おすすめの洒落怖「ここ最近大変な事が起こった」
タイトルに洒落怖とありますが、厳密には洒落怖ではないかもしれません。シリーズもののタイトル付けですので、どうぞ温かい目でみてください。
工場の夜勤、人が少なかったらそれだけで不気味な雰囲気の場所かもしれません。ましてや、そんな場所で怖い体験をしたら一生忘れることができないでしょうね。
俺、工場で働いてて先週夜勤だったんだよ工場って機械の音とかエアーの音とかデカイから結構近くまで行かないと人の話し声聞こえないんだよ
俺もいつも通り作業してたら急に真後ろにヒールで歩く様な音がして振り返ったけどなんもなかったんだよ
で、朝方の5時に仕事終わって帰る時、駐車場の出口のとこに真っ赤なワンピースに真っ赤な大きい帽子の女の人が立ってたわけ
まあ朝方だし日が登るの早いから回りはかなり明るかったからはっきり見えたんだけど
よく考えたらこんな時間にこんな田舎にそんな格好で居るのおかしくね?ってなるわけじゃん
だから次の日に先輩とかに聞いて回ったけど誰も見てないって言うしちょっと俺、疲れてんなくらいにしか思わなかったんだよ
その日もまたヒールで歩く様な音がしたけど振り返ったけどなんも無しみたいになって
いよいよ俺は本格的に疲れてんなって思ってたわけ
でも朝方帰る時、赤い女は駐車場の出口に居なかったんだよ
俺の気のせいだったで済んだと思ってたら
帰り道の田んぼしかない道にその女が居た
前日と全く同じ格好で
しかもなんか口元がチラッと見えてニヤついてたんだわ
そもそもこんな田舎に居るのなんで畑仕事してるジジイかババアしかいないから
本格的に怖くなってきたけど夜勤だから寝不足の所為にして忘れようとしてた
次の日にも仕事中に足音してなんか気配感じたから勢いよく振り返ったけどなんも無い
もうだんだんノイローゼ気味になってきててイライラしてた
そん時は怖いって言うよりイライラの方が強くてなんなんだよってボソって言ったら
明らかに走る足音がした。
しかもヒールでめっちゃ早く
だんだん気味悪くなってきて明日は絶対仕事休もうって決めてその日は帰ったんだよ
で帰り道
駐車場の出口にも居ない、前日の田んぼ道にも居ない、
あれ?居ないわって思ったらもう少し先の家から5~6キロくらいの地点の小さな橋の上に居た
顔は帽子ではっきり見えないんだけど口元たけは見えてた
ニヤニヤしながらこっち見てた
しかも俺の車を目で追うってか身体で追うみたいにずっと見てた
俺もミラーから見てたけどあの女もずっとみてた
よく考えたら明らかにあの女は俺の家に近づいてる
このままのペースだと明日には家にに着く
マジでヤバイと思い、帰ってすぐ霊感あるオカンに相談してみた
そしたらオカンに
母「あーあんたヤバイかもね。これ相当だよ。なんかやったろ?」
俺「なんもしてない。心当たりも全くない」
母「まぁどこで拾ってきたか知らんけどな、これ相当だから今日知り合いのお寺連れてってやる」
で朝から車で3時間くらいかけてお寺に向かう事になった
出かける前にオカンがオトンに電話してたのきこえちゃったんだけど、明らかにオカンが声を震わせながら泣いてた。
うちのオカンってめっちゃ男気あって強いんだわ。泣いてるとこなんかみた事ないし
オトンとケンカしてもオトンを追い出すくらいかかあ天下な母ちゃんなんだよ
しかも泣きながら「お父さんゴメンね、最悪身代わりになるから…」
みたいな事言ってた
これマジやばくね?俺死ぬの?身代わりってなに?
って行の車で聞いたけど黙って乗ってろしか言われなかった
まあ俺も夜勤明けで疲れてたし眠かったからオカンの運転でお寺向かってたんだけど
家出て5分くらいのとこにあの女が居た
オカンの運転だから俺が助手席で初めてはっきり見えた
やっぱ格好は同じで、大きい帽子被ってる
で、俺顔見ちゃんだんだよね
服装の雰囲気から結構若いイメージしてたんだけど明らかにババア
60さいくらいで目は血走ってて、眉間にシワ寄せて恐ろしい表情してたんだけど、口元はニヤついてた
もう怖すぎてヒィって声出したらオカンが気付いたみたいで「見たらアカン!!目を見るな!!下向いてろ!!」って叫んだ
オカンが叫んだのにビビって
下向いて目瞑ってたんだよそしたら耳元で「フッフッフッフ」みたいな笑い声?っていうか鼻で笑うっていうかそんな声がして
ふぃぃって情けない声出してしまった
そしたらオカンが「なんも見るな何も聞くな!目瞑って耳抑えてろ!」って言ってラジオのボリューム上げた
んで気付いたら俺、寝てたみたいで夢を見た。今でもはっきり覚えてるんだけど
田んぼくらいの草が生えてる森の中であの女が「こっちを見ろ!こっちを見ろ!」って少し離れた森の中から言ってた
怖くて森の中を逃げ回るんだけど、逃げた先々に先回りして「こっちを見ろ!」って言ってて目の前に現れた瞬間にオカンに起こされた
起きたらもうお寺に着いてて失禁してた
涙と鼻水流しながら
うわって思うよりも夢の恐怖の方が強くて夏なのに震えてた
パンツの換えもないので、そのまま車から降りてオカンに肩借りながらお寺入ってった
なんかわかんないけど力入らなくて上手く歩けなかった
で寺に着くなりお坊さんがお出迎えしてくれたけど第一声が
「あんた、それどこで連れてきた?いつからだ?何したんだ?」
と質問攻めだった
軽く説明して会社からだんだん近づいて来てるって話したらお坊さんが、会社はどこにあるか、最後に見たのは家からどの辺りか、聞いて来たから
「会社の場所は○○で、最後に見たのはここに車途中で、家から5分くらいのとこです」って答えたら坊さんが走って奥の本堂?の方にいった
わけが分からず立ち尽くしてたらさっきとは違う坊さんがきてすぐに本堂に来る様に言われた
俺、情けないくらい力入らなくてオカンと坊さんに抱えられるように本堂に、はいってった
本堂に入ると大きな仏壇の前にお坊さんがいっぱい集まってて真ん中に、坊さんたちに囲まれるようなポジションに座るように言われた
座ったらお経が始まってだんだんお経が激しくなってきた所で急にねむくなった
寝そうになって意識が無くなりかけてきた時に耳元で「やっと見つけた」って聞こえてきた
ビクって驚いて目が覚めた瞬間に肩を長い棒みたいなやつ
(何かお寺とかで修行の時に使うやつみたいなやつだと思う)
で叩かれた
そっから意識が飛んだ
目が覚めたらまた漏らしたみたいで俺の回りに水溜りができてた。しかもまた泣いてた
ほぼ中心の座布団の上に正座したはずなのに部屋の端っこで横向きで寝てた
起き上がろうとしても身体が重いし、身体中が痛くて起き上がれなかった
坊さんたちに何とか起こしてもらいまた真ん中の座布団に座らせられた
頭から酒を掛けられ今度は1人の坊さんが目の前でお経を読んだ
お経が終わって(今度は意識飛ばなかったけど座ってるのが精一杯)少し身体が軽くなった
でも自分で歩く事は出来ず坊さん2人がかりで介護するみたいに風呂に居れてくれた
んでちょっと落ち着いた所でオカンが泣きながら「良かった、良かった」って抱きしめてきた
んで坊さんが話をしてくれた
長いので割愛すると
俺が見たあの女はこの地方(会社がある地域)で伝わる死神みたいなもん本来は死者をお盆に呼び寄せる神様で
そいつは本来7月にあるお祭りを期にこっちの世界に来る、お祭りが目印みたいになっててその女が引き連れてくるんだけど
俺が見たのはどうもそのお祭りの前で、お祭りの前に来る理由は誰かをあの世に連れて行って死者をこっちの世界に呼び寄せ様としている人が居るから生贄みたいにするんだと
んでそこらの呪縛霊を使って生贄にしようとしてくる
みたいな感じだった
分かりにくかったらゴメン
つまり誰かがその神に死者を蘇らせるように根気に祈ったみたい
で俺が連れて行かれそうになった
オカンが泣いてたのはオカンは俺の会社がある地域の出身でその話を知ってて、タブーになってる事なんだと
最悪身代わりになるって言ってたのは連れて行かれそうになったときオカンが代わりに連れて行かれようとしてたみたい
その神が祀ってある所が俺の会社の裏の山の頂上で立ち入り禁止になってる(あの神に祈って良い事は何一つないって言ってた)
その後俺は身体がなかなか動かず一週間お寺で過ごして、今は自宅にいるけどやっと少し歩ける様になったくらいだけど杖とか手すり無いと歩けないし、箸も上手く持ててない状態です
会社はオカンが事情を説明してくれたみたいでしばらく有給とって休めと言われました
お盆までに身体が治らなかったら俺はダメって坊さんに言われました
釣り宣言したいけどガチです
今でもあの女を思い出して怖いです。坊さんに貰ったお守りを肌身離さず持ってます