著：Josh Gelernter

2016/07/16 4:00AM

Tsunami in Japanese politics.

日本政治に押し寄せる戦前回帰の波

今週、日本の自民党とその連立パートナー（公明党及びその他改憲諸派）は、衆議院での3分の2議席に加え、参議院でも3分の2議席の特別多数を獲得するに至った。両院における3分の2議席は、憲法改正プロセスを開始するに当たって必要となる。憲法改正は、自民党の政策の中核を成す方針である。

日本の憲法は二次大戦後、米国により強いられたもので、これまで一度も改正されたことがない。なぜいまさら改正する必要があるのか。ブルームバーグによると、自民党は、「現行憲法の規定の中には、西欧の天賦人権説に基づいて規定されていると思われるものが散見されることから、こうした規定は改める必要があると考えました」〔憲法改正草案Q&A〕と指摘している。

5年前、オバマ大統領は『アジア重視戦略』（Pivot to Asia）を提唱した。中国が南シナ海を実効支配して軍事化を進め、北朝鮮が開発に成功した核兵器の運搬手段をテストしている中にあって、この『アジア重視戦略』上、われわれは、アジアで最も重要な同盟国であり、世界で二番目に豊かな国がファシズムに回帰するのを座視するわけにはゆかないであろう。