【面白い統計調査】あなたにとって一番大切なものってなに!
「あなたにとって一番大切なものは?」と聞かれたときに、みなさんは何と答えるのでしょうか。人それぞれの生活環境や事情によって様々な答えがありそうです。その時々の社会背景によっても異なることでしょう。少々古いですが、国民生活白書には、その調査結果の推移が掲載されています。時代によって、人々の感情が変化することが読み取れ、とても興味深いです。以下にご紹介します。
あなたにとって一番大切なものは何ですか?
下の図は、『平成19年版国民生活白書』から抜粋したものです。1980年頃を契機に、一番大切なものは「家族」と答える人が多くなっています。そして、これ以降は2位以下の「生命・健康・自分」や「愛情・精神」を、大きく引き離す傾向が続いています。それにしても、この引き離しっぷりは凄いですね。
「家族」が一番大切と答える人が増加している傾向には納得できるのですが、意外と「金・財産」や「仕事・信用」が低いのには驚きです。
まあ、全体的には誰もが妥当な結果と思えるような内容だと思います。しかし、別の調査を確認すると面白い現象が起きているのが分かります。
※出典:平成19年版国民生活白書
一番大切なのは家族だけど、実際の状況は…
下の図は、「親子の対話の重要度と充足度の推移」を表しています。こちらも、『平成19年版国民生活白書』から抜粋したものです。やはり1980年頃を契機に、その「重要度」は高まっているのですが、一方で「充足度」については、いったん上昇しているものの、その後は減少の一途をたどっています。要するに、親子の対話が重要なことは認識しつつも、満足した状態になっている人は減少しているってことになります。
※出典:平成19年版国民生活白書
問題は、理想(家族が一番大切)と現実(家族間対話の減少)のかい離
ここで最初の図「あなたにとって一番大切なものは何ですか?」についてを見てみましょう。大切なものは「家族」と答える人が、急上昇しているものの親子対話の充足度は減少しています。つまり、「一番大切なのは家族」としているものの、実際の生活では家族の対話は減少していて、満足度も低下していることになります。問題は、この差(かい離)が拡大していることです。絵に描いた餅のような家族関係になりつつあります。「一億総活躍社会」を目指しているようですが、その基盤となる家族が崩壊の危機にあるといえるのではないでしょうか?もう少し、政府、地方団体、企業が一体となって「家族」が一緒に過ごせる環境を整える必要があると思われます。そして、その向こう側に「一億総活躍社会」があると考えます。
あなたにとって一番大切なもの(SNS編)
やはり家族を大切に思う投稿は多いようです。