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『取材力』は、『会話力』現役ライターが語る取材・インタヴューのノウハウ パート4

『取材力』は、『会話力』現役ライターが語る取材・インタヴューのノウハウ パート4

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MaverickMaverick
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『取材力』は、『会話力』現役ライターが語る取材・インタヴューのノウハウ パート4

■ 『取材力』は、『会話力』

ある意味で、取材とはいえ、人と人とが会話をして、その結果、
下賎な言い方をすれば、「お金になる記事」を書くにせよ、
そこで求められるのは、とりもなおさず、「いかに有効なコミュニケーションを成立させるか」に掛かっております。

いわば、あなたの『会話力』が試される局面だといえます。

この章では、そうした取材に必要とされる心構えや常識に加え、注意事項などについてもご説明します。

私たちのようなライターや記者、インタビュアーやジャーナリストという職業は、ある意味で、「徒弟制度で独自のノウハウが引き継がれる職人技の世界」だと私は考えております。

その意味では、かなりの部分で、「基本中の基本」といえる面を含めて、私なりに身に付けてきた『取材力』の秘伝の技について、語っているつもりです。

それゆえ、ベテランの方も、駆け出しの方も、もう一度、私が申し上げるノウハウについては、素直に耳を傾けてください。

そうすることで、ご自分の今までの取材法を客観的に捉えることが出来、自分の得意とされる部分を活かすと共に、自分に欠けていたと思われるウイークポイントは、速やかに補っていくことができるでしょう。

■ 『幸福の還元』とは?

「取材を申し込む」とは、あなたというセールスマンが、あなた自身による「インタビュー」を売り込む行為に他なりません。

つまりは、「あなた自身」の魅力や付加価値を取材対象に売り込んで、「あなたの取材に応えることによって、相手が得られるメリットを判ってもらう必要がある」ということです。

これはある意味で、自動車やマンション販売といった物販のセールス以上に難しいことかもしれません。

しかし、同時にやりがいもあることでしょう。
なにせ、世界でただ一つ、あなたしか売っていない商品を、あなた自身が知り尽くし、自由にカスタマイズして、TPOに合わせて、自在に販売できるわけですから。

そして、さらにこの仕事が面白いのは、そうして、うまい形でビジネスが成立すると、その場限りではなく、「そこがスタート」になって、「次から次への新しい展開が始まる」という別の可能性をも秘めている点です。

とにかく、一度で良いですから、このノウハウを実践して、あなたの全身全霊を傾けて、素晴らしい取材を成し遂げてみて下さい。

その結果は、また、別の機会に、予期せぬ形で、思わぬ利子をつけて、あなたに還元されてくることでしょう。

いわば、「幸福の還元」ですね。

結局、最後は「人」と「人」なんです。

相手も生身の人間ですから、感情もあれば、感謝の気持ちもあります。誠意も伝われば、「何かの形で恩返しをしたい」と思う気持ちも当然持っているのです。

■ “ペンは剣よりも強し!“ でも”諸刃の剣“かも?

あなたには「書く力」という武器があります。

それは、あなたにしか、持ち得ないパワーであり、最強のアイテムなのです。

それを使って、「相手の素晴らしさを大勢の読者に伝える」ことも出来れば、その逆も可能で、「相手を奈落の底に突き落とすこと」も可能なのです。

いわば、“諸刃の剣”というわけですが、そのことも同時に自覚しておいて下さい。

そして、もし、あなたがその素晴らしい切れ味の武器の使い方を誤って、取材相手を傷つけてしまった場合は、先ほどの
「幸福の還元」と同様、今度は「不幸の復讐」となって、
あなたの身に災いとなって降りかかってきます。

ペンを持つというのは、それくらい、責任重大なことなのです。

あなたが、そのあたりにゴロゴロいる匿名の「2ちゃんねらー」や「ブロガー」のような書き手であれば、好き勝手なことを書けるでしょう。

しかし、まがりなりにも、クライアントや編集者から取材を仕事として依頼される「プロ」として活動していく以上、仕事に対しては、真剣勝負で望むべきですし、それが「当たり前」なのです。

いい取材を志す際の「心構え」を説く前に、まずは私が考える「基本的な姿勢」や「プロとしての自覚の必要性」について、書いてみました。

この中に、一つでも「なるほどな。」と共感してもらえる部分があれば、幸いです。

では、続いて、より具体的な内容について、触れて行きたいと思います。

■ 取材の心構えについて

一口に取材の心構えといっても、これも状況や対象に応じてさまざまなシチュエーションが考えられますが、とりあえず、このテキストの中では、あくまでも、前向き、ポジティブな状況の中で、取材が進むことを前提とします。

事件記者のようなハードな立場でのジャーナリストの場合、夜討ち朝駆けで、嫌がる取材対象に追いすがり、記事のネタを奪い取るような状況もあるのでしょうが、私自身もそういう経験はあまりないので、ノウハウとしても人様に語れるだけの何かをそれほど持っているわけでもありません。

まずは、前章でお話したとおり、「事前の準備に時間を掛けて、アポを申し込み、その当日まで漕ぎ着けた」という前提でお話をします(取材アポの依頼文見本例は巻末に記載してありますので、ご参照下さい)。

そうやって、時間を掛けて調査し、依頼し、先方がアポを受諾した場合、どんなに忙しい取材対象であっても、その取材時間は楽しみにしているものです。

たしかに、微妙な緊張感を持っていたり、あるいは、虚栄心や格好付けようと身構えている部分もあるでしょう。

従いまして、まずは、初対面でお会いした時に、「私はあなたの敵ではなく、頼りになる味方ですし、PR担当のスタッフですよ。」と、理解してもらう必要があります。ここは重要です。

そうした感情を相手に抱かせるために大切なのは、とにかく、「相手を認めること」。有体にいえば、「褒め殺すこと」です。

しかし、それもやはり、“諸刃の剣”です。

いかにも、「取って付けたような褒め言葉」を並べたところで、相手の胸には届きません。

下衆な喩えで恐縮ですが、美人を口説く際に、「キレイですね。」
と言葉を百万回並べたところで、「そんなことは、初対面のあなたに言われなくても、この私が一番、わかっています。」と思われてしまうのと同じです。

なにせ、彼女にしてみれば、生まれてこのかた、それこそ、100万回といわず、聞かされ続けた言葉でしょうから。

では、どういう形で取材対象を褒めるべきなのでしょうか?


■ プロライター流 『口説きのテクニック』

やはり、そこはプロのライターやジャーナリストならではの「武器を使う」ことです。

ライターには、ライターの褒め方、よいしょの仕方があります。

たとえば、私の場合、こういう手を使います。

まず、最近のインタビュー記事や取材の結果を見て、その取材対象が「一番訴えたいキーワード」を探します。

おそらく、あなたのところに取材依頼がくるくらいでしょうから、その取材対象にはこれまでにも何らかの取材依頼が寄せられ、どこぞのメディアに言いたいことを語っているはずです。

取材前の事前リサーチの段階で、それは簡単にみつかることでしょう。

それを熟読して、取材に望むのは当然ですし、さらにうがった見方をすれば、おそらく、本日の取材でも、普通の質問を繰り返せば、その取材対象が回答する内容も、その前の取材での回答とほぼ、似たり寄ったりの記事となることでしょう。

そこまでのネタの仕込みは、どのライターでも行ないます。

ここで一つ、「秘密のノウハウ」の登場です。

これは、取材対象がその道でのキャリアがあり、それなりの大物であることを前提としますが、私は事前リサーチの段階で、今から「10年くらい前」に、彼が取材を受けたり、特集を組まれたりした際の記事を入手するように努めるのです。

それを先ほどの「最新ネタ」について他社同様に語ってもらった後に、おもむろに取り出し、「目の前に提示」するのです。

そして、こう言います。

「いやー、さすがは○○先生。
 すでに10年前から、今の状況やお立場をお見通しなのですね。おっしゃっていることも全然、ブレていないのが凄いです。なかなか、そういう方は、この業界でもいらっしゃいません。さすがです。大物は一味違う、と感じました。」

私が、どんな手段を用いてでも、その取材対象に関する些細な情報までも集めておくべきと、前章で申し上げたメリットはこういうところでも発揮されます。

そこまでの調べをしていくと、まず、相手は驚きますし、さらに自分の過去の取材記事を懐かしく思って、ノスタルジーに浸ります。

「そうなんだよ。俺も無名だったこの頃から今と変わらずずっと頑張ってきたんだ。 俺、いまから10年前にも、こんな夢を語っていたんだなあ。」

その時にも使うべきノウハウがあります。それは、すかさず、「その記事のコピーをプレゼント」したり、雑誌であれば、「バックナンバーを古本屋で入手しておいて、手渡す」ことを行なうのです。

すると、相手の心はいっぺんに氷解して、「おお、ありがとう。うれしいなぁ。何でも聞いてくれ!どんなことでも答えるよ。」という反応になるのです。

これが、ライターならではの武器というわけです。

人は、誰しも自分が好きなものです。

まして、取材対象に選ばれたり、その依頼を受けるような人は、語りたい過去や認めてもらいたい実績などが、心の中に山積み状態になっています。

それを自分以外の誰かから、予想もしていなかった角度より、突然に褒められたりすると、それこそ、あなたのことを「無名の頃からの10年来の友」のように思えてくるものです。

そうして、心を掴めば、まさに「掴みはOK!」です。

突然に本題に入る前に、時間が許せば、こうした雰囲気に持ち込めれば、後の仕事が格段にやりやすくなります。

是非、このノウハウを使ってみてください。

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著者プロフィール
Maverick

I'm proud of the fact I was born in Japan.