スターウォーズより面白いかも!ソ連カルト・コメディー・SF映画「不思議惑星キン・ザ・ザ」上映決定!
ソ連発脱力系SF「不思議惑星キン・ザ・ザ」8月20日にリバイバル上映
[映画.com ニュース] ソ連発の脱力系SFカルト映画「不思議惑星キン・ザ・ザ」(1986)が、約15年ぶりにリバイバル上映されることが決定した。デジタル・リマスター化された鮮明な映像で、8月20日からスクリーンによみがえる。ジョージア(グルジア)の映画監督、ゲオルギー・ダネリアが旧ソ連時代の社会や資本主義に対する皮肉や風刺をゆるく描き、当時のソ連で大ヒットを記録したSFコメディ。
「不思議惑星キン・ザ・ザ」は、8月20日から東京・新宿シネマカリテほか全国で公開。
1986年に旧ソ連で製作された同作は、思いがけず「空間移動装置」のボタンを押してしまい、キン・ザ・ザ星雲の惑星ブリュクにワープしてしまった男2人が、「クー」としか言わない異星人たちに騙されながらも、地球に帰ろうと奮闘する姿を描いたSF映画。ソ連で公開当時1570万人を動員したほか、ドイツではプリント盗難事件が発生するなど、カルト的な人気を誇る作品だ。
ストーリー
1980年代の冬のモスクワが舞台。「ヴォーヴァおじさん」(дядя Вова)ことマシコフと「ヴァイオリン弾き」(Скрипач)のグルジア人学生ゲデヴァンは、異星人を名乗る裸足の男の持つテレポート装置によって、キン・ザ・ザ星雲の砂漠の惑星プリュクに飛ばされてしまう。地球へ帰るための2人の長い旅が始まった。星の住民は地球人と同じ姿をしており、見かけによらぬハイテク技術と、地球人類を風刺したかの様な野蛮な文化を持っていた。彼らはテレパシーが使え、通常の話し言葉は「クー」と「キュー」のみで、後者は罵倒語、前者がそれ以外を表す。しかし彼らはすぐにロシア語を理解し、使うことができる。社会はチャトル人(Чатлане)とパッツ人(Пацаки)という2つの人種に分かれており、支配者であるチャトル人に対して被支配者であるパッツ人は儀礼に従わなければならない。両者の違いは肉眼では判別できず、識別器を使って区別する。
この星を支配しているのは武器を使って好き勝手に威張り散らしている「エツィロップ」と呼ばれる警官たちである。プリュクの名目上の為政者はPJ様(ПЖ)と呼ばれ、人々は彼を熱烈に崇拝するが、自身は無害で無口な人物に見える。プリュクにおける燃料は水から作られたルツ(Луц)というものである。自然の水は取り尽くされ、飲み水は貴重品となっており、ルツから戻すことでしか手に入らない。プリュクではマッチ棒(の上の化学物質)が非常に高価なものであり、カツェと呼ばれて事実上の通貨となっており、所有者は特典が受けられる。