、オーロラを極地へと運んでいるのです。
オーロラ鑑賞に欠かせない、オーロラオーバルの知識
上述の磁場が運んできた太陽風が大気に接触する場所を、1957年から58年に調査されたデータを基に科学者が研究した結果、地軸極を中心にオーロラの分布が、帯状に広がっていることがわかり実証されました。つまりこの帯に近い場所ほどオーロラとの遭遇率が高くなるということになり、この帯はオーロラオーバルと呼ばれています。オーバルとは楕円形を意味し、地球のよる側のほうが広い帯になっているため、オーバルと名付けられています。
高緯度になるほどオーロラが見えやすいと思われがちですが、このオーロラオーバルは緯度60度~70度ぐらいにかけて存在します。ヤムナスカツアーで訪れるホワイトホースやドーソンシティはまさにこのオーロラオーバルの下に入るため、オーロラ鑑賞に適しているのです。
大自然に囲まれたユーコンの暗闇に突如現れるオーロラ。我々は漆黒の空を見上げながら、オーロラ鑑賞をします。では、一体オーロラはどのくらいの高さに出現しているのでしょうか?
オーロラの高さ
オーロラは地表から100kmから500kmの電離圏といわれる場所に出ます。緑のオーロラの最も明るい部分は110km付近、赤いオーロラの最も明るい部分は250km付近であることが分かっています。
ちなみに、飛行機は高度約10km、気象現象が起こる対流圏が0-9/17km(赤道付近のほうが厚みがある)、オゾン層が10-50kmに位置し、磁気圏といわれる太陽風と地球磁場がつりあう境界は、高度1000km以上に存在します。
オーロラの高さはどのように計量するのか?
三角測量の原理を使います。地上の2点から同じオーロラを同時に観測し、地平線からの仰角を測れば、三角関数を使って高さを計算することができます。基準にするのは、2カ所で撮ったオーロラ写真のバックに映っている共通の星です。
オーロラに包まれて鑑賞?
オーロラは高度100km~500kmの電離圏で発生することがわかりました。飛行機の高度は約10kmでしかないので、飛行機に乗ってもオーロラの中を飛行することはできません。ただし、高度200~600km付近を飛翔するスペースシャトルはまさにオーロラと同じ高さを飛んでいることになりますので、将来宇宙飛行士になることができれば、スペースシャトルの機内からオーロラを間近に見ることができます。日本の宇宙飛行士の毛利さんもスペースシャトルからオーロラの撮影をしました。
オーロラを鑑賞すると、一度でも同じ形、色をしたオーロラに出会うことはありません。鑑賞中であっても、絶えず色、形が変わっていきます。では、何がオーロラの色、形に影響しているのでしょうか?
オーロラの色の違い
オーロラの仕組みの中で、オーロラの光は励起状態から基底状態になる際に放出されると述べましたが、この光は太陽から飛来した太陽風が衝突する原子・分子の種類によって異なります。オーロラが出現する100km~500kmの層には、主に酸素と窒素が含まれており、高度によってその密度が異なります。酸素と衝突すると赤色と緑色を、窒素と衝突すると赤と青を放出します。例えば、高度500kmぐらいの高い高度では、酸素原子の密度が高いので、赤色が発光しやすく、中間の高度には酸素と窒素が発光した赤と青と緑が混じり、緑白色に。高度100km付近では大気中の分子の密度が高すぎて酸素が発光できず、窒素が発光する青と赤が混じったピンク色や紫色となります。
やはり神秘的な現象である虹。虹はオーロラと発色が似ていますが原理が異なります。虹は7色と表現されますが、これは太陽からの可視光(人間の目に見える光)が空気中の水分、通常は雨や霧です、に反射して、屈折を繰り返すうちに、7色ある光が分解され、その一部分が人間の目に届くという現象です。実際の原子が発光するオーロラ、光の反射がもたらす虹、原理が全く異なりますが、どちらも神秘的な現象です。
オーロラ原理・仕組みを紐解く章の出典:天空の神秘オーロラ オーロラ情報館 トップ
オーロラの種類
この章ではオーロラの種類を画像別に見ていきましょう。種類を調べた所なんと47種類程のオーロラがあるらしく、全ては載せられないので比較的有名な形のオーロラを抜粋して紹介していきます。
カーテンのオーロラ
オーロラの基本形というのでしょうか。いつものオーロラです。
渦を巻くオーロラ
渦を巻くオーロラは大変珍しく中々見る事が出来ません。粒子と粒子がぶつかり合う先端の場所から外側に向かったり内側に向かったりした時に見られるオーロラです。
燃え上がるオーロラ
激しい渦と渦がぶつかり合い、上昇していく様はまさに燃え上がっているかの様なオーロラに見えるようです。暗闇の中を照らす炎とは色は違いますが、本物の炎を見つめると心が安らぐように、このオーロラも見ているとなんだか心が落ち着いてきます。
アーチを描くオーロラ
弓矢になぞえられたこのオーロラはまさにこの瞬間に弓矢が発せられたような形をしており、大きな地球と太陽が作り出したその形に過去に戦った戦士が見えるかのようです。
オーロラの滝
急降下する粒子達はある一定の状況下でしかこの現象は発生しません。とても珍しいオーロラなのです。
オーロラの種類の章 画像引用 出典:宇宙 - 特集:オーロラ - 夜空を彩る幻想的な輝き - ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト
オーロラが見えやすい時期
次のベストシーズンは2013~14年の冬。
季節で言えば、9月(~10月)と3月(~4月)は統計的に強いオーロラが見られる時期と言われる。理由は明らかではない。
オーロラが見られる場所
<北米>
・フェアバンクス
・ホワイトホース
・イエローナイフ
・フォートマクマレー
・イカルイット
・ラブラドアシティ
<ヨーロッパ>
・アイスランド
・ノルウェー
・スウェーデン:キルナ
・フィンランド
・デンマーク:グリーンランド
各地のオーロラ観察の特徴
・フィンランド
北欧フィンランドのオーロラツアーの特徴は、サンタクロースに会えることと、昼間のアクティビティが充実していること。
フィンランドは、ヨーロッパの人々がウィンターアクティビティを楽しみにやってくる場所なのです。 スキー、スノーモービル、イヌゾリ、トナカイソリなど、ウィンターアクティビティが充実しています。 また、サウナ発祥の地でもあるので、どこに宿泊してもサウナがあります。本場のサウナをお試しあれ!
・スウェーデン、ノルウェー
北欧スカンジナビアのオーロラツアーの特徴は、北極圏の町や景色の観光や、ウィンターアクティビティができること。
氷でできたホテルに泊まったり、欧州最北の旅客鉄道に乗ったり、船に乗ってロフォーテン諸島の小さな町を巡ったり、昼間の楽しみ方もさまざま。オーロラ観測で有名な場所は、それぞれの町に特徴があるので、何をしたいかで選ぶとよいでしょう。
・カナダ
カナダのオーロラツアーの特徴は、町歩きを楽しめることと、オーロラ+カナディアンロッキー、ナイヤガラ、バンクーバなど、コースバリエーションが豊富なこと。 観測できるエリアは、大平原地帯で晴天率が高いことから、3日以上滞在すれば見られる確率は80%以上ともいわれています。
・アラスカ
アラスカのオーロラ観測の特徴は、有名観測地フェアバンクスでの滞在と、温泉を楽しみながらオーロラ観測ができること。
近郊のチェナ温泉へ日帰りまたは宿泊で行き、露天温泉&オーロラを一緒に楽しめることから、人気を集めている。 昼間は犬ぞり、雪上車などウィンターアクティビティも充実。
オーロラ写真撮影
冬季の撮影の場合、極めて寒い場所であり、なおかつ雪上からの撮影となるので、電池の性能が極端に落ちる(カメラに使い捨てカイロ使用が推奨されている)。
デジタルカメラでの撮影では、色はホワイトバランスによる。
露出に関しては、レンズの明るさや感度設定、さらにオーロラ自体の明るさも考慮に入れる必要がある。普通は5秒から1分の間での調整を行う。
明るい広角レンズがお勧めである。
三脚は必須であるが、冬季の取り扱いに際して、凍傷への注意が呼びかけられている。
オーロラは簡単に撮れるものではないのか!
オーロラ観察の場合、冬であれば特別な防寒具を借りることができるが
確かに体感温度マイナス40度くらいの時もある。
三脚の使用や凍傷のこと、十分知識を備えておかないといけないようですね。
出典:【知っとこ!】1度は見たいオーロラの基礎知識 - NAVER まとめ
オーロラに関する芸術動画
日本では中々見る事の出来ないオーロラも今の時代では映像として多く残っており、その映像もますます美麗化していってます。そんな美しいオーロラ映像を最後に紹介したいと思います。どちらも物凄く時間をかけて撮影が行われた様ですので、時間がある方にはぜひ見て頂きたいです。