[動画] フランスがたびたびテロの標的にされる理由
フランスでまたテロが起きてしまった。止まらないテロの連鎖。フランスが標的とされるその背景を探る。
フランス、ルーアンの教会人質テロ事件。容疑者2人が5人を人質に。特殊部隊が容疑者を射殺。神父が喉を切られ死亡。AFP報道。フランスでテロが続発。止まりません。https://twitter.com/afp/status/757950623480356864 …
仏北部の教会で人質1人死亡、襲撃犯2人は警察が殺害
【7月26日 AFP】(更新、写真追加)フランス北部ルーアン(Rouen)近郊にある教会に26日、ナイフを持った2人組が押し入り、人質となった司祭1人が殺害された。また人質もう1人が重体だという。仏内務省は襲撃した2人を警察が殺害したと発表した。捜査当局に近い情報筋がAFPに語ったところによると、襲撃犯らは人質に取っていた司祭の喉をかき切っていたという。
フランス北部サンテティエンヌデュルブレーの教会襲撃事件で、殺害されたジャック・アメル司祭(2016年6月11日撮影、同教区ウェブサイトより)(c)AFP/PAROISSE SAINT-ETIENNE-DU-ROUVRAY
革命記念日を祝うフランス南部のリゾート地・ニース市で、またテロと思われる事件が起きた。なぜフランスばかり狙われるのだろうか。その理由を探った。
仏ニースのトラック突入、死者84人に 銃など武器積載
フランス南部のリゾート地・ニース市で14日午後11時40分(日本時間15日午前6時40分)ごろ、フランス革命記念日を祝う花火を見物するために集まった人たちの列にトラックが突っ込んだ。地元メディアは、75人が死亡したと報じた。負傷者も100人以上に達した。
トラックが突入した現場で負傷者を救急車へと運ぶ救護班=フランス・ニース(2016年07月14日)【AFP=時事】
地元当局は、「意図的な攻撃」の可能性があると指摘。「テロ」との見方も出ている。
動画:仏ニースのトラック突入、逃げ惑う人々
仏ニースで歩道にトラック突入、70人超死亡 テロ事案として捜査At least 70 dead in Nice truck "attack"
フランスにはテロの標的になる社会的背景がある
Je Suis Ahmed(私はAhmed)
アハメド(Ahmed)は、2015年1月7日に起きたシャルリー・エブド襲撃事件で、新聞社から逃走する銃撃犯によって殺害されたイスラム系フランス人警官Ahmed Merabetの名前
1. 欧州一イスラム系移民が多いフランス 蔓延する差別や格差と国の無策
フランスは欧州最大の移民国家であり、イスラム系移民の数・比率ともに欧州一である。フランスが所有していた旧植民地にムスリムが多かったことと、第二次大戦以降、労働者不足緩和のため旧植民地出身者を中心に移民を大量動員した政策による。
マグレブ(Maghreb)
「マグレブ(英語ではマグリブMaghrib)」とは、地理的にアフリカ大陸の北西部、現在のモロッコ、アルジェリア、チュニジア三国を指します。かつてこの地域を保護領もしくは植民地としていたフランスとのかかわりが深く、また現在、フランスにはこれら三国の移民が多数居住し、フランスの生活にもマグレブの文化が多く入り込んでいることから、フランスでは「マグレブ」という言葉を日常的によく見聞します。
ムスリムの移民二世三世達は、移民の集まって住む場所である出身地や、ムスリム系の名前によって就職などでも差別を受けており、そうした状況に対してフランス政府もこれといった対策を取らずにきた。フランスの同化主義と相容れない移民2世3世らがコミュニティーを形成して住む地域の中には、治安悪化で立ち入れない区域(No-Go Area)も存在する。
建物はBanlieueと呼ばれる郊外の公営住宅。貧しい移民が多く暮らす
また、同じムスリム間でも、出身国や民族の違いによる抗争や社会的階級差による分断や差別もあり、イスラム・コミュニティーと言っても一枚板ではなく、不満を持つ底辺のムスリムは孤立化し、過激化する傾向にあった。
2. 排外主義の高まり イスラム文化との摩擦とムスリムの孤立化
フランスでは1980年代ごろからの慢性的な不況により階級格差や雇用不安が広がり、その原因を移民に求める傾向が出はじめ、極右の「国民戦線」が勢力を強めるなど、排外主義が高まっていった。
マリーヌ・ル・ペン
国民戦線創始者で初代党首のジャン=マリー・ル・ペンの第3女で、2011年より同党党首。以前は父がつくり上げた党の極右イメージを払拭しようと努めてきたが、パリ同時多発テロ後、態度を一変。イスラム・テロの拡大を非難し、国境の厳重な管理で過激派を壊滅させるべきだと主張している
イスラム系移民の多かったフランスでは、反イスラムを中心とした排外主義が目立ち、イスラムの習慣や戒律が自由主義・民主主義に反するという名目で排外主義に利用されるようになった。
ブルカ(burka)
イスラム教徒の女性が頭からかぶって全身をおおうように着る、マントのような衣服(コトバンクより)
イスラム教徒の女性に公共の場所でブルカやニカブを着用することを禁じる法律が2011年に施行され、イスラム系住民の間に不満の声が広がった。
ニカブ(niqab)
イスラム教徒の女性が着用するベール。目以外の顔と髪をすっぽりと覆うもの(コトバンクより)
自由や人権の名のもとになされる反イスラム的言説は批判しにくい側面があるため、イスラム嫌悪が蔓延し、ムスリムの孤立化をますます深めていった。
3. シリア、イラクに向かう若者 増える「過激」なイスラム教への入信
欧州刑事警察機構(ユーロポール)によれば、聖戦主義に感化され、シリアやイラクの戦闘地域に向かったヨーロッパ人の中で、人口比ではベルギー人が最も多いが、人数としてはフランス国籍者が最も多いとされている。
出典: フランス風刺週刊紙襲撃テロ事件の裏側 BBCニュース<動画> - ニース犠牲者追悼で仏首相にブーイング http://www.bbc.com/japanese/video-36832013?ocid=bbc-japan-twitterjapan …pic.twitter.com/03KBPxwlW2