参議院選挙・メディアが勝手に出す事前予想に異論がなければ投票してもしなくても結果は同じ

著者:
投稿日:
更新日:

女性が立候補していればその人に投票すればいいし、女性候補者がいなかったら歳の若い順に選べばいい。

ピンとくる候補者がいなくても、ちょっと考えればいくらでも選べます。たとえば日本は、他国に比べて女性の政治家が圧倒的に少ない。あと、若い政治家も少ない。だったら、女性が立候補していればその人に投票すればいいし、女性候補者がいなかったら歳の若い順に入れていけばいいでしょう。乱暴に思えるかもしれませんが、それも政治を「変えたい」という立派な意思表示です。

出典:「誰も政治を教えてくれなかった」人たちへ(出口治明)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

	

「政治家なんてろくでなしばっかり」とチャーチル、しかし投票しなくていいわけではなく消去法で選ぶのが選挙だという。

チャーチル(第二次世界大戦を勝利に導いたイギリスの首相)は、「選挙に出たいやつなんて、ろくでなしばかりだ」と言っていたんです。「選挙に出るやつなんて、金儲けしたいやつか、目立ちたがりのやつばかりだ。まっとうなやつは選挙になんか出ない」と。

チャーチルは自分自身が大政治家でしたから、この言葉には説得があるでしょう? でも、ろくでなしばかりだから誰にも投票しなくていい、と言っているわけではないのがチャーチルの偉いところです。彼は、こう言ってます。

「選挙とは、いまの世の中の状況で、ろくでなしのなかから誰に税金を分配させたら相対的にマシになりそうか、消去法で選ぶ行為のことだ。選挙とは要するに忍耐である」

そしてさらに、あの有名な言葉、

「だから、民主主義は最低の制度なんだ。これまで試みられてきた皇帝制や王制など、ほかのあらゆる政治形態を除いては」

出典:「誰も政治を教えてくれなかった」人たちへ(出口治明)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

	

北欧で教えられている選挙候補者を選ぶ「一生役立つハウツー」の一つは、メディアが勝手に出す事前予想に異論がなければ投票しなくても結果は同じ。

選挙のときに具体的にどう対応すべきか、北欧の学校で教えられている「一生役立つハウツー」をひとつだけあげておきましょう。

まず、選挙がはじまるとマスメディアが勝手に事前予想を出してきます。

もしみなさんがこの事前予想の風向きに賛成だったら、とるべき手段の選択肢は3つ。

この3つのなかであれば、どれを選んでも構いません。結果は同じだからです。

(1)選挙に行ってその人の名前を書く

(2)白票を出す

(3)棄権する

ただし、事前予想が自分の考えと違ったら、とるべき手段はひとつだけ。

選挙に行き、違う人の名前を書く。これだけです。それ以外に、あなたの意思表示の方法はありません。これが、選挙というものです。

出典:「誰も政治を教えてくれなかった」人たちへ(出口治明)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

	

小熊英二 「政策の選択肢はあまりないのでどこの政党が政権についても大きな違いはない」ので「人間で追いかけた方がわかりやすい」

今回は、「与党連合」と「野党連合」の二大陣営に分かれた。「与党連合」は自民党と公明党で、いま政権を担当している。「野党連合」は民進党と共産党が中心で、いま政権を批判している。


憲法を変えるとか、学校で愛国心や道徳心を教えるとか、労働の規制をゆるめるとか、原発の安全審査を急がせるとか、人種差別をあまり罰しないとか、そういったことだ。

だから、そういった政策を進めた方がいいと思う人は、与党連合に投票したらいいだろう。そういったことを望まない人は、野党連合に投票したらいいと思う。


あとは、地元の選挙区の候補について、経歴や役職を調べることをお勧めする。「こんな仕事を経た人が、こういう党の、こういう役職に就くのか」とか、「こんな役職は、どんなことをするところなんだろう」とか、そういうことを調べるといい。抽象的な公約を読みこむよりも、人間で追いかけた方がわかりやすいし、政治のことが具体的に理解できる。今どきはネットが発達しているから、昔より調べるのが簡単だ。自分が投票した候補が当選したり、落選したりしたら、その後に何をしているのか、追いかけてみることもお勧めしたい。

出典:参院選でどこに投票したらいいか迷う人へ(小熊英二)|ポリタス 参院選・都知事選 2016――何のために投票するのか

	










著者プロフィール
Sharetube