アルジャジーラ記事の衝撃・福島のサーファーは放射能の波に乗る

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中東のメディア、アルジャジーラが東電福島第一原発から50kmの平豊間(たいらとよま)の海岸でサーフィンをするサーファーを取材し、「Surprisingly」と驚いている。

福島県の平豊間海岸(Tairatoyoma beach)は、原子力発電所から50kmほどで、原発事故が起きる前から日本のサーファーに最も人気のあるエリアの一つでした。


驚くべきことに、砂と水に放射能があるにもかかわらず(Surprisingly, despite the presence of radiation in the sand and water,)、何人かの熱心なサーファーは、良い波をとらえるためにここに来続けています。彼らはリスクを認識しており、海岸に積み上げられた数百の汚染された砂の袋(フレコンパック)は、彼らに健康リスクがあることを忘れさせないよう一定の役割を果たしている。


「私は日差しには日焼け止めを塗っているが、放射能の対策は何もし程ません。」と一人のサーファーは言いました。「私たちが水に入っていた間の本当の影響は20年後に知るだけです。」

一方では、原発で働くある従業員は「水があまりにも汚染されているので平豊間海岸では泳がない」と記者団に語り「原発で働く5人の友人は今、脳損傷で苦しんでいる」という。

出典:Fukushima"s surfers riding on radioactive waves

	

グリーンピースの海洋堆積物の調査は、この地域の海底土には放射能が堆積していると指摘している。

水に沈む放射能

			
福島県いわき市平豊間の海水浴場付近では、南に約3kmの中之作港の沖合と、北に約8kmの夏井川河口の海底堆積物の放射能がグリーンピースにより調べられている。

中之作港沖合の海底土にはセシウム134と137の合計で最大44.2Bq/kgが検出されている。

夏井川河口では同様に最大で53.3Bq/kgが検出されている。

原発から遠く離れた地域のこれらの堆積放射能は、福島県の山地に降り積もったものが夏井川や鮫川の河川から海に流れ込んだものが含まれていると分析されている。

福島県の山岳部の森林と淡水生態系は巨大な放射能の貯蔵庫となっている。

2011 年3~4月における大気中への放射能放出と地上 への沈着の結果、原発事故の影響を受けた福島県 内全域と隣接地域の山岳部の森林と淡水生態系 は、巨大な放射能の貯蔵庫となっている。森林地 帯に沈着した放射性セシウムの一部は、事故発生 直後以降、雨水などで急速に洗い流されて河川な ど水系へと移動した。放射性セシウムの残りは、 森林の集水域と淡水系中に貯えられて、長期間か けて再循環したり、低レベルで下流に向けてゆっ くりと移動したりする。

河川は、放射性セシウ ムを下流に運ぶ。粒状物に吸着したセシウムが、 ゆっくりとした流れではウォーターカラム(水 面から底までの垂直な部分)から流れ落ち、川底 に堆積し、大雨が降ったときや、雪解けの季節に は、それが再度舞い上がる。汚染された森林と 土地は広大なため、河川を介してのセシウムの再 分配の影響は極めて重要だろう。

出典:水に沈む放射能

	

粒子状物質に付着したセシウムが海に流れ込むと塩分濃度の高い海水により粒状物から離脱して漂う。

放射性核種が下流に移動 することによって生じる結果の1つは、福島県沿 岸の河口域の汚染である。河川から豊富な栄養分 が流れ込むのに加えて、強い沿岸流の影響を直接 受けにくいため、河口域は、多くの魚、貝や甲殻 類、海生動物によって、餌場や繁殖地として利用 される。セシウムが付着した水中を浮遊する粒 状物の一部は川岸に堆積するが 20、鉱物に吸着し た放射性セシウムの多くの部分は河口域に移動す る21。C. Charti n ら (2013) が明らかにしている ように、河川流域の集水域は、河口域と沿岸地域 に放射性セシウムを延々と供給し続ける供給源と なる。粒子状のものに付着したセシウムのうちご く一部は、河川が海に注ぎ込み水中の塩分濃度が 高まると、水中を浮遊する粒状物から脱離する。 河川により運ばれる放射能の総量が膨大なため、 それに占める割合がごくわずかであっても、脱離 したり溶けたりしたセシウムの量はきわめて大き なものとなり、「海洋生物相内に容易に蓄積され る」可能性がある 22。

出典:水に沈む放射能

	







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Sharetube