「核兵器先制不使用」に反対の安倍首相はオバマ政権の「核兵器なき世界」実現を妨げる矛盾を露呈。

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核兵器を開発する北朝鮮に対する核抑止力が弱まるとして米国の「核先制不使用」に反対する「核の傘」に頼るばかりの安倍首相、無策を露呈。

【ワシントン会川晴之】米ワシントン・ポスト紙は15日、オバマ政権が導入の是非を検討している核兵器の先制不使用政策について、安倍晋三首相がハリス米太平洋軍司令官に「北朝鮮に対する抑止力が弱体化する」として、反対の意向を伝えたと報じた。同紙は日本のほか、韓国や英仏など欧州の同盟国も強い懸念を示していると伝えている。


 「核兵器のない世界」の実現を訴えるオバマ政権は、任期満了まで残り5カ月となる中、新たな核政策を打ち出すため、国内外で意見調整をしている。米メディアによると、核実験全面禁止や核兵器予算削減など複数の政策案を検討中とされる。核兵器を先制攻撃に使わないと宣言する「先制不使用」もその一つだが、ケリー国務長官ら複数の閣僚が反対していると報道されている。同盟国も反対や懸念を示していることが明らかになり、導入が難しくなる可能性がある。


 同紙は複数の米政府高官の話として、ハリス氏と会談した際、安倍首相は米国が「先制不使用」政策を採用すれば、今年1月に4度目の核実験を実施するなど核兵器開発を強行する北朝鮮に対する核抑止力に影響が出ると反対の考えを述べたという。同紙は、二人の会談の日時は触れていないが、外務省発表によると、ハリス氏は7月26日午後、首相官邸で安倍首相と約25分間会談し、北朝鮮情勢をはじめとする地域情勢などについて意見交換している。


 日本政府は、日本の安全保障の根幹は日米安保条約であり、核抑止力を含む拡大抑止力(核の傘)に依存しているとの考えを米国に重ねて伝えている。先制不使用政策が導入されれば、「核の傘」にほころびが出ると懸念する声がある。


核軍縮を目指す核専門家からは「核兵器の廃絶を目指す日本が、皮肉なことにオバマ政権が掲げる『核兵器のない世界』の実現を阻んでいる」という指摘も出ている。

出典:安倍首相:核先制不使用、米司令官に反対伝える 米紙報道 - 毎日新聞

	

オバマ米大統領が検討始めた「核政策の大転換」。

【ワシントン会川晴之】オバマ米大統領が来年1月の任期終了までの間に、核軍縮に向けた「核政策の大転換」を図ることを検討している。ワシントン・ポスト紙(電子版)が10日、伝えた。核実験を禁止する国連安保理決議採択や、核兵器の先制不使用宣言、核兵器予算の大幅削減などが対象。「核兵器のない世界」の実現を訴え、2009年のノーベル平和賞を受賞したオバマ氏の「外交上の政治的遺産(レガシー)に磨きをかける」狙いがあるという。


 同紙によると、オバマ政権は最近、安全保障に関係する閣僚会議を2回開き、具体案を検討。連邦議会は上下両院とも核軍縮に消極的な野党共和党が多数派のため、大統領権限で実施できる措置を考えている。


 核兵器の先制不使用は、敵の核攻撃を受けない限り、核兵器を使用しないという政策だ。だが、米国の「核の傘」の下にある日本など同盟国が慎重な扱いを求めており、それを背景にして国防総省なども「核政策の柔軟性を損なう」と反対し、実現していない。

出典:米国 「核先制不使用」検討 オバマ氏、大統領権限使い

	

日本政府に対し核兵器の先制不使用を支持するよう求めた核兵器廃絶日本NGO連絡会。

米国のオバマ政権が核兵器の先制不使用を宣言することを検討していると報じられています。核兵器を最初に使うことはしないと宣言する。核兵器の役割を、核兵器に対する反撃にだけ限定する。これだけでは、核兵器を廃絶できないことはいうまでもありません。-それでも米国がこのような政策を宣言すれば、核軍縮に大きく貢献するし、他の核保有国に対しても質的な軍縮を促すことにつながります。オバマ大統領が任期を終える前にそのような宣言をすれば、それは世界の核軍縮に対して重要な一歩となるでしょう。それにもかかわらず、このような政策を米国がとることに日本政府は反対しているとみられています。日本の安全を保つための「核の傘」が弱まってしまうというのです。核兵器廃絶日本NGO連絡会は日本政府に対して、核兵器の先制不使用を支持する政策に転じるよう求めてきました。

出典:オバマ大統領、核の先制不使用を検討?日本は賛同すべき!

こちらのリンクより、プレスリリースならびに声明本文と署名者一覧がダウンロードできます。

日本からは川口元外相、阿部・原子力委員会委員、湯崎・広島県知事、鈴木・長崎大学核兵器廃絶研究センター長が名を連ねています。

出典:核廃絶・世界の動き

	










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Sharetube