[ツイッター]検閲!? 事務的?「天皇陛下のおことば」みんなの反応まとめ

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8月8日、天皇陛下は象徴としての務めについてのお気持ちを表明し、「次第に進む身体の衰えを考慮すると、全身全霊で象徴の務めを果たすことが難しくなるのではないかと案じている」と話された。


写真はテレビで放映された天皇陛下のお気持ち表明を観る人々(2016年 ロイター/Thomas Peter)

出典:天皇陛下のお言葉全文 - ロイター

	

「おことば」に対するみんなの反応まとめ

宮内庁が編集し公表する天皇の「気持ち」が
天皇・宮内庁自体の存在意義を問う内容であるわけがない

ジャーナリストの最大の使命は権力の監視
宮内庁発表の大々的な垂れ流しは
悪質きわまりない世論誘導だ

	

陛下 「MIC握るは今上天皇 Dopeなお気持ち 伝えに登場
言わずと知れた日本国の象徴 朕の声聞いたら声上げろSAY HO
お前ら国民大切なMY MEN 一人一人が我が国の主権
明治大正 昭和今上 皇位継承 どうする親王?
尊皇攘夷よりLOVE&JOY 叩きつけるぜ朕の気持ち」

	

「お気持ち爆音上映」
「お気持ちはいいぞ」
「玉音放送を聞けない社畜」
「天皇のサイリウム何色?」
「天皇のヲタ芸どうすればいい?」

みたいなTLなんだけど

	

「じゃあまず年齢を教えてくれるかな?」
「82歳です」
「82歳?まだ働いてるの?」
「天皇です」
「天皇、あっ…(察し)ふ~ん」

	

天皇の「お気持ち」を待ちながら、これってきっと「明日、陛下から重大発表がある」と聞かされ玉音放送を待っていた人たちの気持ちと少し近いのかな

今日3時からの天皇の「お気持ち」を待ちながら、これってきっと「明日、陛下から重大発表がある」と聞かされ玉音放送を待っていた人たちの気持ちと少し近いのかなと思ったり。

	

天皇「ここでTOUJYO! 俺がTENNO! 陛下SANJYO! お気持ちHOUSO! これがGYOKUON! 住んでるぜKOUKYO! 電波も公共! YEAHHHHH!」

	

今回の天皇陛下のお言葉がビデオメッセージになったのは安倍政権がごり押したのではないかと勘ぐってしまう。天皇の行動を見ていると戦争で迷惑をかけた国々に対して申し訳ないと言う、お気持ちと二度と戦争はしないと言うお気持ちが満ち溢れている!

	

テレ朝某コメンテーター、天皇陛下を「平成天皇」と呼んでしまった

	

ビデオメッセージにすれば天皇陛下が戦争は良くない事って言いだしてもカットすれば問題ないのでビデオにしたの?今までの天皇の行動から戦争は決してしてはならない。殺し合いはNGというお気持ちがにじみ出ている!安倍総理には都合が悪い!

	

15時から「玉音放送」。
史上4度目。
今上陛下では2度目。
1945年8月15日「大東亜戦争終結ノ詔書」
1946年5月24日「食糧問題の重要性に関する昭和天皇の御言葉」
2011年3月16日「東北地方太平洋沖地震に関する天皇陛下のおことば」

	

天皇の「生前退位」が制度化した場合に考えられるリスクの3番目、ジェームズ・ディーンみたいでカッコいい。

	

憲法や皇室典範の改定を天皇自ら要請するのは、玉音放送、外地人参政権停止、沖縄メッセージ以来の、天皇の本格的政治的介入(違憲)になる。皇族の人権が制限されているのは明らかなのだから、天皇制は廃止して、皇族に人権を保障し、数代の間は年金を支給するのが、最も合理的な解決策ではないのか。

	

ビデオメッセージってさ、つまり検閲を入れるためだよね。

生放送だと、天皇がアドリブで本心を語られる可能性があり、それが都合悪い連中がいるんだろうね。

	

天皇陛下の一連の報道について、SNSなどで『天皇』と呼び捨てにしたり、唐突に天皇制廃止を訴えたりする人、日本人じゃないか相応の教育を受けてないか知らないんだろうなあと温かい目で見てる

	

…踏み込んだな天皇陛下。これ、生前退位をすることによって天皇の葬送儀礼を縮小したい、っていうことでもあるのか。今後これが通例化することも考えられるぞ。

	

「陛下の葬儀と新しい天皇の就任が同時に来ると多忙で大変」っめっちゃ事務的な理由が上がってくるのシブいな

「陛下の葬儀と新しい天皇の就任が同時に来ると多忙で大変」っめっちゃ事務的な理由が上がってくるのシブいな

	

天皇陛下は天皇としての歩みを肯定的に捉えながらも一方で天皇が健康を損なった場合、国民生活にも、また二か月に及ぶ殯など宗教的に厳しい制約が皇室にも科せられるのを防げないものかとお言葉を述べられました。政府は陛下のお気持ちを汲み取り、可及的速やかに譲位について制度を整えるべきです。

	

天皇陛下の口から出る「天皇の終焉」っていうワード、メンヘラの「つらい…死ぬ…」のn億倍強い

	

天皇の人権という観点からの生前退位に賛成する考えもあるが、天皇陛下はむしろその全く逆で、天皇の人権を考えずに猛烈な激務の職務を遂行するためには高齢では不可能だから生前退位をすべき、という考えなんだな。

	

今上天皇が崩御されたあと、1年間日本中が自粛自粛のお葬式ムードになるのも、陛下は望まれていないんだね。昭和天皇崩御の前後を見てこられて、思われるところがあったんだろうねえ。

	

天皇陛下のお言葉、拝聴いたしました。最初に、「私が個人として、これまでに考えて来たことを話したいと思います。」と言われたことが、強く印象に残りました。そして「天皇の終焉に当たっては、重い殯の行事が連日ほぼ2カ月にわたって続き」と、そのご負担を懸念されたことに、心を動かされました。

	

「摂政」、「天皇の終焉」とパワーワードが飛び出したものの言ってること自体は「慣習に従って死ぬまで天皇続けると全方位に向けて何かと不具合が生じるので出来れば生きてるうちに辞めたい」とめっちゃシステマチックなお気持ち表明でしたね……。

	

これは「お気持ち」と言うより「自己言及」「自己説明」ですね。ご自分で「解説者」になっている。「私個人」と言う言葉も使われた。摂政ではダメな理由にも踏み込んだ。
やはりこれは「平成の人間宣言」であり、「21世紀の天皇機関説」。
象徴とは人でなく「務め」。決めるのは国民の総意。

	

天皇が言って良いこと、どのような表現が許されるかが極端に制約されるので折角肉声を放送しても直後に翻訳解説が必要になるの、第一次玉音放送と何も変わっていないぞ?

	

コメンテーターの人たち本当に「天皇尊い?」「ありがたい?」「完璧です?」と言っているし作者の気持ちを考える学を履修してるので腐女子のトークを見ているようだ

	

天皇が自分一人のお気持ちだけでは退位することはできないから、あくまでお気持ちという形で全国民に伝えて、そこから国民がその気持ちに応えるムーブメントを起こしてくれることを期待しているんですね、囚われの姫かよ

天皇制度に個人の自由意志が介在することは許されてないので天皇が自分一人のお気持ちだけでは退位することはできないから、あくまでお気持ちという形で全国民に伝えて、そこから国民がその気持ちに応えるムーブメントを起こしてくれることを期待しているんですね、囚われの姫かよ

	

生前退位の意向を述べたなかで、昭和天皇が倒れたあとの自粛に言及しているが、当時、皇太子だった現在の天皇は、「過剰な反応は陛下のお心に沿わないのでは」と発言していた。このときの経験が、今日のメッセージに結び付いたのだと思われる。

	

天皇陛下のお気持ちとしては、生涯天皇としての務めを果たす気でいるが、もしもの為に皇室制度の在り方を議論して欲しいという感じだったなと。
それを、陛下の体力の衰えガーと語ると速報テロップで流すNHKって何なの?

	

あのとき私はイベントプランナーなる仕事をしていましてね。昭和天皇が入院なされてから世の中はイベント自粛で何もかも中止で会社に行っても何もすることがないという辛い日々を過ごしたものですから。天皇の世の動きを停滞させることのないように、というお気持ちは本当にありがたいと思います。

	

天皇の生前退位ができないようになってるのは、今上天皇陛下を強制的に退位させたうえで、幼年の天皇を擁立し、摂政として牽制を振るった時代が日本の歴史に多くあったからなんだよ。

だからこの問題は本人が望んでいるかどうかで結論が出せる話じゃないんだよなぁ。

	

小学校で「このお気持ち表明が、平成の最後に起きた○○の発端となりました。みんなのおじいさんやおばあさんたちがお気持ちを聞いていたときはどんな感じだったか、夏休みに聞いてみましょう」という課題が出たとき、俺は「(既に絶滅した)ウナギを食べてた」と答えられる。これは一生誇れることだ。

	

「天皇は象徴」と省略されることがほとんどだけど、「日本国民統合の象徴」と本来の形で聞かされると、ウッ……!っとなるな……。

「天皇は象徴」と省略されることがほとんどだけど、「日本国民統合の象徴」と本来の形で聞かされると、ウッ……!っとなるな……。そして(なぜわたしは今、人権を制限されているひとりの老人の、本心さえ素直に吐露できない様を見せられているのだろうか……)という気持ちになった。異様すぎる。

	

えーと、右系の団体が女系天皇、女性天皇とかについて揉めているが、今日のこの「お気持ち放送」って、それ以上の「祖先の祭祀」についても踏み込んでいるという覚悟の内容なので、「国体」に踏み込んだという意味では「終戦の玉音放送」よりも複雑で解釈が頻出すると思う。想像以上の爆弾。

	

これな、皇室典範改正とか、解釈改憲とかが必要になるが「天皇陛下のお気持ち」なんかを理由にしちゃダメだよね。
そこは全力で「だが断る」と却下した上で、「人道上の配慮」なりなんなりの理由で法の運用を変えるべきで。
天皇が政治に関与したことになるからな。

	

天皇のメッセージを聞いた。かなり踏み込んで来た印象。NHKへのリーク後に議論になっていた、公務の軽減や摂政擁立ではダメだということを明確に言い切ってる。病気になってからの交代では遅いということ(元気なうちに譲位)も言ってる。退位以外の選択肢は無いとしか理解できないようにしてる。

	

天皇ネタにしてツイッターで不謹慎不謹慎騒いでるのも今の内で
そのうち日本が誇る最大野党が天皇のお気持ち勝手に代弁して安倍政権批判するキングオブ不謹慎やらかすからまあ見てなw

	

まあ天皇という立場を一旦排して考えると、案件引き継ぐときに前任者が100%死んでるの最悪ですよねと言う感じ。

まあ天皇という立場を一旦排して考えると、案件引き継ぐときに前任者が100%死んでるの最悪ですよねと言う感じ。

	

「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ」
天皇陛下のお気持ちで繰り返し語られる「象徴」という言葉。「元首」になられることなどは微塵も望まれていないということの表明だろう。自民党の憲法草案ほど陛下のお気持ちにそぐわないものはないな。

	

沈思黙考されていたのですね。ことばを相当選びつつも国民になるべく本心を伝えたかった。戦争責任も含め日本国憲法をお考えになり理解されている。
国民にも現憲法を知ってもらいたいと思っておられると思います。

	

前にもツイートした気がするけど天皇が「仕事きつい」って言ってるのがまさに日本国民の象徴になってる

	

「天皇の地位は日本国民の総意に基づく」と憲法にあるので天皇陛下が最初に国民に相談(辛いから辞めたい)するのはすごく正しい。あとは国民が話し合って総意を作って典範を変えるなりすればいいわけだ。

	

「天皇はシステムなので不具合を起こさないように対策をしたい」と言う話ですよね。

	

天皇陛下のお気持ち表明を拝聴して強く感じたのは、陛下が天皇のあり方や御自らの身の処され方をお考えになる時、常に国民のことを念頭に、「国民のために何をなすべきか」の一点に徹されていることです。それほど国民のことを思い国民に尽くされるような君主はこの日本以外に、世界のどこにいるのか。

	

平成生まれの方々に、昭和天皇のご容体が急変なされた時にテレビがどうなったのかを簡単に画像で説明します。全ての放送にずっとこんな感じのテロップが表示されると思って下さい。

	

女子小学生、女子中学生だったはずのフォロワーさんがみんな、昭和天皇の時の自粛ムードについて語ってて戸惑ってる

	

“天皇の終焉”という表現は意外だったけど、“崩御”は尊敬語であるため天皇自ら使うことはできないし、天皇の専用語として“崩御”がある以上、国民と同じ言葉を使うわけにもいかず、最終的に“終焉”という言葉に決まったのでしょう。この言葉ひとつとっても前例のない放送だったことがわかる。

	

しかし天皇も「つらいから仕事減らす」というのを全く良く思っておらず現状の激務レベルの国事行為を継続すべきと思っている事実が判明したのは労働根絶主義者としてはつらいものがある。

	

いやほんとに、昭和天皇崩御前後の自粛ムードって、ただごとではなかったぞ。ただ、あのときはまだ今よりはるかに日本は元気で、むしろ過熱気味じゃないかくらいの勢いあったから大丈夫だっただけで。なにしろバブル崩壊前で、二つの大震災もまだなかったときなんだから。

	

陛下メッセージについて、「これほどまで国民をお想いになって」という意見が散見されるけど、自分は違う。この国の歴史・文化を背負い繋いでいく上で、天皇をいかにして持続させるかという問題意識が根底にあり、それには国民の支持が欠かせないという表明に感じた。すごい重い

	

昭和天皇が崩御された時、確かに日本は数ヶ月に渡り自粛ムードでテレビも何も楽しいことを禁じる雰囲気に子供ながら萎縮した覚えがある。単純に高齢が理由ではなく、自らの終焉の時にそういう社会を停滞させるような影響を与えたくないというお気持ちだと知って鳥肌立った。是非汲んであげて欲しい。

	

ここまで現政権の考え方を否定したお気持ちを発表されるのは…凄まじいな

天皇陛下、自民党の改憲草案の目玉の
「天皇は元首とする」という条文を全否定してたな
象徴で居るべきだと何度となく発言

日本会議の摂取という考え方も否定
年取ったんだからさっさと退位させろとも

ここまで現政権の考え方を否定したお気持ちを発表されるのは…凄まじいな

	

ふと気になって、陛下(今上天皇)は今までの在位期間中にのべ人数で何人分の国民の象徴を務めてきたのかと思って概算してみたところ、約39ギガ人月という見たことのない数字が出てきた。これは総人口約500万人の平安時代換算だと650年間連続で在位したことに相当する。平安時代より長い。

	

陛下お気持ち表明。言葉の枝葉でなく全体を捉えると、先日宮内庁に否定されたのを振り切っての表明から「生前退位」の強いご意向は見てとれる。皇室典範改正からの改憲阻止とまでは読み取れないが、退位することで天皇を国家元首とする、「自民党憲法」の「公布」を避けたいお気持ちはあるはず。

	

私が「幸福な朝食」で作家デビューが決まったのは昭和63年夏。人生が大きく変わった年だから余計によく覚えている。昭和天皇の体調不良が連日報道され、世の中は自粛ムードに沈んで景気も悪くなり、芸能人の派手婚なども軒並み中止になった。あの停滞期のことまで今上天皇は考えていたのかと思った。

	

深く考えさせられた、「お気持ち」の表明。日本と言う国家のなかに、役割と責任だけを負わされ、あらかじめ基本的人権を剥奪された一個の人間が存在している。「21世紀の天皇制はどうあるべきか、考えてみてはくれまいか」と言われた気持ちになった。

	

やはり明仁天皇は求道者だと思った。象徴天皇のあり方を、人生をかけて追求している。その姿勢を穢した3年前のコレに改めて腹が立つ。天皇はこのときに、ヤバさを肌で感じたんじゃないだろうか。

	

幼少期はトンボを油で揚げて食べ、皇太子時代に外遊で覚えた麻雀を昭和天皇に紹介し、反対されながら一般人と交際を経て結婚し、避難所では正座で被災者の話を聞き、311の計画停電では皇居も自主停電し、国民に向け2度の直接放送した等々、異例のエピソードが多いのが今上天皇です。

	

せっかく天皇が解釈範囲の少ない平易な言葉で「お気持ち」を表してるのに、そこにアレは憲法改正批判だとか、いや政権擁護だとか無理矢理自分にとって都合のよい解釈を加える人が続出するのを見て、天皇制は時代時代でこうやて権威を利用されてきたのだな、と思わざるを得ない。そのまま受け止めろよ

	

天皇はおのれの死を表現する言葉を持たない。すごい発見だ……。

	

天皇さまのお気持ち、ちょっとわかりにくかったから関西弁に訳してみた

天皇さまのお気持ち、ちょっとわかりにくかったから関西弁に訳してみた

	

お気持ちの一文
「天皇の高齢化に伴う対処の仕方が、国事行為や、その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには、無理があろうと思われます」

我々は
「公務を減らせ」と思っていた

だが、天皇陛下は
「公務を減らしてはならない」と

	

今日の“お気持ち”の表明は言わば“象徴天皇制保守宣言”である。注目したいのは「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ」の下りだ。これは象徴天皇制を守りたいという天皇の明確な意思表明である。自民改憲草案の元首という位置付けに否と言っているのだ。

	

「天皇」をすごく客観的に捉えてることを隠そうともしないのが印象的。「天皇がその機能を果たし得なくなった場合」という言葉が天皇から出てくるんだものね。リベラルなお爺さんだよなあという印象。

	

旧皇室典範は(明治22)年に、大日本帝国憲法と時を同じくして制定された。元勲・伊藤博文らは、天皇が随意にその位を退かれるのはもってのほかと論じ、天皇の終身在位の仕組みを作った。それは、天皇が政治的な思惑で「退位」に追い込まれたり、退位した天皇が上皇として権力を振るう危険性を危惧。

	

「お気持ちはともかく、天皇制をどうするかは国民が決める必要がある」
「せやな」
「しかし、天皇制で最も重視すべきは存続か、資質か、お気持ちかなど、難しい問題だ」
「それ」
「そこでロボ天皇を作る」
「ロボ天皇」
「有能かつ無私かつ不死身のロボ天皇。これだ」
「いや、それじゃない」

	

象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば(平成28年8月8日)

 戦後70年という大きな節目を過ぎ,2年後には,平成30年を迎えます。

 私も80を越え,体力の面などから様々な制約を覚えることもあり,ここ数年,天皇としての自らの歩みを振り返るとともに,この先の自分の在り方や務めにつき,思いを致すようになりました。

本日は,社会の高齢化が進む中,天皇もまた高齢となった場合,どのような在り方が望ましいか,天皇という立場上,現行の皇室制度に具体的に触れることは控えながら,私が個人として,これまでに考えて来たことを話したいと思います。


 即位以来,私は国事行為を行うと共に,日本国憲法下で象徴と位置づけられた天皇の望ましい在り方を,日々模索しつつ過ごして来ました。伝統の継承者として,これを守り続ける責任に深く思いを致し,更に日々新たになる日本と世界の中にあって,日本の皇室が,いかに伝統を現代に生かし,いきいきとして社会に内在し,人々の期待に応えていくかを考えつつ,今日に至っています。


 そのような中,何年か前のことになりますが,2度の外科手術を受け,加えて高齢による体力の低下を覚えるようになった頃から,これから先,従来のように重い務めを果たすことが困難になった場合,どのように身を処していくことが,国にとり,国民にとり,また,私のあとを歩む皇族にとり良いことであるかにつき,考えるようになりました。既に80を越え,幸いに健康であるとは申せ,次第に進む身体の衰えを考慮する時,これまでのように,全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが,難しくなるのではないかと案じています。


 私が天皇の位についてから,ほぼ28年,この間(かん)私は,我が国における多くの喜びの時,また悲しみの時を,人々と共に過ごして来ました。私はこれまで天皇の務めとして,何よりもまず国民の安寧と幸せを祈ることを大切に考えて来ましたが,同時に事にあたっては,時として人々の傍らに立ち,その声に耳を傾け,思いに寄り添うことも大切なことと考えて来ました。天皇が象徴であると共に,国民統合の象徴としての役割を果たすためには,天皇が国民に,天皇という象徴の立場への理解を求めると共に,天皇もまた,自らのありように深く心し,国民に対する理解を深め,常に国民と共にある自覚を自らの内に育てる必要を感じて来ました。こうした意味において,日本の各地,とりわけ遠隔の地や島々への旅も,私は天皇の象徴的行為として,大切なものと感じて来ました。皇太子の時代も含め,これまで私が皇后と共に行(おこな)って来たほぼ全国に及ぶ旅は,国内のどこにおいても,その地域を愛し,その共同体を地道に支える市井(しせい)の人々のあることを私に認識させ,私がこの認識をもって,天皇として大切な,国民を思い,国民のために祈るという務めを,人々への深い信頼と敬愛をもってなし得たことは,幸せなことでした。


 天皇の高齢化に伴う対処の仕方が,国事行為や,その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには,無理があろうと思われます。また,天皇が未成年であったり,重病などによりその機能を果たし得なくなった場合には,天皇の行為を代行する摂政を置くことも考えられます。しかし,この場合も,天皇が十分にその立場に求められる務めを果たせぬまま,生涯の終わりに至るまで天皇であり続けることに変わりはありません。

 天皇が健康を損ない,深刻な状態に立ち至った場合,これまでにも見られたように,社会が停滞し,国民の暮らしにも様々な影響が及ぶことが懸念されます。更にこれまでの皇室のしきたりとして,天皇の終焉に当たっては,重い殯(もがり)の行事が連日ほぼ2ヶ月にわたって続き,その後喪儀(そうぎ)に関連する行事が,1年間続きます。その様々な行事と,新時代に関わる諸行事が同時に進行することから,行事に関わる人々,とりわけ残される家族は,非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません。こうした事態を避けることは出来ないものだろうかとの思いが,胸に去来することもあります。


 始めにも述べましたように,憲法の下(もと),天皇は国政に関する権能を有しません。そうした中で,このたび我が国の長い天皇の歴史を改めて振り返りつつ,これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり,相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう,そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく,安定的に続いていくことをひとえに念じ,ここに私の気持ちをお話しいたしました。

 国民の理解を得られることを,切に願っています。

出典:象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば:象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば(ビデオ)(平成28年8月8日) - 宮内庁

	































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Sharetube