夜、おしっこに行けない…トイレにまつわる怖い話

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夜間に起きてしまっても、おしっこに行けなくなるような怖い話をご紹介します。


トイレには、それはそれは綺麗な女神様がいるということをどこかで聞いた覚えがありますが、昔から怪談話の定番の場所でもあるわけです。

有名なところでは、トイレの花子さんでしょうか。

あなたが使っているトイレに住んでいるのは、女神様とは限りません。

	
ここではトイレにまつわる怪談を紹介しますので、あなたが夜間に用を足しているときに思い出してしまうかもしれません。

怖がりな方は、この先を読むのはやめた方が良いかもしれませんよ?笑

トイレの怪談は多し

新潟県某市のとあるスーパーは1階のトイレに幽霊が出ることを理由に24時間営業を深夜0時に変更した。

	

夜中に目が覚めてトイレに行き、洗面所で手を洗いながら、ふと顔をあげたら、自分の頭の後ろに誰かの頭が重なって見えた。
その誰かの頭の髪の毛が、ふわりと靡いてオレの顔に絡み付いてきた…
嫌な夢だった。
一旦起きて、暫しタバコをくゆらす。
幽霊の夢を見た時はいつもこうしてるから。

	
はたしてそれは、夢だったんでしょうか…?

職場の2階で足だけの幽霊が出ると聞いてもう一人でトイレいけない

	

そういやトイレの花子さん調べてたときに先生が事務員さんにもきいてくれてたことがあったんだけどそのとき面白かったのは、大学のどこそこのトイレに幽霊が出ると事務員さんの間では噂があったこと。学生では知ってる人は見つからなかったw学部違えば知ってる人いたのかもしれないけど。

	

こんな時間にまだ学校にいる
そして幽霊が出ると先生も噂してるというトイレにボッチで入ったという

	
ここからは、怪談話の紹介です。

トイレのドア

数年前の冬、夜11時ごろ、飲み会のため友達と駅で待ち合わせしていて私以外まだ誰も来てなかった。 


待っているうちにトイレにいきたくなり仕方なく一人でトイレに行った。

男子トイレを過ぎて女子トイレに入る。個室に入り、ドアを閉めた、次の瞬間「ダン!!!!」という音と共にドアの上の隙間から手が2本出ていた!

あまりにもビックリしすぎて声も出なかった。一度は顔をそむけたがもう一度ドアを見るとそこにはもう何もなかった。

ずーっとここに居る訳にもいかないので、覚悟をきめて恐る恐るドアを開けた。

が、そこには誰もいなかったし何もなかった。

出典:

	

男子トイレにて

先日体験した話、書かせていただきます。


それはその日の大学の講義がぜんぶ終わったあとのこと。

俺は演劇のサークルに入っていて、近々に新入生のための歓迎公演もあるから遅くまで練習があった。


その練習の合間にトイレに行ったんだ。

用を済ませて手を洗っていると、後ろでなんかクスクス笑いのようなものを感じた。

トイレには俺以外だれもいなかったはずなのに。

んで、振り返ると小さな女の子が個室から顔をのぞかせている。


「!?」って感じで俺は固まった。だって男子トイレだし大学だし。

だけどそれ以上に訳が分からなかったのは、その女の子の容姿。

肌は真っ青っていうか、血も通ってなさそうな真っ白。

目は逆に真っ黒。

その目が異様に怖かった。ぽっかり空いた穴のように黒い。漫画の屍鬼の沙子みたいな感じ。


目があったまま動けないでいると、そのうち女の子の姿は個室に引っ込んだ。

まさかと思ってその個室を覗いたんだけど、そのまさかでいないんだよ。誰も。

大学生が情けないけど怖くなってトイレを飛び出した。5階のトイレもう行けない。


なんとなく幽霊系の何かじゃないかと思ってるけど、

なんで女の子のそれが男子トイレに出たのか分からない。

出典:

	

民宿のトイレ

大学の友人と4人で海へ旅行へ行ったときの話。


いつも仲良かった4人で旅行ってことで、ずっと前から楽しみにしてた。

実際、行きの車中とかでもいつも通りの雑談が普段より楽しかったりして、

何かわけのわからない看板とか建物とか見るたびに笑い話にしたり。


んでそんなテンションだったから、着いた民宿がすげーオンボロだったときも逆に盛り上がったりした。

やべ、費用おさえすぎた!wwwみたいな感じで。女将さんらしきお婆ちゃんに案内されるときも

他の客や従業員は全然見なくて、こんなボロい民宿だからシーズンでも客いないんかなーと思った。

板張りの床はでかい音でギシギシなるし、部屋にトイレは無くて、廊下の共同便所だった。しかも和式。

上から釣り下がった裸電球は盛大に埃をかぶっていて、ちゃんと掃除しろよと毒づきたくなった。

まあトイレから少し離れた俺らの部屋は案外と小奇麗にしてあったし(当たり前のはずだけど)、

メインは昼間の海遊びだからまあいいか、みたいなノリになった。


んでとりあえず部屋に荷物置いて、早速、泳ぎに出た。

日が暮れるまで何だかんだと遊びまくって、素泊まりだったので外で飯を食って、

民宿に帰ったのは夜の9時頃だったと思う。


酒を飲みながらだらだらと話していたけど、昼間に泳ぎまくってたし移動の疲れもあって、

日付が変わる頃になるともう眠くてダウン。適当に雑魚寝になって寝た。


ふと深夜に目が覚めたのは何時ごろだったかな、たぶんそんなに長く眠った感じはしなかったので、

2時とか3時くらいだったと思う。友人の大きなイビキが聞こえる。俺以外は爆睡してるぽい。

んで自分がすごくウンコに行きたいことに気付いて、ああこれで目が覚めたんだと思った。


そういや民宿に帰ってきてからまだオシッコすらしていない。

うげーこんな夜中にあの便所かよー、なんか出るぜーとかぼーっとした頭で思いながら、


友人を踏まないように気をつけて便所に行くためにそろそろと部屋を出た。


床をギシギシ鳴らしながら真っ暗な廊下を半分手探りで進む。

明かりのスイッチは便所の外側にあった。

あの裸電球の有様を思い出して、もし点かなかったらどうしようかと思ったが、

スイッチを押すとパチンと音がして便所に無事明かりがついた。


予想通りというかなんというか凄く弱弱しい明かりだったが、ともかく用は足せる。

俺は盛大にパンツを降ろして、きばり始めた。

シーンと耳が痛いくらいの静けさっつーか寂しさっつーか。

俺の排泄音と息遣いの他には何の音もしない。

ウンコ出にくい。フン詰まりみたいだ。和式だから足が痛ぇ。あの子かわいかったな。


とかなんとか、真夜中のこんなホラーな便所にしゃがんでる怖さっていうか寂しさで

頭の中でいろいろ無関係なことも考えたりしながら、とにかく早く部屋に戻りたかった。


まあ母艦らしきメインなブツは出しちまって、あとは残りを、ってなとこだった。


最初にそれが聞こえたとき、一瞬、んん?と思った。

俺の勘違い?ではないっぽい。また聞こえた。

外の廊下がギシギシ鳴ってる。どうもこちらに向かって歩いている。

この奥に客室だとかは無かったと思うから、この便所が目的地なんだろう。


手前の客室とかも、俺らの部屋以外に客は居ないようだった。

ってことは、友人の誰かが目を覚ましてトイレに立ったのだろうか?

俺が部屋に居ないんだし、便所に明かりが点ってるんだから、

空いてないってことくらい分からねぇかと思ったが、ひょっとしたら漏れそうだとか、

腹をくだしたとか、その誰かさんも切羽詰った感じなのかもしれない。


それを裏付けるかのように、相変わらずギシギシと音を立てて誰だかは止まることなく近づいてくる。

俺は便所の内鍵が閉まっていることを確認し、早く出てやらんとな、とまた下半身に力を込め始めた。


ついに誰だかが便所の前に到着した。もしノックをされても、体勢的にノックを返すことは難しい。

なので、先に入ってること、もうすぐ終わることを知らせるべく、ドアの向こうに立っている誰だかに声をかけた。

「誰だ?○○か?入ってんのは俺だよ。わりぃな、もう済むから。それとも民宿の人??」

返事はなかった。


パチンと音がして、便所の明かりが消えた。

「はぁ?! おい何だよ!つまらねーイタズラやめろよな」

自分の手も見えないような完全な真っ暗闇にパニック気味になりながら叫んだ。

「お前らマジしゃれになんねーって。このトイレ超こえーんだから」

返事はなかった。


ドアの向こうに突っ立ったまま動かないようだ。

くそ、出たらぶん殴ってやると思いながら急いで残りのウンコを済まし、

紙の場所を思い出して手探りで巻き取っていると、

ドアの向こうで何かぼそぼそと呟いているのが聞こえた。

声が小さすぎて何を喋っているのかも分からないどころか、友人のうちの誰なのかも見当がつかなかった。

ケツを拭いている間もずっとぼそぼそ呟いていて、イタズラにしては度が過ぎていると思った。


あまりの演出っぷりにもう怒りはおさまっていて、むしろ苦笑っつーか、よくやるわと笑えてきた。

またもや手探りで水を流し、俺は立ち上がった。

真っ暗闇で壁に手をつきながら内鍵を探す。かんぬきが手に触れた。


ところがその段になっても、水の流れる音で少し聞こえにくかったが相変わらずぼそぼそと呟いている。

「おい、もう出るぞ。お疲れさん。マジびびったわ。ドア開けるからちょっと離れてろ。」

ドアノブに手をかける。

開かない。意味が分からなかった。


ノブが回らない。便所に外鍵などあるはずも無いし、なんで??

壊れたのかと思いながら両手でおもいっきりやっても回らない。

んでようやく理由が分かって嫌な汗が出てきた。


ドアの外に立っている誰かが、ものすごい力でドアノブを掴んで回させないようにしているのだ。

「へへ、まいった、もう降参だわ。勘弁してくれ。」

俺はおどけて言いつつも、たぶん顔は笑ってなかったと思う。


水の流れる音が完全に終わり、また真っ暗闇とぼそぼそ呟く声だけに戻ったとき、

俺はさらに汗が噴き出すのが自分で分かった。

明らかに、呟く声が大きくなっている。


内容までは聞き取れないのは同じだが、水の流れる前は消えいりそうな囁きだったのが、

水の音が消えた後では確かに肉声がちゃんと聞こえる。低く、男か女かも分からないような声。

その声を聞いたとき、俺はまたもやパニックに陥った。


だって、明らかに友人の誰かではない。聞いたことのない声。

かと言って友人でなければ、こんなことをする理由が無い。

こいつ誰なんだ?なんでこんなことする?さっきから何をぼそぼそ言ってる?

突然、声が止んだ。強烈に嫌な予感がして、俺は内鍵を閉めた。


そのとたん、ガツっとノブから音がした。俺が鍵を閉めたから回せなかったのだ。

何度かガンガンとやっていたが、俺はそれを聞きながら、

ドアの向こうに居るのは人間じゃないのかもしれないと思い始めた。

その何かはまたぼそぼそと呟きはじめた。またさっきよりも声が大きくなっている。

思い出したようにガンガンとドアを叩いたりもする。


んで俺は突然分かったというかなぜか確信したんだけど、このぼそぼそ呟いている声は、

何か尋常じゃないくらい恐ろしいことを言っていると思った。そして、何が何でも聞いちゃいけないと思った。


正確に言うと、何を言っているか理解してはいけない、と自分が知ってるような感じだった。

根拠は無かったが、不思議に当たり前のように確信した。

例えば、高いところから飛び降りちゃいけないのと同じくらいはっきりと、

致命的な結果になることが分かった。


しかしそれが分かったところでどうしようもない。むしろ声はだんだん大きくなってくる。

このままでは、聞きたくなくとも聞いてしまうし、それが日本語なら理解したくなくとも理解してしまう。

いつのまにか俺は泣いていた。


大声で友人の名前を呼んだり、助けて助けてとか、ナンマイダとか、

とにかく泣きながら必死になって叫びまくった。

自分が叫ぶことで、ドアの向こうからの声を打ち消したいってのもあった。


それにしてもおかしい。深夜にこれだけ大声を出しているのだから、

友人や民宿の人や他の客(いるなら)が起きてきてもいいはずなのに。

そうこうしている間にも声はどんどん大きくなり続けてる。


もう自分で叫び続けていないと、はっきりと何を言っているのか分かってしまうくらい。

この声を聞いてはいけないと、何かとんでもなく恐ろしいことを言ってると、なぜか知ってる自分自身を恨んだ。


俺は叫びながら、鍵だけでは不安なのかこちらのドアノブを必死で押さえつけてたんだけど、

もう駄目だと思った。叫びすぎて喉がやばかった。

きっとドアの向こうの声はもっと大きくなっていくだろう。

なんでこんなことにとか、俺はどうなってしまうんだろうって、

もう泣いて泣いて何がなんだか分からなくなった。


俺は中指を耳の中に突っ込んで、さらに手のひらで耳を覆い、

便所の隅に頭を向けて背中を丸めてうずくまった。

真っ暗闇なので便所のどの辺りに顔を突っ伏しているか分からないが、

もう汚いだとか言ってられる状況じゃない。


叫ぶ力も無くて、でも何か喋ってないと、

耳をふさいでももうあの声が理解できてしまいそうなくらい声は大きくなってた。

俺がそのときパニックの中で何を言ってたか覚えちゃいないが、

たぶん「神様、神様、助けてください」とかだったと思う。


トイレの神様に祈るなんて今考えたら例のヒット曲もあいまって

お笑いなんだが、もうそのときは必死だった。

そのとき、頭を誰かに触られた。びくっとなって俺は顔を上げた。


ついに奴が入ってきたのかと思ったが、ドアの向こうでまだ呟いている。

いやもう呟くなんてもんじゃない。大声だ。

一瞬、何を言ってるか理解しそうになって慌てて俺も叫んだ。

1単語すら聞かない間だったが、奴の発音は間違いなく日本語だった。


どうすれば良いのかまるで分からず、もう疲れてどうでも良くなった。

何を言ってるか理解したときどうなるかはしらないが、

もう好きにしてくださいと投げやりになっていた。


俺は塞いでいた耳から手を離した。その瞬間、真っ暗闇の中で手を強く握られ、引っ張られた。

え?っとか思ってるうちに、俺は壁があるはずのところを抜けた。

っていうかその間に俺はもうドアの向こうからの声を聞いてしまっているんだが、

聞こえてるのに頭に入ってこない。意識は全て、俺を引く手のほうに吸い寄せられてる。


前後左右も上も下もない真っ暗闇の中を、何だかよく分からないが引っ張られるままにどこまでも走れた。

だんだん、あの恐ろしい声が遠くなっていき、ついには聞こえなくなった。

走り疲れて、よろめいた。派手に倒れて尻餅をついた。身体以上に、精神的に相当に疲労してる。

とにかく助かったんだ、とはっきり分かったとき、俺は気を失った。


意識を取り戻したとき、俺は便所にいた。ドアを誰かがどんどんと叩いている。

俺はまたもやパニックになりかけたが、俺の名を呼ぶ声と「大丈夫か?!」という声が友人たちのものだった。


何より便所は今、明るい。ちゃんと明かりが点いてる。

鍵をあけた瞬間、勢いよくドアが開いた。俺以外の3人の友人たちの顔が並んでた。

友人たちは心配そうな顔で俺を見ていたものの、大丈夫そうだと安心したのか、

「お前何してんの夜中に大声出して。巨大トカゲでも出たのかw」とか冗談を言い始めた。


俺は友人たちの顔を見たときの半端ない嬉しさは途端に忘れて何だか無性に腹が立って、

「何だよ今頃!っていうかあれ本当にお前らじゃねーのかよ!!」と怒鳴った。

友人たちは不思議そうな顔をして、

「今頃って。お前が廊下だか便所だかで助けてとか叫ぶもんだから俺ら飛び起きて、すぐ来たぞ。

したらお前便所にいるっぽいけど呼んでも返事ないし、騒ぎで民宿の人も今きたとこ。」


見ると、ここに着いたときに部屋を案内してくれたお婆ちゃんが少し離れたところに立ってた。

少し困ったようなような顔で、「お客様、何かありましたんか?」などと言う。

でも何かを隠しているというわけじゃなく、自分らの管理不足で

虫だか爬虫類だかが出たかもしれないことを心配しているような感じだ。


まさか友人の冗談を真に受けているわけでもないだろうけど。

俺は「いや何でもないです。すみません」と取り繕って、とにかく友人たちと部屋に戻った。

んでまあごちゃごちゃと質問されたり何かとうっとうしいことがあったのだがそれは割愛します。

それからは特に何もない。これで終わりだ。


あの便所での体験を思い出すときに、ドアの向こうの何かや、俺を助け引っ張った何かは

いったい何だったんだろうと考えることもあるけど、

その土地や民宿での因縁話やら思い当たるものも何も知らない。まあ調べてもいないけれど。


だいいち、俺が便所で寝てしまって悪夢を見てただけって可能性もある。

あとやはり友人のイタズラだったとか。

でも、何かに手を引っ張られて走った感触は絶対に本物だった。


壁はないのに床はどこまでも便所の床で、普通に考えりゃありえないんだが。

んでそれと同じくらい、あの恐ろしい声をもしも聞いてたらやばかったって確信も本物だ。

あのとき助けてくれた何かにはまだ礼も言ってない。この話を書いたついでに、ここで言っとく。

まあ今更こんなとこで言ったって、届くっつーか伝わるわけはないけど。ありがとうございました。

出典:

	

民宿のトイレ

これは今から10年前、私が大学生だった頃の話です。

私が通っていたのは地方、と言うかかなり田舎の大学で、学生たちも地味な人間が

多かった。

そんな地味な学生達でも、やはり4年生になる頃には卒業の為の単位もそろい、

それまでのバイトで貯めた金で、海外に卒業旅行に出かけたりするのだが

私はかなり怠けた生活を送ったツケで、4年になっても単位が足りず、

またバイト代も殆ど使い切ってしまっていた為、卒業旅行どころではなかった。

しかし、似たようなヤツはいるもので、結局はいつもつるんでいる4人で、

そのうちの一人の親父さんが勤める会社の保養所、と言うか研修センターに

ただで泊めてもらうことになった。

たいした施設ではないのだが、最近では会社で利用する機会も少ないとの事で

掃除と布団干しを条件に、何泊でも好きに使って良いとのことだった。

貧乏学生4人は、とりあえず1週間程の滞在をすることにし、1台の車に乗り込み

その研修センターに向かった。


地図を頼りに、約2時間半程山間へ走ったところにその研修センターはあった。

確かにここ最近利用されておらず、また管理人も特に設置していないとの事で、

パッと見た感じでは廃屋の様であった。

また、中に入れば入ったで、かび臭さが漂っており、本当にこんなところに寝泊り

するのかとゾッとしたが、掃除をすれば何とかなるレベルであった。


まずは状況確認も含めて、親父さんから借りたカギの束を使い、一部屋ずつ皆で

建物内を散策していった。


建物内の間取りはいたってこじんまりとしており、親父さんの説明どおり

宿泊用の4人部屋が1階に2部屋、2階に4部屋、共同の風呂が1つ、トイレが1つ、

それに食堂、キッチン、といったつくりであった。


しかし1箇所だけ開くことの出来ないドアがある。


それは2階の廊下の突き当たり(廊下の両脇に宿泊室が2部屋ずつある)なのだが、

特に変わった様子、つまり封印してあるとか、そういう感じではない。

ただ、カギの束のどのカギでもあけることが出来ないのだ。

建物を周りから見た様子、また部屋の構造などから容易にそこがトイレである

ことが解るのだが、親父さんの説明では『トイレは1つ』である。

既に1階を見たときにトイレは確認している。じゃあここは・・・。

単に親父さんの記憶違いと、故障か何かで使用不可なんだろうくらいに考え、

それ以上その『開かずのドア』を気にとめるものはなかった。その時点では・・・。


その後各自割り当てられた分担場所の掃除に取り掛かり、日が暮れる頃にはなんとか

生活できる状態にはなっていた。

部屋割りについては、2階の4部屋に一人ずつが宿泊することになった。

その日は掃除の疲れとアルコールのおかげで、割と早い時間に各部屋に入り

眠りについたのだった。


ベッドに入りどれくらいの時間がたったのだろう、体は疲れ起きているのが辛い程

なのだが、なかなか寝付くことが出来ない。夢うつつの状態にあったその時


びちゃ

廊下の方に足を向けた格好でベッドに入っていたのだが、その足元、ドアの向こうから

その音は聞こえた。あの音はいったい、何? 気のせい、・・・なのか?


びちゃ、・・・・・びちゃ・・・。

今度は確かにはっきりと2回聞こえた。


びちゃ、・・・・びちゃ、・・びちゃ、びちゃ・・・。

その音はだんだん間隔が狭くなりながら確かに聞こえてくる。

水分、それも粘着性の高い何かが、廊下の床に滴り落ちる、そんな感じの音である。

時計をみると午前三時。

こんな時間に、他のメンバーが何かをしているのか?

何かって、・・・何をしているんだ? 思いつかない。


びちゃ、・・びちゃ、びちゃびちゃびちゃ。

もはや恐怖に耐えかね、ベッドに半身だけを起こし、廊下に向かって問い掛ける。


『だ、誰か居るのか?・・・・おいっ!』

返事は無い。ベッドから降り、恐る恐るドアを開け、頭だけを出してゆっくりと廊下を

見回すと、廊下の突き当たり、例の『開かずのドア』の前にソレは立っていた。


・・!!! 


私の叫びは、叫びにはならず、息を呑む音だけが廊下に響いた。

しかし私は足がすくみ、逃げることも出来ず、でもソレから目が離せなかった。


ソレは薄汚れた浴衣に身を包んでいる、浴衣の前は無様にはだけ女性用の下着が見えている。

浴衣から伸びている腕、足は異様なまでに痩せ細り、腹だけが異様な感じに膨れている。


その細い腕の一つが顔に伸び、片手がしっかりと口元を抑えている。

目はカッと見開かれ、一瞬白目になったかと思うと、口元を抑えた手の指の間から

吐瀉物が滲み出し、床に滴り落ちてゆく。


びちゃ、・・・・びちゃ、びちゃ・・・びちゃびちゃびちゃ・・・。


それは、床に吐瀉物を撒き散らしながら、ゆっくりとこちらに近づいてくる。


何こいつ、誰だよ。おい、おいっ、やばい逃げろ!


私の頭の中はいろんな思考がごちゃごちゃになり、体が思うように動かせなくなっていた。

しかし、目だけはソレを見つめている。


不意にソレの目がよりいっそう見開かれたかと思うと、口元を抑えていた手を押し破り

一気に吐瀉物が噴出してきた。


びちゃびちゃ、びびびちゃびちゃぶちゃどちゃどびちゃっ・・・。


その吐瀉物の飛沫が私の顔にかかった様な気がして、ふっと我に返り


ぎぃゃあああああああっ!!!


けたたましい悲鳴をあげてドアを猛烈な勢いで締め、ベッドにもぐりこんだ。


すると、私の悲鳴を聞き向かいの部屋から友人が出てくる気配がした。


『なんだよ夜中にうる・・・ぎゃぁあああ!』


けたたましい悲鳴、廊下を走る音、そして階段を転げ落ちる激しい音。

その音で残り2人の友人も目を覚まし、廊下に出てきたらしい。

しかし今度は悲鳴をあげることもなく、私の部屋をノックしてきた。

私は半泣きになりながら、部屋を出ると、掠れた声で


『か、階段、階段っ!』


と階段方向を指差すと、その場にしゃがみこんでしまった。

友人の一人が階段に行くと、派手に転げ落ちたもう一人を発見し、直ぐに救急車を

呼んだ。

程なくして救急車が到着、階段を落ちた友人は数箇所骨折している様子で、また

意識もないことからそのまま病院に運ばれることとなった。

私はこれ以上この場所に居ることが絶えられず、付き添いとして救急車に乗り込んだ。


翌日、そのまま入院となった友人(病院で意識を取り戻したが、まだ処置の途中と言う

ことでろくに会話は出来なかった)を残し、一人研修所にもどった。

待っていた友人2人に昨夜の出来事を話したが、やはりこの2人は何も見ておらず

見たのは、入院中の友人と私だけだったらしい。

とにかく、これ以上ここには宿泊したくも無く、荷物をまとめ、研修所を後にした。


いったい、あいつはなんだったんだろう。あの開かずのドアって・・・。


帰宅後、研修所を所有する会社に勤めている親父さんに、事の経緯を説明したところ

親父さんは、ハッとした顔をした後、ぽつりぽつりと語り始めた。


3年程前、まだ頻繁に研修所を使用していた頃、社外講師を招いて、その年度に入社

した新入社員12名を対象に2週間の自己啓発セミナーを実施した。

その内容はかなりハードなもので、社会人としてのマナーは勿論のこと、生活面でも

全てを規則で縛り付けていた。その12名の参加者の中に一人の女性がいた。

かなり華奢な体つきをした彼女は、相当の偏食家で好き嫌いが多いといったレベル

ではなかった。当然、この講師が食べ残しを許すはずも無く、口の中に食べ残しを

押し込み、水で流し込むように食べさせていたのだった。


彼女は夜な夜な、2階のトイレで胃のものを吐き出す生活を続け、半ばノイローゼ状態

に追い込まれていた。


研修も後半に入ったある夜、やはり夜中に2階のトイレで嘔吐を繰り返していたところを

講師に見つかってしまった。講師から、研修所中に聞えるような大声で激しい叱責を受け、

最後には、お前みたいな精神が弱い人間は生きている価値が無い、とまで言われたそうだ。


自分の吐瀉物にまみれ、呆然と座り込む彼女を心配し、同期の何人かが声をかけたが

何の反応も無かったそうだ。


翌朝、同期の一人が用を足そうと2階のトイレに入ったところ、彼女が浴衣の紐を個室の

ドアの鴨居にかけ、首を吊って死んでいたそうだ・・・。


私たちがあの研修所を利用した半年後、建物は取り壊された。

出典:

	

転ぶトイレ

俺の友達の姉ちゃんの話

今はもう取り壊されてない小学校に姉ちゃんが通ってたのね。

で、その学校のトイレに不思議なトイレがあったらしい。

夏になると段差も物もないのに、なぜかつまづくトイレなんだって。

つまづく子とつまづかない子、それぞれいたらしいんだけどなんか変なトイレだねーくらいの感じだったんだって。

で、夏休み前のある日転校生が来て、その子が休み時間にトイレ行った時に教室に響くくらいの悲鳴が聞こえたらしい。

どうしたの?!って皆が聞くとその子腰抜かして震えてたんだって。

尋常じゃないから保健室行く?って姉ちゃんが聞いたら、それよりも早くここから出たいって言ってその子を抱えながら教室に戻った。

机に座らすと、クラス全員がその子の机の前に集まってどうしたのか聞いた。

そしたらその子泣きながら『皆には見えなかったの?』って言ったんだって。

女子は皆顔見合わせて不思議な顔してる。

『もんぺみたいなボロボロの服着て頭巾をかぶった人が土下座してた…』

って言ったらしい。

皆、え…?ってなったけど、その子の反応は異常だった。

で、担任に事の次第を説明すると次の日からそのトイレは使用不可になったらしい。


その姉ちゃんがいうには、その時はよく分からなくて気味悪かったけど、今思えば戦争で亡くなった人が玉音放送聞きながら天皇に土下座してて私らはその人にいつもつまづいてたんだろうね…って言ってた。

出典:

	
この話は確か、「ほんとにあった怖い話」で再現ドラマになっていたように記憶しています。

覗かれる

俺が中学生の頃の話。 

夜9時ごろ、自宅のトイレで大をしてたのね。

ふっと横の窓を見上げると、変な顔があった。

その窓は、家の外(裏側の、軽自動車がやっと一台通れる程度の路地)

に直接面している窓。

ガラスに顔をべったりとくっつけている感じで、鼻や頬が押し付けられて平べったくなってた。

一瞬髪の毛が逆立ったんだけど、すぐに、(ああ、これはのぞきか?)

と思い直した。当時姉が高校生だったので、トイレをのぞく奴がいても不思議はない。

外に面したトイレの窓なので、当然すりガラス。

だから中に入っている人間(俺)が男なのか女なのかよくわからず、

ぴったり顔をつけてのぞこうとしたのだと感じた。

それなら怒鳴りつけるなり何なりすればよかったのだろうが、

一瞬腰を抜かしそうになった後だったので、なんだかちょっと行動力がなくなっていて、

そのままそーっとトイレを出た。

俺が振り返っても動き出しても、その「顔」はうろたえるようすもなく

そのままトイレの中を必死でのぞき続けているようだった。

ぴったりガラスに押しつけられているので、異様に大きな顔にも見えた。太った男のようだった。

トイレの外に出てから、しかしこのままにしといたら姉貴がかわいそうだなあと思い直した。

どんな奴なのか顔だけでも見といてやろうと、

家族には何も言わずにサンダルを履いて外に出て、家の裏に回った。

路地に出て、トイレの窓のところを見た。

人影はない。そりゃもう逃げてるわな。

ちょっと苦笑しかけて、すぐにあることに気づいて俺はもう一度ぞっとした。

トイレの窓の外には、ドロボウ除けのステンレスの面格子が取り付けられていたんだ。

面格子と窓ガラスとの距離は5センチ足らず。とてもじゃないが人間が頭を突っ込める隙間はないんだ。

俺はあわてて家の中に戻り、その夜は布団をかぶって寝た。

あのガラスに押し付けられた肉厚な顔のイメージが、しばらく頭から離れなかった。

出典:

	

トイレの荒らし

先週の月曜、職場で不可解な事が起こった。 

1階の女子トイレ(4階建ね)に、広告を散り散りに破った紙吹雪みたいなのが一面に散乱していた。

しかも、トイレットペーパーもあるだけまきとられてて、汚物入れにぐちゃぐちゃに丸めて詰め込まれていた状態。

まぁ、誰でも出入りできるような所だから、どっかの子供の悪戯だろうってことで一旦その場は落ち着いた。

で、昨日の出来事。

同じような事が、2階の女子トイレでも起こった。

子供の悪戯にしてはちょっと性質が悪いし、しかも2度目なので社内全員で来場者に注意をむけようってことになった。


もちろん、うちの建物に入るには受付のあるロビーを通らなければいけないし

誰かが入ってきたり、出て行ったりするのは当然社内の誰かが気づくはず。

しかし、その事件が起こった時、特に怪しい人物が出入りしたのを見た人はいない。

まぁ、子供が何人か出入りしてたから、結果子供の仕業だろうってことになったんだけど。


で、私の話になるのですが。

先週の月曜も昨日も、同じ女性を目撃しているんです。


1度目(先週の月曜)は、トイレに行った女子社員が事に気づいた訳だが、

そういえば会社に関係のない人を一人みたなぁ、と思いつつも

トイレを借りに来たんだろうと思っていたので、特に何も言わなかった。

まぁ、大体トイレを借りに来る人は一言「トイレ、貸して下さい。」って言うんだけど、

中には何も言わない人もいるし、その一人だと思ってたから。

2度目(昨日)は、2階の部屋を貸していた(貸館をやっている会社なので)企業の人が、

帰りの点検作業中に気づいて申し出てくれて発覚。

しかし、今回来ていた人は男性ばかりで女性は1人もいなかった。

が、その中の1人がトイレに立った際、1人の女性を目撃したらしく『あぁ、自分たち以外にも他の企業が部屋を借りているのだろう』と思ったらしい。

で、帰り際に「当社以外にもどこかの企業様に部屋を貸しておられたようで、その企業の方だと思いますが・・・」という申し出。

しかし昨日は、その企業1社のみにしか部屋は貸していない。

女性を目撃したという人に話を聞いてみたのだが、先週の月曜に私が目撃した女性と特徴が全く一緒だった。

と、言う訳で2度目(昨日)は実際に私が目撃した訳ではないが、多分2度とも同じ人物の仕業だろうという結論に行き着く。


まぁ、ここまでは特に洒落怖でもなんでもなく、

ウチの会社に何らかの恨みを持っている女性の嫌がらせだろうってことになるのだが、

本当に怖いのは次の2点。


・1度目、2度目ともに、その女性を目撃したのは1人しかいないということ。

(一度目は私。2度目はトイレに立った男性。それ以外にそれらしい女性をみた人は、社内にもいない)

・ 会社を出る際に、4階から1階までの女子トイレを見てから退社する役目を、私が仰せつかった事。


生身の人間にしろ霊的な何かにしろ、本気で洒落にならないくらい怖いのですが。。。

出典:

	

ユニットバスのトイレ

これはOLとして働きながら、ひとり暮らしをしていた数年前の夏の夜の話です。


私が当時住んでいた1DKは、トイレと浴槽が一緒になったユニットバスでした。

ある夜、沸いた頃を見計らって、お風呂に入ろうと浴槽のフタを開くと、人の頭のような影が見えました。

頭部の上半分が浴槽の真ん中にポッコリと浮き、鼻の付け根から下は沈んでいました。

それは女の人でした。

見開いた両目は正面の浴槽の壁を見つめ、長い髪が海藻のように揺れて広がり、浮力でふわりと持ちあげられた白く細い両腕が、黒髪の間に見え隠れしてました。

どんな姿勢をとっても、狭い浴槽にこんなふうに入れるはずがありません。

人間でないことは、あきらかでした。

突然の出来事に、私はフタを手にしたまま、裸で立ちつくしてしまいました。

女の人は、呆然とする私に気づいたようでした。

目だけを動かして私を見すえると、ニタっと笑った口元は、お湯の中、黒く長い髪の合間で、真っ赤に開きました。

(あっ、だめだっ!)

次の瞬間、私は浴槽にフタをしました。フタの下からゴボゴボという音に混ざって笑い声が聞こえてきました。

と同時に、閉じたフタを下から引っ掻くような音が・・・。

私は洗面器やブラシやシャンプーやら、そのあたりにあるものを、わざと大きな音を立てながら手当たり次第にフタの上へ乗せ、慌てて浴室を飛び出ました。

浴室の扉の向こうでは、フタの下から聞こえる引っ掻く音が掌で叩く音に変わっていました。


私は脱いだばかりのTシャツとGパンを身につけ、部屋を飛び出るとタクシーを拾い、一番近くに住む女友達のところへ逃げ込んだのです。


数時間後……深夜十二時を回っていたと思います。

カギもかけず、また何も持たず飛び出たこともあり、友人に付き添ってもらい部屋へ戻りました。

友人は、今回のような話を笑い飛ばすタイプで、好奇心旺盛な彼女が、浴室の扉を開けてくれる事になりました。

浴室は、とても静かでした。フタの上に載せたいろんなものは全部、床に落ちていました。お湯の中からの笑い声も、フタを叩く音もしていません。

友人が浴槽のフタを開きました。しかし、湯気が立つだけで、女の人どころか髪の毛の一本もありません。

お湯もキレイなものでした。それでも気味が悪いので、友人に頼んで、お湯を落としてもらいました。


その時、まったく別のところで嫌なものを見つけたのです。


私の身体は固まりました。

洋式便器の、閉じたフタと便座の間から、長い髪がゾロリとはみ出ているのです。

友人も、それに気付きました。


彼女はわたしが止めるのも聞かず、便器のフタを開きました。その中には、女の人の顔だけが上を向いて入っていました。

まるでお面のようなその女の人は目だけを動かすと、立ちすくんでいる友人を見、次にわたしを見ました。わたしと視線が合った途端、女の人はまた口をぱっくりと開き、今度はハッキリと聞こえる甲高い声で笑い始めました。


はははははは…ははははははは…。


笑い声にあわせて、女の人の顔がゼンマイ仕掛けのように小刻みに震え、はみ出た黒髪がぞぞぞぞっ…っと便器の中に引き込まれました。

顔を引きつらせた友人は、叩きつけるように便器のフタを閉じました。

そしてそのまま片手でフタを押さえ、もう片方の手で水洗のレバーをひねりました。

耳障りな笑い声が、水の流れる音と、無理矢理飲み込もうとする吸引音にかき消されました。

その後は無我夢中だったせいか、よく覚えていません。気が付くと、簡単な着替えと貴重品だけを持って、私と友人は友人の部屋の前にいました。部屋に入った友人は、まず最初にトイレと浴槽のフタを開き、「絶対に閉じないでね」と言いました。


翌日の早朝、嫌がる友人に頼み込んでもう一度付き添ってもらい、自分の部屋へ戻りました。

しかしそこにはもう何もありませんでした。それでも私はアパートを引き払い、実家に帰ることにしました。

通勤時間は長くなるなどと言っていられません。今でもお風呂に入るときは母か妹が入っているタイミングを見計らって入るようにしています。トイレのフタは、家族に了解をもらって、ずっと外したままにしてあります。

出典:

	
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Sharetube