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【取材の必須アイテムについて】現役ライターが語る取材・インタヴューのノウハウ パート6

【取材の必須アイテムについて】現役ライターが語る取材・インタヴューのノウハウ パート6

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MaverickMaverick
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【取材の必須アイテムについて】現役ライターが語る取材・インタヴューのノウハウ パート6

■ 取材の必須アイテムについて

さて、続いて取材の必須アイテムですが、これもある意味で、基本中の基本ですので、改めてご紹介するほどのこともないと考えています。

ただ、一つ、一つのアイテムが、私のそれなりにプロとしての長年のライター稼業の中で、選びぬかれた品々だったりしますので、それらに関する情報がご参考になればと思い、敢えて書かせて頂きました。

まず、筆記用具ですが、ペンとノートは「日々愛用」のものをお使いください。

経験的には、ペンは黒の赤の二色ボールペンや0.5mm程度の厚さのグリップ付、ノートはリング式のA4の格子目のものが使いやすいように思えます。

あと、もし、カバンなどの収納力に余裕があれば、私独自のノウハウとして「A3サイズのスケッチブックと黒のマジックペン」を持参することをオススメしたいと思います。

人間は不思議なもので、目の前にスケッチブックがあり、ペンを握らされると、「何かを描きたくなる」ものです。

それがあれば、取材対象者に何か、「一言書いてもらう」とか、話に出てきた場所を説明する際の地図を描くとか、あるいは絵心のある取材対象であれば、「簡単なイラストや説明図、さらにはサイン」などを書いてもらったりすることも出来ます。

また、先ほどの例にも関係するのですが、「キーワード」や「座右の銘」などを書いてもらい、それを手に持って、デジカメに写すと、取材写真として、それなりに絵になる=版元も喜ぶといった効果も期待できます。

ただし、単純な言葉や文字でも、大きな紙に書くとなると、意外に難しく、相手のストレスを高めてしまう面もあることを、理解しておく必要があります。ですから、紙のサイズは各種用意しておくのも必要でしょう。

■ 決め手はビジュアル!

必須アイテムとして、あと必要となるのは「名刺」は当然として、雑誌の取材である場合は、その「掲載誌の最新号を持参」するのも礼儀です。

出来れば、今回の取材の結果が記事となった状況がイメージできる同様の企画が掲載されたものや、連載などがある場合は、
2,3号遡って、まとめてお見せすることにより、取材対象に「安心感を与える」ことが出来ると思います。

とにかく、重要なノウハウは、「具体的なビジュアルとして相手に理解してもらう」ように努めること、です。

相手は、あなた相手に語ったことが、どういう風に受け取られ、どういう記事になるか、まったく想像できません。

いわば、“まな板の上の鯉”状況であるわけですから、そこの不安感を出来るだけ、取り除いてあげるというのも、取材する側のマナーであり、なによりも、仕事がやりやすくなるための秘訣だと私は思っています。

■ 写真撮影の流儀

同じ事は、「写真撮影」にも言えますね。

プロのカメラマンを同行する大掛かりな取材の場合もあれば、予算や人員の都合により、あなたが撮影まで兼ねることも少なくないと思いますが、これだけは覚えておいてください。
「取材対象者は誰しも、神経質と思えるほどに写真写りを気にする」ものなのです。

いくら、画素数が上がったとはいえ、携帯電話のカメラ機能で撮影するプロのライターはいないと思いますが、やはり、見栄や安心感、さらにはプロとしての信頼性を高めるためにも、それなりのデジカメ、やはり「2000万画素レベルの一眼レフ」とストロボ程度は用意して、持参すべきだと思います。

そして重要なのは、撮影のあとは、その画像を出来るだけはやく、再生で出力し見せるなり、当日帰宅後メール添付するなりで、取材対象に見せるべきです。
可能であれば、「フォトショップ」や「ライトルーム」などでより良い画像に加工することも必要です。私の知る限り、面倒がり、ここの部分を出来るだけ、省こうとするライターが多いようです。

出版前のダメだしを極力排除するために、取材対象にはテキスト部分のみのゲラチェックをお願いして、挿入画像やその説明文の確認依頼を怠るというケースをよく目にします。

マスコミ業界の悪習慣として、刷ってしまったもの、流して(放送)してしまったものは、「ごめんなさい。」で片付けてしまえばいいという考え方を時折、見聞きしますが、客観的に見ても、これはアンフェアなやり方です。私はお勧めできません。

これでは、到底、取材対象者とライター(あなた)との間で、“Win & Win”の信頼関係は、構築できるはずもありません。

そして、そういう不誠実な態度は、後の取材の際に、かならず、しっぺ返しとなって、大きなツケが返ってきます。
取材相手から、「今回の取材相手は不誠実だ。信用できない」と同業者や知人などに漏らされては、今後の仕事がやりにくくなることは自明でしょう。
ですから、私はこのようなことは一切しないように版元にもその旨伝えるよう、努めています。

装備品としてのデジタルカメラの話から、いささか逸れてしまいましたが、この絶対に必要な撮影時のマナーはぜひ、外さないようにしてください。

■ ボイスレコーダーの流儀

あと、意外に役に立つのが、最近の「デジタル式」のボイスレコーダーです。

特に、長いインタビューの際には、あとで原稿の書き起こしをする際に、「あれは、何の話だったかな?」という疑問点にいくつか、必ずぶつかりますので、とても役に立ちます。

また、これは取材相手がタレントだったりした場合に時折、起こることなのですが、取材対象の本人のコメントと、本人を商品として扱う事務所との間で、意思疎通の齟齬が生じていたり、タレント本人の振る舞いと、事務所のイメージ戦略との間にギャップがあったりすることがあります。その場合には、要注意です。

よくあるのが、タレント自身が確かに発言した内容を、そのまま活字にして仕上げますと、事務所の方からは「そんな意図では言っていない。」との横槍が入ったりすることが多々あります。

そうした場合の裁判沙汰に備えた証拠固めというわけでは、ありませんが、できるだけ、会話を録音しておく方が、あとあと、あなたが泣き寝入りをしなくて済むような危機管理にもなると思います。

ただし、会話を録音する際には、かならず、取材対象に「テープを回す」旨を断ってからにしてください。隠し録りなどは、もってのほかです。

さらに重要なのは、その録音した生データの厳重な保管です。

取材相手は、あなたを信頼して、生の会話を録音することを認めてくれたわけですから、その信頼を裏切るわけにはいきません。

特に、相手はタレントだったりする場合、そうした生データが「流出」することにより、莫大な損害請求があなたのクライアントの元に寄せられ、あなた自身のジャーナリスト生命が絶たれるリスクが想定されますので、くれぐれもご用心ください。

■ 商品「あなた」の売り込み方

あとは、余談になりますが、その取材対象に深く食い込んだ際に、あなた自身をどう売り込むかという話です。

ある程度、実績を積むことが出来ていれば、あなた自身の過去の仕事を出来るだけ、ビジュアルにお見せ出来るように努めましょう。実績がない場合でも、自分のブログやサイトなどでの執筆コピーなどを持参してもよいでしょう。

「私は、こういう分野でのライティングが得意です。」とか、「前に書いたこの記事がおかげさまで評判よくて、その後、ご注文が増えたと感謝されています。」
「サイトでこの記事を書いたときは沢山の共感・応援コメントが来ました」といった、説明を一言、付け加えるのも大切です。

私のこの本の方法論に従えば、あなたはすでに、取材を取り付けて取材対象の話を聞く場合、相手のハートを掴むテクニック・ノウハウを理解し、また、聞き上手、褒め上手で、相手をいい気持ちにさせることができるレベルのはずです。

そんなあなたが、「客観的な証拠」として、あなたと組んで仕事をすることにより、「相手に幸運や利益をもたらすこと」を示してあげることは、広い意味でのサービスの一環だと思っております。

いわば、有能なインタビュアーというのは、銀座の高級ホステスさんみたいなもので、「相手にいい気持ちになってもらいながら、得意話を聞きだして、記事にまとめる」ことが求められているわけですよね。

だから、もっと言ってしまえば、この仕事は「人好き・人間好き」な好奇心旺盛なタイプの人でないと、勤まりません。

いろいろな価値観を持つ相手に合わせて、あなた自身もその受容体としてのキャパシティを広げて、相手の話が面白ろおかしくなる様に、うまく誘導して聞いてあげることが必要です。

ホステスさんは、その場限りの聞き上手でいいわけですが、我々ライターは、そこからが本当の仕事というか、腕の見せ所となるわけですけど。

そうして、あなたの業績をわかりやすい形でお見せして、あなた自身を売り込んでおくと、単なるスタッフとしての立場を超えて、別のお仕事が指名で舞い込んだり、別の取材先へのアポ取りに紹介や助言を頂いたりと、まず、いまのあなたが想像も想定もしていない形で、どんどんとビジネスチャンスが広がります。

つまり、そうした「取材の拡大再生産」とも言えるような仕事の「無限ループ」をつくることが、プロの仕事術だと私は考えています。

事実、私自身、駆け出しの頃を振り返ってみて、そういう「小さな信頼感の積み重ね」でお仕事を増やしてきました。

■ 小さなことから、コツコツと

最後に、一言、申し上げます。

「小さなこと」と申しましたが、本質的な意味では、実は「小さくない」ことなのです。

駆け出しの頃は、どんな仕事でもとりあえずは二つ返事で受けるような基本姿勢でいてください。

それが、いずれ大きく育ちます。
仕事も育てば、クライアントも育ちますし、あなた自身も育っています。

まずは、貪欲に、どんな仕事でも積極的に請ける姿勢。
そして、請けたものは高いレベルで完成させること。

これこそ、私は本当のプロの仕事術だと思っています。

もちろん、不当に予算が安かったり、割りにあわない仕事もあるでしょう。具体的な社名などは挙げられませんが、この業界には、「ただの使い捨て」としかライターを認識していない会社も多くあります。
私の経験では、その場合でも、一度はそういう会社の仕事をしてみる、「内情を調査してみる」という姿勢は必要だと思います。
そうでなければ、クライアントの良し悪しを、今後の多種多様な仕事を請ける際に把握することが出来ませんから。

いいクライアントがどうかを確かめるために、堂々とあなたが考える適正価格を提示してみる勇気も必要です。
それをきちんと受け止めて、要望を認めようと努力してくれる誠実なクライアントなのであれば、とても幸運です。
誠意を込めて、仕事をするようにしましょう。

そのうち、そのようなよいクライアントの方々から、あなたを常時指名したり、選んでくれるように必ずなりますので。



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著者プロフィール
Maverick

I'm proud of the fact I was born in Japan.