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猛威をふるう貝毒!各地で潮干狩り存続の危機

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猛威をふるう貝毒!各地で潮干狩り存続の危機

Author:
tamatama
Posted date:
Update date:2017年05月30日
猛威をふるう貝毒!各地で潮干狩り存続の危機

日本各地で悲鳴が!

ところで、貝毒ってどんなもの?

魚介類が生産する毒物(マリントキシン)の一種で貝類の毒(動物性自然毒)を指す。

出典:貝毒 - Wikipedia

日本では下痢性貝毒、麻痺性貝毒の発生があるが、神経性貝毒と記憶喪失性貝毒は、発生報告はない。
ホタテガイ、カキ、アサリ等の二枚貝が有毒プランクトンを食べることで毒化し、毒化した貝を人間が食べることで食中毒を起こすことがあります。

出典:貝毒とは?

	
毒化した二枚貝を食べると、手足のしびれといった麻痺や下痢などの症状が発生することがあり、重症の場合は呼吸麻痺を起こし死に至ることもあります。

出典:大阪府/貝毒に注意しましょう!

貝毒の蓄積は外見では判断できません。また、貝毒は熱に強く、加熱調理では分解されません。

下痢性貝毒(毒成分:オカダ酸)

オカダ酸

分子式C₄₄H₆₈O₁₃で表されるポリエーテルの一種である。
有毒渦鞭毛藻により産生される毒素である。この藻類を餌とする二枚貝の中腸腺にオカダ酸が蓄積されることで、下痢性の食中毒を引き起こす原因となる。
狭義の下痢性貝毒はオカダ酸とその同族体のジノフィシストキシン群である。

出典:自然毒のリスクプロファイル:二枚貝:下痢性貝毒|厚生労働省

オカダ酸をはじめとする下痢性貝毒は脂溶性のポリエーテル化合物である。
オカダ酸は二枚貝に含まれる貝毒であり発がんプロモーターである。

出典:薬剤師国家試験 100-020改

下痢性貝毒のオカダ酸が発がんプロモーターとして働く機序として、オカダ酸のプロテインホスファターゼ(脱リン酸化酵素)の阻害作用が考えられる。
細胞の増殖は様々なタンパク質のリン酸化によって促進されることが知られているが、オカダ酸は脱リン酸化酵素の阻害作用によって、タンパク質のリン酸化を促進することで、がん細胞の増殖を促進していると考えられる。
1981年、クロイソカイメンからマウスに対して顕著な急性致死毒性を示すオカダ酸(二次代謝産物)が単離されました。

出典:オカダ酸について

オカダ酸は細胞内でタンパク質脱リン酸化酵素プロテインホスファターゼ1(PP1)および2A(PP2A)を阻害し、結果として発癌を促進することがわかってきました。

麻痺性貝毒(毒成分:サキシトキシン、ゴニオトキシン)

サキシトキシン(STX)

赤潮を形成する有毒渦鞭毛藻がつくる麻痺性毒物の一種。その藻類を食べることで、通常は毒を持たない貝類などが毒化することがある
麻痺性貝毒にはサキシトキシン、ネオサキシトキシンおよびゴニオトキシン群など多数の同族体が存在する。

出典:自然毒のリスクプロファイル:二枚貝:麻痺性貝毒|厚生労働省

	
サキシトキシン、ゴニオトキシンは、麻ひ性貝毒による食中毒である。

出典:薬剤師国家試験 086-076

	
サキシトキシンは、ホタテガイなどの二枚貝の中腸腺に蓄積・濃縮される麻痺性の毒素である。

出典:薬剤師国家試験094-069改

テトロドトキシン同様、神経細胞のNaチャネルを選択的に阻害することでNaの細胞内流入を防ぐ。症状もふぐ毒に類似。
サキシトキシンは有毒プランクトンが産生し、二枚貝類に捕食されて蓄積した毒素である。

出典:薬剤師国家試験 090-069改

水溶性の麻痺性貝毒であるサキシトキシンは、有毒プランクトンが産生する。
このプランクトンがホタテガイやイガイなどの二枚貝に捕食されて蓄積する。
サキシトキシンは麻痺性貝毒と呼ばれ、ネオサキシトキシン、ゴニオトキシン群とともに赤潮の原因である渦鞭毛藻が産生する毒素

出典:生物・化学戦(BC)の対処法(生物) - サキシトキシン(麻痺性貝毒) | 緊急災害医療支援学 - Disaster Medical Logistics Support Research - |

マガキ、ホタテガイ、ムラサキイガイ、アサリなど、主に二枚貝がこれを摂食し体内に蓄積し毒化する。
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出典:食べるな危険!猛毒を持つ3大毒ガニ : カラパイア

ある種のカニも、トロドトキシン(フグ毒)やサキシトキシン(麻痺性貝毒)を持つ。

合わせて知っておきたい、動物性の自然毒

シガテラ(毒成分:シガトキシン)

シガトキシン(CTX)および類縁化合物

熱帯の魚が原因。食物連鎖で濃縮された毒により食中毒がひきおこされる。
特徴的な症状として「ドライアイスセンセーション」があり、冷たいものに触れるとドライアイスに触ったように感じるという感覚異常である。
シガテラはシガトキシンによる中毒である。

出典:薬剤師国家試験 086-076改

Na流入促進によるドライアイスセンセーションが有名。
シガテラの特異的症状として、物にさわるとドライアイスに触れたような感覚(ドライアイスセンセーション)がある。

出典:薬剤師国家試験 088-078

Naチャネル開口作用による。

フグ毒(毒成分:テトロドトキシン)

テトロドトキシン (TTX)

フグが毒を産生するのではなく、海洋細菌が産生した毒が食物連鎖により濃縮されることで毒性を持つ。
毒素は耐熱性で、神経麻痺を起こし、重症例では呼吸麻痺で死亡することもある。
テトロドトキシンは、フグが産生する毒素ではない

出典:薬剤師国家試験 094-069改

テトロドトキシンは海洋細菌が産生し、食物連鎖の結果フグなどに蓄積する。フグ以外にもイモリやカエル、カニなどに存在していることが知られており、フグ固有の毒素ではない。
テトロドトキシンは海水中の微生物によってつくられ、食物連鎖によってフグに蓄積される。

出典:薬剤師国家試験 081-076

	
テトロドトキシンは、神経細胞のNaチャネルを選択的に阻害する。

出典:薬剤師国家試験 081-121改

Naチャネルを活性化させるアコニチンとは反対の働きで、1986年のトリカブト保険金殺人事件でアリバイ工作に悪用されました。
テトロドトキシンは、神経伝導を阻害し呼吸停止を起こす。

出典:薬剤師国家試験 088-077

Naイオンの細胞内流入を選択的に遮断し、運動神経や筋接合部などで興奮性細胞膜の活動電位の発生を抑制し、コリン作動性神経線維終末からのアセチルコリンの遊離を抑制する。その結果、知覚神経・運動神経が麻痺し、重症の場合は呼吸筋麻痺により呼吸停止を起こし死亡する。
テトロドトキシンは、加熱調理により無毒化されることはない。

出典:薬剤師国家試験 090-069改

フグなどに含まれるテトロドトキシンは、中性~弱酸性では熱に対して安定で分解されないため、通常の加熱調理では無毒化されない。
フグ毒の作用は神経伝達の遮断である。

出典:薬剤師国家試験 082-081改

養殖フグでは、飼育の仕方により毒力の程度が異なる。
フグ毒の毒力の検定には、通常マウスが用いられる。

出典:薬剤師国家試験 082-081改

	

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著者プロフィール
tama

気ままに働く薬剤師。 医療情報を中心にまとめています。