和歌山毒物カレー事件「林真須美」とは
和歌山毒物カレー事件
事件
1998年7月、和歌山市の新興住宅地の自治会が主催した夏祭りで、住民が作ったカレーライスに猛毒のヒ素が混入され、これを食べた4人が死亡、63人が急性ヒ素中毒になった。現場近くに住む女(当時37)の周囲で不審なヒ素中毒現象が多発し、多額の保険金が女やその夫(同53)に流れていることが判明。和歌山県警など捜査当局は保険金詐欺容疑で強制捜査に乗り出し、同年12月、カレー事件についても殺人などの罪で女を起訴した。本人の供述を含め、犯行と女を直接結びつける証拠がないため、検察は祭り当日の住民の動きを詳細に再現するなど、状況証拠を積み重ね、他に犯人がいないことを立証した。
女は当初黙秘を続け、弁護側も無罪を主張したが、和歌山地裁は2002年12月、「動機は認定できなかった」としても「ヒ素を混入する機会のあったのは被告だけだ」と認定、求刑通り被告に死刑を言い渡した。05年6月の控訴審判決でも大阪高裁は一審判決を支持、女の控訴を棄却した。被告側は上告した。女は控訴審に入ってから、黙秘をやめて自らの言葉で無罪を主張したが、高裁は「意図的な操作や捏造」と供述の信用性を否定。
動機については、カレーを調理していたガレージ内でほかの主婦らから疎外されて犯行に及んだことが最も自然としたが、「被告が事実を語ろうとしない状況では断定は困難」とした。また女と共謀して、3件の保険金詐欺事件で総額約1億6000万円を詐取したとして詐欺罪の有罪が確定した夫は05年6月7日、刑期満了で出所した。
林真須美死刑囚の半生(子ども時代と両親)
林真須美死刑囚の半生(思春期・青年期)
思春期になった真須美被告は、やせていて、どちらかといえば、内気で恥ずかしがり屋の清純な女の子でした。その一方で、負けず嫌いの激しい性格の一面ははむしろ強まっていきます。テストで悪い点をとったときなどは、悔しくてたまらなかったようです。いつもは笑顔でおだやかなでしたが、怒ったときには、まわりが驚くほどヒステリックになり、収まりがつかなくなりました。
林真須美死刑囚の半生(看護学校時代)
高校卒業後は、大学付属の看護学校に入学します。看護学校の2年生になった19歳の時、真須美被告は後に夫となる男性と知りあいます。当時彼女は、看護学校の寮に入っていましたが、しつけや規則の厳しい寮生活で、窮屈な思いをしていたようです。「こんな生活は嫌だ。自由が欲しい」と彼女は語っています。
男性は、シロアリ駆除会社を経営する当時35歳の会社社長。結婚もしていましたが、派手な車で真須美被告を迎えに来ては、高価なプレゼントしたりしています。
彼女は、しだいにこの男性に恋愛感情を持ち、魅かれていきます。自分を束縛から解放し、自由にしてくれる男性に見えたのでしょうか。
林真須美死刑囚の半生(結婚生活そして、保険金詐欺、カレー毒物事件)
和歌山カレー毒物事件から15年事件の概要
平成10年7月25日の夕方、和歌山内の自治会主催の「夏祭り」でのできごとだった。住民立ちが作ったカレーを食べた67人の気分が悪くなり、救急車で運ばれ、4人が死亡した。
警察は、住人の一人、林真須美を逮捕。死刑が確定している。林死刑囚は、この事件の前の保険金詐欺の容疑は認めている。しかし、この無差別殺人は認めておらず、再審を請求している。
事件当時、一部の食品会社がカレーのテレビコマーシャルを自粛するなど、社会全体に大きな影響を与えた。この地域の学校では、今だに休職にカレーは出していない。
<和歌山毒カレー事件>15年 「終わらない事件」の不安:小学校、今も給食にカレー出さず
「正義の裁判で無罪を」林死刑囚が訴え 和歌山毒物カレー事件
和歌山毒物カレー事件 15年癒えぬ心の傷 「風化させず真実を」
林真須美死刑囚の半生
子ども時代と両親
林真須美被告は、小さな漁村で3人兄弟の末っ子として生まれます。一人娘でした。父親は地味な人でした。母親は、外向的でまめな性格で、保険の外交員として活躍しました。
小さいころの真須美被告は、ごく普通のかわいい子どもでした。両親ともに忙しく、あまり遊んではもらえなかったかもしれませんが、経済的な不自由はなく、当時この地域としてはめずらしくピアノも買ってもらい、小遣いも十二分にもらっていました。よく家の手伝いもするよい子だったようです。子ども時代の彼女を知る人々は、「明るい子」だったと語っています。同時に、「負けず嫌い」だったとも多くの人が言っています。
思春期・青年期
思春期になった真須美被告は、やせていて、どちらかといえば、内気で恥ずかしがり屋の清純な女の子でした。その一方で、負けず嫌いの激しい性格の一面ははむしろ強まっていきます。テストで悪い点をとったときなどは、悔しくてたまらなかったようです。いつもは笑顔でおだやかなでしたが、怒ったときには、まわりが驚くほどヒステリックになり、収まりがつかなくなりました。
看護学校時代
高校卒業後は、大学付属の看護学校に入学します。看護学校の2年生になった19歳の時、真須美被告は後に夫となる男性と知りあいます。
当時彼女は、看護学校の寮に入っていましたが、しつけや規則の厳しい寮生活で、窮屈な思いをしていたようです。「こんな生活は嫌だ。自由が欲しい」と彼女は語っています。
男性は、シロアリ駆除会社を経営する当時35歳の会社社長。結婚もしていましたが、派手な車で真須美被告を迎えに来ては、高価なプレゼントしたりしています。
彼女は、しだいにこの男性に恋愛感情を持ち、魅かれていきます。自分を束縛から解放し、自由にしてくれる男性に見えたのでしょうか。
結婚生活そして、保険金詐欺、カレー毒物事件
1983年林死刑囚は、元妻と離婚したこの男性と結婚します。男性にとっては、3度目の結婚でした。
しかし、すぐにトラブルが起こります。披露宴での行き違いから、建治は「てめえ、おれをコケにするつもりか! 恥をかかせやがって!」と、新妻の真須美を平手で殴りつけたのでした。二人の結婚生活はこうして始まりました。
2人の生活は、家賃3万円の3部屋のアパートから始まります。真須美も働きはじめます。ウエイトレス、化粧品販売。結婚の翌年1984年には、新築一戸建ての家を3500万円で購入しました。このときには、普通の住宅ローンを組んでいました。この間、二人の子供も生まれています。
さて、この後、彼女の周りでさまざまな事件事故が発生します。保険金詐欺を行い、大金を手に入れていったのです。
1995年には、園部地区にある120坪の家を7000万円で購入します。
この年の10月、真須美の母親が「急性白血病による脳出血」で死亡。67才でした。真須美は、保険金1億4000万円を手にしています。
1998年2月には、高級リゾートマンションの最上階を購入する契約をしています。同年3月 保険金目的で、知人にヒ素入りうどんを食べさせます。(殺人未遂罪)。そして、この年、1998年7月25日。カレー毒物事件が起こりました。4人を殺害、63人をヒ素中毒にしたとされています(殺人、殺人未遂罪)。
彼女は、自由を求めていたような気がします。そのための必死の努力を重ねてきたように感じます。しかし、その結果は犯罪行為でした(少なくとも保険金詐欺、そして死刑判決を受けている殺人)。
和歌山カレー毒物事件に関する、いくつかの疑問
決定的な物証はなく状況証拠しかないこと。(混入されたヒ素の鑑定への疑問も出されています)
検察は、被告が「激高」してカレー鍋に毒を入れたとしていますが、激高した様子は確認されていないこと。
犯罪心理学的には、保険金詐欺のような知能犯罪と無差別殺人を狙った毒カレー事件のような粗暴犯罪を、同一の犯人が起こすことは珍しいこと。
裁判
◆和歌山地検は98年12月29日に、同地区住民で元保険外交員・林真須美被告(37)を殺人、殺人未遂罪で起訴。起訴状によると、真須美被告は事件当日の正午から午後1時ごろまでの間、夏祭り会場近くの民家ガレージに置いてあったカレーなべに、殺意を持ってヒ素を混入したとされている。同被告はこのほか、保険金目的の殺人未遂や詐欺など8つの事件で3回にわたって起訴されている。29日の起訴により、事件発生以来5か月余りに及ぶ長期捜査も終了。
◆地検は、最新銃のハイテク装置を使った鑑定や、住民参加の現場検証などで得られた証言などから証拠は十分で、犯罪の立証は可能と判断した。
被告人宅で検出された亜ヒ酸は微量。カレーに混入されに亜ヒ酸などとの同一性の確認のため、地検は、兵庫県・播磨科学企周都市の大型放射光施設「SPring8」や、茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構「フォトン・ファクトリー」のハイテク施設で、「蛍光X線分析」による元素レベルでの同一性確認を分析科学者に依頼。
◆この鑑定の結果、カレーなべ、夏祭り会場近くにあった紙コップ、自宅台所の食品保存容器、真須美被告の親族が任意提出した50キロ缶やミルク缶などの4点(9試料)にあったヒ素化合物の亜ヒ酸に含まれる不純物の濃度が一致した。科学の世界では、同一性があると判断していい実験結果だという。
被告人本人の前髪からもヒ素を検出している。地検は、これで真須美被告が自宅に保育していた亜ヒ酸を紙コップでガレージまで運び、なべに混入したことを立証できるとしている模様。
弁護側の弁論要旨
我々弁護人は本件事件受任後、2カ月に1~2回のペースで現地に入り、住民達から事情を聞いてきた。共通する話は、当時、地域の一部の住民の間にはトラブルが絶えず、犬が毒殺されたり、物置に放火されるという事件もあった。
現在もなお、地元では被告人が犯人ではないのではないかと、言う人たちがいるのである。
原審判決は、以下の事実をもって被告人が犯人であると認定している。
①カレー鍋に混入されていた亜ヒ酸と被告人の自宅等にあった亜ヒ酸が同一であること
②被告人が午後0時20分から午後1時までの間、1人でカレーを見張っており、カレー鍋に亜ヒ酸を混入する機会があったこと
③他の時間帯において、他の者が亜ヒ酸を混入する機会がなかったこと
④被告人およびその家族がカレーを食べていないこと
⑤くず湯事件をはじめとして、被告人が過去、飲食物に亜ヒ酸を混入して他人を殺害しようとしたという類似の犯罪を行っていること
①→被告人宅等にあった亜ヒ酸が使われたとしても、これに接触できる人は被告人の家族を含めて20人近くに上る。
しかも夫は当時、亜ヒ酸をプラスチック容器に入れて、夏祭り会場に面した貸ガレージに置いていた。
このガレージは施錠されておらず、誰でも入ろうとすれば入ることができたのである。
②→被告人はずっと次女と一緒であった。
次女もずっと一緒だったと証言している。
被告人と見張りをバトンタッチした女性も、次女と被告人がガレージの中で一緒に並んで座って、なごやかに話をしていたと証言している。
近所に住む女子高生は「午後0時から午後1時にかけて、白いTシャツを着て首にタオルを巻き、髪の長い女性が、1人でカレー鍋の周りを歩き回り、西鍋の蓋を開けた。そして、その女性は被告人であった」と証言している。
しかし、被告人が着ていたのは黒のTシャツである。
首にタオルを巻いてもいなかったし、髪も長くなかった。
白のTシャツを着て首にタオルを巻き、髪が長く、そして西鍋の蓋を開けたのは、実は被告人の次女だった。
女子高生は被告人と次女を見間違えたのである。
次女は当時、体重約70キロ、身長約160センチと被告人とよく似た体型で、しかも白のTシャツを着て、首にタオルを巻いていた。
近所の女子高生は、被告人と次女を同一人だと見間違えたものである。
この目撃証言は、被告人が犯人であると疑わしめるものではなく、むしろ、次女の証言を裏付けるものである。
また、その場所には、4歳になる1番年下の子供もいたのである。
しかも次女は、鍋は違ったとしてもカレーの味見をしたのである。
もし、被告人が毒物を混入したとすれば、そのような危険な場所に子供を連れて行くであろうか。
③→他の時間帯においては、他の者が毒物を混入する機会がないとされていることにも、重大な疑問がある。
原審判決は、被告人の場合以外はすべて複数の者がカレー鍋を監視していたことを理由に、被告人が監視していた時間帯以外に毒物を混入する機会はなかったとしている。
カレー鍋は午後3時にガレージから夏祭り会場に運ばれた。
そこでは夏祭りの準備が行われており、多数の人が出入りしていた。
そして午後5時からは蓋が取り払われ、再度加熱されて、入れ代わり立ち代わり木のしゃもじで1時間余りにわたってかき混ぜられた。
これらの間に、誰かが毒物を混入するすきが全く生じなかったとは断定できない。
④→被告人およびその家族がカレーを食べていないとされていることは、被告人が疑わしいとされる理由にならない。
確かに、被告人およびその家族はカレーを食べていない。(次女はガレージでは味見しているが)
しかし、それは被告人の夫が急遽予定を変更して、被告人や家族を連れてカラオケに行ったからに他ならない。
被告人は長女と三女を家に残してカラオケに出かけている。
しかも出かけるにあたって、子供たちにカレーを食べないようにとは指示していない。
そして、子供たちのために晩ご飯も用意していない。
もし被告人が毒物を混入していたとすれば、何らかの指示をしないはずがない。
このこともまた、被告人が犯人でないことを証明する有力な証拠である。
以上のとおり、被告人は本件事件の犯人ではない。としています。
彼女が起こした保険金詐欺は22件、儲けた金額も大きい。
カレー事件と類似した手口だが、これらの事件では死者は出ていない。
このカレー事件は、無差別大量殺人事件であり、金が入ることは一切なく、逆に自分に疑いがかかってくるのは必至。
なのに何故自分の首を絞めるようなことをするでしょうか?
真須美被告には、動機が無い。
冤罪の可能性は無視できないと思います。
和歌山毒物カレー事件 林真須美被告の死刑確定
和歌山毒カレー事件、ヒ素鑑定により逆転無罪の可能性が
最高裁は2009年5月、犯人とされる林眞須美被告(51歳)の上告を棄却し、死刑が確定した(現在は再審請求中)。が、ここにきて大ドンデン返しが?2月28日、林死刑囚の弁護団が再審請求補充書を和歌山地裁に提出した。その一文を紹介する。「証拠とされた鑑定のデータを専門家が分析した結果、(林死刑囚宅の)台所から見つかった保存容器内のヒ素と、カレーに混入する際に使ったとされる紙コップ内のヒ素は別物とわかった」
もしこの主張が本当なら、林死刑囚が自宅からヒ素を持ち出し、夏祭り用に用意されたカレーの鍋に投入、住民を無差別に殺そうとしたという検察の主張は崩れてしまう。
そう、つまり林死刑囚に逆転無罪が言い渡される可能性が出てきたのだ。
当時、裁判所が検察の主張を認めたのは、兵庫県にある大型放射光施設「スプリング8」の鑑定結果を採用したからだった。
「スプリング8」はどんな微量の分子構造も分析できる最先端の施設で、その建設費はなんと1100億円!その分析結果が林死刑囚をヒ素混入の犯人と結論づけたのだから、裁判所が信じたのもムリはない。
だが、この分析はかなりずさんなものだった。「スプリング8」のデータを再鑑定した京都大学大学院の河合潤教授(材料工学専攻)が説明する。「2年ほど前、林死刑囚の弁護団から、裁判で証拠採用されたヒ素の鑑定結果を解説してほしいとの依頼があったんです。そこで鑑定データを見ていると、おかしいぞと思う部分がけっこうあったので、昨年3月に批判的に解説したものを論文として発表しました」
すると昨年11月、「スプリング8」を使って鑑定した東京理科大学の中井泉教授がこの論文に大反論することに。
河合教授が続ける。
「名古屋市での学会で反論すると聞いたので、私も会場に駆けつけました。ところが、中井教授の反論は歯切れが悪く、何を言っているのかわからない。そこで逆に私から質問しました。鑑定ではカレー鍋のそばにあった紙コップ内のヒ素、林宅にあった保存容器内のヒ素に加え、近隣家屋などから見つかった別のヒ素5点の計7点が分析されています。紙コップと保存容器内のヒ素が一致し、ほかが違うからこそ、林死刑囚が犯人と断定できたはずです。だから、別の5点(近隣家屋など)と紙コップ内のヒ素はどう違っていたのかとただしたんです。すると、中井教授は『7点とも一緒だった』と答えたのです。会場の参加者も『え~っ!』と、どよめくしかありませんでした」
7点のヒ素がみんな同じなら、ほか5点に関係していた人物にも混入の疑いが残る。これでは林死刑囚を犯人と断定できるはずがない。
驚いた河合教授が分析データを精査してみると、さらに驚きの事実が。
「『スプリング8』で分析したものを調べると、中井教授はスズ、モリブデンなど4つの元素のピークが一致していることをもって、紙コップと保存容器内のヒ素が一致すると結論づけていたんです。バリウム、亜鉛など、別の4つの元素が一致していないにもかかわらずです。特にヒ素は6倍もの誤差があった。要は、一致しない元素があったのに、一致したものだけかいつまんで“同じ”としていたわけです」
出典:和歌山・毒カレー事件、ずさんなヒ素鑑定発覚で逆転無罪に? - 社会 - ニュース|週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト]
林真須美・死刑囚の手紙 「生還したい」
和歌山毒物カレー事件で再審請求をしている林真須美死刑囚(51)の支援者集会が20日、大阪市内で開かれ、「1日も早く死刑囚から生還したい」との手紙が読み上げられた。集会は事件があった7月25日を前に開かれ、約120人が参加した。
弁護団は、別の事件でデータを捏造(ねつぞう)したとして、証拠隠滅罪などで有罪判決を受けた科学捜査研究所の元主任研究員が、カレー事件の捜査に関わっていたと指摘した。
植田豊弁護士は「警察はカレー事件では研究員は捏造していないとしているが、カレー事件は科学捜査が逮捕の決め手だった」と主張。研究員への捜査状況の情報公開を求めていく姿勢を強調した。
確定判決によると、林死刑囚は1998年7月、夏祭り会場のカレー鍋にヒ素を混ぜ、カレーを食べた4人を殺害、63人を急性ヒ素中毒にさせた。2009年5月に最高裁で死刑が確定したが、同年7月、再審請求した。(共同)
弁護を依頼する弁護士宛ての手紙を大阪拘置所が認めなかったのは違法として、和歌山毒物カレー事件の林真須美死刑囚(52)が100万円の国家賠償を求めた訴訟の判決が17日、大阪地裁であった。田中健治裁判長は、訴訟のための手紙は刑事収容施設法が認めているとして、国に5万円を支払うよう命じた。判決によると、林死刑囚は2009年7月に再審請求した。昨年5月、面識のない弁護士(京都弁護士会)に再審請求の弁護団への加入を依頼する手紙を出すことを、収容されている大阪拘置所に申請した。しかし、拘置所は「弁護団を通じて依頼すればよい」として許可しなかった。
田中裁判長は「再審請求のために弁護人を選任することは極めて重要な行為だ。認めなかったのは違法だ」と判断した。
「終わらない事件」の不安
◇小学校、今も給食にカレー出さず和歌山市園部で1998年に起きた毒物カレー事件は25日で、発生から丸15年
になる。カレーに亜ヒ酸を混入し4人を殺害したとして、殺人罪などで死刑が確定
した林真須美死刑囚(52)=再審請求中=は昨年ごろから、裁判で証言した地
元住民らを相手取り、損害賠償を求めて相次いで提訴した。いずれも棄却される
などしたが、住民からは「終わらない事件」に不安の声も上がる。地元の小学校
では今も給食にはカレーを出していない。
地元住民への訴訟は林死刑囚が弁護士をつけず、本人訴訟で争っていた。少な
くとも6件あり、これまでにいずれも棄却されるか、本人が取り下げた。
判決などによると、「1審・和歌山地裁の証人尋問での虚偽の供述、証言によって
死刑判決を受けて確定。肉体的、精神的苦痛を受けた」などとし、数百万~100
0万円の損害賠償を求めていた。大阪地裁に提訴したが、被告側の申し立てで和
歌山地裁へ移送されたケースもあった。
提訴された住民の親族は「何も悪いことはしていないのに、何でこんな目に遭うの
か。警察や検察に協力を求められたから証人として出廷していただけなのに」と憤
る。
事件が起きた夏祭りを主催した園部第14自治会は「命日を静かに過ごしたい」と
いう遺族の意向を受け、事件後営まれていた慰霊祭を2010年から中止した。遺
族宅への弔問も昨年から行っていない。現場近くの県警和歌山東署有功(いさお)
交番で遺族や被害者の支援を続ける県警OBの相談員、丸山勝さん(64)は「遺
族や被害者は表面上は平穏に見えても、悲しみや苦しみは変わらない」と指摘す
る。
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