新しい地質時代「人新世」が核実験プルトニウムの地層堆積で始まる?

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核実験やプラスチック汚染など人類が地球環境に影響を及ぼした結果、「完新世」が終わり新たな「人新世(ひとしんせい)」の幕開けを検討する地質学者たち。

 研究チームは、1950年に始まったこの地質年代について、化学物質や社会経済のさまざまな変化を示す幾つかのグラフを見れば、主な特徴である「大きな加速」が明確に示されていると説明。その対象としては、二酸化炭素やメタンガスの大気中濃度、成層圏のオゾン濃度、地球の表面温度や海洋の酸性化、海の資源や熱帯林の減少、さらには人口増加や大規模ダムの建設、国外旅行の流行などがあるとした。これらはすべて、20世紀半ばごろに大きな変化が見られ始めた。

 地質年代区分は、地層や氷床などの痕跡を基に定められるが、「人新世」については、その痕跡を示すことが難しくないと科学者らは考えている。例えば世界各国陸海の地層でみられるマイクロプラスチックや、氷床コアの分析にみられる大気中のCO2濃度の上昇などがそれに当たるという。

「人新世」という言葉は、ノーベル化学賞を受賞したパウル・クルッツェン(Paul Crutzen)博士が2002年に提唱し、環境問題専門家らがそれに倣うようになった。

 だが一方で、これに疑念を抱く科学者らもいる。その主な理由は、新たな地質年代とするには十分な年月が経過していないためだという。

 今回、学会に発表された「人新世」については、その始まりの時期をめぐり意見が割れている。最も多かったのは核兵器の使用による痕跡をシグナルとするとの意見だった。

出典:新たな地質年代「人新世」 国際地質学会議で採用検討 南ア 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

	

地質時代年表

最近までの地質時代は気候が安定し人間の文明が始まって約1万2000年続いた完新世(Holocene)と呼ばれるが全地質史のほんのわずかである。新しい人新世の始まりは約150年前とみられる。

核兵器の使用・実験による放射性降下物が地球全体へ広がり、地質への堆積が新たな地質時代の代表的なマーカーになるとみられる。

人新世のスタートは、化石燃料の使用が始まった産業革命または1945の最初の核爆発のような歴史的な出来事によって定義されるが、重要なことは標準的な規格や世界的に普及し、そして予想外の印を必要とすることから核実験からの放射性降下物が最適である。

 1945年以降の地上核実験に使われたプルトニウム239の出現は良好なマーカーになる。この同位体は自然界には稀だが、放射性降下物の重要な構成要素である。半減期が長く、低い溶解性、および高い粒子反応性:プルトニウムを含む堆積岩と土の層で安定したマーカーとして推薦される幾つかの機能を持っている。

出典:Can nuclear weapons fallout mark the beginning of the Anthropocene Epoch?


人新世のために、このような「黄金のスパイク」の最良の候補は、地球に沈降する前に成層圏に吹き込まれた核爆弾の実験からの放射性元素である。「放射性核種は、おそらく最もシャープである - 彼らは本当に突然に現れたー」。

出典:The Anthropocene epoch: scientists declare dawn of human-influenced age

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Sharetube