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専門家視点からまとめた臨床検査値

専門家視点からまとめた臨床検査値

Author:
tamatama
Release Date:
専門家視点からまとめた臨床検査値

細胞破壊により上昇するもの

細胞が何らかの理由で傷害を受けて破壊されると、酵素が血液中に漏れ出し、検査値の異常として認識される。
アルカリフォスファターゼ(ALP)
基準値 100~350 IU/L
診断臓器 肝臓、胆道、骨、悪性腫瘍

出典:

	
AST (GOT)
基準値 10~30 IU/L
診断臓器 肝臓、心臓、骨格筋、肺

出典:

	
ALT (GPT)
基準値 (男性)8~42 IU/L (女性)6~37 IU/L
診断臓器 肝臓、骨格筋

出典:

	
γ-GTP(γグルタミール・トランスペプチダーゼ)
基準値 (男性)10~40 IU/L (女性)5~25 IU/L
診断臓器 肝胆道系

出典:

	
LDH(乳酸脱水素酵素)
基準値 120~230 IU/L
診断臓器 心臓、肝臓、骨格筋、悪性腫瘍

出典:

	
AMY(アミラーゼ)
基準値 61~177 IU/L
診断臓器 膵臓、胆道、唾液腺

出典:

	
CK(クレアチンキナーゼ)
基準値 (男性)62~287 IU/L (女性)45~163 IU/L
診断臓器 心臓、骨格筋、脳神経系

出典:

・3つのアイソザイムが存在。(筋肉MM、脳BB、心筋MB)
・ASTやALTも上昇している場合は、筋肉系の傷害が考えられるため、CK-MMを測定する。
TnT(トロポニンT)
基準値 0.1 ng/ml以下
診断臓器 心臓

出典:

・心筋細胞に多く含まれる蛋白質。心筋梗塞などで上昇。
・ここまで特定臓器と相関性のある検査値は珍しい。

肝臓・腎臓による処理の停滞を調べるもの

BUN(尿素窒素)
基準値 8~20 mg/dL
診断臓器 腎臓
臨床的意義 ↑腎疾患、嘔吐、下痢、脱水、腸管出血など

出典:

・Crと同じく、食物や筋肉の代謝産物で、腎臓で濾し取られて排泄される。
・糖尿病では、前段階として微量アルブミン尿が確認される。
Cr(クレアチニン)
基準値 (男性)0.8~1.2 mg/dL (女性)0.6~0.9 mg/dL
診断臓器 腎臓
臨床的意義 ↑腎機能障害 ↓筋ジストロフィー症、尿崩症

出典:

・筋肉細胞内でエネルギー代謝に用いられるクレアチニンから生成され、再吸収を受けずに排泄される。腎機能が悪化すれば上昇し、回復すれば低下する。
・ただし、クレアチニンは尿量や脱水などによって値が変動するので、尿中Cr量を血中Cr量で割った「クレアチニンクリアランス(Ccr)」が用いられる。(基準値 110~120mL/分)
TB(総ビリルビン)
基準値 0.2~1.0 mg/dL
診断臓器 肝臓
臨床的意義 ↑黄疸

出典:

直接ビリルビンと間接ビリルビンの合計。
DB(直接ビリルビン)
基準値 0~0.4 mg/dL
診断臓器 肝臓
臨床的意義 ↑肝細胞障害、胆汁うっ滞

出典:

・蛋白質と結合したビリルビン。
IB(関節ビリルビン)
基準値 0.1~0.9 mg/dL
診断臓器 肝臓
臨床的意義 ↑肝細胞障害、胆汁うっ滞

出典:

・肝臓で蛋白質と結合する前のビリルビン

体内でバランスを保っているもの

TP(総蛋白)
基準値 6.7~8.5 g/dL

出典:

・臨床的意義 栄養状態、肝障害、血液濃度の指標

肝障害で変動するもの

Alb(アルブミン)
基準値 3.8~5.3 g/dL

出典:

・臨床的意義 ↓低栄養、腎機能障害、肝機能障害、やけどなどによる体液喪失
PT(プロトロンビン時間)
基準値 70~130%

出典:

	
NH3(血中アンモニア)
基準値 7~39 μmol/L

出典:

・アンモニアの代謝機能が落ちると上昇する。
・抗てんかん薬のバルプロ酸ナトリウムの副作用で肝機能障害が疑われる際にもアンモニア値を参考にする。
肝機能は先述のALP、AST、ALT、γ-GTPの値を参考にすることが多い。

痛風・高尿酸血症で変動するもの

UA(尿酸)
基準値 (男性)3.5~7.0 mg/dL (女性)2.5~6.0 mg/dL
臨床的意義 ↑痛風、腎機能障害、白血病、アシドーシス、薬剤 ↓尿酸生合成の低下

出典:

・高尿酸血症の病態を分類するために、尿中の尿酸量(尿中尿酸排泄量:EUA)を血中の尿酸量で割った尿酸クリアランス値(CUA)が用いられる。(基準値 6~12mL/分)
・EUAとCUAの両方が高ければ「尿酸産生過剰型」、どちらかが低い場合は「尿酸排泄低下型」、EUAが高くCUAが低い場合は「混合型」となる。
・尿酸の排泄は腎機能の影響を大きく受けるため、Ccr値も参考にする必要がある。

脂質異常症で変動するもの

TC(総コレステロール)
基準値 200mg/dL以下
臨床的意義
↑脂質異常症、閉経、糖尿病、甲状腺機能低下症、ネフローゼ、胆道閉塞、骨髄腫、悪性腫瘍、ステロイド投与
↓甲状腺機能亢進症、IVH施工時

出典:

	
TG(中性脂肪)
基準値 30~150 mg/dL
臨床的意義
↑脂質異常症、痛風、甲状腺機能低下症、糖尿病、肥満
↓甲状腺機能亢進症、ヘパリン投与

出典:

	
HDL-C(HDLコレステロール)
基準値 (男性)37~67 mg/dL (女性)40~71 mg/dL
臨床的意義 ↓代謝性疾患、慢性腎不全、肝硬変、遺伝的疾患

出典:

	
LDL-C(LDLコレステロール)
基準値 120 mg/dL未満
臨床的意義 ↓代謝性疾患、甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群、遺伝的疾患

出典:

	

腎障害などで変動するもの

Na(ナトリウム)
基準値 139~146 mEq/L
臨床的意義
↑脱水、尿崩症、ミネラルコルチコイド投与、輸液など
↓体液喪失、心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群など

出典:

	
Cl(クロル)
基準値 101~109 mEq/L
臨床的意義
↑高カロリー輸液、代謝異常など ↓利尿剤、代謝異常など

出典:

	
K(カリウム)
基準値 3.7~4.8 mEq/L
臨床的意義
↑摂取量過多、腎機能障害、アシドーシス、消化管出血、消耗性疾患など
↓下痢、発汗、神経性食欲不振症、利尿剤、漢方薬、インスリン、β2刺激剤、アルカローシスなど

出典:

	
(参考)
血液だけでなく、尿検査の値からも様々な腎機能の情報が得られる。糸球体が損傷すると蛋白やアルブミンが尿中に排泄されるため、それらの値が上昇する。
尿蛋白(基準値 10mg/dL以下)、尿中微量アルブミン(基準値 3.1~8.3mg/日)

糖尿病などで変動するもの

HbA1c(ヘモグロビンA1c、糖化ヘモグロビン)
基準値 4.3~5.8%

出典:

赤血球中のヘモグロビンと糖が結合した糖化蛋白。
赤血球の寿命は約120日なので、1~3ヶ月程度の血糖値変動と相関する。
GA(グリコアルブミン)
基準値 11.3~16.7%
臨床的意義 血糖値に相関

出典:

アルブミンと糖が結合した糖化蛋白。
アルブミンの寿命は約3週間なので、1~3週間程度の血糖値の変動と相関する。
CPR(C-ペプチド)
基準値 1.0~3.5 ng/dL

出典:

インスリンと同時に産生されるペプチド。
IRIの測定だけでは、インスリン注射を使用している際にインスリン分泌量の正しい測定ができない。
IRI(インスリン)
基準値 空腹時 5~20 μU/mL

出典:

膵臓から分泌されるインスリン量を把握するための指標。
BB(空腹時血糖)
基準値 60~110 mg/L
臨床的意義
↑過食、妊娠、糖尿病、インスリン不足、脱水など
↓インスリン過多、アルコール摂取、栄養不良など

出典:

	
随時血糖値
基準値 200mg/dL未満

出典:

	
糖負荷後2時間血糖値
基準値 140mg/dL未満

出典:

	
肝臓も血糖値の調整に重要な役割を果たしているため、肝機能値も参考にすることが多い。
インスリン抵抗性などは肝機能値も参考にして判断する。

甲状腺疾患で変動するもの

TSH(甲状腺刺激ホルモン)
基準値 0.4~5.0μU/mL

出典:

	
FT3(遊離トリヨードサイロニン)
基準値 2.5~6.0 pg/mL

出典:主な臨床検査項目の基準値|看護roo![カンゴルー]

	
FT4(遊離サイロキシン)
基準値 0.8~2.0 pg/mL

出典:

	

貧血で変動するもの

RBC(赤血球数)
基準値 (男性)427~570万 /μL (女性)376~500万 /μL

出典:

	
Ht(ヘマトクリット)
基準値 (男性)39.8~51.8 % (女性)33.4~44.9 %

出典:

・赤血球の容積比
・この値をRBCで割ったものがMCV(平均赤血球容積)で、赤血球の大きさを表す指標となる。基準値内なら「正球性」、基準値より大きい場合は「大球性」、小さい場合は「小球性」となる。
Hb(血色素量)
基準値 (男性)13~17 g/dL (女性)11~15 g/dL

出典:

・ヘモグロビンは酸素や二酸化炭素を運ぶ作用を持つ色素。
・この値をRBCで割ったものがMCH(平均赤血球血色素量 基準値 29~35pg)で、基準値内であれば「正色素性」、基準値よりも高い場合は「高色素性」、低い場合は「低色素性」となる。
Fe(血清鉄)
基準値 (男性)82~136 μg/dL (女性)73~117 μg/dL

出典:

	
トランスフェリン
基準値 (男性)281~361 μg/dL (女性)289~359 μg/dL

出典:

・血清中で鉄は鉄運搬蛋白質のトランスフェリンと結合している。
UIBC(不飽和鉄結合能)
基準値 (男性)168~252 μg/dL (女性)185~261 μg/dL

出典:

・鉄と結合していないトランスフェリンの一部で、鉄不足を推測できる。
フェリチン
基準値 (男性)40.2~127.6 ng/dL (女性)7.3~52.9 ng/dL

出典:

・体内の鉄は3分の2がヘモグロビン内に含有されるが、残りは肝臓などの組織で蛋白質と結合した「フェリチン」として貯蔵される。

疾患により新たに生成するもの

腫瘍マーカー

AFP(αフェトプロテイン)
基準値 10 ng/mL以下
影響する疾患 肝細胞癌、転移性肝癌

出典:

・CEAと同様、正常な胎児細胞で多く産生される。
CEA(癌胎児性抗原)
基準値 5.0 ng/mL以下
影響する疾患 大腸癌、直腸癌、膵癌、肺癌、腎不全、糖尿病、慢性肝炎、肝硬変

出典:

	
hCG(絨毛性ゴナドトロピン)
基準値 0.7 mIU/mL以下
影響する疾患 絨毛性腫瘍、異所性hCG産生腫瘍

出典:

・妊娠初期にも上昇することがある。
CA19-9
基準値 37 U/mL以下
影響する疾患 胆道癌、膵癌、糖尿病

出典:

	
CA125
基準値 35 U/mL以下
影響する疾患 卵巣癌、肝癌、子宮内膜症

出典:

	
PSA(前立腺特異抗原)
基準値 3.5 ng/mL以下
影響する疾患 前立腺癌、前立腺肥大症

出典:

	
CRPやフェリチンも参考にする。

炎症反応

CRP(C反応性蛋白)
基準値 0.1 mg/dL以下

出典:

	
グロブリン
基準値 (α1)2~3%、(α2)5~10%、(β)7~10%、(γ)10~20%

出典:

感染初期には広く浅く対応できるIgMが大量に産生される。
時間稼ぎをしながら、特異的で強力なIgGの産生を待つ。
WBC(白血球数)
基準値 4000~8000 /μL

出典:

	
好中球
基準値 40~60 %

出典:

	

参考リンク

なぜ医療機関や参考文献ごとに基準値が異なるのか

施設によって、正常値にも異常値にもなっており、バラバラというのが現状

出典:検査値正常でも安心できず

施設によって検査の方法や機器、使う試薬などが違うから。
測定原理、測定試薬、測定機器、および標準物質の違いによっても正常値は異なる。

出典:血液検査数値で病院によって上限数値が違いますがなぜですか?例 γーGTP A病院 ... - Yahoo!知恵袋

機関毎に測定値が異なっていても、その機関が定めた基準範囲内に入っていて、他に臨床症状がなければ異常なし

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