猫の恩返しは耳をすませばの主人公月島雫関の処女作?
二つの作品は作品同士がリンクしているという都市伝説があり、実はこの作品は耳をすませばのキャラクターが大きくかかわっている作品である。
出典:book2"
あらすじ
ハルは、何となく日常を過ごしている普通の女子高校生。ちょっと楽しいこととちょっとついていないことが繰り返される、平凡といえば平凡な毎日だ。その日はちょっとついていない日だった。朝から寝坊してしまい、朝礼に遅刻してみんなの前で恥をかき、放課後の掃除でもヘマをして片想い中のクラスメイトに笑われてしまう。あまつさえ、放課後に親友のヒロミと一緒に歩いていた時、そのクラスメイトにかわいい彼女がいるらしいことまで知ってしまう。ひたすら落ち込むハル。
その時、ハルはトラックに轢かれそうになった猫を発見する。ハルは、思わずヒロミが持っていたラクロスのラケットつかみ、間一髪で猫を救い出した。すると、驚くまいか助かった猫は二本足で立ち上がった!猫は礼儀正しくお辞儀をして、「危ないところを助けていただきありがとうございました。お礼はまた改めて」と言って立ち去っていった。あまりの出来事に、ハルは呆然とするだけだった。
その夜、ハルの家の前には猫の行列が現れた。一行は、はるばる「猫の国」からやってきたらしい。あっけにとられるハルを前に、王様の「猫王」は昼間の出来事の礼を述べ、王子を助けた恩返しを予告して去っていった。昼間助けた猫は、猫の国の王子様だったらしい。
翌日も不思議な出来事が続く。ハルの家の敷地は一面のねこじゃらしで埋め尽くされ、学校の下駄箱にはネズミの贈り物が差し入れられていた。ハルの親友のヒロミの家にも、王子様を助ける時に壊れたラクロスのラケットが大量に届けられていたという。何が何やらよく分からないハルの前に再び猫の国の使者が現れ、ハルを猫の国に招待したいと言った。使者は猫の国の素晴らしさを語り、ハルを王妃として迎えたいとまで言う。片想いが敗れて少しへこんでいたこともあってか、つい「猫の国もいいかもね」とその気を見せると、使者は「それでは今夜お迎えにあがります」と言って去っていった。
正気に戻ったハルは絶叫する。「どうしよう、猫のお嫁さんにされてしまう!」困っているハルの頭上に不思議な声が響いてくる。「ハルちゃん、猫の事務所を探して」。ハルはその声に誘われるまま街へ出て行くと、白くて太った猫「ムタ」に出会う。ムタの後をついてアーチをくぐると、そこはミニチュアの街だった。猫の事務所は、その街の一角にあった。
「ようこそ、猫の事務所へ!」
そこには猫の男爵「バロン」が立っていた。
猫の事務所に入ったハルは、バロンにこれまでの出来事を報告した。バロンは、ハルのために問題を解決することを約束したが、ふと油断したすきに猫王の側近が乗り込んできて、ハルは「猫の国」に連れ去られてしまう。バロンとムタ、そしてカラスのトトはハルを追って猫の国へ急いだ。
「猫の国」では、ハルとルーンの婚礼の支度が進んでいた。ハルは、無事元の世界に帰ることができるのだろうか。