意味がわかると怖い漫画「下校時刻の哲学的ゾンビ」の解説

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オモコロというウェブサイトに掲載されている「下校時刻の哲学的ゾンビ」という漫画が面白かったのでご紹介します。

その漫画は終わり方に謎があるので、もしかすると意味がわからない方がいるかもしれません。

漫画内には解説がなく、読者に判断をゆだねているんだと思われます。

そこで、筆者なりの解説も書いてみたいと思います。

下校時刻の哲学的ゾンビ

まずは作品をお読みください。
漫画のタイトルに「哲学的ゾンビ」とありますが、そもそも哲学的ゾンビとは何ぞ?
まず、哲学的ゾンビとは次のような意味であることを明らかにしておく。


・罪悪感の希薄な人や、冷たい人、等の人間の性格を表す言葉ではない。


・精神疾患を意味する精神医学関連の用語ではない。


議論の混乱を防ぐために、次のような2つの区分がある。


行動的ゾンビ(Behavioral Zombie)

外面の行動だけ見ていては、普通の人間と区別できないゾンビ。解剖すれば人間との違いが分かる可能性がある、という含みを持つ。例として、SF映画に出てくる精巧なアンドロイドは、「機械は内面的な経験など持っていない」という前提で考えれば、行動的ゾンビに当たる。


哲学的ゾンビ(Neurological Zombie)

脳の神経細胞の状態まで含む、すべての観測可能な物理的状態に関して、普通の人間と区別する事が出来ないゾンビ。

哲学的ゾンビという言葉は、心の哲学の分野における純粋な理論的なアイデアであって、単なる議論の道具であり、「外面的には普通の人間と全く同じように振る舞うが、その際に内面的な経験(意識やクオリア)を持たない人間」という形で定義された仮想の存在である。哲学的ゾンビが実際にいる、と信じている人は哲学者の中にもほとんどおらず「哲学的ゾンビは存在可能なのか」「なぜ我々は哲学的ゾンビではないのか」などが心の哲学の他の諸問題と絡めて議論される。

仮に“哲学的ゾンビが存在する”として、哲学的ゾンビとどれだけ長年付き添っても、普通の人間と区別することは誰にも出来ない。それは、普通の人間と全く同じように、笑いもするし、怒りもするし、熱心に哲学の議論をしさえする。物理的化学的電気的反応としては、普通の人間とまったく同じであり区別できない。もし区別できたならば、それは哲学的ゾンビではなく行動的ゾンビである。

しかし普通の人間と哲学的ゾンビの唯一の違いは、哲学的ゾンビにはその際に「楽しさ」の意識も、「怒り」の意識も、議論の厄介さに対する「苛々する」という意識も持つことがなく、“意識(クオリア)”というものが全くない、という点である。哲学的ゾンビにとっては、それらは物理的化学的電気的反応の集合体でしかない。

出典:哲学的ゾンビ - Wikipedia

	
つまり哲学的ゾンビというのは、客観的には普通の人間と区別はつかないけれど、意識(クオリア)のない存在ということですね。

ポイントは、はた目からは区別できないけど本人に意識(クオリア)がない、というところです。


ここまでくると、先ほどの「下校時刻の哲学的ゾンビ」の意味がわかってくるのではないでしょうか?

漫画内のコマ割りに注目

この漫画はコマ割りが独特で、右、真ん中、左、と分かれています。

向かって左のコマは、すべて主人公の女の子(大朋)の視点だと考えられます。

真ん中のコマは、客観的な視点(テレビカメラのような視点)です。

向かって右側は、友達(龍野)視点です。


まず、前日に謎のキャラメルを食べた友達(龍野)の視点(向かって右側)は最初から消えています。

これは、意識(クオリア)がないことを意味します。

もちろん、客観的には分かりません。


次に、主人公の女の子(大朋)の視点(向かって左側)はキャラメルを食べた途端に消えてしまいます。

こちらも、客観的にはわかりませんが本人の意識(クオリア)がなくなってしまったのです。


二人ははた目には分かりませんが、意識のない存在になってしまったのです。

そう、それはまさに…「哲学的ゾンビ」になってしまったのです。


※ あくまでも筆者なりの解釈です

最後に…

意味がわかるとゾクッとしませんか?

二人は他人から見れば生きているけど、本人は意識のないゾンビのような存在なんですね。

でも、誰もそれを証明することはできません。

二人は解剖しても普通の人間と変わりませんからね。

考えれば考えるほど恐ろしいキャラメルです。


あなたなら、こんなキャラメル食べてみたいですか?

私なら嫌ですね。

自分の意識は大事にしたいですから。笑

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Sharetube